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SC プロセス分析/TOBE設計実践ガイド SCOR プロジェクト方 法論開発WG Copy Right(C)2005 SCC 日本支部 1/29 SCOR サプライチェーンプロセス 分析/設計 実践ガイド 2005.05 SCOR プロジェクト方法論開発 WG

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SC プロセス分析/TOBE設計実践ガイド SCOR プロジェクト方法論開発WG

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SCOR サプライチェーンプロセス

分析/設計 実践ガイド

2005.05

SCOR プロジェクト方法論開発 WG

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■はじめに

SCOR モデルは、SC プロセスの記述ツールとしてだけでなく、同時に標準 SC ビジネスプロセスモデルといわ

れている。換言すると、先進的な企業の共通点を体系化したものであり、特に SCOR で定義された上位プロセス

(LEVEL3以上)については、全ての企業に共通の「あるべき姿」を描いている。

多くの日本企業においてSCプロセスとは、必ずしもSC戦略を基に意図して設計されておらず、長い歴史の

中で結果的に出来上がったという性格が強い。従って、先進企業に比較して、少なからず劣っている部分も散見

され、結果として、「納期回答のタイミングや精度」など、性能的な不具合が随所に見られる。

そんな中、日本企業で顕在化している問題を表層的なものとしてではなく、プロセスの構成や同期などの本質

的問題から導かれている現象であると捉えた上で、あるべき姿を設定することが、真の SCM 改革であるとの機

運が高まってきた。

■文章の目的

ビジネスモデルとしての SCOR の体系を踏まえ、分析と設計のステップを設定することで、

プロセスの問題点を把握し、TOBE プロセス設計まで導く

■想定される読者

・事業部門の SCM 改革を企画推進する立場にあるスタッフ

・SCM 担当部門長及びメンバー

・SCM プロジェクト事務局メンバー

■関連文書

・SC プロセス記述実践ガイド

・SCOR モデル 6.1

・SCOR 入門編 4.0 (はじめに、1 章、2 章、3 章、4 章、5 章、6 章、7 章、メンバー紹介)

・SCOR_Overview_6.1

・SCOR6.1_quickreference

・日経ものづくり (足許から固める SCM) 2004 年 10 月号、 11 月号、 12 月号

■用語定義

・フレームワーク(F/W): 仕事や活動の全体構造

・ガイドライン: 仕事や活動を構成する、各要因の詳細仕様

・BP: ベストプラクティス(先進企業が既に実践している、現時点で最良と思われる施策)

・松竹梅 TOBE: 設計の実現難易度レベルを表す(松の難易度が一番高い)

・メトリクス: プロセス評価指標(KPI)

■変更履歴

・ 某メーカー企業にて、2005/02/25 リリース

・ SCC 日本支部で一般化、2005/05

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■パッケージの定義

【SCORプロジェクト中の位置付け】

SCOR プロジェクトは SCOR(Supply Chain Operations Reference)モデルを使った、SCM 改革の構想策定

をスコープとするものである。すなわち、現状(ASIS)の SC プロセスから改革対象となるべき問題点を特定

し、その解決施策を具体化することによって、あるべき(TOBE)SC プロセスを設計する。

この SCOR プロジェクトは ASIS プロセス記述、ASIS プロセス分析、そして TOBE プロセス設計という3つ

のフェーズから構成される。また、各フェーズは複数のステップから構成されている。

本実践ガイドは、この SCOR プロジェクトの中において「ASIS プロセス分析」をスコープとするものであり、

レベル2では改革対象プロセスカテゴリーを特定し、レベル3では重要または問題となるプロセスエレメント

を特定し、レベル4では具体的な問題点を抽出する。しかしながら、TOBE 設計フェーズについても参考レ

ベルで触れている。TOBE 設計フェーズにおける問題点の解決施策に対する実際の選定においては、施策

の実現における難易度、そして組織における個別の事情を考慮すべきだからである。

SCOR PJ ロードマップ

ASISレベル1

ASISレベル1

現状サプライチェーン全体像を確認し、プロジェクト目標を設定する

現状サプライチェーンの物の流れを把握し、改革の対象となりそうなプロセスカテゴリーを特定する

現状サプライチェーンの情報と業務の流れを把握し、改革の対象となりそうなプロセスエレメントを特定する

ASISレベル2

ASISレベル2

ASISレベル3

ASISレベル3

レベル4を反映させたレベル3プロセスを設計するTOBE

レベル3

TOBEレベル3

レベル3を反映させたレベル2プロセスを設計するTOBE

レベル2

TOBEレベル2

レベル2を反映させたレベル1プロセスを設計するTOBE

レベル1

TOBEレベル1

<必要に応じて実施する>

解決施策に基きレベル4の

プロセスを設計する必要に応じて特定のプロセスエレメントをレベル4または5以降まで分解し問題点

を抽出するASIS

レベル4

ASISレベル4

TOBEレベル4

TOBEレベル4

問題点解決

問題点解決

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【ガイドのI/Oとメカニズム】

INPUT メカニズム OUTPUT

SCM改革要件SCM改革要件

ASISプロセス記述

L2L3

ASISプロセス記述

L2L3

SCORとASISの

GAP分析

SCORとASISの

GAP分析

TOBE L2プロセスTOBE L2プロセス

TOBE L3プロセスTOBE L3プロセス

TOBE L4プロセスTOBE L4プロセス

サポート

サポート

本実践ガイドの機能は、INPUT、メカニズム、OUTPUT の3つから構成される。

・INPUT

①ASIS SCOR レベル2・3・4プロセス記述(「SC プロセス記述実践ガイド」に従って)

②SCM 改革要件によって、分析のスコープとして特定された重点プロセスカテゴリー、および階層化され

た重点メトリクス

・GAP分析のメカニズム

①SCOR モデルと ASIS プロセスとの GAP 分析においては、SCOR とのGAPを評価分析し、問題カテゴリ

ーとしての仮説を設定する(その後、検証を経て問題カテゴリーとして特定する)

②メトリクス分析においては、階層化された重点メトリクスから関係する重要エレメントを特定する。

③INPUT 要件分析においては、INPUT データの充足度を分析評価して、問題エレメントと解決すべき問

題を特定する。

・OUTPUT(成果物)

①TOBE 設計 LEVEL2 は、ASIS レベル2記述上で、計画系の評価が記入されかつ設計対象となるカテゴ

リーが特定されたもの。

②TOBE設計LEVEL3は、特定された問題カテゴリー中の問題エレメントにおける問題解決策を段階ステ

ップで提示したもの。

③TOBE 設計 LEVEL4 は、問題エレメントにおける問題解決策と段階ステップを評価し直したもの。

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【プロセス分析の考え方】

①SCOR GAP分析のための準備①SCOR GAP分析のための準備

②SCORとASISのGAP把握②SCORとASISのGAP把握 ③問題エレメントの特定と、          INPUT要件の把握

③問題エレメントの特定と、          INPUT要件の把握

④TOBE プロセスの提示④TOBE プロセスの提示

PLANに差を付け、GAPが分り易くなるよう準備をする。

SCORとASISのGAPが、改善ポイントであるとの仮説を立てる。

GAPを詳細に展開し、仮説の裏を取る。

GAPを段階的に埋める絵を描く。

本実践ガイドでは、SCOR と ASIS の GAP 分析の考え方を設定している。

①SCOR GAP 分析のための準備

現状の調査分析として、計画系プロセスカテゴリーに対してチェックリストによる評価を行うことで、PLAN

相互の影響関係を整理する。

②SCOR と ASIS の GAP 把握

SCOR と ASIS LEVEL2 の計画プロセスカテゴリーとを比較して GAP を把握する。GAP によって発生する

問題を予想することで、問題カテゴリーが改善すべきポイントであるとの仮説を立てる。

③問題エレメントの特定と INPUT 要件の把握

INPUT 要件分析によって、問題カテゴリー中の問題エレメントにおける INPUT データの不足による結果

が他のエレメントへ与える影響を評価することで、問題カテゴリーへの仮説の裏付けを取る。

④TOBE プロセスの提示

問題カテゴリーにおいて、問題エレメントにおける INPUT データを充足する段階的改善ステップを

LEVEL4 で具体的に評価・検証することで、段階的に実現可能なロードマップ(絵)を描く。

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また、本実践ガイドではP1~P4の「計画系プロセス」に分析の重点に設定している。その理由は、現実

的に発生している問題となる以下の点である。

P1P1

P4P3P2

DMS

上位ほど重要

上流ほど重要

P1P1

P4P3P2

DMS

P1P1

P4P2

DS

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

① SC のプレーヤ(組織)をまたがる部分で問題が発生しやすい

実際に各プロセスで使用する情報(INPUT データ)の発生源は、下流プロセスよりも上流プロセスにあ

ることが多いからである。たとえば、ディーラーの SOURCE で発生する問題は、メーカーの DELIVER 情報

に原因がある場合が多い。その点で、SC 全体の問題解決にはプレーヤをまたがるより上流のプロセス

が重要となる。

② プレーヤ内ではより上位のプロセスに問題の原因がある

SOURCE /MAKE/DELIVER などの実行系プロセスよりも PLAN 計画系プロセス、また計画系プロセス

においてもより上位のプロセスに問題があることが多いからである。たとえば、SOURCE で発生する問題

の原因はP2に、P2で発生する問題の原因はP1にあることが多い。

③ 一般的マネジメントプロセスに共通したPDCAの考え

PDCA を適用しようとすれば、計画系プロセスが弱いと実行系プロセスへのモニタリング・コントロール

が不十分となり、問題は大きく表面化した段階でしか把握できず、モグラ叩きに追われる羽目に陥ること

になる。

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【本実践ガイドのフレームワーク】

SCOR ASISLEVEL2 GAP分析

SCOR ASISLEVEL2 GAP分析

ASIS LEVEL3SCOR分析

ASIS LEVEL3SCOR分析

STEP 04 STEP 05 STEP 06

SCOR ASISLEVEL2 PLAN分析

SCOR ASISLEVEL2 PLAN分析

STEP 07 STEP 08 STEP 09

SCORTOBE 設計

SCORTOBE 設計

STEP 10 STEP 11 STEP 12STEP 01 STEP 02 STEP 03

ASISプロセス記述ASISプロセス記述

LEVEL2 LEVEL3 LEVEL4

SCプロセス記述

実践ガイドSCプロセス分析/設計実践ガイドのフレームワーク

本ガイドで構想立案のフレームワークとして利用するSCORの位置付けについて説明する。ただし、

SCM 改革要求から、スコープとなる重点プロセスカテゴリーと重点メトリクスの階層化を前提とする。

・SCOR ASIS PLAN 分析

STEP1-3 では、計画系プロセスの LEVEL2 について、相互の影響度合いの現状調査と各プロセスカテゴ

リーP1-P4 を格付け評価して、GAP 分析への情報を提供する。

・SCOR ASIS LEVEL2 GAP 分析

STEP4-6 では、SCOR モデルと ASIS レベル 2 の GAP を明確にして、各カテゴリーに優先順位を設定す

る。GAP の大きなカテゴリーについて問題仮説を設定し、現行で発生している諸問題との一致を確認す

ることで、問題として特定することになる。

・ASIS LEVEL3 SCOR 分析

STEP7-9 では、重点または問題と特定されたカテゴリーに含まれる各エレメントについて、SCOR レベル

3 のメトリクスによって重要エレメントを、次に INPUT データの不足の観点から問題エレメントと解決すべ

き問題点を特定する。

・SCOR TOBE 設計

STEP10-12 では、特定されたカテゴリーとエレメントについて、レベル3INPUT 不足データの入手の難易

度に応じて段階ステップによる問題解決策を構想し、レベル4でそれを評価し直す。

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【本実践ガイド使用に当たっての注意事項】

・SCOR は、ASIS と比較対照するためのビジネスプロセスモデルであることを前提とする。

・SCOR モデル以外のフレームワーク、技法・TOOL への知識・経験は不要として、各 STEP で必要なもの

はその都度記載した。

・INPUT となる ASIS 記述の成果物は、既に作成され存在しているものとする。

・構想としての TOBE 設計はあくまでも参考レベルの成果物とする。

・構想の次の計画・実現プロジェクトは本ガイドのスコープ外とする。

SCM改革の要求について (参考)

中期計画などからの事業部方針と SCM 改革についての計画整合性が検証されていること、そしてそ

れに従ったSCM改革の要求は階層化されていることを前提とした。要求の階層化のステップは、本実践

ガイドのスコープでないので、その記述は簡略化した。

【参考資料】

①事業部中期計画 ②SCMセンター中期計画 ③改革要求の階層化 ④メトリクス定義

--- index ---

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1.SCOR ASIS LEVEL2 PLAN 分析

1-1. STEP 1 - スコープ内 P1 評価

1-2. STEP 2 - P2~P4 (P5) 評価

1-3. STEP 3 - PLAN 分析のための図示

2.SCOR ASIS LEVEL2 GAP 分析

2-1. STEP 4 - SCOR モデルと ASIS の LEVEL2 GAP 調整

2-2. STEP 5 - ASIS LEVEL2 問題仮説の設定

2-3. STEP 6 - 問題仮説と現行問題との検証

3.ASIS LEVEL3 SCOR 分析

3-1. STEP 7 - SCOR メトリクス分析

3-2. STEP 8 - インプット要件分析

3-3. STEP 9 - 分析結果まとめ

4.SCOR TOBE 設計

4-1. STEP 10 - LEVEL2 TOBE 設計

4-2. STEP 11 - LEVEL3 TOBE 設計

4-3. STEP 12 - LEVEL3 TOBE の LEVEL4 検証

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1.SCOR ASIS LEVEL2 PLAN 分析

PLAN の分析はプロセスの本質的な分析である。 というのも、実行系プロセスは、

計画系プロセスからのアウトプットである計画を実行する役目だからであり、実行を

基に計画を修正する訳ではない。 実行を基に修正をかけるのは、実行スケジュー

ルの変更レベルである。 また上位の PLAN(P1)は、下位の PLAN(P2~5)を統制する。

従って、プロセスの根源は、P1 に代表され、P1 を基に P2~P5(調達計画、生産計画、

受注/納入計画、返品計画)へと展開がされるのである。 従って、実行系プロセスの問題はP2~P5 に本

質的な問題があり、P2~P5 の問題は、P1 に本質的な問題がある。 この章では、PLAN の問題を体系とし

て掴むことを目的として記述している。

ASIS LEVEL2

GAP 分析

ASIS LEVEL3

SCOR 分析

ASIS LEVEL2

PLAN 分析

SCOR

TOBE 設計

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●STEP1-スコープ内 P1 評価

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P2 P3 P4 P2 P4

P1 P1

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

評価:2

理由:市場需要予測情報反映、納期回答情報反映などの項目をカバーしていない。10/18点

評価:2

理由:サプライチェーン全体の在庫、リードタイム、設備投資などをカバーしていない。8/18点

【目 的】 : 各プレーヤのP1の影響度合いを客観的に把握する。

【概 要】

SCM改革の要求から設定されたスコープ内において、ASIS記述されたP1を分析評価する。具体的

には、作成済みSCORレベル2プロセス記述を元に、P1 チェックリスト(リンク資料参照)を利用してスコ

アリングを行い、各プレーヤ(組織)のP1 について影響度/支配関係を 3 段階(1:SCORレベル、3:存

在意義への疑念あり、2:1と2の中間で SCOR には至らない)で格付け評価する。次に、その評価レベ

ルと評価理由について、P1 チェックリストの結果からタグとして記入する。

事例においては、工場・サプライヤのP1は存在せずP2-P4は本社・メーカのP1からの支配関係に

あること、そして本社・メーカ と販社・顧客の P1 は共に「2」レベルの評価であること、その具体的理由と

スコアを示している。

●INPUT

ASIS SCORレベル2プロセス記述 (SCプロセス記述実践ガイドの2.STEP1~STEP3 で作成)

●OUTPUT

評価記入済みP1チェックリスト、各組織のP1 の格付け評価レベルと判断理由

●技 法

P1 チェックリストへ関係組織ごとに、各組織のP1 判定項目の値を記入、合計された評点(18 点満

点)が獲得したスコアとなる。この客観的スコアによって3段階での評価レベルによる格付けを行う。

●TOOL: P1 チェックリスト

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●STEP2-P2~P4 (P5) 評価

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P2 P3 P4 P2 P4

P1 P1

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

評価:1

理由:現状の情報システムが殆どの項目をカバーしている。16/18点

評価:2

理由:生産計画の反映と戦略資材計画をカバーしていない。11/18点

評価:2

理由:サプライチェーン全体計画と納期遵守に対する責任をカバーしていない。10/18点

評価:3

理由:メカニズムに沿った一部データを作成しているだけ。4/18点

評価:2

理由:調達生産計画の反映をカバーしていない。10/18点

【目 的】 : 各プレーヤのP2~P4、(P5)の影響度合いを客観的に把握する。

【概 要】

設定されたスコープ内において、ASIS記述されたP2・P3・P4、(P5)を分析評価する。具体的には、

作成済みSCORレベル2プロセス記述を元に、P2、P3、P4(、P5)チェックリスト(リンク資料参照)を利

用してスコアリングを行い、各プレーヤ(組織)のP2・P3・P4、(P5)について、影響度/支配関係を 3 段

階(STEP1 と同様)で格付け評価する。次に、その評価レベルと評価理由について、P2、P3、P4(、P5)

チェックリストの結果からタグとして記入する。

事例は、工場・サプライヤのP2は「1」(SCOR レベル)、P3は「2」、P4は「3」(存在意義への疑念あ

り)、販社・顧客のP2は「2」、P4は「2」(SCORに至らない)という評価レベルとその具体的理由を示し

ている。

●INPUT

SCOR レベル2プロセス記述 (SCプロセス記述実践ガイドの2.STEP1~STEP3 で作成)

●OUTPUT

P2、P3、P4、(P5)に関する評価記入済みチェックリスト、格付け評価レベルと判断理由

●技 法

P2、P3、P4(、P5)チェックリストへ関係組織ごとに、各組織のP2~P4(、P5)判定項目の値を記

入、合計された評点(18 点満点)が獲得したスコアとなる。この客観的スコアによって3段階での評

価レベルによる格付けを行う。

●TOOL : P2,P3,P4 (P5)チェックリスト

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●STEP3-PLANの分析のための図示

2

3

1

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P2

P3

P4

P2 P4

P1 P1

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

P1

P2|

P5

SMD

PLAYER

2

1

3

P2、P4は今回評価せず

【目 的】 : 各プレーヤのP1~P4(、P5)評価結果を図示して、全体を可視化できるようにする。

【概 要】

STEP1-2 で評価を行った、P1~P4(、P5)評価の結果をまとめて、相互関係を明確に図示した全体

像を作成する。まず、P1同士、次にP1とP2~P4(、P5)、そしてP1~P4(、P5)と実行系プロセスにつ

いての相互関係を明確に図示する。P1~P4(、P5)については、評価レベルに従って図示する縦位置を

変える。

事例においては、工場・サプライヤ、本社・メーカ、販社・顧客におけるP1、P2~P4の相互関係を示

している。特に、工場・サプライヤと販社・顧客のP2~P4の位置に注意されたい。

●INPUT

各プレーヤ(組織)のP1、P2、P3、P4(、P5)の格付けと判断理由(チェックリストより)

●OUTPUT

全体バランスが修正されたASISレベル2計画系プロセスと実行系プロセスの記述

●技 法

SCOR LEVEL2 プロセス記述方法、判断理由の正当性による主観的なバランス修正

●TOOL: なし

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2.SCOR ASIS LEVEL2 GAP 分析

SCOR モデルの最大の特徴は、SCOR 自体が、理想的なSCMのビジネスモデル

(TOBE)であることである。 プロセス記述 TOOL としての機能が、一般に注目されて

いるが、この TOBE モデルであることは、往々にして見落とされている。 従って、

SCOR で SCM のプロセスを設計していくと LEVL3 までは、ほとんどのSCMモデル

(VMI,CPFFR など)が同一の形状になる。LEVEL4 から各SCM施策の違いが、記述上現れるのである。だ

から、共通の TOBE である SCOR の LEVEL2/3 をASISプロセスと比較することは、プロセスの不具合個所

を発見するのに効果的な手法であるといえるのである。特に LEVEL2 の比較は、問題プロセスの発見にお

いて、SCMプレーヤや組織の観点でプロセス全てを鳥瞰できるので、各論の議論になりがちな、問題の把

握に対して非常に効果的を発揮する。

ASIS LEVEL2

GAP 分析

ASIS LEVEL3

SCOR 分析

ASIS LEVEL2

PLAN 分析

SCOR

TOBE 設計

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●STEP4-SCORモデルと ASIS との LEVEL2 GAP調整

2

3

1

P1

P2|

P5

SMD

PLAYER

2

1

3

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P1

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

P4

P1

P4

P1

P3

P1

P4P2

P2 P4P3

P2

P2

P1P1凡例: SCOR ASIS調整後

P4P2

P2、P4は今回評価せず

【目 的】 : レベル2におけるSCORモデルとASISプロセスとのGAPをバランス調整する。

【概 要】

ASISレベル2のP1~P4の格付け評価レベルを「バランス調整」することで、プロセスカテゴリーの評

価を明確にする。バランス調整とは、各プロセスカテゴリーはより上位より上流からの影響を受けるため、

相互関係も含めて再評価することである。たとえばP1の評価レベルが「2」であればP2の評価レベルが

「1」ということはあり得ないということになる。

格付け評価レベルに従って、「1」の場合はSCORモデルの位置、「2」の場合はSCORモデルの一段

低い位置、「3」の場合はSCORモデルの二段低い位置に表記する。したがって、低い位置に表記された

プロセスカテゴリーほど、SCORとのGAPが大きいことを示している。

事例においては、本社・メーカのP1は評価レベルが「2」そしてP2とP4はプロセス自体が存在しない

こと、工場・サプライヤのバランス調整後の評価レベルが「2」、P3は評価レベルが「2」そしてP4は「3」

であること、販社・顧客のP1、P2そしてP4は評価レベルが「2」であることを示している。

●INPUT

全体バランスが修正されたASISレベル2計画系プロセスと実行系プロセスの記述、

各プレーヤ(組織)におけるP1~P4(、P5)の格付け評価レベル

●OUTPUT

SCORとのGAPが問題として図示されたASISレベル2計画系プロセスの記述

●技 法 : SCORとの GAP 表記法

●TOOL: SCOR LEVEL2 TOBE記述

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●STEP5- ASIS LEVEL2 問題仮説の設定

P4

2

3

1

P1

P2|

P5

SMD

PLAYER

2

1

3

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P1

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

P4

P1

P4

P1

P3

P1

P4P2

P2 P4P3

理由:①納期回答のベースとなる出荷計画の精度が低い。②納期遵守の責任を持てない。

理由:①市場の動向と生販在計画にGAPが存

在している。

P2

P2

P2

P2、P4は今回評価せず

【目 的】 : SCORとのGAPの評価から、問題プロセスカテゴリーであるとの仮説を設定する。

【概 要】

SCORとのGAPが大きなプロセスカテゴリーを評価して、解決すべきカテゴリーであるという問題仮説

を設定する。具体的には、各プレーヤ(組織)のP1~P4(、P5)におけるSCORとのGAPの理由を検討し、

これが原因で発生すると思われる問題を予想することによって、各組織のP1~P4(、P5)に対して問題

点としての優先順位を設定する。その主な評価尺度は、①SCM改革要求からスコープとなっている重点

プロセスカテゴリーであるか、②GAPの発生の因果関係はどうか(より上流より上位に原因がある)、③

発生が予想される問題の大きさはどうか、などである。

事例においては、工場・サプライヤの評価レベルが「3」とされたP4では、出荷計画の精度が低いこと、

また納期遵守の責任を持てないという問題の発生が予想されることを示している。

●INPUT

SCORとのGAPが図示されたASISレベル2計画系プロセスの記述、および各プレーヤ(組織)のP

1、P2、P3、P4(、P5)の格付けと判断理由(チェックリストより)

●OUTPUT:

問題点(原因としての問題)だと仮説設定された計画プロセスカテゴリー、発生が予想される問題に

関する仮説ストーリ。

●技 法: チェックリストの項目からGAPによって発生する問題を予想する方法、発生問題の大きさ

からのGAPの優先順位付け法(実現可能性は考慮せず)

●TOOL: なし

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●STEP6-問題仮説と現行問題との検証

S1 M1 D1 S1 D1 S1 D1

P3 P2 P4

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

P1

P4

P1

①販社・顧客に対する精度の良い納期回答が、船積直前になるまで出せない。②生産確定時点の納期に対する遵守責任を持てない。(工場・サプライヤ)

市場状況に連動した供給計画でない。

P1

P4P2P3 P4P2

P2

P2

P4

P1

過剰在庫や玉不足を

起こしている。(販社・顧客)

出荷計画は存在するが、実際は生産実績に左右されている。

P2、P4は今回評価せず

【目 的】 : 仮説設定された問題カテゴリーと現実に発生している問題との因果関係を検証する。

【概 要】

まず、各プロセスカテゴリーについて、評価済みチェックリストの結果内容およびSCORプロセスカテ

ゴリー定義を確認しておき、スコア評価の低い判定項目が影響していると思われるSCORプロセスカテ

ゴリー定義部分を特定し、そしてそれを現実に発生している問題に置き換えて記述する。

次に、この現実に発生している問題に対して、STEP5 で仮説設定された問題プロセスカテゴリーが原因

となっていることを検証する。

事例においては、本社・メーカのP1では、プロセスカテゴリー定義である「サプライチェーンリソースの

割り当て」のスコア評価が低い結果、「過剰在庫や玉不足」という問題が発生している。同様に、工場・

サプライヤのP4では、「精度の良い納期回答が船積直前になるまで出せない」「生産確定時点の納期

に対する遵守責任を持てない」という問題が発生している。現実のこれらの問題は、仮説設定された工

場・サプライヤのP4の「出荷計画が市場状況に連動しない(生産実績に左右される)」ことが原因となっ

ていることが検証できる。

●INPUT

現実に発生している問題(結果としての問題)、問題だと仮説設定されたプロセスカテゴリー

●OUTPUT

発生している問題に対して問題プロセスカテゴリーが原因だとする仮説ストーリ

●技 法

仮説検証法による、結果としての問題、原因としての問題の区別

●TOOL: SCOR(プロセスカテゴリー)

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3. ASIS LEVEL3 SCOR 分析

LEVEL2 の GAP 分析で問題プロセスを特定したのち、更に LEVEL 3 への展開

を行う。LEVEL 3 についても SCOR は、TOBE の姿を提示している。 具体的に

は、プロセスの形状(流れ)とインプット要件の提示である。 プロセスの不具合

は、データ等のインプット要件の不足(精度やタイミング)と、処理の不具合に大

別される。 特に処理の不具合については、イネーブルからのインプット要件の

不足に反映されるように、処理のルールや、判断基準の曖昧さなどの要因に分

解される。 処理(メカニズム)自体の不具合内容は、LEVEL4 以降の分析をしないと、明確な内容は掴めな

いが、インプット要件の充足を確認することだけでも、プロセスのかなりの不具合内容が、把握できるので

ある。

ASIS LEVEL2

GAP 分析

ASIS LEVEL3

SCOR 分析

ASIS LEVEL2

PLAN 分析

SCOR

TOBE 設計

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●STEP7-SCORメトリクス分析

工場・サプライヤ D1

工場・サプライヤ P4

P4.1 納入要件の特定、優先順位付け、及び集約

P4.2 納入リソースの特定、評価、及び集約

P4.3納入要件と納入リソースのバランス度合いの把握

P4.4納入計画の確立

D1.3在庫引当と納入日の設定

D1.6出荷ルート設定

D1.5積載の計画策定

D1.4オーダの集約

D1.7輸送業者の選択と出荷料金の値決め、船腹予約

D1.8倉庫での製品受領

D1.9出荷プロダクトのピッキング

D1.10車載、出荷書類作成、与信検証、プロダクト出荷

【目 的】 : メトリクス分析によって、プロセスカテゴリーの中の重要エレメントを特定する。

【概 要】

SCM改革要求からの重点メトリクスの選定と階層化を前提として、重点または問題と特定されたプロ

セスカテゴリーの中から、重要なエレメントを特定する。具体的には、重点メトリクスに関係するSCORの

LEVEL3 メトリクスをパフォーマンス属性とするエレメントを特定する、そして重要エレメントと特定された

ものを作成済みSCORレベル3プロセス記述上にマークする。

事例においては、顧客要求納期遵守率メトリクスからはP4カテゴリーの P4.3 と P4.4、そしてD1カテゴ

リーの D1.10、同様に、約束納期遵守率メトリクスからは D1 カテゴリーの D1.3 と D1.10、即納率メトリクス

からは D1.9、これらが重要エレメントとして特定されたことを示している。

●INPUT

特定されたプロセスカテゴリー、作成済み ASIS SCORレベル3プロセス記述 (SCプロセス記

述実践ガイドの3.STEP1~STEP5 で作成)

●OUTPUT

重要だとして特定されたプロセスエレメント

●技 法: SCORのLEVEL3 メトリクス定義を参照したメトリクス分析

●TOOL: SCOR(プロセスエレメント)

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●STEP8-インプット要件分析

P4.1 納入要件の特定、優先順位付け、及び集約

P4.2 納入リソースの特定、評価、及び集約

P4.3納入要件と納入リソースのバランス度合いの把握

P4.4納入計画の確立

(販社・顧客)Order Sheet

(業者)配船スケジュール

(P1.4) サプライチェーン計画

(EP.3) 計画データ

(EP.9) サービスレベル

(EP.7) 品目マスタ

(EP.7) ルーティング

(D1.3, D2.3, D3.3) 受注残

(顧客) 顧客要件

商品カテゴリ/層別

品/カテゴリライフサイクル

(D4.6) POSデータ(日次)

店内棚在庫カウント

配送センター/ベンダーリードタイム

配送センター/ベンダー輸送時間

年毎のSKU/サブクラス

品切れ履歴

販売促進/イベント計画

値下げ計画

実質目減り

EOQ/ESQ's

(業者)船Booking情報

(D1.3)船積計画調整

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 生産計画

(EP.3) 計画データ

(D1.3, D2.3) 引当可能在庫/納入データ

(D3.3) 入手可能リソース

(EP.1) 計画決定方針

月別船積日程計画(EXIM)

納入計画(P1.2, P2.1, P3.1, D1.3, D2.3, D3.3)

在庫要求(D4.1)

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

D1.3在庫引当と納入日の設定

D1.6出荷ルート設定

D1.5積載の計画策定

D1.4オーダの集約

D1.7輸送業者の選択と出荷料金の値決め、船腹予約

D1.8倉庫での製品受領

D1.9出荷プロダクトのピッキング

D1.10車載、出荷書類作成、与信検証、プロダクト出荷

×

×

×

×

(M1.5)出来高情報

(船会社)配船確定スケジュール:1ヶ月前

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 製造計画

(P4.4) 納入計画

(S, M) 引当可能在庫

(M1.1) 製造日程計画

船積計画調整(P4.2)

Planning of Container Arrangement:2ヶ月前(業者)受注残(P1.1, P4.1)

引当可能在庫、配送期日(P4.2)

補充シグナル (S1.1)

1日の出荷量積み荷情報(P4.2)

積み荷計画と実施情報 (SR2.4)

(輸送業者) ルーティングガイド

(輸送業者) 輸送業者格付けデータ

パッキングリスト、バンニングスケジュール、パンプラン、ケースマーク指示(業者)

納入予定(P)(S1.1) 受領予定

(S1.4) 引当可能在庫

(M1.1) 製造スケジュール

(M1.6) 完成品出荷

(SR2.2) 廃棄承認

(SR2.2) 再使用承認

引当可能在庫(D)

(D) 引当可能在庫

(生産管理)バンニング明細

(D) 荷揃えされた完成品

出荷書類(輸送業者, 顧客,行政)

配送された最終製品 (顧客)

出荷情報(P1.1)

積載, 出荷,与信検証の情報 (SR2.5)

(販社・顧客)営業からの調整要求/適時

×

×

×

×

×

× ×

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SC プロセス分析/TOBE設計実践ガイド SCOR プロジェクト方法論開発WG

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【目 的】 : INPUTデータ要件の充足度を分析して、プロセスカテゴリー中の問題エレメントを特定する。

【概 要】

重点または問題と特定されたプロセスカテゴリーにおいて、作成済みSCORレベル3プロセス記述とS

CORモデルとを比較して、各エレメントにおけるINPUTデータの充足の度合いを分析することで問題エ

レメントを特定する。

具体的には、SCORに存在してASISにない場合には×印を付けてINPUTデータ名を記入する(SC

プロセス記述実践ガイドの3.STEP4 において「対象外」と記入されたものを除く)。この際に、イネーブル

からのINPUTデータである場合には○印を付ける。なぜならば、イネーブルからの INPUT データの不足

は他のエレメントにも共通的に影響するため、イネーブルプロセスの方に本質的な問題が存在している

可能性が高いからである。

事例において、P4.1 のINPUTデータでは、顧客要件として「本社・メーカ Order Sheet」「配船スケジュ

ール」は存在するが、イネーブルからの「計画データ、サービスレベル、品目マスタ、ルーティング」が存在

しないことを示している。同様に D1.3 の INPUT データでは、他のプロセスからの「調達計画、納入計画、

引当可能在庫、製造日程計画」が存在しないことを示している。

●INPUT

特定されたプロセスカテゴリー、作成済みASIS SCORレベル3プロセス記述(実際の

INPUT/OUTPUT 名称が記入されたもの)

●OUTPUT

エレメントにおいて不足と判別されたINPUTデータ名に×印が記入(イネーブルからのデータであ

る場合は○印も)された作成済みASIS SCORレベル3プロセス記述

●技 法

ASISレベル3プロセスとSCORの INPUT データ定義とのマッピング

●TOOL

SCOR(全プロセスエレメント説明)

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●STEP9-分析結果まとめと検証

P4.1 納入要件の特定、優先順位付け、及び集約

P4.2 納入リソースの特定、評価、及び集約

P4.3納入要件と納入リソースのバランス度合いの把握

P4.4納入計画の確立

(販社・顧客)Order Sheet

(業者)配船スケジュール

(P1.4) サプライチェーン計画

(EP.3) 計画データ

(EP.9) サービスレベル

(EP.7) 品目マスタ

(EP.7) ルーティング

(D1.3, D2.3, D3.3) 受注残

(顧客) 顧客要件

商品カテゴリ/層別

品/カテゴリライフサイクル

(D4.6) POSデータ(日次)

店内棚在庫カウント

配送センター/ベンダーリードタイム

配送センター/ベンダー輸送時間

年毎のSKU/サブクラス

品切れ履歴

販売促進/イベント計画

値下げ計画

実質目減り

EOQ/ESQ's

(業者)船Booking情報

(D1.3)船積計画調整

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 生産計画

(EP.3) 計画データ

(D1.3, D2.3) 引当可能在庫/納入データ

(D3.3) 入手可能リソース

(EP.1) 計画決定方針

月別船積日程計画(業者)

納入計画(P1.2, P2.1, P3.1, D1.3, D2.3, D3.3)

在庫要求(D4.1)

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

×

P4.1に対する要件情報と、P4.2に対するリソース情報、及びD1.3に対する

フィードバック情報がほとんど無いため、タイムリーで精度の高い納入計画(納期回答)を提示出来ない。

D1.3在庫引当と納入日の設定

D1.6出荷ルート設定

D1.5積載の計画策定

D1.4オーダの集約

D1.7輸送業者の選択と出荷料金の値決め、船腹予約

D1.8倉庫での製品受領

D1.9出荷プロダクトのピッキング

D1.10車載、出荷書類作成、与信検証、プロダクト出荷

×

×

×

×

(M1.5)出来高情報

(船会社)配船確定スケジュール:1ヶ月前

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 製造計画

(P4.4) 納入計画

(S, M) 引当可能在庫

(M1.1) 製造日程計画

船積計画調整(P4.2)

Planning of Container Arrangement:2ヶ月前(業者)受注残(P1.1, P4.1)

引当可能在庫、配送期日(P4.2)

補充シグナル (S1.1)

1日の出荷量積み荷情報(P4.2)

積み荷計画と実施情報 (SR2.4)

(輸送業者) ルーティングガイド

(輸送業者) 輸送業者格付けデータ

パッキングリスト、バンニングスケジュール、パンプラン、ケースマーク指示(業者)

納入予定(P)(S1.1) 受領予定

(S1.4) 引当可能在庫

(M1.1) 製造スケジュール

(M1.6) 完成品出荷

(SR2.2) 廃棄承認

(SR2.2) 再使用承認

引当可能在庫(D)

(D) 引当可能在庫

(生産管理)バンニング明細

(D) 荷揃えされた完成品

出荷書類(輸送業者, 顧客,行政)

配送された最終製品 (顧客)

出荷情報(P1.1)

積載, 出荷,与信検証の情報 (SR2.5)

(販社・顧客)営業からの調整要求/適時

×

×

×

×

×

× ×

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SC プロセス分析/TOBE設計実践ガイド SCOR プロジェクト方法論開発WG

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【目 的】 :プロセスエレメントの分析結果とその影響による問題点をまとめて、プロセスカテゴリー上で発

生している問題の原因となっていることを検証する。

【概 要】

STEP7 メトリクス分析で特定された重要エレメントを、STEP8 で不足 INPUT データをマークして作成さ

れたASIS SCORレベル3プロセス記述に記入する。また、この際に INPUT データが不足している問題

エレメントが引き起こす他のエレメントへの影響、その多くは当該エレメントまたは一連の後続するエレメ

ントにおける OUTPUT データの精度の低下が引き起こす問題点、について表記する。また、この際に、こ

れらの問題点が STEP5-6 において仮説・検証された問題点の原因となっていることを検証する。

事例においては、P4.1 の納入要件に関するデータおよび P4.2 のリソースに関するデータが不足してい

ることが P4.4 の納入計画データの精度を低下させていること、同様に D1.3 に対する他のプロセスからの

データが不足していることが納期回答を提示できないことを示している。

●INPUT

特定されたプロセスカテゴリーとその問題点、特定されたエレメント、不足と判別されたINPUTデー

タ名が記載された作成済みASIS SCORレベル3プロセス記述

●OUTPUT

メトリクス分析とインプット要件分析結果が記入されたASIS SCORレベル3プロセス記述、当該プ

ロセスエレメントが原因となっているプロセスカテゴリーの問題点

●技 法

SCORプロセスエレメントにおける INPUT データの不足が影響するエレメントの特定と影響予測

●TOOL: なし

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4.SCOR TOBE 設計

ASISプロセスを如何に SCOR モデルに近づけるかが、TOBE 設計の思想で

ある。P1 をはじめ、P2~P5 の計画プロセスが持っている本来の機能を発揮させ

ることである。具体的には、プロセスのインプット要件を整備することである。

TOBE とは言え、実行不可能なプロセスであっては、TOBE プロセス設計とは言

えない。従って、実行可能であることを前提に(イネーブルが大きく関わる)TOBE

は設計されなければならない。現実は、改革の要件、投資、リソース、時間など

の様々な制約条件や、前提条件を把握しなければならない。このガイドでは、実現難易度を基に複数の

TOBE を参考提示する内容となっている。このガイドでは、GAP 分析でプロセスの問題点が洗い出されてい

るので、基本的にはプロセスの問題点である、プロセスエレメントのインプット要件(イネーブル含む)を段階

的に改善することである。

ASIS LEVEL2

GAP 分析

ASIS LEVEL3

SCOR 分析

ASIS LEVEL2

PLAN 分析

SCOR

TOBE 設計

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●STEP10- LEVEL2 TOBE 設計

2

3

1

P1

P2|

P5

SMD

PLAYER

2

1

3

S1 M1 S1 D1 S1 D1

P2

工場・サプライヤ 本社・メーカ 販社・顧客

P1P1

P2 P4P3

D1

P4

P3

P1

P2、P4は今回評価せず

【目 的】 : TOBE 設計の対象範囲となるプロセスカテゴリーを決定する。

【概 要】

解決すべき問題が特定されたプロセスカテゴリーに対するASIS LEVEL3 分析結果を検討し、TO

BE 設計の対象範囲を決定する。検討の際の候補は、P1であるもの(これに支配的影響を与える他の

組織のプロセスカテゴリーを含む)、そしてASIS LEVEL3 分析によって重要または問題と特定された

エレメントを含むプロセスカテゴリーである。

事例においては、工場・サプライヤの P4(エレメント P4.3 と P4.4 が重要かつ P4.1 と P4.2 に問題あり)

およびD1(D1.3、D1.9、D1.10 が重要かつ D1.3 に問題あり)が TOBE 設計の対象範囲となることを示して

いる。

●INPUT

ASIS LEVEL2 GAP 分析で作成されたレベル2プロセス記述、特定されたプロセスカテゴリーにつ

いてASIS LEVEL3 SCOR分析されたもの

●OUTPUT

TOBE 設計の対象範囲

●技 法: なし

●TOOL: なし

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●STEP11- LEVEL3 TOBE 設計

P4.1 納入要件の特定、優先順位付け、及び集約

P4.2 納入リソースの特定、評価、及び集約

P4.3納入要件と納入リソースのバランス度合いの把握

P4.4納入計画の確立

(販社・顧客)Order Sheet

(業者)配船スケジュール

(P1.4) サプライチェーン計画

(EP.3) 計画データ

(EP.9) サービスレベル

(EP.7) 品目マスタ

(EP.7) ルーティング

(D1.3, D2.3, D3.3) 受注残

(顧客) 顧客要件

商品カテゴリ/層別

品/カテゴリライフサイクル

(D4.6) POSデータ(日次)

店内棚在庫カウント

配送センター/ベンダーリードタイム

配送センター/ベンダー輸送時間

年毎のSKU/サブクラス

品切れ履歴

販売促進/イベント計画

値下げ計画

実質目減り

EOQ/ESQ's

(業者)船Booking情報

(D1.3)船積計画調整

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 生産計画

(EP.3) 計画データ

(D1.3, D2.3) 引当可能在庫/納入データ

(D3.3) 入手可能リソース

(EP.1) 計画決定方針

月別船積日程計画(業者)

納入計画(P1.2, P2.1, P3.1, D1.3, D2.3, D3.3)

在庫要求(D4.1)

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:対販売店 竹:対顧客 梅:対事業部

× 松:ERPから 竹:現システムから

× 松:ERPから 竹:現システムから

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:対販売店 竹:対顧客 梅:対事業部

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 対象外

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

D1.3在庫引当と納入日の設定

D1.6出荷ルート設定

D1.5積載の計画策定

D1.4オーダの集約

D1.7輸送業者の選択と出荷料金の値決め、船腹予約

D1.8倉庫での製品受領

D1.9出荷プロダクトのピッキング

D1.10車載、出荷書類作成、与信検証、プロダクト出荷

(M1.5)出来高情報

(船会社)配船確定ス

ケジュール:1ヶ月前

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 製造計画

(P4.4) 納入計画

(S, M) 引当可能在庫

(M1.1) 製造日程計画

船積計画調整(P4.2)

Planning of Container Arrangement:2ヶ月前(業者)受注残(P1.1, P4.1)

引当可能在庫、配送期日(P4.2)

補充シグナル (S1.1)

1日の出荷量積み荷情報(P4.2)

積み荷計画と実施情報 (SR2.4)

(輸送業者) ルーティングガイド

(輸送業者) 輸送業者格付けデータ

パッキングリスト、バンニングスケジュール、パンプラン、ケースマーク指示(業者)納入予定(P)

(S1.1) 受領予定

(S1.4) 引当可能在庫

(M1.1) 製造スケジュール

(M1.6) 完成品出荷

(SR2.2) 廃棄承認

(SR2.2) 再使用承認

引当可能在庫(D)

(D) 引当可能在庫

(生産管理)バンニング明細

(D) 荷揃えされた完成品

出荷書類(輸送業者, 顧客,行政)

配送された最終製品 (顧客)

出荷情報(P1.1)

積載, 出荷,与信検証の情報 (SR2.5)

(販社・顧客 )営業からの調整要求/適時

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:現システムから 梅:EXCELL

× 対象外

× 対象外

×

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【目 的】 : TOBE設計においてINPUTデータ充足への段階ステップを提示する。

【概 要】

TOBE設計の対象範囲と決定されたプロセスカテゴリーにおいて、ASIS LEVEL3 SCOR分析で特

定されたエレメントに関するインプット要件分析の結果について、不足 INPUT データを充足する方法の難

易度から3段階のレベルの改善ステップ(プロセス系とイネーブル系)を設計する。

①松レベル:現状の業務ル-ルや情報システムを革新することで、データが入手できる場合。

②竹レベル:現在はデータが存在していないが、現状の業務ル-ルや情報システムを工夫すれば入手で

きる場合。

③梅レベル:データが存在しているが、現在は、うまく使われていないまたは使われていない場合。

事例においては、たとえば P4.1 において不足している INPUT データである「サービスレベル」について、

松レベルならば対販売店から、竹レベルならば対販社・顧客から、梅レベルならば対事業部から入手す

る方法となる。

●INPUT

メトリクス分析とインプット要件分析の結果が記入されたASIS SCORレベル3プロセス記述

●OUTPUT

INPUT データ充足についての松竹梅での難易度が記入されたASIS SCORレベル3プロセス記述

●技 法

不足データを充足する方法の難易度のレベル分け (松竹梅)

●TOOL

松竹梅定義

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●STEP12- LEVEL3 TOBE の LEVEL4 検証

P4.2P4.2.1 納入リソースの特定

P4.2.1 納入リソースの特定

P4.2.1 納入リソースの評価

P4.2.1 納入リソースの評価

P4.2.1 納入リソースの集約

P4.2.1 納入リソースの集約

(D1.3, D2.3) 引当可能在庫/納入データ

(D3.3) 入手可能リソース × 松:ERPから 竹:現在の情報システムから 梅:EXCELL

(P2.4) 調達計画

(P3.4) 生産計画

(EP.3) 計画データ

× 松:ERPから 竹:情報システムから 梅:EXCELL

× 松:ERPから 竹:情報システムから 梅:EXCELL

(業者)船Booking情報

(D1.3)船積計画調整

【目 的】 : INPUT データ充足への各段階ステップをレベル4において具体的に評価・検証する。

【概 要】

問題エレメントに対して TOBE 設計された INPUT データの充足について、3段階レベルの各改善ステッ

プを評価し直す。まず、問題エレメントを構成するレベル4の各タスクに対して、INPUT データが不足か否

か、および充足の方法をより具体的に検討することによって、レベル 4 での難易度を3段階レベルで再設

定する。次に、各改善ステップにおいて、INPUT データの入手レベル向上が当該エレメントからの

OUTPUT データの精度にどのように改善できるかを再評価する。

事例においては、エレメント P4.2.1 への INPUT データ「入手可能リソース」のレベル難易度を、松、竹、

梅で表現している。

●INPUT

特定されたエレメントについてのASIS SCORレベル4プロセス記述 (SC プロセス記述実践ガイド

4 STEP2-3 で作成)

●OUTPUT

INPUT データ充足についての松竹梅での難易度が記入されたASIS SCORレベル4プロセス記述

●技 法: なし

●TOOL : SCプロセス記述実践ガイド

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SC プロセス分析/TOBE設計実践ガイド SCOR プロジェクト方法論開発WG

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