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第14 回 日本語スピーチ大会 2018 場所:かながわ県民センター 301 号室 開催日:2018 年 11 月 23 日(木) スピーチ草稿集 ■講評 山田光義氏(RKK顧問 元横浜国立大学教授) NPO法人 留学生と語り合う会(RKK) 氏 名 テ ー マ 出身国 斎 晏蔚(サイ エンイ) ホームシックの味 中 国 横浜国立大学 リーファイ 雪への憧れ インドネシア JICA 留学生 慶応大学 【特別ゲスト】 アンドレス チームワークと思いやり コロンビア 交換留学生 横浜国立大学 【特別ゲスト】 ジ ミ ー 持って帰りたい思いやり オーストラリア 交換留学生 横浜国立大学 グエン チュン ギエプ 初めての日本での 1 年半 ベトナム JICA 留学生 慶応大学 グエン ファム グアン ヴォ 日本での就活 ベトナム 横浜国立大学 渠 妍(キョウ ケン) 日本企業に就職して 中 国 卒業生 横浜国立大学

rkk.world.coocan.jp › pdf › 2018_speech.pdf · 第14回 日本語スピーチ大会 2018第14回 日本語スピーチ大会 2018 ... グエン チュン ギエプ 初めての日本での1年半

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第14回 日本語スピーチ大会 2018

場所:かながわ県民センター 301号室

開催日:2018年 11月 23日(木)

スピーチ草稿集

■講評 山田光義氏(RKK顧問 元横浜国立大学教授)

NPO法人 留学生と語り合う会(RKK)

氏 名 テ ー マ 出身国 所 属

斎 晏蔚(サイ エンイ) ホームシックの味 中 国 横浜国立大学

リーファイ 雪への憧れ インドネシア JICA留学生

慶応大学

【特別ゲスト】 アンドレス チームワークと思いやり コロンビア 交換留学生

横浜国立大学

【特別ゲスト】 ジ ミ ー 持って帰りたい思いやり オーストラリア 交換留学生

横浜国立大学

グエン チュン ギエプ 初めての日本での1年半 ベトナム JICA留学生

慶応大学

グエン ファム グアン ヴォ 日本での就活 ベトナム 横浜国立大学

渠 妍(キョウ ケン) 日本企業に就職して 中 国 卒業生

横浜国立大学

ホ ー ム シ ッ ク の 「味」

斎晏蔚(中国出身) 横浜国立大学

皆さん、こんにちは。

私は中国から参りました斎晏蔚と申します。

今は横浜国立大学の環境情報学府で勉強しています。

本日、ホームシックの「味」と題してお話したいと思い

ます。

どうぞよろしくお願いいたします。

人間の限りない欲望の中で、食欲が一番満たされやす

いものと言われています。原始時代の人間たちが食事を

する理由はただ生きていくために必要なエネルギーを獲

得するためだけでした。しかし、現代社会では、“食べる”

という行為はただの生存行為だけではなく、ひとつの文化に発展してきました。それは、人と人の関係をより親密にす

るものとなったのです。

中国五千年の歴史文化の中で、食文化の形成と発展は三千年の間続いてきました。

「王者以民为天 民者以食为天」これは中国の漢書にある孟子の言葉で、日本語に訳すと「王は民を以って天と為し、

民は食を以って天と為す」。つまり、王は人民を最も大切なものとし、人民は食べ物を最も大切なものとする。という

意味です。食を非常に重視する中華民族では、昔、挨拶の変わりに「ご飯は食べましたか」とお互いに声を掛け合いま

した。

今も中国人は食事をしながらの団欒が好きなのです。これはずっと昔からの伝統と深い繋がりがあります。家族の子

供たちが段々大きくなると、進学や就職、又は自分の夢を実現するため、故郷から離れていきます。家族たちが会える

日は一年に数回になります。それは、例えば、春節や端午節句、中秋節の時です。お爺ちゃんやお婆ちゃんは次の節を

楽しみに待っていて、子供たちの好きな料理をたくさん作ってごちそうします。家族みんなが揃って、にぎやかにご飯

を食べるのは家族の年長者にとって本当に一番幸せなことなのです。

中国では、一つ一つの節にそれぞれ関連する食べ物があります。例を挙げると、春節のときは餃子を食べるのが定番

です。なぜかというと、それは中国で旧年から新年に交替するときに“交子”と言います。“交子”と“餃子”は発音

がとても近いのと、餃子の形が昔の中国のお金の形と似ているので、お金が儲かるという縁起のいいイメージがありま

す。餃子を食べることには新年の訪れを祝うのと金運が上がることを願う二つの意味があるのです。また端午の節句に

は粽を食べ、秋の中秋節には月餅を食べます。

私は今年の十月で、日本に来て丁度一年経ちました。初めて日本に来た時は、憧れていたいろいろな日本料理に夢中

になって、例えば、すき焼きとか、ラーメンとか、オムライスとか、天婦羅そばなどのグルメ巡りをしました。そのた

め、3キロくらい太ってしまいました。

日本に来た最初の何ヶ月間は毎日新しい体験をし、別にホームシックにもならず、一日でも早く日本の生活に慣れる

ように充実して過ごしていました。しかし、まさか何より先にホームシックになったのは私の“胃袋”でした。日本料

理もとても美味しいのですが、胃袋が中国で食べていた郷土料理を食べたいと叫びました。

私のお婆ちゃんの得意な料理はスペアリブの煮付けです。ある時、急に食べたくなり、授業がない日にスペアリブと

野菜を買い、記憶の中でお婆ちゃんが作ったように、何時間もかけて、やっと仕上げました。もちろんお婆ちゃんの味

と同じとは言えませんが、一口食べれば、中国の家族との日々を思い出して、達成感と幸福感が溢れました。しかし、

何時間もかかって作った料理は十分もしないで食べ終わってしまいました。気分の高揚とかすかな虚しさをともに味わ

いました。

もし留学生たちに留学時代で何か成長しているのかを聞いてみると、その答えのひとつに必ず「料理を作る」という

スキルがあります。毎日両親から電話が来て、定番は「ご飯食べた?何を食べたの?」という話です。「満腹になると、

ホームシックにならない」という諺があります。一人ぽっちで遠く異国で頑張っている人にとって、郷土料理はストレ

スや疲れを解消する良薬と言っても決して過言ではありません。

家族と離れ一人で取る食事、時々寂しいと思いますが、この寂しさも私を異国で成長させてくれる糧の一つだと思い

ます。

でもいつも一人ではなく同期生の皆さんや、先日は親戚のお姉さん夫婦や友人がきて、にぎやかに楽しく食事をしま

した。この一年間で三回帰国して、家族と食事をしました。改めて家族や友人の大切さを感じました。この日本でも食

事と人間関係を大切にして勉学に励み充実した生活を送っていきたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いい

たします。

本日はご清聴ありがとうございました。

ゆき

へ の 憧れ

あこが

リーファイ(インドネシア出身) JICA留学生 慶応大学

皆さんみな

こんにちは,私わたし

はリーファイと申しますもう

。インド

ネシアの出身しゅっしん

です。約やく

二年前にねんまえ

に日本にほん

に来ましたきました

。現在げんざい

慶応けいおう

大学だいがく

の研究生けんきゅうせい

として,機械きかい

工学こうがく

を学んでまな

いま

す。今日きょう

は,日本にほん

で初めてはじ

経験けいけん

したとても不思議ふしぎ

な雪ゆき

ついてお話おはなし

をしたいと思いますおも

私わたし

はインドネシアのジャワ島とう

のジョグジャカルタ市し

で育ちましたそだ

。ジョグジャカルタは,ジャワ島とう

西部せいぶ

の首都しゅと

ジャ

カルタから約やく

五百ごひゃく

キロメートル東ひがし

に位置いち

しています。 ここはインドネシアの古都こと

と呼ばれよ

,日本にほん

に例えるたと

京都きょうと

のような歴史れきし

ある町まち

ですが,人口じんこう

約やく

四十万人よんじゅうまんにん

の小さくちい

,静かしず

なところです。また,約やく

南緯なんい

八はち

度ど

と赤道せきどう

近くちか

,最さい

高気温こうきおん

は一年中いちねんじゅう

三十度さんじゅうど

近いちか

熱帯ねったい

の地ち

です。 インドネシアというとバリ島とう

を連想れんそう

されると思いますおも

が,ジョグジャカルタも素敵すてき

なところです。 皆さんみな

,一度いちど

訪れておとず

みては如何いかが

でしょうか?

南国なんごく

育ちそだ

の私わたし

は,日本にほん

に来るく

まで雪ゆき

を見たみ

ことがありませんでした。 二年前にねんまえ

に日本にほん

へ留学りゅうがく

することになっ

た時とき

は,憧れあこが

の雪ゆき

を見るみ

ことが出来で き

ると興奮こうふん

したことを今いま

でも忘れわす

ることができません。

昨年さくねん

の冬休みふゆやすみ

のある日ひ

,私わたし

は熱帯ねったい

出 身しゅっしん

の友人ゆうじん

達たち

と雪ゆき

を見み

るため電車でんしゃ

で日光にっこう

へ出で

かけました。

電車でんしゃ

が日光にっこう

に近づくちか

と小さなちい

雪ゆき

の 塊かたまり

が車窓しゃそう

から見み

えました。 それで,私 達わたしたち

は一斉いっせい

にその雪ゆき

を見み

て歓声かんせい

を上あ

げてしまいました。 日光にっこう

では有名ゆうめい

な日光にっこう

東 照 宮とうしょうぐう

,明智あけち

平だいら

高原こうげん

,中禅寺ちゅうぜんじ

湖こ

,華厳けごん

の滝たき

や戦場ヶ原せんじょうがはら

及およ

び湯元ゆもと

温泉おんせん

を 訪おとず

れました。 そこの木々き ぎ

や建物たてもの

,高原こうげん

そして,山々やまやま

及およ

び 湖みずうみ

などの何なに

もかもが白しろ

の絵具えのぐ

で描か

れた絵え

を見み

ているようなとても不思議ふ し ぎ

な世界せかい

でした。 また,そこは零度れいど

以下いか

で湖みずうみ

が凍こお

っていて,南国なんごく

出 身しゅっしん

私 達わたしたち

にとってはとても寒かったさむ

のですが,それを忘れさせてわす

くれるとても魅惑的みわくてき

な光景こうけい

でもありました。 このこ

とは,一 生いっしょう

忘れるわす

ことのできない素晴す ば

らしい経験けいけん

となりました。

私わたし

は,次つぎ

の冬ふゆ

も素晴らしいすば

雪景色ゆきげしき

を見るみ

ために再びふたた

日光にっこう

を訪れたいおとず

と思っておも

います。 多くおお

の人々ひとびと

にとっての

お気に入りおきにい

の季節きせつ

は春はる

か秋あき

ではないでしょうか。 しかし,私達わたしたち

にとっては,日本にほん

の冬ふゆ

が特別とくべつ

な季節きせつ

です。

以上いじょう

で私わたし

のスピーチを終わりますお

。 ご清聴せいちょう

ありがとうございました。

チ ー ム ワ ー ク と 思 い や り

フェリペ(コロンビア) 交換留学生 横浜国立大学

みなさん、おはようございます。

私は横浜国立大学の留学生です。コロンビアから来ま

した。みなさんはコロンビアをご存じですか。コロンビ

アは南米にあります。エメラルドマウンテンをはじめと

するコーヒーや、サッカーが有名です。

私の留学期間は 1 年なので、来年コロンビアへ帰らな

ければなりません。それで最近コロンビアと日本の考え

方を比べて、日本からコロンビアにどんな考え方を持って帰りたいか考えました。

ある時、コロンビアで有名な評論家ひょうろんか

は「一人のコロンビア人は一人の日本人より、頭がいいけど、二人の日本人は

二人のコロンビア人より頭がいい」と言いました。ですから、私が日本から持って帰りたいことはチームワークとおも

てなしの心です。

まず、チームワークです。コロンビア人はチームワークをすることができますが、自分を中 心ちゅうしん

に考える人が多いで

す。それぞれ自分の興味のために働いています。日本人は みんなとともに同じ目的を達成たっせい

するために働いています

から、国は大きくなくても、自然資源しぜんしげん

があまりなくても、発展はってん

した国になっています。今年の夏に行われたサッカー

ワールドカップを思い出してください。日本のチームはチームワークの良さで、ベスト16に入りました。

次に「おもてなし」の心です。「おもてなし」の考え方は英語に翻訳すると、「hospitality」ですが、ニュアンスは

ちょっと違うと思います。日本ではお客様に親切な行動をするだけではなく、いつもお客様のことを考えて気を使って

います。それに対して、コロンビアでは気遣づか

いができない人が多いと思います。人々は、イライラしながら接 客せっきゃく

して

います。お客様の心を尊 重そんちょう

していません。だから、おもてなしの心の考え方が必要だと思います。

こうしたことから、日本からチームワークとおもてなしの心の考え方を持って帰るのがいいと思います。

聞いてくださって、ありがとうございます。

日 本 か ら 持 っ て 帰 り た い 習 慣

フェントン・ジェームズ(オーストラリア) 交換留学生 横浜国立大学

みなさん、おはようございます。今日は私が日本からオ

ーストラリアに持って帰りたい習慣についてお話しした

いと思います。

私が日本から持って帰りたい習慣は「思いやり」、つま

り相手への尊敬を大切にする考え方です。なぜなら、オ

ーストラリア人は一般的いっぱんてき

に優しくて親切ですけれど

時々他人のことを考えないことがあるからです。例えば、

オーストラリアでは電車を降お

りる人が降りている間に外の人は電車に乗り始めます。そんなとき、日本人は降りる人が

全部降りるのを待って、電車に乗るのが習慣になっているようです。その上、日本では、ホームで列れつ

を作って、並なら

で電車を待ちます。それらはとてもいい習慣だと思います。

朝、日本の電車はすごく混んでいるのに、静かです。オーストラリアでは混んでいない電車でさえよくうるさい人の

声が聞こえます。電話をしたり、スピーカーから音楽を聞いたり、大声おおごえ

で話したりする人がいっぱいいます。日本の

電車では電話をする人はめったに見ないから、日本人にとっておそらくスピーカーから音楽を聞くなんて信じられない

ことでしょう。

シドニーではうるさい人の声を聞きたくない人向けの静かな車 両しゃりょう

があります。と言っても、時々その車 両しゃりょう

でも

うるさい人が集まる場合もあります。日本では特別の静かな車両がありませんけれど、全部の車両は静かな車両なの

ではないでしょうか。

日本人は正 直しょうじき

な人々だと思います。先月私の友達は夜に道で携帯電話を落としてしまいました。次の週に誰かが届とど

けてくれたので交番こうばん

から連絡れんらく

がありました。おそらくオーストラリアでその場合に盗ぬす

まれてしまって、電話は戻もど

てこないと思います。The Telegraphというサイトによると日本では忘れ物の携帯電話のうち75%は持ち主もちぬし

に戻もど

るそ

うです。多分日本人は良 心りょうしん

に 従したが

って正しい 行おこな

いをするのだろうと思います。

2年前、日本への初めての旅行でした。二月でしたから、札幌の雪祭りに行くため、北海道へ行きました。私はオー

ストラリア人ですから、雪に慣れていませんでした。タクシに乗らずに、雪の中を大きくて重い荷物を引いてホテルへ

向かいました。

苦しかったですが、そんなとき、知らないお母さんと子どもたちが手伝ってくれました。子供は引いていたそりに私の

荷物を置いて、一緒にホテルまで歩いてくれました。それは私の日本の印象でした。日本で旅行するたびに、それと同

じような経験があるため、思いやりは日本人らしい習慣だと思います。

オーストラリアへ帰って、そんな日本のような習慣を広めたいです。聞いてくれてありがとうございます。

初 め て の 日 本 で の 1 年 半

グエン チュン ギエプ(ベトナム出身)慶応大学大学院機械工学博士課程

私は留学生です。ベトナムから来ました。日本に来て

1年半になります。慶応大学大学院機械工学博士課程で研

究をしています。

初めて日本に来たとき 4 月でした。又、桜を見たのはそ

の時が初めてでした。

日本は本当に美しいと思います。至る所で小さな桜の花

びらの淡いピンクが見られます。

それらは伝統的な着物を着た可愛い小柄な日本女性のよ

うです。

又、この時の気候は本当に理想的なものでした。ほんの

少し冷たくも心地よいものでした。又、ジャイカスタッ

フの非常に暖かい歓迎を受けました。彼らは私に沢山の気配りをし、親切にしてくれました。

彼らは遠い国から訪れた外国人の来日時の不安を忘れさせてくれました。彼らの親切なサポートのおかげで私の日本で

の素晴らしい学生生活が始まりました。

私の研究活動はその 1週間後に始まりました。私はクラスに属していません。博士課程の学生は単独で実験室で研究

します。私の活動は本当にきついです。時にはストレスとなります。2週間ごとに教授に対して発表する必要がありま

す。彼は注意深くそして厳密に私の研究の進捗をチェックします。それは私がマレーシアで修士課程の勉強をしていた

時のものとは大きく異なっていました。マレーシアの教授は私が相談したいときは何時でも会ってくれました。私は

各々の研究様式に長所、短所があると思います。

幸いなことに 1年半経過した今、私は自分の研究において非常に良い成果を収め、沢山の知識も得ました。

外国人の日本における最大の問題は言語の壁です。日本人は英語を話すのに恥ずかしがります。この問題はベトナム

人も全く似通っています。ベトナムでは中学・高校で英語を学びますが、自信を持って英語を話せる人はそれほど多く

ありません。日本語を話せないと日本での意思疎通に多大な制約があります。それで RKKの日本語クラスに入ることに

しました。私は非常に親切な日本語の先生と勉強しています。彼は遠くから毎週日曜日教えに来てくれます。しかしな

がら私の日本語の進歩は非常にゆっくりです。というのは私の研究活動が非常に忙しいからです。しかし、しっかり話

せる日がくることを目指してます。

1年半の間に日本で沢山の思い出に残る経験をしました。今は電車に正しく乗れますが、これまで随分沢山迷いまし

た。私は日本の四季を全て過ごしました。

私は鎌倉、江ノ島、御嶽山、日光など有名な場所へ多くの興味深い旅行をしました。

それぞれの旅行は非常に楽しく思い出深いものでした。とりわけ、日本の花火を見る機会が沢山ありました。それらは

本当に大きな光の宴です。日本人は花火が本当に好きだと思います。

日本では非常に多くの花火大会があります。どの大会も非常に混雑します。

しかし日本の花火はいつも美しく大規模なので見に行く価値があります。

近いうちに、私は有名な文化都市京都のような更に美しい場所へ旅行したいです。

私は日本の伝統芸術、特に盆栽についてもっと学びたいと思っています。

盆栽の木々の美しさはいつも私を魅了します。

最後になりますが、私は日本語を自信満々で話せる日がくるように勉強することを忘れません。

RKKグループさんのご支援に感謝いたします。

以上

日 本 で の 就 職

グェン ファム ワン ヴォー(ベトナム出身)横浜国大学

皆さん,おはようございます。横浜国立大学のヴォーと

申します。ベトナムからまいりました。来日してから 6

年目になります。 最初の 2 年間は修士のプログラムを,

そして,次の 3 年間は博士論文の勉強をし、幸い、今年

の 9 月無事卒業できました。大学院はで英語で研究した

り、論文を書いたり,発表したりしましたが、日本で働

きたいため、日本語も積極的に勉強し続け、去年の 7月、

日本語能力試験 N2 をギリギリで合格しました。そして,

今年の 5 月には安藤ハザマというゼネコンに合格するこ

とができました。

今回は日本ならではの就職活動について、自分自身の経験を皆さんとシェアしたいと思います。私は留学生として英語

で博士まで勉強して来た為、日本での就活について二つの悩みがありました。一つ目は日本語のレベルです。日本語能

力試験 N2には合格しましたが、英語で勉強してきた私は日本語で勉強した他の留学生に比べると、そのレベルは低く、

仕事をする上では十分とは言えないと言う事です。二つ目は博士課程まで勉強したことです。なぜかというと、博士課

程卒は、初任給が高く、又年齢も高く、それに加え、その歳まで実際の建築業界での経験も全く無く,本当にその給与

を支払う価値があるのか?と考えている会社も多いからです。

今日は自分の日本語のレベルの悩みについて話したいと思います。ある A社で 2回も会社説明会に参加しました。その

上,見学会やインターシップにも 2年間続いて参加しました。それだけではなく会社説明会や見学が終わった後、飲み

会にも誘われました。見学のための新幹線の切符も会社が支払ってくれました。もちろん、飲み会代も学生達は無料で

した。先輩の方ともたくさんの話をしました。まるで日本語は得意ではない留学生も積極的に採用するように見えまし

た。要するにその会社は私に多くのお金を使い、私も結構な時間を使って会社のエベントに積極的に参加しました。し

かしながら,面接で面接官は主に私の日本語レベルについてのみ、「いじめでは?」と思われる程質問してきました。

例えば,「どのくらい時間をかけてエントリシートを書きましたか?」 「ミスがありますが何のミスかわかりますか?」

「提出書類を日本人に確認しましたか? 」「仕事をする際に日本語に心配はありますか? 」「専門能力はともかく,

私はあなたの日本語能力を心配している」などです。

その時私は心の中で、「英語で勉強してきた私は日本語のミスは当然ではないか」と聞き返したかったのです。私の正

しい日本語能力を受け入れて頂ける会社に採用して頂きたかったからこそ、書類を日本人にきちんと書き直して欲しく

無かったのです。

結局この面接には失敗しました。私が一番努力し、研究した会社に不合格だったので非常にショックでした。 裏切ら

れたように感じました 。

この失敗から学んだ事は受験する会社とのマッチングの大切さです。

例えば能力があっても、もし受験する会社に海外での仕事があまりなく、あるいは今はあっても,将来その計画が無け

れば、日本語が不得意な海外留学生をあえて採用する必要性は低く、採用されない可能性が高いからです。だからこそ,

どこの会社が外国人を積極的に募集しているかが分かるような情報を集めることが大切です。私の場合は同じ分野の会

社で働く友人留学生から情報を取得したり、あるいは外国人就活をサポートしている会社のサイトに登録し、外国人を

積極的に採用する意思のある会社を紹介して頂きました。

英語で勉強する留学生にとって日本での就活は非常に大変だということが分かりました。しかし、せっかく日本で勉強

したので、日本で就活をしてみたかったです。今まではお金を払って勉強する立場ですから、お客さんとしてサービス

をもらう立場にいました。従って先生方もさほど厳しくなく、ストレスはあまりたまりませんでした。しかし社会に出

れば立場は逆転し、もっと勉強できると考えました。例えばアルバイトも一つのやり方ですが、より深く日本での経験

を積むためには、就職面接を受け、日本の会社に就職し、日本で生活する事だと思いました。

またこの機会を利用して、自分の日本語能力、専門能力がどの程度身についているかの判断もある程度出来ると思いま

した。採用決定から入社迄に1年間位の期間がありましたので、その間自分の足りない知識を再確認し、もっと勉強し

ておこうと思い、今も続けています。就活の準備をする事で、自分の将来を、そして今後やりたい事を、働きたい会社

をじっくり考える良い機会をもらえました。

せっかく来日し、日本で勉強しているのですから、皆さんも是非就活をしてみてください。きっと勉強になることが山

ほどあるはずです。

ここで発表を終わりたいと思います.ご清聴ありがとうございました。

日 本 企 業 に 就 職 し て

渠 妍 (中国出身) 横浜国立大学/マックスバリュ東海株式会社

皆さんこんにちは。私はきょけんと申します。中国出身で

す。素晴らしい大会に参加させていただき,ありがとうご

ざいます。本日は日本で就職してからの 4 年間の感想につ

いてお話をしたいと思います。

まずは,私の状況について簡単に紹介させていただきま

す。2010 年,中国の大学を卒業して,旅行会社の日本部に

入りました。仕事を通じて,日本語能力も専門知識も足り

ないと認識して,留学を決めました。2013 年,横浜国立大

学国際社会科学府に入学して,2014 年から就職活動を始め

ました。専攻はマーケティングですので,一番お客様に近い流通業界を中心に仕事を探しました。ちょうとその時,RKK

の石村先生に出会って,エントリーシートの書き方からビジネスマナーまで,色々お教えいただきました。石村先生の

おかげで,無事に就職できました。

次に,現在どのような仕事をしているかについて説明いたします。私はイオングループ傘下の食品スーパーに勤めて

います。印象深かったのは,入社式と入社研修が 2回体験したことです。まずは,弊社の入社式と入社研修を受けまし

た。研修は 1週間の合宿で,軍事訓練やサバイバルゲームのような訓練でした。チームに分かれて,山の中で紙の地図

を使うだけで宝を探すというような形式な訓練が行われ,チームワークを築けるような訓練でした。2回目はイオング

ループの合同入社式と研修でした。グループの 58社,2200名の新入社員がイオンタワーに集まり,三日間の研修を受

けました。会社の枠を越えてチームワークを作り,将来イオンのありかたを想定することをテーマにしたものです。と

いうことで,チームワークがますますうまくいき,各地からのグループ他社の仲間を作ることができて,とてもいい思

い出になりました。

2015 年入社してから今年 3 月まで,農産部に所属して,店舗で働いていました。一年目はチーフの指示に従って,

商品を店に出す,野菜とフルーツのカットの仕込みから始めました。そのとき,野菜とフルーツの日本での名前さえ知

らなかった私にとって,大変でした。例えば,きのこだけでも,ぶなしめじ,まいたけ,エリンギ,えのき,ブナピー,

しいたけなど,様々な種類があります。名前を覚えるために,植物図鑑を買ってきて,毎晩覚えました。商品の名前,

調理の仕方,仕事の流れ,接客のルールなどゼロから勉強しなければなりませんでした。アルバイトのような仕事をし

ていて,理想と現実の落差も深く感じていました。辛くて悩んでいるうちに,2年目を向かえました。異動に伴い,新

しい上司のもとで働くことになりました。そのときから発注,棚卸,データ分析,レイアウト作成など,もっと深い業

務をやらせていただいて,かなり仕事ができるようになり,仕事のやりがいと達成感も感じるようになりました。3年

目から,ある小型店の農産部門のチーフになりました。部門責任者として,売場作り,部下管理,ロス削減,数字コン

トロールなど業務に関する仕事をしなければならない一方,売上不振,人手不足などの問題の対策も考えなければなら

なかったのです。もともとはスーパーの仕事とは誰でもできるという偏見を持っていました。しかし,そのときから,

商売の難しさ,面白さを深く感じるようになって,十分工夫をしないと絶対うまくいかないということもわかってきま

した。今年 3月から,今現在の営業企画部に配属されています。デジタル販促担当として,アプリケーションをこれか

ら始めるように準備段階の仕事をしています。

そして,仕事の個人的な感想についてお話をしたいと思います。私の体験したことから感じたことは2つあります。

1つ目は日本と中国の職場の一番違うところは人間関係だと思います。中国の職場は非常に人間関係が複雑で,仕事そ

のものよりも大変だと思います。日本の職場は比較的に難しくなく,自分の仕事ができればいいというふうに感じてい

ます。二つ目は日本企業は昔からの年功序列制が大部変わったと言われていますが,まだ深く影響を受けていると感じ

ています。弊社を例として,昇進と昇格について,毎年社内試験があり,合格者は面接を受けて,両方合格できれば,

一等級を上げるという制度です。つまり将来どれくらいの収入と等級になれるのかがある程度予測できると思います。

中国の多数の企業は,能力だけではなくほかの要素の影響もあり,大幅に収入をアップさせたり,役職を上げたりする

ことが普通に行われていると思います。日本の企業と中国の企業のありかたがかなり違うと感じています。

私自身は最初に大変でしたが,今は仕事によってかなり成長できたと思います。

最後に,その場をお借りして,ずっと暖かくご支援頂く石村先生と全力的に留学生を支える RKKの先生の皆様に,深

く感謝を申し上げます。

以上です。ご清聴ありがとうございました。

講 評

山田光義氏(RKK顧問、元横浜国立大学教授)

スピーカーの皆さん、ご苦労様、お疲れさまでした。

先ず、サイ エンイさんは非常に見事な日本語のスピーチだったと

思います。ホームシックの味というテーマでどういう角度からホー

ムシックをお話しになるのかなと思っていたのですけれども、文字

通り料理、食べる事、そのことからホームシックの事をお話しされ、

聞いているだけでも食欲がでるようないいお話しだったと思いま

す。食が結ぶ家族愛といいますか、食事というものは人間関係を円

滑に形作る非常に大事な要素であるとして餃子とか、ちまき、月餅

などについて話されました。サイさんは日本食に対しても非常に好感を持っておられて、日本食がおいしかったと、3

キロ太ったと言っておられましたけれども、いま拝見すると、とても 3キロ太ったとは思えないようなスラリとした見

事な体型をしておられると思います。食が結ぶ家族愛というのは非常に大切なのですが、私は最近の日本で心配なのは

日本の若者の食生活というのは劣化しているのではないかということです。ファストフードで間に合わせたり、スマホ

片手に何かを食べるというふうに食というものを大切にしないということは日本の未来にとって非常に心配なので、私

は日本の若者も今のサイ エンイさんにならって食事というものに対してもっともっと関心をもってもらいたいなと思

いました。

次に 2 番目のリーファイさんですが、JICA で通常は英語を使っているということですけれども、立派なスピーチをし

て下さいました。英語で普段講義を受けながら、なおかつこれだけのスピーチができる、これはやはり RKKのチュータ

ーの方の貴重な援助というか貢献があってのことだろうと思います。リーファイさんは予め原稿を作ってそれをテーブ

ルの上に置いておられましたけれども、見ている限り原稿に頼ることなく、見事にスピーチをおやりになったと思いま

す。英語で普段研究を続けていて日本語で内容のある話をするというのは大変プレッシャーのある、難しいことだった

んだろうと思いますけれども、敢えてそのプレッシャーに抵抗して人前で話す、そういう機会を生かすということがリ

ーファイさんの日本語能力を一歩前に進めることになるんだろうと思います。これからも大変だと思いますけれども、

人前で日本語を話すというチャンスを作られるようにお勧めしておきたいと思います。

3番目のアンドレスさんと 4番目のジミーさん、二人とも交換留学生なんですが、期せずして「思いやり」というのを

テーマに選んでおられます。日本人の思いやりということで日本人をたたえると言いますか、褒めてくださったわけで

すね。外国人というのは言ってみれば日本人を映す鏡だろうと思うんですね。その鏡にはいい点が映る、これは非常に

有難いことなんですが、同時に日本人の悪い点というのも沢山あるんだろうと思うんです。外国人という鏡に映った日

本人の悪い点も指摘して頂くことが必要なんだろうと思います。ひとつだけ日本語の技術的な点につて言うと、アンド

レスさんの“チームワーク”が“チームウォーク”と聞こえるんですね。それは英語の発音で言えば“ウォーク”とい

うのは正しいのかも知れないが、“チームワーク”というふうに発音しないと聞いていてなかなか分からないんじゃな

いかとふうに思います。日本語が何が難しいかと外国人に聞くと、カタカナ言葉が非常に難しいというのですね。日本

語は非常に融通無礙な言葉と言えますけれども、盛んに外国語を取り入れるために最近の日本語では外来語が氾濫して

いるわけですね。

「思いやり」というのを二人とも指摘しておられましたけれども、ジミーさんで非常に興味深かったのは、電車の中の

話なのですね、日本は非常に静かではないかと。私は初めて聞いて驚いたのは、オーストラリアには「静かな車両」と

いうのがあるのですね。日本ではこれは考えられない。しかし、日本では女性専用車というのがあるのですね。これは

オーストラリアにもありますか?(会場から「ありません」の声)もう一つ日本のいいところで、なくしたケータイが

返ってきたという話がありますが、残念ながら日本の社会も変わりつつあって、最近「ケータイを落としただけなのに」

という映画が上映されていて、ケータイを落としただけで大変な災難を受けるという映画もあるわけで、古来の日本的

な美徳というのも薄れつつあるのかなという気がします。

お二人から指摘して頂いた「思いやり」というのはこれからも維持していきたいし、また外国人に対しても「思いやり」

を大いに発揮したいと思っています。

グエン チュン ギエプさんは JICA の留学生なんですが、私はギエプさん大変だったと思いますね。一生懸命に日本語

でスピーチをされる有様が伝わってきまして、本当に心からご苦労様と敬意を表します。研究を英語でやるという流れ

は押しとどめられないだろうと思いますけれども、せっかく日本に来て、日本で生活している以上、日本人と日本の社

会に対する理解を深めるには日本語の知識は不可欠だと思いますね。言葉とその国民性と言いますか、その国の精神性

というのは非常に深く結びついているものですから、日本人の本質を理解するうえで日本語の習得というのは欠かせな

いものではないか。ギエプさんは一年半、沢山の知識を得たと言っておられます。日本人は英語で話すのを恥ずかしが

る、だから日本語が話せないと日本人と十分な意思の疎通といいますか、理解を深めることができない、そういう風に

ギエプさん自体も認識しておられる訳です。日本語の重要性を認識しているわけですから、ギエプさんの日本での滞在

がより一層実りあるものになるように、更に挑戦しておられると思います。日本語の勉強も、親切なチューターさんも

おられるわけですから、一生懸命に勉強を進めていかれるようにお願いします。

次のヴォさんは日本でのドクターコースを修了してめでたく日本の会社に就職することができました。就職活動をする

過程を正直に細かくお話しして下さいました。ある会社に普段から接触していて、そことの飲み会とかいろんなお付き

合いをしておられた、そのための費用なんかも全部向こうが出してくれている、その会社も自分に対してそこそこの金

銭的な投資をしていたんじゃないか、じゃそこに就職できるんではないかと思った、その土壇場の面接で意地悪とも思

えるくらいの、いじめに近いような面接があったというんですね。細かな間違いを指摘してそのことを責める、日本で

はそういうのを“重箱の隅を突っつくような”と言うんですね。私はこの会社はそうすることによってヴォさんという

非常に有能な人材を失ったのかもしれない、そう思います。留学生が日本での勉強を終えると、日本で就職しよう、日

本にもっと留まろうという人がどんどん増えて、人材不足、人手不足の日本にとってそれはまことに歓迎すべきことな

んですね。エントリーシートの書き方も親切に教えてくれたというふうに、就職支援という面で RKKの皆さんのご援助、

活躍の場がこれから一層増えるんじゃないかと思います。ヴォさんは日本の会社に就職が決まりました。ヴォさんにお

めでとうと言いたいし、是非日本で幸せな暮らしを続けて欲しいと思います。

最後のキョウさんはチューターの方が言っておられましたけれども、日本人より日本人らしい中国人です。キョウさん

の中に昭和の日本人のイメージをみると言っておられました。キョウさんはこのフェスティバルでお話しするために、

わざわざ三島から来てくださったんですね。「ありがとう」と今朝言いましたら、「いや RKKの人やチューターの人にあ

れだけお世話になったのだからその恩返しに当然ですよ」と言っておられました。職場での社内研修の話、仕事に習熟

してゆく過程を話され、例えばキノコのいろんな種類を図鑑を手元に置いて夜、勉強したなどという本当に真面目な態

度に私は感心してしまいました。キョウさんがこの会社にとって欠かせない大事な人材に育っているということが良く

わかりました。いま営業企画部という非常に枢要な部分におられます。中国人のキョウさんから見て、中国と日本の人

間関係の違い、あるいは人事考課の違いというような話がありまして、例えば人間関係については中国の方がもっと大

変なんだと、日本はそれ程でないと。それから人事考課が今の会社は非常にガラス張りで、やっただけのことが報われ

ということで非常にいい会社だと思います。結論としては、キョウさんは仕事を通じて一段と成長しておられるという

感じがしました。起承転結というのがありますが、スピーチをチューターの方や RKKへの感謝という言葉で結んだとい

うのも見事な構成だったと思います。キョウさんの見事な日本語と、素晴らし内容のスピーチを聞くことができてあり

がとうございました。

今日のスピーカーの皆さんに本当にお礼を申し上げます。ありがとうございます。

私たちは:

留学生が留学を終了したとき、振り返って、日本に来てよかったと回想しても

らえるよう、できる範囲で留学生を支援します。このことにより、親日家が増

えることを期待します。

私たちのモットーは:

みんなで

少しずつ会の

運営に参加しながら

留学生がハッピーになるよう

できる範囲で

楽しくやることです。

NPO法人 留学生と語り合う会 (RKK)

Ryugakusei to Katariau Kai(RKK)

Relationship and Kindness are the Kings of Peace

Friendship Association for International Students

and Japanese Volunteers