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坂の地形がそのまま地上階の空間として現れる。その坂は折り返しながら上へと伸びていく。 屋上緑地はオフィスワーカーの憩いの場。ここから原宿や新宿を見渡せる。 オフィス空間。紙を扱う様々な業種の企業がここに入居する。 地上階は、渋谷の新しいコミュニティスペースとなる。 工場では、日々渋谷で消費された古紙が運び込まれる。 谷は東京でも有数の「坂の町」であるを歩くと、配や距離などが異なるさまな坂があることに気づく本提案の対 象となる敷地の勾配は他の坂に比べて定であることが特徴である渋谷駅前再発により今後 10 年でたに 5 棟のオフィスビルが設され予定であるそして右図に示す計渋谷ヒカリエを含め一日あた り 8.2 ㌧のが新たに消されるこが推測される本提案ではこの新た に消費される紙の利用を目的とし、 場整備の面積を算出した部に製紙工場を整備し蒸解 釜は屋外まで抜ける。 の流れが可視化される。 SHIBUYA×KAMIYA」は製紙工場とオフィスを運営する会社を中心に2つの環関係がり立つつ目は渋谷内で発生する古紙を製紙工場で回収しリサイクルした再生紙をオ ィスに販売する渋谷内で紙の循環させることで回収と運送コストを下げ、価に紙を提供することが可能となる二つ目は運営するコーディネーターによってデインテナントに製造した紙製 建具の他、資源を提供する。テナントはこれを原料として新しい製品を創し、 谷の外にも発信していくテナントは初期投資を抑えながら創作することが できイナーの発信力によりSHIBUYA×KAMIYA」全体も発信される工場で再生された紙を使用し建具と家具などのインフィルを制作する紙管や板紙によってつくられたインフィ ルは移り変わりの早い渋谷のオフィスに順応する使わなくなったインフィルは再生され新たな建具や紙とな り循環する廃棄が簡単となったインフィルにより自由な空間が可能となるスケルトンの構成 紙屋の運営組織 紙製造と渋谷再開発 紙材によるインフィルの提案 敷地の勾配に合わせた斜め コンクリートスラり返し、4 枚重ねる。 スラブの折り返しを反転さ せたスラブ動線用として挿 入する。 3.6m 間隔にφ=200mm の 柱を配置する自由にイン ィルをり付けられる。 設のオフィス空間となチューを 5 本入れる。はチューごとに異なる。 障子のようなパネルガラスチュー 内外の視線や光など調整板紙によるブラインド柔らかい光と風が通る。 材による家具 途によすぐ 取り替えが可能 板紙による床面拡張ユニット。 紙による床面拡張ユニットラブに角度を合わせた側面板と により自由に床面の拡張が可紙による間仕切りの効果 フィスに快適な環境を創湿度の除去 断熱効果 日射の拡散 hlc00313 短柱。 短柱 紙管でできたでできたスラブに穿たれた穴と組み合わせる とでインフィルを支える。 エネルギーと水利用 以下に示す5つの要素が相互に影し合いながらSHIBUYA KAMIYA の全体のディ メンジョンが決定されている。ま3600mm グリッドを定義し、地下階の工場のプ paper factory floor slab office tubes circulation columns 渋谷区内の循環モデル ShibuYa KamiYa 製紙工場 拠点施設 運営 紙資源の提供 古紙回収 再生紙提供 コーディネーター 本の出版 家具の制作 小物の制作 テナント ( 想定 ) 印刷業者 家具メーカー 紙細工 渋谷のオフィス shibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiyashibuya kamiyashibuya kamiya shibuya kamiyashibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiya shibuya kamiyashibuya kamiyashibuya kamiya shibuya kamiyashibuya kamiya shibuya kamiya 人・空間 紙資源 紙建具の提供 ランを決定する。その上にオルカン坂の傾斜を踏襲したスラが入る。そして、工 場の機械の配置に合わせてオフィスチューをスラ中に貫通させる現代社会におけるオフィスの OA 化はの増加をもたらし、肉なことに大 量のが消されることとなった一方古来からは重要なコミュニケーショ媒体として人間社会を支えてきた現代社会おける紙 sect ctio on n : : : : : : : : S S=1 =1 =1/1 /100 00 0 0 1 5 5 10 0 m m m m 渋谷の地形と街の構成 渋谷 渋谷 渋谷 商業 商業 商業 商業 商業 商業 商業 地域 地域 地域 地域 地域 住宅 住宅 住宅 住宅 ・公 ・公 ・公 ・公 共施 共施 共施 共施 共施 間坂:12.7% オルカン坂 ( 対象敷地 ) :17.1% あいだ坂:6.8% 道弦坂:4.4% 南平坂:1.6% 亀山坂:5.6% スペイン坂 :27.2% 太陽パネル 設備シャフト 渋谷川 渋谷川より供 より供ドライ ドライ ドライ ドライエリア エリア エリア エリア 製紙工由なオフィスが一体となった であることを利用する。工場におい廃熱ののドライエリアの上部を空調 設備シャフトとしその廃熱を上部のオフィ で利用する広い面積をもつ屋上には光パネルを設け主にオープンスペース力を賄う。また暗渠した渋谷川から水を 引込み製および中水として利用する太陽光パネル 屋上緑地 コーディネーター オフィス 家具会社 広告会社 公共 オープン スクエア 印刷会社 インフィル倉庫 絵画アトリエ ウォッシャー 漂白装置 テナント オープン スクエア 蒸解釜 ドライヤー パート プレスパート ベルトコンベア 仮設ワークショップ広場 SHIBUYA KAMIYA × 紙資源の循環を目的とした製紙工場 とデザイナーオフィスを立体的に構 築した建築を提案する。 今後の駅前開発によって 8.2 ㌧ / 日排 出される古紙を紙だけでなく、建具、 調度品、書物など様々な形にしてい く。紙を媒体とした文化を発信する。 8.2t/day 参照 : 三井物産 HP 環境への取り組み 渋谷駅 街区 34F × 9640 ㎡ (単位床) × 1/2 31F × 6940 ㎡ × 1/2 40F × 4300 ㎡ × 1/2 36F × 5160 ㎡ × 1/2 56F,47F × 12900 ㎡ × 1/2 渋谷 ヒカリエ 桜ヶ丘 地区 南街区 道玄坂 地区 × 2.73 枚 / ㎡ .day (オフィス 1 ㎡あたりの紙使用量) 24 万枚 /day 36 万枚 /day 204 万枚 /day 23 万枚 /day 25 万枚 /day 91 万枚 /day 注 : 高さの強調 5.0 倍 参照:国土地理院 _ 基盤地図情報より作成

SHIBUYA KAMIYA - HULIC · 2018. 3. 29. · 「shibuya×kamiya」は製紙工場とオフィスを運営する会社を中心に2つの循 環関係が成り立つ。 一つ目は渋谷内で発生する古紙を製紙工場で回収し、リサイクルした再生紙をオ

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Page 1: SHIBUYA KAMIYA - HULIC · 2018. 3. 29. · 「shibuya×kamiya」は製紙工場とオフィスを運営する会社を中心に2つの循 環関係が成り立つ。 一つ目は渋谷内で発生する古紙を製紙工場で回収し、リサイクルした再生紙をオ

坂の地形がそのまま地上階の空間として現れる。その坂は折り返しながら上へと伸びていく。

屋上緑地はオフィスワーカーの憩いの場。ここから原宿や新宿を見渡せる。 オフィス空間。紙を扱う様々な業種の企業がここに入居する。

地上階は、渋谷の新しいコミュニティスペースとなる。工場では、日々渋谷で消費された古紙が運び込まれる。

渋谷は東京でも有数の「坂の町」である。街を歩くと、勾配や距離などが異なるさまざまな坂があることに気づく。本提案の対象となる敷地の勾配は、他の坂に比べて一定であることが特徴である。

渋谷駅前再開発により今後 10 年で新たに 5 棟のオフィスビルが建設される予定である。そして、右図に示す計算より、渋谷ヒカリエを含め、一日あたり 8.2 ㌧の紙が新たに消費されることが推測される。本提案では、この新たに消費される紙の再利用を目的とし、工場整備の面積を算出した。

低層部に製紙工場を整備し、蒸解釜は屋外まで抜ける。紙の流れが可視化される。

「SHIBUYA×KAMIYA」は製紙工場とオフィスを運営する会社を中心に2つの循環関係が成り立つ。一つ目は渋谷内で発生する古紙を製紙工場で回収し、リサイクルした再生紙をオフィスに販売する。渋谷内で紙の循環させることで回収と運送コストを下げ、安価に紙を提供することが可能となる。二つ目は運営するコーディネーターによってデザイン系テナントに製造した紙製建具の他、紙資源を提供する。テナントはこれを原料として新しい製品を創造し、渋谷の外にも発信していく。テナントは初期投資を抑えながら、創作することができ、デザイナーの発信力により「SHIBUYA×KAMIYA」全体も発信される。

工場で再生された紙を使用し、建具と家具などのインフィルを制作する。紙管や板紙によってつくられたインフィルは、移り変わりの早い渋谷のオフィスに順応する。使わなくなったインフィルは再生され新たな建具や紙となり循環する。廃棄が簡単となったインフィルにより、自由な空間が可能となる。

スケルトンの構成

紙屋の運営組織紙製造と渋谷再開発 紙材によるインフィルの提案

敷地の勾配に合わせた斜めのコンクリートスラブを折り返し、4枚重ねる。

スラブの折り返しを反転させたスラブ動線用として挿入する。

3.6m 間隔にφ=200mm の柱を配置する。自由にインフィルを取り付けられる。

常設のオフィス空間となるチューブを 5 本入れる。階高はチューブごとに異なる。

障子のようなパネル。ガラスチューブ内外の視線や光など調整。

板紙によるブラインド。柔らかい光と風が通る。風

。紙材による家具に用途によりすぐ。取り替えが可能

板紙による床面拡張ユニット。紙による床面拡張ユニット。スラブに角度を合わせた側面板と短柱により自由に床面の拡張が可能能。

紙による間仕切りの効果

オフィスに快適な環境を創る

湿度の除去

断熱効果

日射の拡散

hlc00313柱。短柱。短柱紙管紙管でできた短でできた短短短

スラブに穿たれた穴と組み合わせるれことでインフィルを支える。

エネルギーと水利用

以下に示す5つの要素が相互に影響し合いながら、SHIBUYA KAMIYAの全体のディメンジョンが決定されている。まず 3600mmグリッドを定義し、地下階の工場のプ

paper factory floor slab office tubes circulationcolumns

渋谷区内の循環モデル

ShibuYaKamiYa

製紙工場拠点施設

運営

紙資源の提供

古紙回収

再生紙提供

コーディネーター

本の出版

家具の制作

小物の制作

テナント (想定 )

印刷業者

家具メーカー

紙細工

渋谷のオフィス

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amiya

人・空間

紙資源

紙建具の提供

ランを決定する。その上にオルカン坂の傾斜を踏襲したスラブが入る。そして、工場の機械の配置に合わせてオフィスチューブをスラブ中に貫通させる。

現代社会におけるオフィスのOA化は印刷物の増加をもたらし、皮肉なことに大量の紙が消費されることとなった。一方、古来から紙は重要なコミュニケーション媒体として人間社会を支えてきた。

現代社会おける紙

sectctioon n :::::::: SS=1=1=1/1/1000000 1 55 100 mmmm

渋谷の地形と街の構成

渋谷渋谷渋谷谷谷谷谷駅駅駅駅駅駅駅

商業商業商業商業業商業商業商商商業業地域地域地域域地域地域地域

住住住住宅住住宅住宅住住宅住 ・公・公・公公・公公共施共施共施共施共施共共 設設設設設設設

間坂:12.7% オルカン坂 (対象敷地 ):17.1%

あいだ坂:6.8%道弦坂:4.4%

南平坂:1.6%

亀山坂:5.6%

スペイン坂:27.2%

太陽光パネルル設備シャフト

渋谷川渋谷川より供より供給給

ドライドライドライドライエリアエリアエリアエリア

製紙工場と自由なオフィスが一体となった建築であることを利用する。工場において廃熱の多い紙のドライエリアの上部を空調設備シャフトとしその廃熱を上部のオフィスで利用する。広い面積をもつ屋上には太陽光パネルを設け主にオープンスペースの電力を賄う。また暗渠した渋谷川から水を引込み製紙および中水等として利用する。

太陽光パネル

屋上緑地

コーディネーターオフィス

家具会社

広告会社

公共オープンスクエア

印刷会社

インフィル倉庫

絵画アトリエ

ウォッシャー漂白装置

テナントオープンスクエア

蒸解釜 ドライヤーパート

プレスパート

ベルトコンベア

仮設ワークショップ広場

SHIBUYAKAMIYA

×

紙資源の循環を目的とした製紙工場とデザイナーオフィスを立体的に構築した建築を提案する。今後の駅前開発によって8.2㌧ /日排出される古紙を紙だけでなく、建具、調度品、書物など様々な形にしていく。紙を媒体とした文化を発信する。

8.2t/day 参照 : 三井物産 HP 環境への取り組み

渋谷駅街区

34F×

9640 ㎡(単位床)

×1/2

31F×

6940 ㎡×1/2

40F×

4300 ㎡×1/2

36F×

5160 ㎡×1/2

56F,47F×

12900 ㎡×1/2

渋谷ヒカリエ

桜ヶ丘地区 南街区 道玄坂

地区

×2.73 枚 / ㎡ .day

(オフィス 1㎡あたりの紙使用量)

24万枚/day

36 万枚/day204 万枚/day

23 万枚/day

25 万枚/day

91 万枚/day+ + + +

注 :高さの強調 5.0 倍参照:国土地理院 _基盤地図情報より作成