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SQL Server、SAP R/3 導入事例
SAP R/3とマイクロソフト製品の組み合わせによって、日本初の大企業連合による人事業務シェアードサービスを実現
住友信託銀行株式会社、松下電器産業株式会社、花王株式会社など
の各業界におけるリーディングカンパニーが共同で設立し、大企業
向けの包括的な人事サービスを提供している人事サービス・コンサ
ルティング株式会社。ここではサービスの基盤として、SAP R/3
HPモジュールと複数のマイクロソフト製品を組み合わせたシステム
が活用されている。これによって各社共通の人事業務プロセスを標
準化すると共に、投資効果の高いシステムを実現。また基幹系シス
テムが要求する可用性やパフォーマンスも、Windows 2000
ServerとSQL Server 2000 Enterprise Editionによって高いレ
ベルでクリアしている。現在すでに80台を超えるサーバーが導入さ
れており、約2万人を対象にした人事サービスを提供。2003年10
月にはその規模は10万人を突破する予定になっている。
■ソリューション概要
●ユーザー :人事サービス・コンサルティング株式会社本社所在地 :〒103-8440
東京都中央区日本橋本町4-11-5日本橋T.T.Fビル設立 :2002年5月代表取締役社長 :武谷 啓資本金 :5億1935万円事業概要 :人事業務のアウトソーシングサービス、
アプリケーションサービス、コンサルティング等。
●システム概要SAP R/3 HRモジュールによる人事シェアードサービス用システムの構築。
●マイクロソフト製品・サービス・Microsoft Windows 2000 Server・Microsoft Windows 2000 Advanced Server・Microsoft SQL Server 2000 Enterprise Edition・Microsoft Commerce Server 2002・Microsoft BizTalk Server 2000・Microsoft Windows Terminal Service・Microsoft Consulting Services (MCS)
●システム導入のメリット・SAP R/3 HRモジュールの採用により、各社共通となる標準的な人事業務の確立が容易になった。・システムインフラにマイクロソフト製品を採用することで、高い信頼性とスケーラビリティを備えたシステムを低コストで実現できた。
人事サービス・コンサルティング株式会社
●システム構成図
コアコンピタンスとなる本業に経営資源を集中するには、間接
業務の負担をいかにして削減するかが重要な課題になる。この課
題に対応するために、アウトソースやシェアードサービスを活用
する企業も増えてきた。そして今、人事業務のアウトソースにお
いて、新たな動きが進みつつある。住友信託銀行株式会社、松下
電器産業株式会社、花王株式会社などの各業界におけるリーディ
ングカンパニーが共同出資し、2002年5月に設立された人事サ
ービス・コンサルティング株式会社が、本格的なサービス展開を
開始したのである。
「人事業務には企業文化や風土と強く関係している部分と、各
社共通の部分があります」というのは、人事サービス・コンサル
ティング株式会社 代表取締役社長 武谷啓氏。人事業務の半分以
上は各社共通の内容になっており、複数の企業が一緒に取り組む
ことでよりよい解決策が得られると指摘する。「すでに米国では
“コソーシング”と呼ばれるシェアードサービスが存在しており、
同様の取り組みは日本でも大きな威力を発揮するはず。このよう
な発想から設立されたのが人事サービス・コンサルティング株式
会社なのです」
もちろんこれまでにも、給与計算などの業務を代行するサービ
スは存在してきた。しかし大企業の人事業務のニーズに包括的に
対応できるのは人事サービス・コンサルティング株式会社が初め
てだと言えるだろう。「そのために人事サービス・コンサルティン
グ株式会社では人事業務に必要なデータベースもこちらで管理し
ます」と言うのは、人事サービス・コンサルティング株式会社 専
務取締役 上木戸吉宣氏。「これによって人事業務の後処理まで行
うことが可能。ここまでカバーしたサービスを提供できるところ
は他にないはずです」
人事サービス・コンサルティング株式会社の基本業務範囲は、
人事情報管理、給与計算、社会保険、納税等の各種データ処理や
計算受託となっており、BPO ( B u s i n e s s P r o c e s s
Outsourcing)とASP(Application Service Provider)という
ふたつの方法でサービスを提供している。2003年4月には住友
信託銀行株式会社と花王株式会社が人事業務のアウトソースを開
始。両社合わせて約2万人の従業員を対象にした人事サービスが
提供されているのである。
一般業務用クライアントInternet Explorer 6.0
一般業務用クライアントInternet Explorer 6.0
一般業務用クライアントInternet Explorer 6.0
ロードバランサ(H/W)
Internet Information Services 6.0(Webサーバー)
Internet Information Services 6.0(Webサーバー)
Internet Information Services 6.0(Webサーバー)
Commerce Server 2002SAP R/3 Client
人事ポータルサーバー
Commerce Server 2002SAP R/3 Client
人事ポータルサーバー
インターネット
Commerce Server 2002SAP R/3 Client
人事ポータルサーバー
MSCS(Active/Passive)
MSCSリソース:SQL Server 2000 MSCSリソースCS Profile用 DBサーバー
CS Profile
CS Profile用 DBサーバー
ロードバランサ(H/W)
個社用SAP R/3 WAS APサーバー
個社A用 SAP R/3 WAS 個社B用 SAP R/3 WAS
ICM(Webサーバー)ワークプロセス ワークプロセス
ICM(Webサーバー)
個社用SAP R/3 WAS APサーバー
通常アクセス時 A社 WAS 仮想アドレス指定
通常アクセス時仮想IPアドレス(MSCS)
通常アクセス時 仮想IPアドレス(MSCS)
R/3認証取得RFC使用時 WAS CI 仮想IPアドレス(個社A)
R/3認証取得RFC使用時 WAS CI 仮想IPアドレス(個社B)
通常アクセス時 A社 WAS 仮想アドレス指定
個社用SAP R/3 本体個社用SAP R/3 APサーバー 個社用SAP R/3 APサーバー
ワークプロセス ワークプロセス
MSCS(Active+Active構成)
個社用SAP R/3 WAS CIサーバー
CI(メッセージサービス)ワークプロセス
個社用SAP R/3 WAS DBサーバー
MSCSリソース:SQL Server 2000
MSCS(Active+Active構成)個社用SAP R/3 CIサーバーCI(メッセージサービス)ワークプロセス
個社用SAP R/3 DBサーバーMSCSリソース:SQL Server 2000
ロードバランサ(H/W)
個社用SAP R/3 WAS APサーバー
ICM(Webサーバー)ワークプロセス ワークプロセス
ICM(Webサーバー)
個社用SAP R/3 WAS APサーバー
個社用SAP R/3 本体個社用SAP R/3 APサーバー 個社用SAP R/3 APサーバー
ワークプロセス ワークプロセス
MSCS(Active+Active構成)
個社用SAP R/3 WAS CIサーバー
CI(メッセージサービス)ワークプロセス
個社用SAP R/3 WAS DBサーバー
MSCSリソース:SQL Server 2000
MSCS(Active+Active構成)個社用SAP R/3 CIサーバーCI(メッセージサービス)ワークプロセス
個社用SAP R/3 DBサーバーMSCSリソース:SQL Server 2000
大企業の人事業務を包括的にカバーする日本で初めての人事シェアードサービス
人事サービス・コンサルティング株式会社代表取締役社長
武谷 啓 氏
人事業務のシェアードサービスを効果的に実現するには、それ
を支えるシステムをどのように実現するかが極めて重要な課題に
なる。人事サービス・コンサルティング株式会社ではアプリケー
ションパッケージとしてSAP R/3のHRモジュールを選択。プ
ラットフォームとしてWindows 2000 ServerとSQL Server
2000 Enterprise Editionを採用している。
それではなぜSAP R/3だったのか。その理由について上木戸
氏は「ベースがしっかりしたメジャーな製品を採用すべきと考え
たから」だと説明する。今回は他のERP製品も検討の対象とし
たが、最もベースがしっかりしているのがSAP製品だと判断さ
れたのである。またベンダーとしての信頼性も重要だった。サー
ビスをビジネスとして提供する以上、途中でベンダーが存在しな
くなるという事態は避けなければならないからだ。その一方で武
谷氏は「SAPジャパン株式会社のレスポンスの良さも大きな魅
力」と指摘する。今回の話を持ちかけた時に、真っ先にサポート
に対するコミットメントを出したのがSAPジャパン株式会社で
あり、その内容も極めて積極的なものだったと言う。
人事業務のような基幹系システムではプラットフォームの選定
も重要だ。業務のサービスレベルを維持し続けるには、高い可用
性と安定したパフォーマンスが求められるからである。人事サー
ビス・コンサルティング株式会社では前述のように、プラットフ
ォームにWindows 2000 ServerとSQL Server 2000
Enterprise Editionを採用することでこの課題に対応。基幹系
システムの要求を高いレベルで満たしている。
人事サービス・コンサルティング株式会社では会社設立前の
2002年3月から人事業務の標準化に向けたスタディに着手。ま
ず最初に人事業務に必要なデータ項目を洗い出し、データベース
をどのように構成すべきかを検討していった。そして2002年6
SAP R/3をベースに業務プロセスを標準化マイクロソフト製品との組み合わせで投資効果の高いシステムを実現
人事サービス・コンサルティング株式会社専務取締役
上木戸 吉宣 氏
日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社システム本部 システム第2部
技術UL伊藤 裕規 氏
人事サービス・コンサルティング株式会社システムソリューショングループ
グループマネージャー加藤 俊哉 氏
人事サービス・コンサルティング株式会社システム技術・運用グループグループマネージャー小川 隆司 氏
●人事サービス「人事情報管理」
月には標準化委員会を設立。標準となる処理方式とシステム仕様
を決めていった。「SAP R/3を選択したのは正解でした」と言
うのは、人事サービス・コンサルティング株式会社 システムソ
リューショングループ グループマネージャー 加藤俊哉氏。「各
モジュールの機能がきちんと決まっているため、共通サービスと
して提供すべき内容も短期間で明確化できたのです」
これと並行してシステムインフラの設計・構築も進められてい
った。プラットフォームとしては当初からマイクロソフト製品の
採用が決定しており、2002年1月にはMicrosoft Consulting
Services (MCS)も参加、6月にシステムアーキテクチャが確定
している。「マイクロソフト製品を全面的に採用した最大の理由
は、マイクロソフトとインテルのパートナーシップによる大規模
開発の裏付けと、コストメリットにあります」と説明するのは、
人事サービス・コンサルティング株式会社 システム技術・運用
グループ グループマネージャー 小川隆司氏。またMCSによる
上流工程の支援も大きな貢献を果たしたと言う。
信頼性やパフォーマンスの評価も高い。「このシステムでは膨
大な数のユーザー数をサポートする必要がありますが、スケール
アウトでリニアに性能を高めることが可能です」と、このシステ
ム構築に参画した日立ソフトウェアエンジニアリング株式会社
システム本部 システム第2部 技術UL 伊藤裕規氏。松下電器産
●人事サービス・コンサルティング株式会社東京都中央区日本橋本町4-11-5 日本橋T.T.FビルTEL.03-5640-6811 FAX.03-5640-6815http://www.hrmsc.co.jp/
©2003 Microsoft Corporation. All rights reserved.
※Microsoft、Windows、Windows NT、.NETロゴ、BizTalk、Visual Studioは、
米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
※その他、記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。
Microsoftは、ここに記載した情報に対していかなる債務を負うものではありません。
本書は情報提供のみを目的にしています。
Microsoftは、明示的または暗示的を問わず、本書のいかなる保証も与えるものではありません。
現在のシステム構成は図(前ページ)に示す通り。SQL
Server 2000 Enterprise Editionによるデータベース、
Windows 2000 Server上で稼働するSAP R/3 HRモジュー
ルを中心に、顧客企業の人事担当者向けのポータル機能、一般従
業員向けのセルフポータル、顧客企業のレガシーシステム等との
連携機能などによって構成されている。人事担当者向けのポータ
ル機能はWindows Terminal ServiceによってR/3 GUIを提供
することで実現。一般従業員向けのセルフポータルには
Commerce Server 2000、レガシーシステム連携にはBizTalk
Server 2000が利用されている。このように各種マイクロソフ
ト製品を活用することで、大規模なASPサービスの実現にも成功
しているのだ。なおサーバーは全て冗長化されており、ステージ
ング環境や開発環境も含め、その総数は80台以上に上る。
2003年10月には松下電器産業株式会社も参加する予定になっ
ており、これによってサービス対象者は10万人を突破するが、こ
のシステム構成なら十分に対応可能だと言う。
「今後もより多くの企業にサービスを提供していきたい」と武
谷氏。既に複数の大企業から引き合いが来ており、今後5年間で
50万人規模のサービスに成長させていくことが目指されている。
このプロジェクトに参画したSAPジャパン株式会社 SAPコンサ
ルティング HCMコンサルティング部 部長 佐久間健史氏も「50
80台を超えるサーバーで10万人規模に対応。5年後には50万人規模のサービスを目指す ●人事サービスが提供する機能の一例「SELF タイムシート」
SAPジャパン株式会社SAPコンサルティングHCMコンサルティング部 部長佐久間 健史 氏
●サーバー構成
業株式会社の規模にも十分対応できることも実機テストで既に
検証済みだと言う。
万人規模の人事サービスの実現には大きな意義がある」と指摘。
ここまでの規模のものは世界にも例がなく、人事業務の常識を
大きく変える可能性があるという。「この取り組みを是非とも成
功させて、日本の人事業務の標準を確立して欲しいですね」
●MetaFrameサーバー・Server : HP PROLIANT DL380G2・OS : Windows 2000 Server・Application : MetaFrame XPa FR2・CPU : Pen III 1.4GHz・Memory : 2GB・Disk : 36GB×2 (RAlD1)
●R/3データベースサーバー・Server : HP PROLIANT DL580G2 ・OS : Windows 2000 Advanced Server・Application : SAP R/3 4.6C ・CPU : Xeon 1.6GHz×4 ・Memory : 2GB・Disk : 内蔵36GB (RAlD1) 外付500GB (RAlD5)
●Webサーバー・Server : HP PROLIANT DL380G2・OS : Windows 2000 Server・Application : Commerce Server 2002・CPU : Pen III 1.4GHz・Memory : 2GB・Disk : 36GB (RAlD1)
●ジョブサーバー・Server : HP PROLIANT DL380G2・OS : Windows 2000 Advanced Server・Application : JP1/Automatic Job Management System・CPU : Pen III 1.4GHz・Memory : 2GB ・Disk : 内蔵36GB (RAlD1) 外付100GB (RAlD5)
●EAIサーバー・Server : HP PROLIANT DL380G2・OS : Windows 2000 Server ・Application : Biz Talk Server 2002 ・CPU : Pen III 1.4GHz・Memory : 2GB・Disk : 内蔵36GB (RAlD1) 外付100GB (RAlD5)
●DBサーバー・Server : HP PROLIANT DL760・OS : Windows 2000 Advanced Server・Application : SQL Server 2000・CPU : Xeon 1.6GHz×4 ・Memory : 4GB・Disk : 内蔵36GB (RAlD1) 外付500GB (RAlD5)