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特長 利用事例 何ができる? どんなサービス? 物理マシンをオンデマンドにセルフサービスで貸出 今の研究環境を簡単に拡張できる「研究クラウド」 先端ICTセンター(クラウド担当) 横山重俊 吉岡信和 長久勝 山中顕次郎 合田憲人 漆谷重雄 研究環境のブースター 研究に使う計算機等のITリソースを、必要な時に必 要なだけ増強することで、研究スピード・効率の向上 を図ります。ITリソースの「所有」に伴う、管理・運用 の手間を軽減し、研究に集中できる環境を作りだし ます。 物理マシンを研究ネットワーク上に貸出 物理マシンを利用者の研究用ネットワーク上に配 置する形で貸出します。新設のアカデミックイン タークラウド (AIC)では、 SINET L2VPNとの 10Gbps直結環境を提供。大学間連携研究を強 力にサポートします。 SINET L2VPNで大学間連携研究を支援するクラウド「AIC連絡先: 横山重俊 国立情報学研究所 先端ICTセンター TEL : 03-4212-2726 FAX : 03-4212-2697 Email : [email protected] StarCloudAndroidのための開発試験環境」 合田研究室 複数のスマートフォンで分散処理するアプリケーションを開発 する際に、試験環境を自動的に構築するシステムを開発し ました。開発者が設定した端末数や端末OSバージョンなど の構成情報に基づきシステムが複数のAndorid VMの起動 や設定、VM間の仮想ネット ワーク設定を行い、試験環 境を自動構築します。 このシステムの開発におい て、研究クラウドが利用さ れました。 「日中英統計的機械翻訳のための事前並べ替え手法」 宮尾研究室 日本語・中国語・英語は言語 の構造が大きく異なるため、既 存の機械翻訳システムでは満 足な翻訳になりません。本研究 では、実用的な機械翻訳のた めの手法を提案しています。 提案手法の有用性を確認する ための計算機実験において研 究クラウドが利用されました。 「高耐性音響電子透かし」 小野研究室 様々な攻撃に高い耐性をもつ高品質な音響信号電子透か しのアルゴリズムを開発しました。昨年度開催された第1回 音響電子透かしコンテストに応募する際、音質とエラー率の 最適なトレードオフを与えるパラメータを決めるのに、研究ク ラウドが利用されました。 「トピック遷移PLSAに基づく多言語音声分類」 小野研究室 大量の多言語音声データを用いて、言語同士の音響的な 類似性を定量化したり、言語を識別したりする研究を行って います。この識別器のトレーニングを研究クラウド上で行って います。 「高度情報化社会における政治的学習に関する 実験社会心理学的研究」 小林研究室 実験に参加する被験者のために特設したニュースサイトにお いて、ヘッドラインに表示される政治的ニュースの割合を操 作し、被験者の政治的知識量の変化を測定しました。この 実験を通じて、日本におけるネットニュース接触が、政治的 知識の流通に、どの程度、貢献しているかを明らかにするこ とができます。 この実験システムの基盤として研究クラウドが利用されまし た。 SINET Watch先端ICTセンター(クラウド担当) 研究クラウドのアーキテクチャの、ビッグデータ解析基盤とし ての可能性を探るため、NIIが運用するSINET上で、拠点間 のトラフィック情 報を収集、蓄積、分析 する実験を行っていま す。SINETをリアルタイ ムに監視し、インシデ ントを早期に発見する など、成果の活用が 考えられます。 15 11 7 19 23 27 31 14 10 6 18 22 26 30 13 9 5 17 21 25 29 12 8 4 16 20 24 28 Switch 0 Switch 1 Switch 2 Switch 3 128 160 192 96 64 32 129 161 193 97 65 33 130 162 194 98 66 34 131 163 195 99 67 35 224 225 226 227 Cabinet z ULP-HPCのインターコネクト技術」 鯉渕研究室 スーパーコンピュータのシステム 性能はコア間の通信遅延と消 費電力により律速されつつあり ます。本研究ではその解決方法 としてランダムに相互接続した ネットワークを用いる手法を提 案しています。 提案手法における有用なパラ メータを探すシミュレーションに おいて研究クラウドが利用され ました。 物理マシンプール 研究用プログラム 研究者 研究環境構築者 研究室セグメント A. 物理マシンを そのまま貸出 B. 研究室 セグメント上 に物理マシンを 配置 (研究クラウド) C . 学認で認証 利用 環境構築 B. SINET L2VPN上に 物理マシンを 配置 (AIC) SINET L2VPN 研究者 研究者 大学A 大学B 10GbE A) 物理マシンをそのまま貸し出します。従来の 仮想マシンを利用したクラウドに比べ、仮想 化技術のオーバヘッドや他の仮想マシン負 荷の影響無しに、物理マシンそのままの性 能を安定して利用できます。 B) 研究室セグメント(研究クラウド)/SINET L2VPNAIC)のネットワークセグメント上に 物理マシンを配置します。貸出された物理 マシンはあたかも手元にあるかの様にシー ムレスに利用できます。 C) 個人認証に学認を使用します。あらたな個 人登録手続き無しに研究クラウド/AICを利 用できます。

SINET L2VPNで大学間連携研究を支援するクラウド「 · PDF fileベアメタルクラウドが情報学研究を支援中. 連絡先:横山重俊/ 国立情報学研究所

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Page 1: SINET L2VPNで大学間連携研究を支援するクラウド「 · PDF fileベアメタルクラウドが情報学研究を支援中. 連絡先:横山重俊/ 国立情報学研究所

特長

利用事例

何ができる? どんなサービス?

物理マシンをオンデマンドにセルフサービスで貸出 今の研究環境を簡単に拡張できる「研究クラウド」

先端ICTセンター(クラウド担当) 横山重俊 吉岡信和 長久勝 山中顕次郎 合田憲人 漆谷重雄

研究環境のブースター

研究に使う計算機等のITリソースを、必要な時に必要なだけ増強することで、研究スピード・効率の向上を図ります。ITリソースの「所有」に伴う、管理・運用の手間を軽減し、研究に集中できる環境を作りだします。

物理マシンを研究ネットワーク上に貸出

物理マシンを利用者の研究用ネットワーク上に配置する形で貸出します。新設のアカデミックイン タークラウド (AIC)では、 SINET L2VPNとの10Gbps直結環境を提供。大学間連携研究を強力にサポートします。

SINET L2VPNで大学間連携研究を支援するクラウド「AIC」

連絡先: 横山重俊 / 国立情報学研究所 先端ICTセンター TEL : 03-4212-2726 FAX : 03-4212-2697 Email : [email protected]

「StarCloud:Androidのための開発試験環境」 合田研究室

複数のスマートフォンで分散処理するアプリケーションを開発する際に、試験環境を自動的に構築するシステムを開発しました。開発者が設定した端末数や端末OSバージョンなどの構成情報に基づきシステムが複数のAndorid VMの起動や設定、VM間の仮想ネット ワーク設定を行い、試験環 境を自動構築します。 このシステムの開発におい て、研究クラウドが利用さ れました。

「日中英統計的機械翻訳のための事前並べ替え手法」 宮尾研究室

日本語・中国語・英語は言語 の構造が大きく異なるため、既 存の機械翻訳システムでは満 足な翻訳になりません。本研究 では、実用的な機械翻訳のた めの手法を提案しています。 提案手法の有用性を確認する ための計算機実験において研 究クラウドが利用されました。

「高耐性音響電子透かし」 小野研究室

様々な攻撃に高い耐性をもつ高品質な音響信号電子透かしのアルゴリズムを開発しました。昨年度開催された第1回音響電子透かしコンテストに応募する際、音質とエラー率の最適なトレードオフを与えるパラメータを決めるのに、研究クラウドが利用されました。

「トピック遷移PLSAに基づく多言語音声分類」 小野研究室

大量の多言語音声データを用いて、言語同士の音響的な類似性を定量化したり、言語を識別したりする研究を行っています。この識別器のトレーニングを研究クラウド上で行っています。

「高度情報化社会における政治的学習に関する 実験社会心理学的研究」

小林研究室

実験に参加する被験者のために特設したニュースサイトにおいて、ヘッドラインに表示される政治的ニュースの割合を操作し、被験者の政治的知識量の変化を測定しました。この実験を通じて、日本におけるネットニュース接触が、政治的知識の流通に、どの程度、貢献しているかを明らかにすることができます。 この実験システムの基盤として研究クラウドが利用されました。

「SINET Watch」 先端ICTセンター(クラウド担当)

研究クラウドのアーキテクチャの、ビッグデータ解析基盤としての可能性を探るため、NIIが運用するSINET上で、拠点間のトラフィック情 報を収集、蓄積、分析 する実験を行っていま す。SINETをリアルタイ ムに監視し、インシデ ントを早期に発見する など、成果の活用が 考えられます。

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「ULP-HPCのインターコネクト技術」 鯉渕研究室

スーパーコンピュータのシステム性能はコア間の通信遅延と消費電力により律速されつつあります。本研究ではその解決方法としてランダムに相互接続したネットワークを用いる手法を提案しています。 提案手法における有用なパラメータを探すシミュレーションにおいて研究クラウドが利用されました。

物理マシンプール

研究用プログラム 研究者

研究環境構築者

研究室セグメント

A. 物理マシンを そのまま貸出

B. 研究室 セグメント上 に物理マシンを 配置 (研究クラウド)

C . 学認で認証

利用

環境構築

B. SINET L2VPN上に 物理マシンを 配置 (AIC)

SINET L2VPN

研究者

研究者

大学A

大学B

10GbE

A) 物理マシンをそのまま貸し出します。従来の仮想マシンを利用したクラウドに比べ、仮想化技術のオーバヘッドや他の仮想マシン負荷の影響無しに、物理マシンそのままの性能を安定して利用できます。

B) 研究室セグメント(研究クラウド)/SINET L2VPN(AIC)のネットワークセグメント上に物理マシンを配置します。貸出された物理マシンはあたかも手元にあるかの様にシームレスに利用できます。

C) 個人認証に学認を使用します。あらたな個人登録手続き無しに研究クラウド/AICを利用できます。

Page 2: SINET L2VPNで大学間連携研究を支援するクラウド「 · PDF fileベアメタルクラウドが情報学研究を支援中. 連絡先:横山重俊/ 国立情報学研究所

ベアメタルクラウドが情報学研究を支援中

連絡先:横山重俊/ 国立情報学研究所 先端ICTセンター TEL : 03-4212-2726 FAX : 03-4212-2697 Email : [email protected]

状況設定

クラウドの効率的な運用のための 監視システム Cloud Watch(仮)

必要な時に、必要なだけマシンを 貸し出す「クラウド」を効率的に 運用していくための 「見える化」の研究をしています。

研究内容

どんな研究? 何がわかる?

• クラウド内のシステムの理解を助けることによる運用効率化手法

• 多くの、複雑なものを運用するための知識発見、共有方法

編集可能な「マップ」による「見える化」

監視「マップ」参照時の視点により情報の粒度を変えることで、さまざまな 粒度の情報の関係性がわかるようになります。

ハードウェアとソフトウェアの関係 値の変化の関係

ドローイングツールにより説明図を描画

図の構造によりデータの取得・グラフ描画

Google Maps風 Web UIで共有

拡大

拡大

さまざまなマシンからなり、 さまざまな利用者に利用される 運用者や利用者による 利用状況に関する理解・共有が困難 仮想化基盤

… 利用者

仮想 マシン

物理 マシン

クラウドの多様な利用形態(例)

遅い! 期待したとおりに動かない! … 原因は?

装置が壊れた! … 誰に影響が及ぶ?

多くのグラフなど収集できているが、 それを理解しやすく提示する方法は?