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107 第6章 SITC-R1 に変換された貿易統計基礎データ に基づく輸出単価指数の作成 黒子正人 はじめに 2002 年度にアジア経済研究所が作成した貿易指数には、以下のような問題 点や課題があった (注1) (1)報告国別・IO24 分類別にまず基準年を定め、さらに報告国別の共通の 基準年を定める方法を採ったため、報告国により基準年がばらばらである。 (2)不規則な指数の変動への対処として、採用品目決定期間と指数計算期 間を一致させる、新しい採用品目決定方法を開発するなどが必要である。 (3)SITC-R1SITC-R2SITC-R3 の改訂版(Revision)ごとに異なる指数連 となっており、それらを接続できていない。 (4)各国別に算出された指数の国際比較の方法の開発が必要である。 (5)各国政府が発行している貿易指数との相関が低い (注2) (6) IO24 部門分類別になっているため、一般機械、電気機械が同じ分類に 入ってしまっておりこれらを個別に分析できない。 今回の 2003 年度研究会ではこれらの問題点を少しでも解消することが目 標となった。そこで、以下の作業をおこなった。 (1)まず IO24 部門分類ではなく、SITC 各改訂版別に SITC 中分類(上 2 桁)で集計して指数を作成した。 (2)次に今回野田によって SITC-R1 ベースに変換・結合された AID-XT 礎データを入力元として指数を作成し、またその他の作成方法の細かな見直 しを行った。

SITC-R1 に変換された貿易統計基礎データ に基づく輸出単価 …107 第6章 SITC-R1 に変換された貿易統計基礎データ に基づく輸出単価指数の作成

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  • 107

    第6章

    SITC-R1 に変換された貿易統計基礎データ

    に基づく輸出単価指数の作成

    黒子正人

    はじめに

    2002 年度にアジア経済研究所が作成した貿易指数には、以下のような問題

    点や課題があった(注1)。

    (1)報告国別・IO24 分類別にまず基準年を定め、さらに報告国別の共通の

    基準年を定める方法を採ったため、報告国により基準年がばらばらである。

    (2)不規則な指数の変動への対処として、採用品目決定期間と指数計算期

    間を一致させる、新しい採用品目決定方法を開発するなどが必要である。

    (3)SITC-R1、SITC-R2、SITC-R3 の改訂版(Revision)ごとに異なる指数連

    となっており、それらを接続できていない。

    (4)各国別に算出された指数の国際比較の方法の開発が必要である。

    (5)各国政府が発行している貿易指数との相関が低い(注2)。

    (6)IO24 部門分類別になっているため、一般機械、電気機械が同じ分類に

    入ってしまっておりこれらを個別に分析できない。

    今回の 2003 年度研究会ではこれらの問題点を少しでも解消することが目

    標となった。そこで、以下の作業をおこなった。

    (1)まず IO24 部門分類ではなく、SITC 各改訂版別に SITC 中分類(上 2

    桁)で集計して指数を作成した。

    (2)次に今回野田によって SITC-R1 ベースに変換・結合された AID-XT 基

    礎データを入力元として指数を作成し、またその他の作成方法の細かな見直

    しを行った。

  • 108

    これらのうち(2)の作業について以下に実際の手順とその結果の一端を

    報告する。

    1.入力元データと作成した指数

    今回の指数を作成するにあたり、入力元として利用したデータは、野田に

    よって SITC-R1 ベースに変換・結合された AID-XT 基礎データである。これ

    は、SITC-R2 と SITC-R3 の商品分類をそれぞれ SITC-R1 に変換して、結果と

    して AID-XT の全てのデータを SITC-R1 に時系列に接続したものである。入

    力元としてこのデータを利用することにより自動的に指数の全ての年次をひ

    とつの時系列に接続することができた。貿易指数は表1の条件で作成した。

    表1 今回の指数作成の条件

    項目 条件

    報告国 参考文献[1]で木下が分析した4報告国(日本、韓国、台湾、米国)に

    限る。

    輸出入区分 輸出のみとする。

    相手国 世界のみとする。

    指数の種類 SITC-R1 の中分類(先頭 2 桁)別指数とそれをウェイト集計した総合指数。

    いずれも単価指数。ラスパイレス、パーシェ、フィッシャー各指数を算出

    する。

    基準年 1965 年から始まる 5 年ごとの報告年(1965, 1970, 1975 ... , 2000 年)を基準

    年として指数を作成し、それらを結合して 1965 年を 100 とした指数連を作

    成する。

    (出所)筆者作成 2.指数作成の手順

    図 1 に、今回行った指数作成の実際の手順をまとめた。図 1 で使われてい

    る変数名は実際の処理で使われているものをそのまま掲載しているのでわか

    りにくいが、主な変数名の意味は表 2 のとおりである。

  • 109

    図1 今回の貿易単価指数作成の手順

    (SITC-R1 ベースで接続された AIDXT データに基づく)

    TR00表PC_ISODOTIOCREVCOMMRYEARQUNITVALQTYSYEARBASESELPTPTQ0 BY1965表P0Q0 RYEARPTQT SYEARP0QT BASE

    TR表TR01表と同じ構成

    TR01表PC_ISODOTIOCREVCOMMRYEAR TR02表QUNIT PC_ISOVAL DOTQTY IOSYEAR CREVBASE COMMSEL RYEARPT QUNITP0 VALPTQ0 QTYP0Q0 SYEARPTQT BASEP0QT PT

    フォーマット・項目変換ソート

    LOAD用データをDB表に格納(LOAD)する

    数量単位を変換する(B3→B0, B6→B0, M3→M0, M6→M0, : K0 →W0)

    ソート・集計

    テキストファイル

    基準年表

    基準年表用データをDB表に格納(LOAD)する。

    単価(PT)設定

    基礎データ表を集計した表

    SITCR1ベースで連結されたAID-XT基礎データ(テキストファイル)

    テキストファイル

    基礎データ表(DBの表)

    TR表にP0(基準年の単価)を加えた表。基準年(SYEAR)設定済み。

    基準年のデータ(BASE='1')だけを抜き出した表

    P*Q* を設定する

    AID-XT基礎データRCDOTCOMMPCRYEARVALQUQTY

    LOAD用データ

    基準年表作成用データ

  • 110

    (図1の続き)

    TR03表TR01表と同じ構成

    TI表PC_ISODOTIORYEARSYEARVALSELPTQ0P0Q0PTQTP0QTRASPASFISRAS_TSPAS_TSFIS_TSNUMVRATE SITC表NRATE REV

    COMMCNAME

    TW51表 TW52表PC_ISO PC_ISODOT DOTIO IORYEAR RYEARSYEAR VAL

    TW53表PC_ISODOTIORYEARSYEARVAL

    TW54表PC_ISODOTRYEARSYEARVAL

    TW55表PC_ISODOTIORYEARSYEARVAL_IOVAL_ALLWEIGHT

    採用品目(SEL='1')決定

    各指数(RAS, PAS, FIS)、 代表率(VRATE, NRATE) を計算する。

    IO(SITC中分類)別指数表(テキストファイル)

    ウェイト表作成処理 (ラスパイレス)

    ソート・集計

    最詳商品分類の項目(CREV,COMM)を除外し、中分類(IO)別のキーだけを持つ表。この表から、中分類別指数表を出力する。

    5年ごとの指数(RAS, PAS, FIS)から、指数連(RAS_T, PAS_T, FIS_T)を導く。

    SITC商品分類マスター

    商品分類マスターから商品分類名を引いて見出しに表示する。

    採用データのある報告年、基準年の表

    採用・不採用データを含む全データの表

    採用データが1件もない基準年は除外する

    採用データのある基準年のみの表

    相手国・輸出入・基準年で金額を集計

    ラスパイレス総合指数用ウェイト算出

    ラスパイレス総合指数用ウェイト表

  • 111

    (図1の続き)

    TW51表 TW52表

    TW56表PC_ISODOTIORYEARSYEARVAL

    TW57表PC_ISODOTRYEARSYEARVAL

    TW58表PC_ISODOTIORYEARSYEARVAL_IOVAL_ALLWEIGHT

    TI表

    TT1表 TW55表 TW58表TI表と同じ構成

    TT表PC_ISODOTRYEARSYEARVALSELPTQ0P0Q0PTQTP0QTRASPASFISRAS_TSPAS_TSFIS_TSNUMVRATENRATE

    総合指数表(テキストファイル)

    総合指数表作成

    採用データを含む報告年(RYEAR)を抜き出す

    相手国・輸出入・報告年別に金額を集計

    ウェイトを算出

    パーシェ総合指数用ウェイト表

    商品合計(IO='..')SYEAR(基準年)が設定されていないデータを除く。

    ウェイトを加味した総合指数表を作成する。

    総合指数表。TI表からSITC中分類(IO)を除外した構成

    ウェイト表作成処理 (パーシェ)

  • 112

    表2 指数作成処理で使われている主な変数名

    変数名 意味

    PC_ISO ISO のアルファベット 3 桁の国コードに準拠した国コードで相手国を表し

    た国コード(例:日本の場合、"JPN"。世界は、"AAA"で表す)。今回は常

    に"AAA"である。

    DOT AID-XT 輸出入区分(1:輸入、2:輸出、3:再輸出、4:再輸入)。今回は

    常に 2 である。

    IO 2002 年度の指数では、SITC 商品分類から変換された国際産業連関表 24 部

    門分類を示したが、今回はこの項目に SITC 商品分類の先頭 2 桁(中分類)

    を代入して、集計用項目として利用している。

    CREV SITC 商品分類の改訂版(Revision)。今回は常に 1 である。

    COMM SITC 商品分類(R2 と R3 は R1 に変換されている)。

    RYEAR 報告年(1962 年から 2001 年まで)。

    QUNIT AID-XT 数量単位(注 3)。

    数量単位が異なると連続した指数が作れないため、以下のような 3 種類の

    方法で変換している。

    (1)数量単位が B3 の場合、数量に 1,000 を掛けて、数量単位を B0 にす

    る。M3, N3, P3, U3, V3, W3 の場合も同様。(2)数量単位が B6 の場合、数

    量に 1,000,000 を掛けて、数量単位を B0 にする。M6, P6, U6 の場合も同様。

    (3)K0 は数量を 1,000 で除して、数量単位を W0 にする。

    VAL 取引金額。単位は 1000US ドル。

    QTY 取引数量。

    SYEAR 5 年ごとの基準年。1965 年から始まる 5 年ごとの報告年(1965, 1970, 1975 ... ,

    2000 年)を基準年とした。ただし、報告年が基準年と同一年の場合、その

    一つ前の基準年を基準年とすることにより、指数をオーバーラップさせ指

    数連を作成できるようにした。例えば、報告年 1970 年のデータの基準年

    (SYEAR)は、1965 年とした(注 4)。

    BASE 報告年が基準年と同一年の場合、'1'。

    SEL 採用データの場合は、'1'。

    PT 比較年 T の価格。VAL/QTY で求められる。

    P0 基準年 0 の価格。(基準年 0 の VAL)/(基準年 0 の QTY)で求められる。

  • 113

    PTQ0 比較年 T の価格*基準年 0 の数量

    P0Q0 基準年 0 の価格*基準年 0 の数量。基準年 0 の取引金額(V0)に等しい。

    PTQT 比較年 T の価格*比較年 T の数量。比較年 T の取引金額(VAL)に等しい。

    P0QT 基準年 0 の価格*比較年 T の数量

    RAS 5 年ごとのラスパイレス単価指数

    PAS 5 年ごとのパーシェ単価指数

    FIS 5 年ごとのフィッシャー単価指数

    RAS_TS ラスパイレス単価指数(1965 年を 100 とする)

    PAS_TS パーシェ単価指数(1965 年を 100 とする)

    FIS_TS フィッシャー単価指数(1965 年を 100 とする)

    NUM 採用データの件数

    VRATE 採用データの金額合計

    NRATE 採用データの件数合計

    (出所)筆者作成 手順としては、まず AID-XT 基礎データをデータベースの表に読み込み、

    TR が先頭についた基礎データ表(TR**表)にまとめる。次に基礎データ表か

    ら、SITC 中分類(IO)別指数表(TI 表)を作成する。次にこの TI 表からラ

    スパイレス総合指数用ウェイト表(TW55 表)とパーシェ総合指数用ウェイ

    ト表(TW58 表)とを作成する。最後に TI 表と各ウェイト表から総合指数表

    (TT 表)を作成する。以上が大まかな手順である。

    前回の 2002 年度に作成した指数と今回作成した指数との算出方法の違い

    は主に以下の点である。

    (1)前回の指数算出ではアジア経済研究所が作成する国際産業連関表で使

    われている IO24 部門分類別に集計して貿易価格指数を算出した。今回は、

    この IO24 部門分類のかわりに SITC-R1 の中分類(先頭 2 桁)別に貿易価格

    指数を算出した。これにより、IO24 部門分類では同じ分類に入ってしまって

    いるもの(例えば、一般機械、電気機械が「機械(17)」に入っている)を別々

    に分析することが可能になった。

    (2)前回の指数算出では、5 年ごとの基準年を中心とした 5 年間を採用品

    目決定期間とし、実際に指数を作成するのは基準年から始まる 6 年間であっ

  • 114

    たため、採用品目決定期間と指数作成期間にずれがあり特異値を発生させる

    要因のひとつとなっていた。例えば 1995 年が基準年の場合、1993 年から 1997

    年までの 5 年間で採用品目を決定し、1995 年から 2000 年までの 6 年間で指

    数を作成していた。今回は、採用品目決定期間と指数作成期間を一致させた。

    例えば同様に 1995 年が基準年の場合、1995 年から 2000 年までの 6 年間が採

    用品目決定期間であり同時に指数を作成する期間である。

    (3)基準年については、前回は報告国別・IO 分類別にまず基準年を定め、

    さらに報告国別の共通の基準年を定める方法を採った。これは SITC 改訂版

    別・相手国別にすると場合によっては指数を作成する元データの件数がかな

    り少なくなることがあり、有効なデータを少しでも多くするための方法であ

    った。今回は同じ SITC-R1 ベースの商品分類で連続した期間が取れ、また相

    手国も世界だけであるためこの方法を採らず、最初の基準年を 1965 年に固定

    し、そこから数えて 5 年ごとの基準年(1970、1975、・・・2000 年)を固定的

    に決定した。

    (4)指数を作成するための採用品目の選択基準を変更した。前回は、5 年

    の採用品目決定期間で 3 年以上取引実績があり、しかも 1 年あたりの単価の

    変化率が5分の1以上5倍以下の範囲内に収まっていることが基準であった。

    今回は、取引実績の基準は外し、指数を実際に算出する期間で 1 年あたりの

    単価の変化率が上記と同じ範囲内に収まっていることを基準とした。また、

    バスケット品目を採用品目から除外する基準を追加した。なお、バスケット

    品目とは、品目が既存の分類体系に分類できないような複数の商品が含まれ

    る品目である。SITC 商品分類の末尾が 9 で終わるもの、および、先頭が 9

    で始まるもの(SITC 大分類が 9 のもの。"Goods not classified by kind")をこ

    こではバスケット品目とみなす。

    (5)総合指数を算出する時のウェイトのかけ方を変更した。昨年度は総合

    指数を算出する時に P*Q*にウェイトをかけてそれを集計して指数を求めて

    いた。例えばラスパイレス総合指数の場合、Σ(IO 分類別の P0QT×IO 分類

    別の Weight )/ Σ(IO 分類別の P0Q0×IO 分類別の Weight)として求めてい

    た。この方法だと P*Q* 自身がウェイトを含む要素であるため、二重にウェ

    イトをかける結果になっていたと思われる。今回は、Σ(中分類別の指数×

    中分類別の Weight )とし、直接中分類別の指数にウェイトをかけて集計する

  • 115

    ように変更した。

    3.総合指数における特異値とその原因分析

    図 2 が作成された総合指数のグラフである。報告国により様々な形状とな

    っている。左側が総合指数、右側が代表率を示している。図 3 はラスパイレ

    ス、パーシェ、フィッシャーの各指数ごとのグラフである。

    総合指数が特異な値を示しているのは、図 2 より一見して日本の 1993 年ラ

    スパイレス指数の 1475、米国の 1994 年ラスパイレス指数の 912 であること

    がわかる。まず日本の 1993 年の指数について原因を分析するために、指数を

    作っている元の表(TR 表、TI 表)にさかのぼって調べる必要がある。

    まず総合指数表の次の集計レベルである SITC 中分類別指数表(TI 表)か

    ら SITC 中分類(IO)、ラスパイレス指数連(RAS_TS)を表示させる。SITC

    中分類別指数が 1993 年の総合指数の 1496 より大きいものが総合指数を押し

    上げていると考えられるが、これに該当するのは、SITC 中分類 12, 00, 59, 73,

    04, 29, 06, 84, 69, 33 である。これらの中分類の明細にさかのぼるためにラス

    パイレス指数を作る構成要素である PTQ0、PT、P0、PT/P0 を表示させる。

    このとき PTP0 の逆順に表示させると、明らかに 1 件だけ飛びぬけて大きな

    PTQ0 の値をもったデータがある。このデータの商品分類(COMM)は、7323

    ("Lorries and tracks")である。(表 3)

    1990年から 1995年までの商品分類 7323 に絞って見ると表 4のようになっ

    ており、明らかに 1993年の単価 PTが特異な変動を示していることがわかる。

    試みに商品分類 7323 を 1993 年の採用品目から除外して指数を算出したとこ

    ろ、総合指数の特異値が解消されるのが確認された。このような結果から

    1993 年の商品分類 7323 の中に他の年とは単価の大きく異なる種類の商品が

    表3 日本のラスパイレス総合指数の特異値の調査(1) COMM SEL VAL PTQ0 PT P0 PT/P0

    7323 1 91,223 142,837,293 41.01753 8.20413 4.9996173291 1 96 6,850,884 4.00000 1.32336 3.0225969891 1 385,874 1,181,984 8.79524 2.59635 3.3875469421 1 882,341 1,139,701 6.12690 4.02555 1.5220069524 1 1,133,631 994,807 23.34351 17.57424 1.32827 : (以下省略)

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

  • 116

    図2 総合指数と代表率 JPN総合指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Las

    Pas

    Fis

    KOR総合指数

    0100200300400500600700800900

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Las

    Pas

    Fis

    TWN総合指数

    0200400600800

    100012001400160018002000

    1963

    1965

    1967

    1969

    1971

    1973

    1975

    1977

    1979

    1981

    1983

    1985

    1987

    1989

    1991

    1993

    1995

    1997

    1999

    Las

    Pas

    Fis

    USA総合指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Las

    Pas

    Fis

    JPN総合指数 代表率

    0102030405060708090

    100

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Vrate

    Nrate

    KOR総合指数 代表率

    0102030405060708090

    100

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Vrate

    Nrate

    TWN総合指数 代表率

    0102030405060708090

    100

    1963

    1965

    1967

    1969

    1971

    1973

    1975

    1977

    1979

    1981

    1983

    1985

    1987

    1989

    1991

    1993

    1995

    1997

    1999

    Vrate

    Nrate

    USA総合指数 代表率

    0102030405060708090

    100

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    Vrate

    Nrate

    (出所) AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    (注)国・地域は JPN : 日本、KOR : 韓国、TWN : 台湾、USA : 米国、指数の算式

    は LAS : ラスパイレス指数、PAS : パーシェ指数、FIS : フィッシャー指数、代表率

    は Vrate : 金額代表率、Nrate : 件数代表率、をそれぞれ表す。

  • 117

    図3 総合指数

    ラスパイレス総合指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    1800

    2000

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    JPN

    KOR

    TWN

    USA

    パーシェ総合指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    JPN

    KOR

    TWN

    USA

    フィッシャー総合指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1978

    1980

    1982

    1984

    1986

    1988

    1990

    1992

    1994

    1996

    1998

    2000

    JPN

    KOR

    TWN

    USA

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    (注)図2に同じ。

  • 118

    表4 日本のラスパイレス総合指数の特異値の調査(2) COMM SEL RYEAR QUNIT VAL PTQ0 PT P0

    7323 1 1990 N0 28,569,660 15,117,849 8.20413 4.317707323 1 1991 N0 30,439,397 30,912,248 8.87684 8.204137323 1 1992 N0 33,549,955 34,666,478 9.95491 8.204137323 . 1993 .. 32,390,792 . . .7323 1 1993 N0 91,223 142,837,293 41.01753 8.204137323 1 1994 N0 31,841,353 42,144,675 12.10237 8.204137323 1 1995 N0 29,596,676 44,291,317 12.71881 8.20413

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    紛れ込んでいるのは明らかである。さて問題はこのような処理方法が妥当か

    どうかであるが、ここではこの問題には立ち入らない。

    米国の 1994 年の特異値について日本の場合と同様に分析したが、原因は日

    本と同様に、1件の特異データによるものであった。

    次に、総合指数算出時の代表率が低いところについて、その原因を元デー

    タにさかのぼって分析した。まず、台湾の 1971 年から 1975 年にかけて 30%

    前後の異常に低い金額代表率となっている。件数代表率はさらに低い。総合

    指数の特異値と同様に、まず、影響力をもつ中分類を調べるために以下の

    SQL 文を使う。

    select io, ryear, sel, sum(val) val_sum from ti_twn where ryear = 1971 group by io,

    ryear, sel order by val_sum desc

    これにより、上位の中分類が金額の大きい順に、84, 72, 05, 89, 63, 65 と続く

    ことがわかる。上位の中分類が 84 と 72 と 05 を合計すると、1971 年の総輸

    出額(1,997,402 千 US ドル)の4割以上を占める。これらの中分類が総合指数に与える影響は大きいはずだが、いずれも採用区分(SEL)は欠損値であ

    り、採用されていない。まずこれらがなぜ採用されていないかをさらにさか

    のぼって、TR03 表から見てみることにする。以下の SQL 文で 1975 年以前の

    中分類が 84 のデータを金額の大きい順に表示させると、8414* という商品分

    類が上位に来ていることがわかる。そこで、この 8414* という商品分類に絞

    って年別の推移を以下の SQL 文で見る。

    select comm ,qunit, val, qty, ptq0, ryear, sel from tr03_twn where ( ryear < 1976)

    and io='84' and comm like '8414__' order by ryear, comm.

    結果は表 5 のとおりである。表 5 において欠損値は”.”で表す。全ての年度

    で不採用(SEL が欠損値)となっている。基準年である 1965、1970 年の数

  • 119

    量単位(と数量)が欠損しており単価が得られないために不採用となり代表

    率を低下させていることがわかる。商品分類(COMM)に着目すれば、1960 年

    代は、1967、1968 年は 5 桁分類、それ以外の年は 4 桁分類である。1972 年以

    降は 5 桁分類である。数量単位(QUNIT)に着目すれば、1960 年代は数量単

    位が”N0”だったのが、1970 年代に”W0”に変わってしまっているものがある。

    (84142)これらの商品分類と数量単位の不連続性により、1960 年代と 1970

    年代との間に断層が生じてしまっていることがわかる。

    代表率の落ち込みの事例として、次に韓国の1995年から2000年を分析する。

    台湾のときと同じように、以下の SQL 文で例として 1995 年のどの中分類が

    多数を占めるかを調べる。

    表5 日本のラスパイレス総合指数の特異値の調査(3) COMM QUNIT VAL QTY PTQ0 RYEAR SEL

    8414 .. 846 0 . 1963 .8414 .. 1,789 0 . 1964 .8414 .. 2,763 0 . 1965 .8414 .. 4,439 0 . 1966 .84142 N0 813 8,385,708 . 1967 .84143 W0 417 187 . 1967 .84144 W0 3,597 507 . 1967 .84142 N0 977 8,114,700 . 1968 .84143 W0 1,532 645 . 1968 .84144 W0 5,903 859 . 1968 .8414 .. 10,778 0 . 1969 .8414 .. 11,309 0 . 1970 .8414 .. 12,366 0 . 1971 .84141 W0 7,292 1,080 . 1972 .84142 W0 4,559 980 . 1972 .84143 W0 22,392 3,475 . 1972 .84144 W0 261,121 41,391 . 1972 .84145 W0 52,811 8,641 . 1972 .84141 W0 9,561 1,310 . 1973 .84142 W0 8,167 1,407 . 1973 .84143 W0 75,046 9,418 . 1973 .84144 W0 407,389 53,957 . 1973 .84145 W0 501 66 . 1973 .84141 W0 11,838 1,244 . 1974 .84142 W0 11,859 1,609 . 1974 .84143 W0 133,312 12,928 . 1974 .84144 W0 450,587 52,165 . 1974 .84145 W0 318 43 . 1974 .84141 W0 10,222 1,213 . 1975 .84142 .. 14,155 0 . 1975 .84143 W0 144,101 15,231 . 1975 .84144 W0 452,420 60,007 . 1975 .84145 .. 481 0 . 1975 . (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

  • 120

    すると、SITC 中分類が上位3つの 72、73、71 だけで取引金額合計の 50%以

    上を占めていることがわかる。これらのうち、最も金額の大きいのは、以下

    の SQL 文より、中分類が 7143、7293、7353 であることがわかる。

    select comm ,ryear,sel ,qunit, sum(val) val, sum(ptq0) ptq0 from tr03_kor where

    ( ryear >=1994 and ryear =1990 and

    ( comm='7143' or comm='7293' or comm='7353' ) order by comm, ryear

    1995 年だけが数量単位が"N0"で、他の年が"W0"である。数量単位の不連続

    のために 1996 年から 2000 年までが不採用になっているのがわかる。

    以上の総合指数における特異値の原因をまとめると、(1)1件もしくは数

    件の特異なデータによるもの、(2)数量単位や商品分類の不連続性によるも

    の、に分かれると考えられる。(1)については方法を決定して個別の補正を

    することによりある程度解決が図れると考えられるが、(2)については国別

    の元データ全体の構造にかかわる問題であり簡単に解決できない問題である。

    4.中分類別指数における特異値とその原因分析

    総合指数が若干の不規則な変動を除けばおおむね安定した指数連となってい

    るのに比べて中分類別指数では指数の変動や代表率の低さにおいて問題が多

    い。図 4、5、6 は、機械類(SITC-R1 の 71、72 および 73)について指数と

    代表率を国別にグラフにしたものである。

    日本では、電気機械(72)の 1995 年以降のパーシェ指数の落ち込みが目を引

    く(図 5)。総合指数で行ったように元データにさかのぼって調べると、1 件

    の特異データによるものであることがわかる。SITC 7293(Transistors, Valves,

    Tubes etc)の 1995 年データであるが、単価が 1990 年の基準年に大きく増加

    したため、PT/P0 の値が 0.0538=1/19 となっている。5 年間なので閾値は

    0.04=1/25 だが、これにかろうじて収まって採用データとなっている。P0QT

    select io, ryear, sum(val) val_sum from ti_kor where ryear = 1995 group by io, ryear

    order by val_sum desc

  • 121

    図4 中分類別指数(SITC-R1 71 一般機械)

    JPN 指数

    0

    100

    200

    300

    400

    500

    600

    700

    800

    900

    1000

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    LAS

    PAS

    FIS

    KOR 指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    196

    31

    965

    196

    71

    969

    197

    11

    973

    197

    51

    977

    197

    91

    981

    198

    31

    985

    198

    71

    989

    199

    11

    993

    199

    51

    997

    199

    92

    001

    LAS

    PAS

    FIS

    TWN 指数

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    300

    350

    400

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    LAS

    PAS

    FIS

    JPN 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    Vrate

    Nrate

    KOR 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    Vrate

    Nrate

    TWN 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    196

    3

    196

    5

    196

    7

    196

    9

    197

    1

    197

    3

    197

    5

    197

    7

    197

    9

    198

    1

    198

    3

    198

    5

    198

    7

    198

    9

    199

    1

    199

    3

    199

    5

    199

    7

    199

    9

    Vrate

    Nrate

    USA 指数

    0

    20

    40

    60

    80

    100

    120

    140

    160

    19

    62

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    LAS

    PAS

    FIS

    USA 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    1962

    1964

    1966

    1968

    1970

    1972

    1974

    1976

    1981

    1983

    1985

    1987

    1989

    1991

    1993

    1995

    1997

    1999

    2001

    Vrate

    Nrate

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    (注)図2に同じ。

  • 122

    図5 中分類別指数(SITC-R1 72 電気機械)

    JPN 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    196

    4

    196

    6

    196

    8

    197

    0

    197

    2

    197

    4

    197

    6

    197

    8

    198

    0

    198

    2

    198

    4

    198

    6

    198

    8

    199

    0

    199

    2

    199

    4

    199

    6

    199

    8

    200

    0

    Vrate

    Nrate

    KOR 指数

    0

    500

    1000

    1500

    2000

    2500

    3000

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    LAS

    PAS

    FIS

    TWN 指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    1800

    2000

    196

    3

    196

    5

    196

    7

    196

    9

    197

    1

    197

    3

    197

    5

    197

    7

    197

    9

    198

    1

    198

    3

    198

    5

    198

    7

    198

    9

    199

    1

    199

    3

    199

    5

    199

    7

    199

    9

    LAS

    PAS

    FIS

    JPN 指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    196

    4

    196

    6

    196

    8

    197

    0

    197

    2

    197

    4

    197

    6

    197

    8

    198

    0

    198

    2

    198

    4

    198

    6

    198

    8

    199

    0

    199

    2

    199

    4

    199

    6

    199

    8

    200

    0

    LAS

    PAS

    FIS

    KOR 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    Vrate

    Nrate

    TWN 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    196

    3

    196

    5

    196

    7

    196

    9

    197

    1

    197

    3

    197

    5

    197

    7

    197

    9

    198

    1

    198

    3

    198

    5

    198

    7

    198

    9

    199

    1

    199

    3

    199

    5

    199

    7

    199

    9

    Vrate

    Nrate

    USA 指数

    0

    50

    100

    150

    200

    250

    196

    2

    196

    4

    196

    6

    196

    8

    197

    0

    197

    2

    197

    4

    197

    6

    198

    1

    198

    3

    198

    5

    198

    7

    199

    1

    199

    3

    199

    5

    199

    7

    199

    9

    200

    1

    LAS

    PAS

    FIS

    USA 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    62

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    Vrate

    Nrate

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    (注)図2に同じ。

  • 123

    図6 中分類別指数(SITC-R1 73 輸送機械)

    JPN 指数

    0

    500

    1000

    1500

    2000

    2500

    3000

    3500

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    LAS

    PAS

    FIS

    KOR 指数

    0

    500

    1000

    1500

    2000

    2500

    3000

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    LAS

    PAS

    FIS

    JPN 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    Vrate

    Nrate

    KOR 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    71

    19

    73

    19

    75

    19

    77

    19

    79

    19

    81

    19

    83

    19

    85

    19

    87

    19

    89

    19

    91

    19

    93

    19

    95

    19

    97

    19

    99

    20

    01

    Vrate

    Nrate

    TWN 指数

    0

    200

    400

    600

    800

    1000

    1200

    1400

    1600

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    LAS

    PAS

    FIS

    USA 指数

    0

    2000

    4000

    6000

    8000

    10000

    12000

    19

    62

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    LAS

    PAS

    FIS

    TWN  代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    63

    19

    65

    19

    67

    19

    69

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    Vrate

    Nrate

    USA 代表率

    0

    10

    20

    30

    40

    50

    60

    70

    80

    90

    100

    19

    62

    19

    64

    19

    66

    19

    68

    19

    70

    19

    72

    19

    74

    19

    76

    19

    78

    19

    80

    19

    82

    19

    84

    19

    86

    19

    88

    19

    90

    19

    92

    19

    94

    19

    96

    19

    98

    20

    00

    Vrate

    Nrate

    (出所)AID-XT 基礎データにもとづき筆者作成。

    (注)図2に同じ。

  • 124

    の値が SITC 中分類 72 のなかで、92%を占め、指数全体に大きな影響を与えていることも原因である。また、輸送機械(73)の 1993 年のラスパイレス指数の特異値は総合指数でも特異値となった 7323 の特異データの影響である(図 6)。 韓国の電気機械(72)の 1995 年のラスパイレス指数の特異値と 1995 年か

    ら 2000 年までの代表率の落ち込みは、1 件の特異データおよび 1995 年だけ

    主なデータの数量単位が N0 に変わっていることによると考えられる(図 5)。

    米国の一般機械(71)、電気機械(72)は 1978 年以降連続した指数を作成

    できていない。原因は、1977 年以前の元データにほとんど数量単位がなく、

    あった場合も不連続であること、商品分類が不連続であることである(図 4、

    5)。これは台湾の総合指数で見たときと同じ状況である。米国の元データの

    全体の構造にかかわる問題であり、指数作成の段階で解決するのは難しい。

    おわりに

    今回作成した指数で明らかになった問題点を解決するための今後の課題と

    して、以下があげられる。

    (1)より粒度の細かい元データ、たとえば HS に基づく国連貿易統計

    (COMTRADE)や各国政府が作成したオリジナルの貿易統計などによって

    指数を作成する。これにより指数を作成できる時系列は短くなるが、機械類

    などの個別分析用の指数として、よりきめ細かな、かつ精度の高い分析を可

    能にする。

    (2)連鎖指数を作成する。基準年と比較年との間の単価や品質の違いをよ

    り少なくして単価の乖離による指数の変動を抑える。

    (3)今回作成した SITC R1 により接続された長期時系列データに基づく指

    数連の精度を高め、変動を解消する方法を開発する。

    ――――――――――――――――

    (注 1)参考文献[2]33 頁参照。

    (注 2)参考文献[1]参照。

    (注 3)参考文献[3]6 頁参照。

  • 125

    (注 4)参考文献[4]71 頁参照。

    【参考文献】 [1]木下宗七「類別貿易物価指数の算出と算出結果の特徴について-台湾、韓国、

    アメリカ、日本の比較分析-」(野田容助編『貿易指数の作成と応用―東アジア諸国・

    地域を中心として-』統計資料シリーズ第 87 集、アジア経済研究所、2003 年)

    [2]黒子正人「IO24 部門分類による貿易単価指数の推計-貿易指数データベース

    の作成―」(野田容助編『貿易指数の作成と応用―東アジア諸国・地域を中心として

    -』統計資料シリーズ第 87 集、アジア経済研究所、2003 年)

    [3]――――「世界貿易マトリクスの作成に伴う諸問題-貿易指数の推計に向けて

    -」(野田容助編『世界貿易マトリクスの作成と評価-貿易指数の推計に向けて-』

    調査研究報告書 2001-Ⅲ-12、アジア経済研究所、2002 年)

    [4]野田容助「貿易価格指数の算式とその作成方法」(野田容助編『世界貿易マト

    リクスの作成と評価-貿易指数の推計に向けて-』調査研究報告書 2001-Ⅲ-12、アジ

    ア経済研究所、2002 年)