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Technical white paper – SAP on VMware vSphere 5 導入ガイド

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著者富士通株式会社富士通-SAP コンピテンスセンター河原哲也 (Tetsuya Kawahara) Mail-to: [email protected] ヴイエムウェア株式会社テクノロジーアライアンス部長森田徹治 (Tetsuji Morita) Mail-to: [email protected]

Technical white paper SAP on VMware vSphere 5 導入ガイド

富士通株式会社ヴイエムウェア株式会社

2012年 4月

Version 1.0

コンテンツ

はじめに

第 1章. サポートプラットフォーム

第 2章. パフォーマンスとサイジング

第 3章. SAP on VMware vSphere 5推奨設定

第 4章. 高可用性

第 5章. VMware vSphereの留意事項

参考文献

mailto:[email protected]



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著作権、免責事項と商標について本文書の著作権は、富士通株式会社およびヴイエムウェア株式会社に帰属します。富士通株式会社およびヴイエムウェア株式

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ないものとします。富士通株式会社およびヴイエムウェア株式会社は、本文書に関し、その内容の正確性、妥当性を含め、いか

なる保証も明示たると黙示たるとを問わず、一切いたしません。富士通株式会社およびヴイエムウェア株式会社は、本文書に記載された製品の仕様ならびに動作を、お客様への予告なく変更

する場合があります。 VMware、VMwareロゴ、VMware vSphere ESXi、vSphere HA、vSphere FT、vSphere vStorage Thin Provisioning、VMware vSphere vMotion、vSphere DRS、vSphere DPM、vSphere vNetwork Distributed Switch、 vSphere Network I/O Control、vSphere Storage I/O Control 、vSphere Storage DRS、Host Profiles、vSphere Auto Deploy、vCenter Orchestrator、vCenter Server、VMware vSphereはVMware, Incの米国およびその他の国における登録商標または商標です。 Microsoft、Windows、Windows NT、Windows Server、SQL Serverは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標です。 Linux は、米国およびその他の国々における Linus Torvalds の登録商標です。 Red Hat、RPMおよび Red Hatをベースとしたすべての商標とロゴは、Red Hat, Inc.の米国およびその他の国における登録商標あるいは商標です。 Oracle および Java は、Oracle および関連会社の登録商標です。 DB2 は、IBM Corporation の商標または登録商標です。 SAP、R/3、SAP NetWeaver、Duet、PartnerEdge、ByDesign、SAP BusinessObjects Explorer、StreamWork、および本文書に記載されたその他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴは、ドイツおよびその他の国々における SAP AG の商標または登録商標です。 Business Objects および Business Objects ロゴ、BusinessObjects、Crystal Reports、Crystal Decisions、Web Intelligence、Xcelsius、および本文書で引用されているその他の Business Objects 製品およびサービス、ならびにそれぞれのロゴも含めて、Business Objects Software Ltd. の商標または登録商標です。Business Objects は SAP の子会社です。 Sybase および Adaptive Server、iAnywhere、Sybase 365、SQL Anywhere、および本文書で引用されている Sybase 製品およびサービス、ならびにそれぞれのロゴも含めて、Sybase, Inc. の商標または登録商標です。Sybase は SAP の子会社です。本文書に記載されている会社名、製品名、名称等は、すべて各社の商標または登録商標です。本文書に記載されているシステ

ム名、製品名等には、必ずしも商標表示（（R）、（TM））を付記していません。




目次著作権、免責事項と商標について 2

目次 3

はじめに 4

第 1章．サポートプラットフォーム 5

1-1. ハードウェア 5 1-2. ゲスト OS 6

1-2-1. Windows 6 1-2-2. Linux 6

1-3. データベース 7 1-3-1. SQL Server 7 1-3-2. Oracle 7 1-3-3. DB2 7 1-3-4. MaxDB 7

1-4. SAPアプリケーション 8 1-4-1. SAP社の仮想環境全般に対するサポート方針 8 1-4-2. サポートされる SAP NetWeaverのバージョン 8

【参考】 VMware vSphere環境でのサポート動作環境まとめ 9 第 2章．パフォーマンスとサイジング 10

2-1. SAP標準アプリケーションベンチマーク結果 10 2-1-1. VMware vSphere 5のオーバーヘッド 10 2-1-2. VMware vSphere 5での性能向上 11

2-2. サーバサイジング 11 第 3章．SAP on VMware vSphere 5推奨設定 12

3-1. ハードウェア 12 3-1-1. ストレージレイアウト 12 3-1-2. ネットワークレイアウト 14 3-1-3. サーバ関連 15

3-2. ホストにおける仮想化拡張監視の有効化 16 3-3. 仮想マシン 17

3-3-1. 仮想ディスク 17 3-3-2. 仮想 NUMA設定 18

3-4. ゲスト OS 19 3-4-1. VMware Toolsのインストール 19 3-4-2. ネットワーク 21 3-4-3. 時刻同期 22 3-4-4. 仮想化拡張監視の有効化 23 3-4-5. Linux カーネルパラメータ 23

3-5. データベース 24 3-5-1. SQL Server 24 3-5-2. その他のデータベース 24

3-6. SAPアプリケーション 25 3-6-1. SAPプロファイルパラメータ 25 3-6-2. 仮想化拡張監視に必要な SAPバージョンレベル 27

第 4章．高可用性 28

4-1. VMware vSphere HA(High Availability) 28 4-2. VMware vSphere FT(Fault Tolerance) 29 4-3. Symantec ApplicationHA 29 4-4. ゲスト OS クラスタリング 30 4-5. 災害対策 VMware vCenter Site Recovery Manager 31

第 5章．VMware vSphereの留意事項 32

参考文献 33

SAP ノート 33 Webサイト 33 ドキュメント 33

問合せ先 34




はじめに VMware vSphereは IT インフラストラクチャに従来にない高い柔軟性と信頼性をもたらし、さらに運用負荷を軽減できる仮想化プラットフォームとして、10年以上の歴史を持ち、世界中で 25万社以上のお客様が利用しています。仮想化技術の性能向上に伴い、SAPシステムをはじめとした基幹系アプリケーション分野における利用も増えています(図 1)。

図 1. 基幹系アプリケーションの仮想化適応率 2010-2011 Source: VMware customer survey, Jan 2010 and April 2011 interim results

富士通-SAPコンピテンスセンターに寄せられるサイジング依頼の傾向を見ても、現在では半数以上のお客様が SAPプラットフォームの基盤として VMware vSphereを選定対象にしており(図 2)、本稼働環境まで含めた仮想化を検討されるお客様も年々増加している(図 3)ことが分かります。図 2. 富士通の SAPプラットフォーム商談に占める図 3. SAP on VMware vSphere案件で本稼働環境を含む割合 VMware vSphere案件の割合

富士通とヴイエムウェアは、これから SAPシステムの仮想化を検討されるお客様が安心してご採用頂けるよう、共同検証結果や多くの導入実績にもとづくベストプラクティスとして「SAP on VMware vSphere 5 導入ガイド」を作成いたしました。本文書では VMware vSphere環境上に SAPシステムを導入するために必要となる手順や考慮すべき技術情報について言及します。対象読者は VMware vSphereの基本知識を持った SAP BASIS担当者です。なお、2012年 3月時点での情報をもとに作成しており、最新のリリースでは設定項目など一部内容が異なる可能性がありますのでご了承ください。




第 1章．サポートプラットフォーム本章では、SAP社がサポートする VMware vSphereの動作環境について、ハードウェア、ゲスト OS、データベース、SAPアプリケーションに分けて説明します。 SAPシステムにおける仮想環境の一般的なサポート内容は SAP ノート 1492000に、Windows固有のサポート内容は SAP ノート149608に、Linux固有のサポート内容は SAP ノート 1122387に記載されています。また、VMware vSphere固有の情報として、Windows、Linuxゲストについてそれぞれ SAP ノート 1056052、1122388に記載があります。最新のサポート情報はこれら SAP ノートをご確認ください。

1-1. ハードウェアサーバは SAP認定と VMware互換性の両方を満たす必要があります。ストレージは SAP認定対象外のため、VMware互換性のみ満たす必要があります。 SAP認定ハードウェアについてご不明な点は富士通-SAP コンピテンスセンターまでお問合せください。 Windows環境の SAP認定ハードウェアは以下から確認します。 http://www.saponwin.com/ -> Vendor of Certified Hardware Linux環境はサーバハードウェア、仮想化技術の特定の組合せにおいてサポートされ、SAPハードウェアパートナーによる実績のある組合せは以下から確認します。

http://scn.sap.com/community/linux -> Supported Platforms -> Supported Hardware

VMware互換性ガイドを以下から確認します。

http://www.vmware.com/go/hcl SAP on VMware vSphere環境では仮想化支援機能が強化された最新世代のプロセッサの使用を強く推奨します。特に以下のプロセッサにより仮想マシンのパフォーマンスが大幅に向上されます。・EPT機能を有するプロセッサ：Intel XEON 55xx、65xx、75xx、および E7 ファミリー・RVI機能を有するプロセッサ：AMD Opteron 83xx、84xx、および 61xx

http://www.saponwin.com/

http://scn.sap.com/community/linux

http://www.vmware.com/go/hcl




1-2. ゲスト OS SAPシステムでサポートされるゲスト OSは Windows と Linuxです。x86 Solarisについてはサポートされていません。 1-2-1. Windows AMDおよび Intelプロセッサ向けの Windows 64 ビット版のみがサポートされます。ただし、SAP Kernel 4.6Dなどの旧 SAPバージョンからアップグレードする場合はWindows 32ビット版の一時的な利用ができます。 1-2-2. Linux 現在サポートされている Linuxディストリビューションは以下となります。ハードウェアとの組合せについては 1-1章から確認してください。 Novell / SUSE: ・SUSE Linux Enterprise Server 11 for x86_64, IPF, IBM System p and IBM System z ・SUSE Linux Enterprise Server 10 for x86, x86_64, IPF, IBM System p and IBM System z ・SUSE Linux Enterprise Server 9 for x86, x86_64, IPF, IBM System p and IBM System z (out of maintenance) ・SUSE Linux Enterprise Server 8 for x86, IPF and IBM System z (out of maintenance) ・SuSE Linux Enterprise Server 7 for IA32 and IBM System z (out of maintenance) ・SuSE Linux Enterprise Server for IA32 (out of maintenance)

Oracle: ・Oracle Linux 5 for x86_64

Red Hat: ・Red Hat Enterprise Linux 6 for x86, x86_64, IPF, IBM System p and IBM System z ・Red Hat Enterprise Linux 5 for x86, x86_64, IPF, IBM System p and IBM System z ・Red Hat Enterprise Linux 4 for x86, x86_64, IPF and IBM System p ・Red Hat Enterprise Linux 3 for x86 and IPF ・Red Hat Enterprise Linux 2.1 for x86 (out of maintenance) ・Red Hat Linux 7.1 Professional (out of maintenance) ・Red Hat Linux 6.2 (out of maintenance) ・Red Hat Linux 6.1 Enterprise Version 1.0 (out of maintenance)




1-3. データベースデータベースについては SAP社に加えて、各データベースベンダーの対応方針に従う必要があります。 1-3-1. SQL Server Microsoft KB 956893(http://support.microsoft.com/kb/956893/ja)に記載があります。マイクロソフト社が定義する仮想化ソフトウェア(SVVP)の環境でサポートされる SQL Serverのバージョンは以下です。VMware vSphereは SVVPに該当します。・SQL Server 2005 ・SQL Server 2008 ・SQL Server 2008 R2

1-3-2. Oracle SAP ノート 1173954を確認します。 VMware vSphere環境でサポートされる Oracle Databaseのバージョンは以下です。・Oracle(シングルインスタンス) 10.2.0.4以上・Oracle(シングルインスタンス) 11.2.0.1以上・Oracle RAC 11.2.0.2以上

オラクル社は、ネイティブ OS で発生する既知の問題または VMware vSphere上での実行と因果関係がないことが実証される問題のいずれかに限りサポートを行う方針です。 1-3-3. DB2 SAP ノート 1130801を確認します。 IBM社 Webサイト（http://www.ibm.com/developerworks/wikis/display/im/DB2+Virtualization+Support）も確認します。 VMware vSphere 5環境でサポートされる DB2のバージョンは以下です。・DB2 バージョン 9.7 for LUW

なお、VMware vSphere 4環境では以下のバージョンがサポートされています。・DB2 バージョン 9.1 for LUW ・DB2 バージョン 9.5 for LUW ・DB2 バージョン 9.7 for LUW

1-3-4. MaxDB SAP ノート 1142243を確認します。仮想環境でサポートされる SAP MaxDBのバージョンは以下です。・SAP MaxDB バージョン 7.6.04.07以上

SAP liveCacheは次の SAPバージョン以降において、仮想環境で使用できます。・SCM 5.0 サポートパッケージ 13 (LCA 50.15 および LC 7.6.04.09) ・SCM 5.1 サポートパッケージ 05 (LCA 60.10 および LC 7.7.03.23)

http://support.microsoft.com/kb/956893/ja

http://www.ibm.com/developerworks/wikis/display/im/DB2+Virtualization+Support




1-4. SAPアプリケーション VMware vSphere環境における SAP製品のサポート方針について SAP ノート 1492000を確認します。Windows、Linuxゲスト固有のサポート方針についてもそれぞれ SAP ノート 1409608、1122387 を確認します。

1-4-1. SAP社の仮想環境全般に対するサポート方針 ■ 機能上の問題のサポート

SAPでは、仮想環境で稼動するアプリケーションの機能上の問題を、非仮想環境での機能上の問題と同様に分析します。 ■ パフォーマンス関連の問題のサポート

SAP Solution Managerまたは適切な SAP NetWeaver AS ABAPシステムでセントラル監視インスタンスが設定されていることが前提条件となります。仮想化ソフトウェアに関連しないパフォーマンス問題について、SAPでは物理環境での問題と同様にそのソフトウェアをサポートします。なお以下のアプリケーションについては上記サポート方針の対象に含まれません。

・BWA ・SAP In-Memory テクノロジを使用する SAP HANAおよびその関連アプリケーション・SAP NetWeaver MDM(*1)

*1 VMware vSphere環境の MDMは本稼働がサポートされています。(SAP ノート 1070760)

1-4-2. サポートされる SAP NetWeaverのバージョン SAP NetWeaver Application Server ABAP / Java を基盤とし、物理環境でサポートされている OS / データベースの組合せ上のすべての SAPアプリケーションは仮想環境でもサポートされます。これらの組合せは PAM(Product Availability Matrix / http://service.sap.com/pam)で確認します。ただし本稼動でのサポートについては、仮想化用に拡張された監視の有効化が必要となります。 ■ 仮想化拡張監視の SAP動作環境

・SAP NetWeaver '04 SR1以降を基盤とする SAPアプリケーション・Windows環境は SAP ノート 1409604に記載の要件および最小サポートパッケージレベル・Linux環境は SAP ノート 1102124に記載の要件および最小サポートパッケージレベル

Windows と Linuxでは仮想環境での SAP社による本稼動サポート方針が異なります。なお、アップグレードでの一時的な利用は問題ありません。

■ Windows環境

6.40以前のバージョンでは仮想環境において完全な監視・分析を行うことができないため、本稼動ではサポートされません。 ■ Linux環境

6.40以前のバージョンでは仮想環境において完全な監視・分析を行うことができないため、EarlyWatchやGoingLiveなどの性能関連サービスにおいて完全なレポートが提供されない場合があります。このリスクに対して顧客側で準備ができている場合に

限り、本稼動利用がサポートされます。

http://service.sap.com/pam




【参考】 VMware vSphere環境でのサポート動作環境まとめ本稼動サポート：○ 一部サービス制約条件下で本稼動サポート：△ 本稼動サポートなし：×

ゲスト OS DB/SAP 製品とバージョンサポート可否関連ノート 32bit Windows DB/SAP － ×

※1 SAP ノート 1409608

64bit Windows DB SQLServer2005 / 2008 / 2008R2 ○ Microsoft KB 956893

Oracle10.2.0.4以上 / 11.2.0.1以降 RACは 11.2.0.2以降

○ SAP ノート 1173954

DB2 9.1/9.5/9.7 for LUW ○ SAP ノート 1130801 MaxDB 7.6.04.07 / liveCache ○ SAP ノート 1142243

SAP (Kernel)

Kernel 6.40以上

○ SAP ノート 1409608

Kernel 6.20以下

× ※2

SAP ノート 1409608

Linux DB Oracle 10.2.0.4以上 / 11.2.0.1以降 RACは 11.2.0.2以降

○ SAP ノート 1173954

DB2 9.1/9.5/9.7 for LUW ○ SAP ノート 1130801 MaxDB 7.6.04.07 / liveCache ○ SAP ノート 1142243

SAP (Kernel)

Kernel 6.40以上

○ SAP ノート 1122387

Kernel 6.20以下

△ ※3

SAP ノート 1122387

※1 旧 SAPバージョンからのアップグレードのための一時的な利用はサポートされます。 ※2 仮想化拡張監視が存在しないため、本稼動はサポートされません。 ※3 仮想化拡張監視が存在せず、EarlyWatchや GoingLiveなどの性能関連サービスにおいて完全なレポートが提供されないリスクに対して顧客側で準備ができている場合に限り、本稼動がサポートされます。




第 2章．パフォーマンスとサイジング本章では、SAP標準アプリケーションベンチマーク結果から VMware vSphere 5のパフォーマンスおよびサイジングの考え方について説明します。

2-1. SAP標準アプリケーションベンチマーク結果富士通は 2011年 8月に世界で初めて VMware vSphere 5環境での SAPハードウェア認定を取得しています。ここでは、その SAPハードウェア認定取得時に実施した SAP SD(Sales and Distribution：販売管理)アプリケーションのベンチマーク結果から、物理環境と比較した VMware vSphere 5のオーバーヘッドと VMware vSphere 4からの性能向上についてご紹介します。

2-1-1. VMware vSphere 5のオーバーヘッド以下の表は 2階層 SAP SDベンチマークを同スペックの仮想、物理環境で実施した結果です。物理環境の結果と比較してもVMware vSphere 5のオーバーヘッドはわずか 6%に留まっていることが分かります。 PRIMERGY RX300 S6 w/ VMware vSphere 5 PRIMERGY RX300 S6 物理環境

SDベンチマークユーザー数 4,600 4,875

スループット（SAPS） 25,120 26,630

SAP Business Suite Software SAP EhP4 for SAP ERP 6.0 SAP EhP4 for SAP ERP 6.0 RDBMS MaxDB 7.8 MaxDB 7.8

セントラルサーバ FUJITSU PRIMERGY RX300 S6 Intel Xeon X5690, 3.47GHz 2CPU / 12 Core / 24 threads

FUJITSU PRIMERGY RX300 S6 Intel Xeon X5690, 3.47GHz 2CPU / 12 Core / 24 threads

OS SUSE Linux Enterprise 11 on VMware vSphere 5 SUSE Linux Enterprise 11

仮想化ソフトウェア 24vCPUの仮想マシン 1つなし

SAP認定番号 Certification 2011027 Certification 2011028

また、最新の Intel Xeon E5-2690, 2.90 GHz – 2CPU / 16Core / 32 threadsを搭載した PRIMERGY RX300 S7では 7570 SDベンチマークユーザー数 / 41,320 SAPS(SAP認定番号：Certification 2012008)を達成しており、PRIMERGY RX300 S6(4875 SDベンチマークユーザー数 / 26,630 SAPS)の約 1.5倍の性能向上により、これまで以上の仮想化集約を実現できます。

26,630 SAPS 25,120 SAPS




2-1-2. VMware vSphere 5での性能向上 VMware vSphere 4では仮想マシンの vCPUは最大で 8つまでの制限がありました。VMware vSphere 5では 32vCPU まで拡張されており、非常に高いスケーラビリティを実現しています。 2009年に実施した VMware vSphere 4環境の 2056 SDベンチマークユーザー数 / 11,230 SAPS(SAP認定番号：Certification 2009029)に対し、VMware vSphere 5環境では 4600 SDベンチマークユーザー数 / 25,120 SAPS と+123%、つまり 2.2倍以上の性能向上を実現しています。

物理環境と比べてもわずか 6%のオーバーヘッド。そして 32vCPUまでのスケーラビリティ。最新の FUJITSU PRIMERGYサーバとVMware vSphere 5の組合せであれば、これまで難しかった本稼働環境や高い性能を要求される SAPシステムを含めて仮想環境へ統合することが可能です。

2-2. サーバサイジングサーバサイジングには SAP、VMware vSphereの両面からのアプローチが必要です。 SAPシステムは従来通り SAP社が提供する QucikSizerツールや富士通の SAP稼働診断サービスなどを利用した現行稼働環境からのサイジング結果に VMware vSphereのオーバーヘッドを見込みます。また、VMware vSphereの要件として仮想化範囲の特定ならびに可用性や柔軟性・拡張性など運用要件を考慮する必要があります。 SAPシステムのサイジングは必ず SAPハードウェアパートナーが実施する必要があります。詳しくは富士通-SAP コンピテンスセンターまでご相談ください。

11,230 SAPS

25,120 SAPS




第 3章．SAP on VMware vSphere 5推奨設定本章では、VMware vSphere上で SAPシステムを正しく稼働するための推奨設定について説明します。SAP ノート 1056052、1122388 も確認してください。ハードウェア、ホスト、仮想マシン、ゲスト OS、データベース、SAP ソリューションのそれぞれに分かれていますが、構築ステップの順番で章を構成しているわけではないのでご注意ください。

3-1. ハードウェアストレージと物理サーバの CPU、メモリについて考慮点を説明します。

3-1-1. ストレージレイアウト SAP on VMware vSphere環境でのストレージ設計は、一般的に VMFSとRDM(Raw Device Mapping)を構成して使用することが実用的です。以下に VMFS と RDMを比較します。

VMFS RDM

概要仮想マシン用に最適化されたストレージ仮想化を提

供する VMware特有のファイルシステム仮想マシンが物理ストレージ上のボリュームに直接

アクセスするためのしくみ ( VMFS と rawボリュームを 1対 1でマップ)

メリット・ボリュームに多数の仮想マシンを格納できる・クローン、スナップショット、VMware vMotionなどの機能が利用可能

ストレージコピー機能や 3rdパーティーのバックアップソフトによる rawバックアップが可能になる

デメリット 3rdパーティーソフトウェアで求められる rawボリュームへの直接アクセスができない

クローン、スナップショット、VMware vMotionなどの機能が利用できない

SAPシステム環境で推奨される VMFS と RDMの適用指針を以下に示します。・仮想マシン(ゲスト OS イメージ)は VMFSに配置、データベースファイル群を RDMに配置・データベースファイルは I/O性能向上のため、複数 LUNに分散配置・データベースのデータファイルとログファイルは物理環境同様にディスクデバイスを分けて配置・VMFSには複数の仮想マシンを配置。ただし性能要件が特にシビアな(本番)環境では独立した VMFSに仮想マシンを配置




■ 本稼働環境の構成例 FC-SANの本番環境ストレージ設計例とそのポイントを示します。特別シビアな性能要件はない想定のため、ゲスト OSは格納効率を重視して 1LUNに複数の仮想ディスクを集約しています。

・I/O性能と冗長性のため、ホストマシンの HBA経路を 2つ以上確保・データベースファイルは複数 LUNに分散配置・1LUNごとに vmhba を設定

■ その他考慮点複数のゲスト OSが格納された VMFS領域をストレージ筐体内でコピーする場合は、仮想マシン単位でのリストアを可能にするため、ストレージ内にリストア専用ボリュームの確保が必要です。




3-1-2. ネットワークレイアウト SAP on VMware vSphere環境のネットワーク設計はヴイエムウェア社の一般的な指針に従います。・SAPシステムが稼働する仮想マシン同士が通信するプライベートネットワーク・エンドユーザーが SAPシステムに接続するためのパブリックネットワーク・VMware vMotion、VMware vSphereホストの管理用、仮想マシンの通信用などに少なくとも 4つの物理 NIC を用意・ロードバランシングとフェイルオーバーを可能にするため、物理 NICをチーミング・VST(Virtual Switch Tagging)モードの VLANを推奨 ■ 本稼働環境の構成例上記指針に従って構成したネットワーク構成例です。




3-1-3. サーバ関連物理サーバの CPU、メモリについて以下を意識した設計をします。 ■ vCPU

VMware vSphere 5では最大で 32まで vCPUを割り当てられますが、例えば、1台の仮想マシンへ vCPUを 4つ割り当てるよりも、2台の仮想マシンへそれぞれ 2vCPU を割り当てるほうが全体のスループットは向上できます。パフォーマンスと仮想マシン台数の管理性などから最終的なサーバ構成、仮想マシンの配置を決定します。

■ CPU リソース調整仮想マシンを構成するクラスタ単位でのリソース調整を推奨します。仮想マシン単位でのリソース調整はレスポンスに影響する

おそれがあるため、推奨しません。 ■ CPUオーバーコミット

VMware vSphereではホストの物理 CPU搭載数を超える値の設定(オーバーコミット)が可能です。最大 200%でのオーバーコミットされた仮想環境での性能テストが完了していますが、稼動当初からの CPUオーバーコミット設定は推奨しません。稼動時の負荷状況が調査されており、かつ新たな仮想マシン追加が必要な場合などに利用します。

■ メモリ

VMware vSphereではホストの物理メモリ量を超える値の設定(オーバーコミット)が可能ですが、SAPシステムでは一度割り当てたメモリは解放しないため、推奨しません。VMware vSphere環境向けに適切にサイジングされたメモリ値を仮想マシンに設定してください。例として、32GBの物理メモリ搭載のホストに 8Gのメモリを必要とする仮想マシンを複数台稼動させる場合、ホスト上に最大 3台までの仮想マシンが稼動するように配置します。




3-2. ホストにおける仮想化拡張監視の有効化本稼動 SAPシステムでは仮想化拡張監視の有効化が必要です。VMware vSphere環境ではホストパラメータ側での設定も必要です。本設定によりホストデータを仮想マシンに転送することができます。

VMware vSphere クライアントで該当ホストを選択し、[構成]タブ、[詳細設定]の順に選択します。

[Misc]ノードを選択し、[Misc.GuestLibAllowHostInfo]の値を”1”に設定します。

稼動対象となる全てのホストで本設定を行う必要があります。




3-3. 仮想マシン仮想マシンの構成について仮想ディスクと vCPUの設定について説明します。

3-3-1. 仮想ディスク VMware vSphereの管理コンソール上から保存先、使用するディスクのタイプ、ディスクプロビジョニング方法などを指定して仮想ディスクを作成します。使用するディスクのタイプ

ディスクプロビジョニングの方法

■ ゲスト OS用仮想ディスクゲスト OSの仮想ディスクは論理ドライブ単位で作成することを推奨します。例として、SAPアプリケーションサーバ向けにシステムドライブ(C:) 40GB、SAP用ドライブ(E:)20GBを用意する場合、40GBの仮想ディスクと 20GBの仮想ディスクの作成を行います。 VMFS領域へ格納するため、[使用するディスクのタイプ]は”新規仮想ディスク”を選択します。プロビジョニング方法は性能要件に応じて選択します。

■ データベースファイル用仮想ディスクデータベースファイルを RDM領域へ格納する場合、[使用するディスクのタイプ]は”Rawデバイスのマッピング”を選択します。プロビジョニング方法は性能要件に応じて選択します。I/O性能を優先する場合、シックプロビジョニング(Eager Zeroed)の選択が推奨されます。本設定により、データベース自動拡張時の性能劣化が最も回避されます。その反面、仮想ディスクの作成に

時間がかかるデメリットがあります。

OSのドライブ単位で仮想ディスクを作成します




3-3-2. 仮想 NUMA設定 VMware vSphere 5では最大で 32vCPUの割り当てが可能です。例えば、大規模 DBサーバでは vCPUを多く割り当てることが想定されます。仮想マシンへの割り当て vCPU数が 8個以上(*2)かつ、ホストマシンの物理 CPU1個あたりのコア数よりも vCPU数が大きい場合、該当仮想マシンに仮想 NUMA設定を行うことを推奨します。本設定を行うと仮想マシンへの割り当て vCPU数は物理 CPU1個あたりのコア数の倍数となります。 ■ 仮想 NUMAの設定例

6コア CPUが 2個搭載されたホストマシン(ハイパースレッディング有効、スレッド合計数 24)の上に仮想マシンを作成し、vCPUを24個割り当てます。

ホストマシンの物理 CPU搭載数 2 を”Number of virtualsockets”に設定します。ホストマシンの物理 CPUあたりのコア(スレッド)12 を”Number of cores per socket”に設定します。

*2 VMware vSphere 5は標準状態で 8vCPU以上の仮想マシンで本機能が有効です。




3-4. ゲスト OS ゲスト OSに VMware Toolsのインストールをし、VMXNET3ネットワークカードの使用など各種パフォーマンス最適化設定します。

3-4-1. VMware Toolsのインストールゲスト OSのインストールが完了したら仮想マシンに VMware Toolsをインストールします。これにより仮想環境の SAPシステムに推奨される以下の機能が利用できるようになります。・ネットワークパフォーマンスを最適化する VMXNET3ネットワークカードの利用・VMware vMotionなどで動作する仮想マシンとホストの同期処理・仮想環境拡張監視(SAPOSCOLによる仮想化レイヤへのデータアクセス)、他

■ Windows環境への VMware Tools インストール例

(次項に続く)




(前項から継続)

以降、ウィザードに従い、VMware Toolsのインストールを完了します。

次に、VMware Tools インストールディレクトリを Windowsシステムのパスに追加します。仮想化データの読込に必要な VMware Guestlibは、VMware関連のサブディレクトリのみで使用することができます。仮想化拡張監視を有効にするために、SAPOSCOLが仮想化レイヤのデータへアクセスできるよう、このパスを Windowsシステムのパスに含める必要があります。環境変数の設定画面にて、[システム変数の編集]にて [Path]変数の編集を行います。値の最後に”;”を挿入。続いてファイル”vmguestlib.dll”の格納パスを追記します。 Windows環境での PATH設定画面イメージを以下に示します。

変数：path 追加した値：;C:¥Program Files¥VMware¥VMware Tools¥win64




3-4-2. ネットワークネットワークのパフォーマンスを最適化するため、VMXNET3ネットワークカードの利用を推奨します。VMXNET3ネットワークカードの追加登録は、仮想マシンのプロパティから[追加]ボタンで行います。

■ Windows環境での考慮点ゲスト OSに新規登録される[ローカルエリア接続 2]のネットワーク設定を行う前に、先行で設定済みの[ローカルエリア接続]のIPアドレスを DHCP自動取得などに変更してから無効化します。上記操作を行わないと IPアドレスの重複が検知され[ローカルエリア接続 2]を設定できません。

設定例

VMware アダプタタイプ

OSが認識するネットワークインタフェース名設定例

E1000 ローカルエリア接続 DHCP設定に変更後、無効化 VMXNET3 ローカルエリア接続 2 ローカルエリア接続を引き継ぎ設定

新規追加された[ローカルエリア接続 2]のバインド優先順序が[ローカルエリア接続]より上にあることを確認します。

無効化の前に DHCPなどに IPアドレス

を設定変更する




3-4-3. 時刻同期

VMware Toolsのインストールにより、ホストマシンとの定期的な時刻同期を設定することも可能になりますが推奨しません。

■ Windows環境仮想マシンの時刻同期は、VMware KB 1318(http://kb.vmware.com/kb/1318)に従い、NTPツールか w32timeの利用を推奨します。 Active Directory環境では、ドメインログオンにより自動的にドメインコントローラーの PDCエミュレーターに対して時刻同期されます。

■ Linux環境仮想マシンの時刻同期は、VMware KB 1318に従い NTP ツールの利用を推奨します。

■ 共通

VMware vMotionなどで仮想マシンとホストの同期処理があるため、VMware Tools導入は必須です。

http://kb.vmware.com/kb/1318




3-4-4. 仮想化拡張監視の有効化本稼動 SAPシステムでは仮想化拡張監視の有効化が必要です。仮想マシン側では、ホストマシンからのアクセス機能の有効化を行います。該当仮想マシンをシャットダウンし、VMware vSphere クライアントから仮想マシンの設定を編集します。

構成パラメータで[行の追加]により、以下の情報を設定します。名前： tools.guestlib.enableHostInfo 値： true

3-4-5. Linux カーネルパラメータ VMwareハイパーバイザーは I/Oスケジュール機能を有しています。ゲスト OSが Linuxの場合、不要なオーバーヘッドを抑止するために OSの I/Oスケジュール機能を無効に設定します。ファイル /boot/grub/grub.conf 修正対象 kernel行修正内容対象行の最後に空白を入れて”elevator=noop” を追記




3-5. データベース VMware vSphere 5上でのデータベース運用についての留意事項を説明します。 3-5-1. SQL Server 物理環境と同様に固定でのメモリ割り当て設定を推奨します。 SQL Server Management Studioから設定します。オブジェクトエクスプローラでサーバを右クリックし、[プロパティ]をクリック

[メモリ] ノードをクリックします。 “min server memory”と “max server memory” を同じ値に設定します。

マイクロソフト社は SQL Server環境でのスナップショット利用をサポートしていません。詳しくは Microsoft KB 956893(http://support.microsoft.com/kb/956893/ja)を参照してください。その他の仮想環境での SAPシステム利用における考慮点は物理環境と同様です。

3-5-2. その他のデータベース Oracle、DB2、MaxDBについても仮想環境での SAPシステム利用における考慮点は物理環境と同様です。

右クリック → [プロパティ]を選択

http://support.microsoft.com/kb/956893/ja




3-6. SAPアプリケーション環境に応じたメモリモデルの設定と仮想化拡張監視で要求される SAPバージョンレベルを満たしているか確認します。

3-6-1. SAPプロファイルパラメータ EPT / RVI機能を持った CPUを利用している場合、仮想環境のパフォーマンスに影響を与えないよう OSやシステム特性に最適化されたメモリモデルの設定が必要です。 ■ Windows Server 2008(R2)環境

64bitに最適化されたフラットメモリモデルの使用を推奨します。本設定により OSによるページング回避に役立ちます。フラットメモリ使用量はユーザ動作によりますが、SAPでは通常のメモリサイズプラス30%を必要としています。以下の SAPプロファイルパラメータの変更が必要です。

Parameter name ：es/implementation Parameter val ：flat

Windowsでのフラットメモリ設定例を以下に示します。

(次項に続く)




(前項から継続)

プロファイル変更時に以下のようなメッセージが出る場合、[Yes]を選択してプロファイルの変更を反映させてください。

SAP インスタンスの再起動後、インスタンスプロファイルには赤枠の行が追加されます。

■ Windows Server 2003 もしくは 2008環境かつメモリ不足のシステム

32ビットのシステム向けである従来の SAPビューメモリモデルを使用します。 Windows Server 2003については Microsoft hot fix 931308 も確認します。特別な設定は不要です。

■ Linux環境

64bitの Linuxシステムに最適化された STD実装モデルの使用を推奨します。 SAP NetWeaver 7.10以降は STD メモリモデルがデフォルト設定です。それ以前のバージョンでは以下の SAPプロファイルパラメータの変更が必要です。

Parameter name ：es/implementation Parameter val ：std




3-6-2. 仮想化拡張監視に必要な SAPバージョンレベル仮想化拡張監視有効化のために SAPノート 1409604に記載のカーネルパッケージ、サポートパッケージレベルを満たす必要があります。Windowsの本稼働環境では必須の要件ですが、Linuxについても同様に推奨されます。Linuxは SAPノート 1102124を確認します。・カーネルパッチ

カーネルバージョンパッチレベル

リリース 7.20以降指定なし

リリース 7.11 パッチレベル 62




リリース 6.40 パッチレベル 251 ・サポートパッケージ

システムバージョンサポートパッケージレベル

SAP NetWeaver 7.2以降 SAPKB71103

SAP NetWeaver 7.11 SAPKB71105 SAP NetWeaver 7.10 SAPKB71010 SAP NetWeaver 7.02 SAPKB70204 SAP NetWeaver 7.01 SAPKB70107 SAP NetWeaver 7.00 SAPKB70022 SAP NetWeaver 6.40 SAPKB64023

・SAPホストエージェント

SAP host agent 720 Patch Level #70 以降




第 4章．高可用性本章では、VMware vSphere環境の SAPシステムの可用性をどのように高めるか説明します。お客様の可用性要件に応じてそれぞれコストと構成要素が変わります。以下のフローを参考に決定してください。

4-1. VMware vSphere HA(High Availability) ハードウェア監視のみの要件の場合、VMware vSphere HA を検討します。以下の特徴があります。

VMware vSphere HAのキーポイント考慮点

・SAPシステムは 2階層、3階層問わない・アプリケーションの監視はできない

・ハードウェア障害に対応・フェイルオーバーしている間はデータベースが利用不可

・仮想マシンを自動起動。ただし、SAPとデータベースはスタートアップスクリプトやサービスの設定が必要

・フェイルオーバーしている間はエンキューとメッセージサービ

スが利用不可

・構成が容易・障害からの復旧時間はゲスト OSの起動とアプリケーションの起動が完了するまでの時間




4-2. VMware vSphere FT(Fault Tolerance) VMware vSphere HAでハードウェア障害に対応し、SAP ASCS（SAP Central Services）が稼働する仮想マシンをVMware vSphere FTで2重化することでさらに可用性を高めます。この組合せの構成では以下の特徴があります。

VMware vSphere FT for ASCS のキーポイント考慮点

・ASCS を分離するため SAPシステムは 3階層のみ・アプリケーションサーバの監視はできない

・ASCSの可用性向上に VMware vSphere FTを採用。データベースは VMware vSphere HAで可用性を向上

・VMware vSphere FTは現在 1vCPUまでの制限があり大規模SAPシステムには不向き

・ハードウェア障害に対応・フェイルオーバーしている間はデータベースが利用不可。た

だし、SQL Serverデータベースミラーリング、Oracle RACなどを組合せることで対応可能

・ASCSのサービス継続性を担保・FTロギングのために独立した NICを推奨

・構成が容易

・データベースは依然としてハードウェア障害のみ対応

・新しい ASCS用セカンダリー仮想マシンは自動的に構築

4-3. Symantec ApplicationHA Symantec ApplicationHAは VMware vCenter Serverに統合された Agentベースの高可用ソリューションです。Veritas Cluster Serverフレームワークによりゲスト OS上で稼働するアプリケーションの可用性を向上します。以下の特徴があります。

Symantec ApplicationHAのキーポイント考慮点

・VMware vSphere HAのハードウェア監視に加え、アプリケーションレベルの可用性向上を実現

・サービスやプロセスの再起動にかかる時間が復旧時間

・VMware vMotionや DRSなど VMwareの機能に影響なし・フェイルオーバーしている間はデータベースが利用不可

・VMware vCenter Serverからアプリケーションを管理、監視・VMware vSphere FTの対象仮想マシンには利用不可

・起動と停止の自動化やアプリケーション間に依存関係の設定

が可能・障害からの復旧時間はゲスト OSの起動とアプリケーションの起動が完了するまでの時間

・クラスタリングに比べて導入が簡易で非常に安価・Agentのリストは(https://sort.symantec.com/agents)で確認

https://sort.symantec.com/agents




4-4. ゲスト OS クラスタリング 3rdパーティーから提供されるクラスタソリューションをゲスト OS間で構成することで、物理環境と同様のレベルでアプリケーション障害への対応を実現します。ただし、制限も多く、構成も複雑になるため導入には注意が必要です。

VMware vSphereでサポートされる代表的なクラスタソリューションは以下です。ゲスト OS クラスタリング環境下での VMware vMotion を有効にするためには、multi-writter flagの設定が必要です。詳しくはVMware KB 1034165(http://kb.vmware.com/kb/1034165)を参照してください。

クラスタソフトウェア RDM VMFS / VMware vMotion ベンダーサポート Microsoft Clustering Yes No Yes Symantec Veritas Cluster Services Yes No Yes SUSE Clustering(HAE) Yes Yes Yes Red Hat Cluster Yes Yes Yes (RHEL 5.7以降) Oracle Clusterware(RAC) Yes Yes Yes (11.2.0.2以降) 以下の特徴があります。

ゲスト OS クラスタリングのキーポイント考慮点

・SAPシステムは 3階層構成・データベースとメッセージサービスがフェイルオーバー中は利

用不可。再起動にかかる時間が復旧時間

・データベース、ASCSの障害に対応・高度なクラスタ構築スキルが必要

・レプリケーションエンキューによるロックテーブルの保護・ストレージ要件に RDMが要求されるクラスタソフトウェアではVMware vMotionが利用不可となり、ハードウェアメンテナンス時にダウンタイムが発生する可能性がある

・SAPサービスの自動再起動

・ゲスト OSの起動は復旧時間に含まれない

・クラスタリソースを待機ノードにフェイルオーバーすることでゲ

スト OS とデータベースのローリングパッチ適用が可能

【参考】 SAP on VMware vSphereにおける高可用ソリューションまとめ仮想マシンの

再起動アプリケーショ

ン監視フェイルオー

バー / サービス再起動に

かかる時間

ハードウェアメ

ンテナンスの

ダウンタイム

ゲスト OS メンテナンスのダウンタイム

コスト / 複雑さ

VMware vSphere HA Yes No High None High Low VMware vSphere HA + FT Yes No None None High Med VMware HA + Symantec ApplicationHA

Yes Yes Med None High Med

ゲスト OS クラスタリング No Yes Low Med Low High VMware HA + ゲスト OS クラスタリング

Yes Yes Low None Low High





4-5. 災害対策 VMware vCenter Site Recovery Manager VMware vCenter Site Recovery Manager を組合せることで SAPシステムの災害対策環境を構築することができます。・ストレージレプリケーション機能との連携により仮想マシンを保護・VMware vCenter Serverからのリカバリープランの作成と管理を一元化・リカバリーサイトの監視、異常時は管理者へアラート通知・スナップショット機能を活用することで、本稼働環境に影響を与えずに、何度でもリカバリーテストの実施が可能・災害時は VMware vCenter Serverからボタン 1つでリカバリープランにもとづき復旧作業を自動実行




第 5章．VMware vSphereの留意事項本章では、VMware vSphereの主な留意事項について説明します。 ■ ハイパースレッディング

VMware vSphere 5では CPUのスケジューラが改良されハイパースレッディング機能へのチューニングも行われています。VMware vSphere 4環境でハイパースレッディングを使用する場合は VMware KB 1020233(http://kb.vmware.com/kb/1020233)を参照してください。

■ スナップショットスナップショットの利用中は VMFS領域を消費するため、一時的な用途での利用を推奨します。その他の留意事項については VMware KB 1025279(http://kb.vmware.com/kb/1025279)を参照してください。

■ VMware vMotion キャッシュデータ転送用として専用ネットワーク、NICの確保が必要です。 10Gbps NIC を複数枚利用することにより処理時間の短縮が期待できます。移行元と移行先ホストの CPU互換性考慮が必要です。

■ RDM

RDM(物理互換モード)では以下の VMware vSphereの機能は利用できません。

・スナップショット、テンプレート、クローン、Storage vMotion、vSphere FT など ■ VMware vSphere HA ソフトウェアレベルの障害は検知の対象となりません。フェイルオーバー先のホストにもリソースが確保されている必要があります。






参考文献

SAP ノートノート番号タイトル 1492000 仮想環境に関する一般サポート内容 1409608 Windowsでの仮想化 1056052 Windows: VMware vSphere の設定ガイドライン 1409604 Windows での仮想化: 拡張された監視 1122387 Linux: 仮想化 Linux 環境での SAP サポート 1122388 Linux: VMware vSphereの設定ガイドライン 1102124 Linux における SAPOSCOL: 拡張機能 1173954 Oracle の VMWare に関するサポート 1142243 仮想システム用の MaxDB のリリース 1130801 VMware/XEN/Hyper-V 用の DB2 LUW/DB2 z/OS のリリース

Webサイト内容公開先

富士通公開サイト VMware関連情報

http://primeserver.fujitsu.com/primergy/software/vmware/

ヴイエムウェア公開サイト VMware and SAP

http://www.vmware.com/solutions/partners/alliances/sap.html

SAP Community Network Virtualization and Cloud Infrastructure

http://scn.sap.com/community/it-management/virtualization

ドキュメント内容公開先 SAP Solutions on VMware vSphere 4 - Best Practice Guidelines (VMware vSphere 4 での SAP ソリューション - ベストプラクティスガイドライン)

以下 URLから入手 http://www.vmware.com/resources/techresources/10086

http://primeserver.fujitsu.com/primergy/software/vmware/

http://www.vmware.com/solutions/partners/alliances/sap.html

http://scn.sap.com/community/it-management/virtualization

http://www.vmware.com/resources/techresources/10086




2012年 4月 Technical white paper SAP on VMware vSphere 5 導入ガイド

問合せ先

富士通株式会社富士通-SAP コンピテンスセンター Address: 〒105-6125 東京都港区浜松町 2-4-1 世界貿易センタービル Phone: 03-5401-7006 Fax : 03-5401-7045 E-mail: [email protected] Website: jp.fujitsu.com/solutions/sap/

ヴイエムウェア株式会社 Address: 〒105-0013 東京都港区浜松町 1-30-5 浜松町スクエア 13F Phone: 03-4334-5600(代) Website: www.vmware.com/jp/


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SAP on VMware vSphere 5 導入ガイド - Fujitsu Japanjp.fujitsu.com/.../SAP_on_vSphere5_ConfigurationGuide.pdfたその他の SAP 製品、サービス、ならびにそれぞれのロゴは、ドイツおよびその他の国々における