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新型熱交換器(AIHX)に関する技術開発(平成14年度) 1 新型熱交換器(AIHX)に関する技術開発 Technical development of advanced intermediate heat exchanger (AIHX) 三菱重工業(株) 藤森浩二、飯塚透、森本将明、折田潤一 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. K. Fujimori T. Iitsuka M. Morimoto J. Orita 大阪大学 堀池寛、井上正二、山岡信夫 Osaka University H.Horiike S.Inoue N.Yamaoka 近畿職能訓練大学校 宮崎慶次 Kinki Politech Colledge K.Miyazaki 要旨 高速増殖炉(FBR)実用化のためには、システムを簡素化して建設・保守コストを低減する ことで経済性に優れたシステムを構築すること、及びプラントの安全性や信頼性を向上すること で安全性に優れたシステムを構築することが必要とされている。 システム簡素化の一例として、従来から2次系の簡素化が検討されているが、単に2次系を削 除して簡素化しただけでは、ナトリウム-水反応防止の観点より安全性を十分に確保することが 困難と考えられる。 そこで本研究では、2次系簡素化を実現しつつ安全性の向上をはかることが可能な概念の一で ある新型熱交換器(AIHX)について、技術的成立性を評価するための熱的データを取得し、 AIHXを実機プラントへ適用した場合の概念構築を目的として開発研究を行っている。 AIHXは、中間媒体として液体金属を用いて2次系を簡素化した熱交換器であり、従来から 阪大にて基礎的な実験検討が実施されている。実用炉の中間媒体には鉛ビスマスが有力であるが、 鉛ビスマスー水系での伝熱特性は十分確認されておらず、そのデータ取得も目的に含まれる。 今年度は、鉛ビスマスを用いた伝熱試験を行うための試験ループの製作、据付を完了し、伝熱 試験を開始した。伝熱試験はヘリカルコイル型試験部を用いて電磁ポンプを用いた強制循環条件 にて実施した。予備的な結果ではNu数が従来の液体金属用伝熱相関式の予想値に近いことが確 認でき、装置とデータ計測が妥当であることを確認した。クロムモリブデン鋼とオーステナイト ステンレス鋼で伝熱特性に少し差があることが判り、さらに実験データの充実をはかる必要があ る。 また、AIHXでIHX側伝熱管が破損した場合は、1次ナトリウムと鉛ビスマスの接触が生 じる。鉛ビスマスとナトリウムとの反応性の調査を行い、427℃における鉛―ビスマスーナトリウ ムの 3 元系の反応図を得た。また同3元系の反応性の確認実験を進めている。溶融ナトリウム中 に鉛ビスマス塊を投入すると、接触した表層部から急速に融点の高い反応生成物が生じ、半熟卵 状の塊となることが観察された。 実機プラントの概念構築を目的として、電気出力 750MW プラントを想定しそのヒートバランス より仕様諸元を設定した。従来から設計に用いられている液体金属の伝熱式を用いて、伝熱計算、 耐震性評価等を行い、形状や寸法を設定し、中間媒体の自然循環力の大小及び強制循環の有無を パラメータに実機AIHXの構造図を作成した。またAIHXを適用したプラントの配置図を作 成した。 今後は上記の伝熱相関実験式によって、諸元細部を見直し設計を詰める予定である。

Technical development of advanced intermediate …...2012/04/14  · Technical development of advanced intermediate heat exchanger (AIHX) 三菱重工業(株) 藤森浩二、飯塚透、森本将明、折田潤一

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新型熱交換器(AIHX)に関する技術開発(平成14年度)

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新型熱交換器(AIHX)に関する技術開発

Technical development of advanced intermediate heat exchanger (AIHX)

三菱重工業(株) 藤森浩二、飯塚透、森本将明、折田潤一

Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. K. Fujimori T. Iitsuka M. Morimoto J. Orita 大阪大学 堀池寛、井上正二、山岡信夫

Osaka University H.Horiike S.Inoue N.Yamaoka 近畿職能訓練大学校 宮崎慶次

Kinki Politech Colledge K.Miyazaki 要旨 高速増殖炉(FBR)実用化のためには、システムを簡素化して建設・保守コストを低減する

ことで経済性に優れたシステムを構築すること、及びプラントの安全性や信頼性を向上すること

で安全性に優れたシステムを構築することが必要とされている。

システム簡素化の一例として、従来から2次系の簡素化が検討されているが、単に2次系を削

除して簡素化しただけでは、ナトリウム-水反応防止の観点より安全性を十分に確保することが

困難と考えられる。

そこで本研究では、2次系簡素化を実現しつつ安全性の向上をはかることが可能な概念の一で

ある新型熱交換器(AIHX)について、技術的成立性を評価するための熱的データを取得し、

AIHXを実機プラントへ適用した場合の概念構築を目的として開発研究を行っている。

AIHXは、中間媒体として液体金属を用いて2次系を簡素化した熱交換器であり、従来から

阪大にて基礎的な実験検討が実施されている。実用炉の中間媒体には鉛ビスマスが有力であるが、

鉛ビスマスー水系での伝熱特性は十分確認されておらず、そのデータ取得も目的に含まれる。

今年度は、鉛ビスマスを用いた伝熱試験を行うための試験ループの製作、据付を完了し、伝熱

試験を開始した。伝熱試験はヘリカルコイル型試験部を用いて電磁ポンプを用いた強制循環条件

にて実施した。予備的な結果ではNu数が従来の液体金属用伝熱相関式の予想値に近いことが確

認でき、装置とデータ計測が妥当であることを確認した。クロムモリブデン鋼とオーステナイト

ステンレス鋼で伝熱特性に少し差があることが判り、さらに実験データの充実をはかる必要があ

る。

また、AIHXでIHX側伝熱管が破損した場合は、1次ナトリウムと鉛ビスマスの接触が生

じる。鉛ビスマスとナトリウムとの反応性の調査を行い、427℃における鉛―ビスマスーナトリウ

ムの 3 元系の反応図を得た。また同3元系の反応性の確認実験を進めている。溶融ナトリウム中

に鉛ビスマス塊を投入すると、接触した表層部から急速に融点の高い反応生成物が生じ、半熟卵

状の塊となることが観察された。

実機プラントの概念構築を目的として、電気出力 750MW プラントを想定しそのヒートバランス

より仕様諸元を設定した。従来から設計に用いられている液体金属の伝熱式を用いて、伝熱計算、

耐震性評価等を行い、形状や寸法を設定し、中間媒体の自然循環力の大小及び強制循環の有無を

パラメータに実機AIHXの構造図を作成した。またAIHXを適用したプラントの配置図を作

成した。

今後は上記の伝熱相関実験式によって、諸元細部を見直し設計を詰める予定である。

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Technical development of advanced intermediate heat exchanger (AIHX)

K. Fujimori, T. Iitsuka, M. Morimoto, J. Orita Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. H. Horiike, S. Inoue, N. Yamaoka

Osaka University K. Miyazaki

Kinki Politech Colledge

Abstract The safety and reliability must be advanced and the cost of construction, maintenance

and repair must be reduced for commercial use of Fast Breeder Reactors (FBRs). Therefore a simplified thermal transport system with safety and reliability is required for practical use of FBR.

In this development of AIHX that can achieve safety with eliminating secondary sodium loop is proposed. This development is aimed to get the heat exchange data of AIHX using lead-bismuth for feasibility study and to construct the practical concept of AIHX. AIHX has been originally proposed and studied in Osaka University. AIHX has an intermediate liquid metal (lead-bismuth is considered) tank that has primary loop tubes and water-steam loop tubes. This concept enables the system with simplified secondary loop and also escapes from sodium-water reaction when a steam generator tube is ruptured.

The purpose of this development is to obtain experimental heat transfer data of lead-bismuth and to design a practical plant concept with AIHX.

In the design of AIHX, it is necessary to obtain natural and forced convection heat transfer coefficients that can be used for lead-bismuth, because there are few experimental data of heat exchange on lead-bismuth at the present.

The lead-bismuth loop for the experiments of heat exchange was completed at Osaka University. The experiments were started in the condition of forced convection by the erector-magnetic pump with the helical coil type test section. The experimental results show the good agreement with conventional heat transfer formulae for liquid metals. The heat transfer character of chrome molybdenum tube became slightly different from that of stainless steel tube. More heat transfer data will be obtained next year.

In case of leakage of tubes, chemical reactions are the concern by contacting lead-bismuth with sodium. Contact experiments were conducted in order to confirm the reactivity of lead-bismuth and sodium. From a previous study the reaction heat between Na-Pb-Bi is estimated. An experiment of a clod of Pb-Bi dropped into Na pool has been conducted, and solid reaction products was observed to be produced as Pb-Bi clod contacts with melting sodium.

The conceptual design of a nuclear power plant (750MW) with AIHX was carried out. The heat balance of the plant was set up. And the design requirements for the actual AIHX were set up. Heat exchange area was calculated by the conventional heat transfer formula that was applied to liquid metals. The structures of the several types of the practical AIHX were drawn up. The plot plan was drawn for the plant with AIHX.

This conceptual design will be reexamined considering the results of the lead-bismuth experience.

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成果の概要

1.はじめに 電力自由化の流れの中で、高速増殖炉(FBR)についても軽水炉と同等以上の経済性及び安全

性が要求されている。その中でFBRの実用化を図るためには、建設・保守コストの低減及び安全

性の向上が必須であり、プラントの建設費・保守費の大幅低減及び安全性の向上に寄与しうるシス

テムの実用化が期待されている。 世界(欧州、米国、日本等)のFBRプラントの主流は、冷却材にナトリウムを用いて1次系及

び2次系にナトリウム、3次系として水・蒸気系を有しており、この2次ナトリウム系の存在が、

軽水炉と比較した場合のコストアップ要因となっており、実用化への障壁となっている。

それに対し、FBRの熱輸送システム簡素化を目指して2次ナトリウム系を削除したプラントが

検討されているが、冷却材にナトリウムを使用し、最終段に水・蒸気系を設けているため、蒸気発

生器伝熱管破損時には1次ナトリウムと水のナトリウム-水反応の発生を避けることは不可能で

あり、安全性に問題が残る。つまり2次系を削除したプラントでは、2次系を有するプラントと同

等の安全性を確保することは困難と考えられている。

その対策として、2次系を簡素化しつつ安全性の向上を実現できる熱輸送システムが期待され

る。これを実現する概念として大阪大学より新型熱交換器(AIHX)が提案され、現在まで基礎

的実験検討が行われてきている。

AIHXは、2次系をタンクに置き換えて、そのタンク内に1次系伝熱管及び水・蒸気系伝熱管

を設置し、タンク内に中間媒体(鉛ビスマスを想定)を満たしたものであり、2次系を大幅削減す

るとともに、伝熱管破損時にもナトリウム-水反応を避けることができる概念である。

中間媒体としてナトリウムとも水とも反応しないものが望ましく、現在は鉛ビスマスの使用を想

定しているが、鉛ビスマスの原子炉冷却材としての使用実績を有するのは、世界的に見てもロシア

のみであり、我が国には実績が無く、また伝熱特性等のデータが不足している。

今回の技術開発は、鉛ビスマスに関する伝熱データなどのデータを取得することで、鉛ビスマス

利用に関する技術体系を構築するとともに、AIHXを実機に適用した場合の FBR プラントの概念

を構築することを目的とする。

2.技術開発計画 2.1 全体技術開発計画

2.1.1 要素試験

(1) 試験装置の設計製作

a.鉛ビスマス試験ループの設計 AIHXに関して、中間媒体に鉛ビスマスを用いた試験を行うための試験ループの概念設計

から詳細設計までを行う。スケジュールは第1表に示すように、試験ループの概念設計、詳細

設計を平成 12 年度に実施した。 b.鉛ビスマス試験ループの製作

設計した鉛ビスマス試験ループを実際に製作する。スケジュールは第1表に示すように、試

験ループの詳細設計完了後の平成 13 年度から平成 14 年度にかけて実施した。 (2) 伝熱試験

AIHXに関して、従来から液体金属を用いた試験として水銀及びガリウムを用いた試験が行

われているが、今回は実機の中間媒体として使用が想定されている鉛ビスマスを用いた伝熱試験

を行う。試験は第1表に示すように、鉛ビスマス試験ループが完成する平成 14 年度から平成 15年度に行うことを想定する。

AIHXの実機概念としては、伝熱管を1次側と水・蒸気側で物理的に分離して配置する構造

概念を採用している。この場合、従来利用されている伝熱式を用いて非常に粗い評価は可能であ

ることが予想される。詳細評価のためには、伝熱実験データの少ない鉛ビスマスの伝熱データが

必要であるため、鉛ビスマスに対して今回製作する装置で伝熱実験を行い、伝熱式の確認を行い、

設計に資することを目的とする。

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また、実機AIHXの小型化、コストダウンのためには、中間媒体となる鉛ビスマスを強制循

環させることが伝熱効率を高めることができ効果的である。強制循環の方法としては窒素ガス、

アルゴンガス等のバブリングにより鉛ビスマスを強制循環させることが考えられる。ここでは強

制循環による小型化の程度の見通しを得ると共に、ガスバブリングによる中間媒体の加速試験を

行い、加速性能について基礎データを取得する。機械ポンプや電磁ポンプについては概念設計に

必要な資料は入手可能であるので、これにより中間媒体の強制循環とその駆動方法の検討及び設

計に与える効果の検討に資するだけの基礎データが得られることになる。この試験は第1表に示

すように、鉛ビスマス試験ループが完成する平成 14 年度から平成 15 年度に行うことも考慮に入

れる。 (3) 蒸気爆発要素試験

AIHXの特徴の一つとして伝熱管リーク発生時にナトリウム-水反応のような強い化学的な

反応の可能性を排除できることが挙げられる。鉛ビスマスと水との反応は、ナトリウム-水反応

のような化学的な反応は生じないことが明らかになっているが、蒸気爆発については条件によっ

ては発生する可能性がある。ここでは中間媒体(Pb-Bi)と水との反応性を確認する研究を行う。

実機で想定される温度、圧力、水リーク率でナトリウム-水反応に類するような爆発的な反応が

起きないことを確認し、AIHXの安全性に対する有効性を確認する。この研究は、阪大が所有

する実験装置を用いて、第1表に示すように、試験ループの設計・製作中である平成 13 年に行っ

た。 (4) ナトリウム-鉛ビスマス反応性試験

SG側伝熱管リーク発生時には、前述の鉛ビスマスと水の接触が生じるが、IHX側伝熱管の

破損の場合は、ナトリウムと鉛ビスマスの接触が生じる。ナトリウムと鉛ビスマスの反応により、

高融点の固体が生成するとの報告もあり、この場合炉心の閉塞が懸念される。そこで、中間媒体

(鉛ビスマス)とナトリウムとの反応性を確認する研究を行う。実機で想定される条件での反応生

成物の生成状況を確認する。この研究は、第1表に示すように平成 14 年度からH15 年度に実施す

る。 2.1.2 機器設計とプラント概念構築

(1) 機器設計 要素試験の結果を受けて、AIHXを実機プラントに適用した場合の機器概念(FBR実用炉

クラス)を構築し、その概略仕様(寸法、形状、重量、中間媒体の強制循環の有無、方法等)を

設定するとともに計画図を作成する。スケジュールは第1表に示すように、平成 12 年度から概念

の検討を開始し、要素試験が終了する平成 15 年度に終了する計画である。 (2) プラント概念構築

(1)で設計したAIHXの機器概念を実機プラントに適用した場合の実機プラント概念を構築

する。スケジュールは第1表に示すように、平成 14 年度から概念の検討を開始し、要素試験が終

了する平成 15 年度に終了する計画である。 2.1.3 総合評価

従来型の2次ナトリウム系が存在するプラントとAIHXを採用したプラントとの物量比較を

行い、AIHXの経済性を確認する。スケジュールは第1表に示すように、要素試験が終了する

平成 15 年度に実施する計画である。 2.2 H14年度の技術開発計画

今年度の技術開発計画は、前節で述べた全体技術開発計画の内、平成 14 年度分を実施した。具体

的な内容について以下に述べる。 2.2.1 実機検討

H13年度の検討で得られたエアリフトデータを反映して、実機AIHXへのエアリフトの適

用性の検討を行った。また、従来の液体金属の伝熱式を使用して、AIHXを実機プラントに適

用した場合の概略仕様(寸法、形状、重量)について、中間媒体の自然循環力の大小及び強制循

環の有無をパラメータにして設定し、構造図を作成した。また、AIHX を適用したプラントの配置

図を作成した。

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なお、今年度に設定するこれらの仕様は、伝熱試験結果が得られる平成 15 年度に見直すものと

する。

2.2.2 要素試験

(1) 鉛ビスマス試験ループの製作・据付

H13年度に主要機器の製作を行った鉛ビスマス試験ループについて残りの部分の製作及び

試験場所(大阪大学)への据付を行った。 (2) 試験 a.鉛ビスマス伝熱試験の着手

据付けた試験ループを用いて鉛ビスマス伝熱試験に着手した。 b.ナトリウム-鉛ビスマス反応性試験

ナトリウムと鉛ビスマスの反応性に関する実験研究を実施した。

3.成果の概要

今年度の技術開発により、得られた成果の概要は以下の通りである。

3.1 実機検討

(1) 実機設計概要

本項では、新型熱交換器(Advanced Intermediate Heat Exchanger; AIHX)の実機設計を行

い、AIHX 実機概念を明確にする。検討内容を以下に示す。

① AIHX の目的及び基本的な条件から IHX 概念を設定する。 ② プラント基本仕様を設定し、ヒートバランスを設定する。 ③ AIHX 概念に基づいて安全上の設計要求を明確にする。 ④ 設計要求の充足度と経済性の観点から AIHX 構造概念を摘出する。 ⑤ AIHX 構造概念を具体化する。 ⑥ 伝熱性能向上方策として中間媒体の強制循環方式について検討する。 ⑦ AIHX の耐震性について評価する。 ⑧ AIHX を適用したプラントの配置図を作成する。

(2) AIHX 概念の設定

高速増殖炉においては、1次系ナトリウムと水・蒸気の反応を防止するため2次ナトリウム系

を設置している。さらに、蒸気発生器(SG)伝熱管と中間熱交換器(IHX)伝熱管が同時に破損した

場合でも、2次系配管で距離を取ることにより1次系ナトリウムと水・蒸気の接触を防止してい

る。AIHX 設置プラントにおいては、2次系ナトリウムと水・蒸気の反応を排除するため中間媒

体を鉛ビスマスに変更すると共に、2次系を合理化する観点から IHX と SG を合体させ同一の機

器内に配置する。ただし、AIHX においても SG 伝熱管と IHX 伝熱管が同時に破損した場合に、

1次系ナトリウムと水・蒸気の接触を防止するため、IHX 伝熱管を下部に、SG 伝熱管を上部に

分離して配置する必要がある。

以上より、中間媒体に鉛ビスマスを用い、同一機器内において IHX 伝熱管を下部に、SG 伝熱

管を上部に分離して配置した熱交換器を AIHX 概念とする。

(3) プラント基本仕様及びヒートバランスの設定

AIHX 検討の基本となるプラント基本仕様は FBR サイクル実用化調査研究を参考として設定

する。ここで、水・蒸気系条件は AIHX 物量を低減する観点からパラメータサーベイを行い、発

電効率の低下による燃料コストの上昇が比較的小さく、AIHX 物量の低下による建設コストの低

下が比較的大きい条件を選定した。AIHX 検討の基本となるプラント仕様及びヒートバランスを

第2表に示す。

(4) AIHX への安全上の設計要求

AIHX 概念に基づいて AIHX への安全上の設計要求を明確にする。AIHX への安全上の設計要

求を下記及び第1図にまとめて示す。

a.ナトリウム水反応排除

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1次系ナトリウムと水・蒸気の接触を防止するため、IHX 伝熱管を下部に、SG 伝熱管を上部に

分離して配置する必要がある。 b.自然循環力確保

1次系ナトリウム及び2次系鉛ビスマスの自然循環力を確保する観点から、炉心と IHX の伝熱

中心及び IHX と SG の伝熱中心にレベル差を取った配置とする必要がある。 c.燃料交換時1次ナトリウム流動の確保

燃料交換時に1次ナトリウムカバーガス圧力は大気圧程度となるため、1次系ナトリウムの最

高点で真空状態が発生しないように、原子炉容器内の1次ナトリウム液面からの高さを制限する

必要がある。 d.格納容器(CV)バウンダリの低圧設計化

CV バウンダリを低圧設計とするためには、水・蒸気系配管を CV バウンダリ外に配置する必

要がある。従って、AIHX 内に CV バウンダリを形成する必要がある。

e.ナトリウム・鉛ビスマス反応生成物による炉心閉塞の防止 IHX 伝熱管が漏えいした場合、鉛ビスマスが1次ナトリウム中に流入する。流入した鉛ビスマ

スはナトリウムと反応して固体の反応性生物を形成する可能性がある。そこで固体の反応性生物

の炉心への流入を防止する下記対応をとる必要がある。

① サイフォンブレークによる漏えいループの隔離 ② 鉛ビスマスの緊急ドレン ③ 1次系側に流入した鉛ビスマス滞留部の設置

(5) AIHX 構造概念の摘出

AIHX 構造概念を数ケース摘出し、設計要求を満足するとともに経済性に優れる構造概念を選定

した。選定にあたり考慮した構造概念への設計要求を以下に示す。

• IHX 伝熱部と SG 伝熱部を直列配置とし、ナトリウム-水反応の可能性を排除。

• 1次系配管が構造的にサイフォンブレーク可能。

• 鉛ビスマスドレン配管が設置可能。

• 鉛ビスマス漏えい時対策として機器下部に漏えい物質滞留部を設置可能。

• 水蒸気系と1次系とが構造的に離れており、CV バウンダリの形成が容易。

• IHX 伝熱管、SG 伝熱管、バウンダリベローズ等の ISI が可能(つまり、鉛ビスマス側から

アクセスできる構造)

上記の要求に適合できる構造概念を選定し、次項で具体化を図る。

(6) AIHX 構造概念の具体化

前述したヒートバランスに基づき、選定した構造概念を具体化した。具体化した構造概念図を

第2図に、機器仕様を第3表に示す。本構造概念の特徴を以下に示す。

• 1次系ホットレグ配管は L 字型で RV と取合い可能。

• 鉛ビスマスドレン配管がナトリウムバウンダリを貫通するが、設置は可能。

• 機器物量を小さく出来、経済的に有利。

本構造概念に基づき、鉛ビスマス漏えい時対応を以下のように行うこととし、炉心への鉛ビス

マスの流入を抑止する。

① SG 液位低下により鉛ビスマス漏えいを検知(このとき、検知までの漏えい量は滞留部で

保持) ② 1次ポンプ停止、鉛ビスマスドレン開始 ③ 原子炉トリップと同時に事故ループ側1次系サイフォンブレーク弁開(鉛ビスマスが1次

系配管レベルまでドレンされるまでは1次冷却材が RV 側へ流入するため、鉛ビスマスや

反応生成物は滞留部や配管で保持) ④ 1次系配管内のナトリウムをドレン

なお、鉛ビスマス側は強制循環系を持たず、自然循環で流量を確保する設計とした。 (7) 伝熱性能向上策の検討

伝熱性能向上策として、自然循環に変わり強制循環系を導入した概念について検討した。鉛ビ

スマスのような液体金属に適用できる強制循環系としては機械式ポンプ、電磁ポンプ、気泡ポン

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プなどが挙げられる。このうち、機械式ポンプと気泡ポンプについて適用した構造の検討を実施

した。

強制循環系により鉛ビスマス側の一巡圧力損失を 225kPa 程度確保することにより、機器重量

は 100ton 以上小さくなり、経済性の向上が見込まれる。一例として機械式ポンプを採用した場

合の構造概念を第3図に示す。容器径はφ4400mm と小さくなる。 大容量の気泡ポンプの場合、機器物量の低減は図られるものの供給ガス流量が大きく、供給圧

力も高いためガス系設備が大きくなり、建屋容積への影響が大きいため、不採用とした。 また、機械式ポンプは高温の鉛ビスマス中に設置されるが、現状高温での材料腐食速度が不明

であり、耐久性に見通しが立たないため不採用とした。 よってリファレンス構造としては強制循環系を持たない第2図に示す構造を選定するが、自然

循環のみでは起動操作や伝熱部への整流に課題があると考えられるため、小容量の気泡ポンプを

設置することとした。配置検討は自然循環+小容量気泡ポンプ構造で行う。 (8) 構造健全性の検討

機器重量は 490ton であるが、比重の大きい鉛ビスマスを大量に内包しており、運転時には総

重量は約 5000ton となる。運転時重量が非常に大きく、耐震性を確認する必要がある。プラント

適用に際して水平免震は採用されているものとし、問題と考えられる容器の座屈評価を実施した。

評価結果を第4表に示す。第2図に示すように機器重心近傍に支持スカートを設置することによ

り、地震荷重で発生する曲げ応力が抑制され、座屈評価を満足できた。

(9) AIHX 適用プラント配置図の作成

自然循環型 AIHX を適用したプラントの配置図を作成した。プラント配置の検討にあたっては、

建屋容積が最小となる機器配置とした。

3.2 鉛ビスマス伝熱試験

(1) 概要

平成 12 年度より設計、製作を進めていた鉛ビスマス伝熱試験ループについて、今年度は、引

続いて残りの部分の製作を行うと共に、ループの据付工事を実施した。その後、調整・試運転を

経て鉛ビスマス伝熱試験を開始した。

(2) 鉛ビスマス伝熱試験ループの据付

今年度据付が完了した鉛ビスマス伝熱試験ループの系統概念を第4図に示す。鉛ビスマス系統

とそれを冷却する加圧水冷却系を有し、試験部にて鉛ビスマスから管内の加圧水への伝熱特性を

計測できるループである。試験ループの据付状況を第5図に示す。

(3) 伝熱試験

伝熱試験は、ヘリカルコイル型試験部を用いて鉛ビスマス側は電磁ポンプを用いた強制循環条

件での試験を実施した。鉛ビスマス側流量をパラメータとした。試験条件及び試験結果を第5表

に示す。試験結果から熱還流率及び鉛ビスマス側表面の熱伝達係数を求め、これらを無次元数で

整理した結果を第6図に示す。液体金属用の伝熱相関式として設計に用いられている式について

も図中にあわせて示す。

今回の試験は、管外流の試験であるが、試験結果は、管内熱伝達の式である Lubarsky-Kaufmanの式(Nu=0.625Pe0.4)とSeban-Shimazakiの式(Nu=5+0.025Pe0.8)に良く一致する値が得られてい

る。試験結果は、従来の単管での伝熱式とほぼ一致していることから、鉛ビスマスでの伝熱特性

についても従来の液体金属の式が利用できると考えられる。 これは、今回の試験部ではヘリカルコイル伝熱管が1層、1本であるため、熱伝達特性として

は単管に近い挙動を示しているためと想定される。したがって管群の式としては従来から設計で

用いられている Hoe の式を用いることが出来ると考えられる。なお、今回の試験体系は管群でな

いことから、管外流管群の式である Hoe の式(Nu=4.03+0.228Pe0.67)に比較すると半分程度の値と

なっている。

また図の傾きから試験結果からヌッセルト数のペクレ数依存性は、Lubarsky-Kaufman の式よ

りも大きく、Seban-Shimazaki の式に近い値(0.8 乗程度)になっている。

今後、更に試験データの充実をはかった上で最終的に評価する予定である。

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3.3 ナトリウム-鉛ビスマス反応性試験

ナトリウムと鉛ビスマスが直接接触した場合の挙動については、過去に研究されたという情報が

なく今回の新型熱交換器の設計開発においてその研究の重要性がクローズアップされてきた。この

ため大阪大学において過去の文献調査をやりなおすと共に、両者混合時の挙動を直接観察するため

の実験研究に着手した。鉛および、ビスマス、ナトリウムの3つの元素についてそれぞれ 2 元素間

の相図は解明されており、前に報告した。そのデータによれば Na と Bi の間で融点が最大 850℃の

固体を生成することが読み取れ、鉛ビスマス合金がナトリウム中に侵出した場合も高融点固体を生

成することが予想され、またその反応は発熱反応であることが推定できる。 従ってまず同 3 元系の実験データが残されていないかどうか、徹底した文献調査を行った。その

結果鉛精錬に関しての文献が検索され、そこに掲載されたデータを元に同 3 元系の反応熱を再構築

できたので、まずそれについて報告し、つづいて混合実験について概要を述べる。 (1) Na-Bi-Pb3元系の反応熱 まず 1962 年の鉛精錬法の研究論文として、鉛中のビスマス不純物の除去についてナトリウムを

使用する研究論文を見出した。その文献より 427℃において PbBi 溶体と Na 溶体との混合により

発生する熱について評価できた。結果を第7図および第8図に示す。第7図は鉛ビスマス

(Pb(45%)Bi(55%)共晶)と Na の場合、第8図は Pb(80%)Bi(20%)共晶と Na との混合の場合を示

す。前者では Na が 70%、PbBi が 30%で混合された時に最大の発熱量約 8.5kcal/mol を示し、後

者では Na が 55%で Pb(80)Bi(20)共晶が 45%の時に最大発熱量約 6.5kcal/mol を示すことが判る。

またデルタ G の曲線より反応の方向性がこのような混合物を生成する方向に進むことが判る。ま

たこれら 2 つの図を比較すると鉛ビスマス側の組成比が変化しても発熱量はあまり小さくならな

いことが判る。しかし 8kcal/mol という数字はナトリウムと水との反応時のモル当たり発熱量に

比べ 1 桁小さく、反応はマイルドであることが推定できる。 (2) Na と PbBi 混合実験

前述の情報に基づき、実際にナトリウムと鉛ビスマスを混合する実験を行った。実験はナト

リウムの燃焼を避けるためグローブボックスを使用しアルゴン雰囲気中で実施した。ステンレス

製の容器直径 6cm 高さ 8cm 中にナトリウムを投入して 1kW の電熱器で加熱し融解させる。その

中へ鉛ビスマス(固体)塊を静かに入れる実験を行った。鉛ビスマス塊を投入すると表面とナト

リウムが瞬時に反応し、高温融点の反応生成物が生じ、反応が鉛ビスマス塊の中心部に進むのに

は時間がかかることが判った。投入直前の写真を第9図に、投入後の鉛ビスマス塊がナトリウム

中にある状態を第10図に示す。この図ではナトリウムの上に鉛ビスマスが浮いている形である

が、グローブボックスにエアーリークがありナトリウムの表面が白く酸化しその皮膜に支えられ

た形である。この反応物を調べるため反応終了後容器より取り出し X 線回折線を測定したが、そ

れを第11図に示す。上図は反応後の PbBi 塊の中心部からのサンプル、下図は表層部からのサ

ンプルを示す。Pb もしくは Pb7Bi3様の化合物のラインと、Bi もしくは BixNayOz様の化合物の

ラインが同定されている。これよりナトリウムが主にビスマスと反応し、鉛が反応しないで置き

去りにされているという様が推定される。現在これら X 線回折図の解析を進めており、また来年

度はグローブボックスのシールを改善し、生成物の熱解析を行うことも検討している。

9

4.まとめ

第2章の技術開発計画にて設定した平成 14 年度作業分の各項目については、第1表中の黒線で

示したように計画通り終了した。以下に今年度作業の概略をまとめて示す。

4.1 実機検討

従来の液体金属の伝熱式を使用して、AIHXを実機プラントに適用した場合の概略仕様(寸

法、形状、重量)について、中間媒体の自然循環力の大小及び強制循環の有無をパラメータにし

て設定し、それぞれについて構造図を作成した。中間媒体の循環方法として、昨年度の検討で得

られたエアリフト水試験結果を反映して、実機AIHXへのエアリフトの適用性の検討を行った。

また、AIHX を適用したプラントの配置図を作成した。

なお、今年度設定したこれらの仕様は、伝熱試験結果が得られる平成 15 年度に見直す予定であ

る。

4.2 要素試験

(1) 試験装置の設計製作

a.鉛ビスマス試験ループの製作・据付

昨年度に主要機器の製作を行った鉛ビスマス試験ループについて残りの部分の製作及び試験

場所(大阪大学)への据付を行い、調整、試運転を実施した。

(2) 試験

a.鉛ビスマス伝熱試験の着手

据付けを完了した試験ループを用いて鉛ビスマス伝熱試験に着手した。ヘリカルコイル型試

験部を用いて電磁ポンプによる強制循環試験を実施し、従来の伝熱式と良い一致を示すことを

確認した。

b.ナトリウム-鉛ビスマスの反応性試験

IHX側伝熱管の損傷時の評価に必要となるナトリウムと鉛ビスマスの接触時の相互作用に

ついて検討し、ナトリウムと鉛ビスマスの反応性に関する実験研究を実施した。その結果、427℃における鉛―ビスマスーナトリウムの 3 元系の反応図を得るとともに、同3元系の反応性の確

認実験を進め、溶融ナトリウム中に鉛ビスマス塊を投入すると、接触した表層部から急速に融

点の高い反応生成物が生じ、半熟卵状の塊となることが観察された。

10

第1表 技術開発全体工程

項目 平成12年度 平成 13 年度 平成14年度 平成15年度

(1) 要素試験 ① 試験計画

② Pb-Bi 試験ルー

プの設計製作

③ 試験

(2) 機器設計とプラン

ト概念構築 (3) 総合評価 (4) 取り纏め及び報告

書作成

第2表 実機プラント仕様 項 目 仕 様 電気出力 750 MW ループ数 2ループ

1次系ナトリウム温度/流量 550℃/395℃ / 17,860ton/h/loop 2次系鉛ビスマス温度/流量 500℃/320℃ / 133,400ton/h/loop 水・蒸気系温度(圧力) 450℃(10.1MPa)/210℃(12MPa) / 1,499ton/h/loop

第3表 AIHX 実機仕様(自然循環方式) 項 目 仕 様 IHX 型式 直管型(管内鉛ビスマス/管外ナトリウム)

IHX 伝熱管材質 12Cr 鋼 IHX 伝熱管寸法 φ25.4mm×t1.1mm×L4200mm IHX 伝熱管本数 11898 本

SG 型式 ダウンカマ付きヘリカルコイル型 SG 伝熱管材質 12Cr 鋼 SG 伝熱管寸法 φ31.8mm×t2.2mm×L52100mm(平均) SG 伝熱管本数 721 本

AIHX 容器概略寸法/重量 φ5700mm×H33400mm / 約 490ton

概念設計 詳細設計

製作・据付

実機概念検討、機器設計・プラント概念構築

総合評価

蒸気爆発試験

伝熱試験

試験計画策定 :完了

:予定

ナトリウム-鉛ビスマス反応性試験

11

第4表 耐震性評価結果(容器の座屈評価) 項目 自然循環型 強制循環型 胴径(m) 5.7 5.7 4.4 4.4 高さ(m) 33.4 33.4 29.5 29.5

機器 寸法

胴厚さ(mm) 50 30 50 30 曲げ応力(N/mm2) 34.9 68.1 26.2 53.9

せん断応力(N/mm2) 14.3 26.7 8.7 17.9 解析値 圧縮応力(N/mm2) -37.3 -62.1 -33.6 -55.9 座屈評価値 0.066 0.158 0.031 0.095

座屈許容値(上限) 0.667 0.667 0.667 0.667 裕度(許容値/評価値) 10.1 4.2 21.8 7.0

第5表 鉛ビスマス伝熱試験条件及び結果 Pb-Bi 温度(℃) 水温度(℃)

No. 伝熱管 Pb-Bi 流量 (L/min) 入口 出口

水流量 (L/min)上ヘリカ

ル入口 上ヘリカ

ル出口 下ヘリカ

ル入口 下ヘリカ

ル出口

1 上下ヘリ

カル 59.5 280.1 227.4 64.9 198.1 225.9 198.2 209.5

2 上下ヘリ

カル 28.4 280.2 214.3 65.4 197.9 217.8 198 203.5

3 上ヘリカ

ルのみ 55.7 287.7 245.5 30.6 197.8 225.2 - -

4 上ヘリカ

ルのみ 30.8 286.3 234 29.5 197.7 218.1 - -

12

第1図 AIHX 実機設計条件図

第2図 AIHX構造図 第3図 AIHX構造図 (自然循環型の場合) (強制循環型の場合(機械式ポンプ))

13

第5図 鉛ビスマス伝熱試験ループの据付状況

第4図 鉛ビスマス試験装置全体系統図

14

第6図 鉛ビスマス伝熱試験結果

1.00

10.00

100.00

100.00 1000.00

Pe

Nu

Hoeの式

Seban-Shimazakiの式

Lubarsky-Kaufmanの式

実験値

15

(Pb, Bi)1-xNax1モルあたりの混合による熱力学関数値

-9000

-8000

-7000

-6000

-5000

-4000

-3000

-2000

-1000

0

0.000 0.200 0.400 0.600 0.800 1.000

NNa

Energ

y(cal

DG TDS DH

第7図 Na-PbBi 混合時の発熱量

(Pb80Bi20)1-xNax1モルあたりの混合による熱力学関数値

-7000

-6000

-5000

-4000

-3000

-2000

-1000

0

0.000 0.100 0.200 0.300 0.400 0.500 0.600 0.700 0.800 0.900 1.000

ナトリウムの割合

Energ

y(cal)

DG TDS DH

第8図 Na- Pb(80)Bi(20) 混合時の発熱量

16

第9図 Na-Pb-Bi 混合実験(投入直前) 第10図 Na-Pb-Bi 混合実験(投入後)

第11図 X 線回折線結果(上図:反応後の PbBi 中心部、下図:表層部)

中心部

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

20 30 40 50 60 70 80 90

角度2θ

強度

強度

外部

0

50

100

150

200

250

300

350

400

450

20 30 40 50 60 70 80 90