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TOYOTA - トヨタ自動車株式会社 公式企業サイト アニュアルレポート2001 c1 Drive Your Dreams TOYOTA アニュアルレポート2001 アニュアルレポート

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Printed in Japan

〒471-8571愛知県豊田市トヨタ町1番地

www.toyota.co.jp

TOYOTA

アニュアルレポート 2001

Toyota AR2001表紙(J).7/のコピー 01.8.8 4:35 PM ページc4

TOYOTA アニュアルレポート2001 c1

Drive Your Dreams

アニュアル レポート 2001

TOYOTA

アニュアルレポート 2001

Toyota AR2001表紙(J).7/のコピー 01.8.8 4:35 PM ページc1

ファイナンシャル・ハイライト 1

会長メッセージ 2

社長メッセージ 6

ニューテクノロジー 12

グローバリゼーション 18

コスト競争力 22

バリューチェーン 26

ビジネスレビュー 30

自動車事業 30

多角化事業 36

ファイナンシャル・セクション 39

取締役および監査役 96

株式情報 97

トヨタ自動車株式会社およびその子会社は、2001会計年度、世界で550万台強の乗用車とトラック、バスを販売しました。現在、日本を

含む世界24の国と地域で生産活動を、またトヨタ、レクサス、ダイハツの3つのブランドで販売を行っています。

21世紀の幕開けとともに、トヨタは、自動車と社会および環境に対する新たなパラダイムを創ろうと再び変革を実行します。それに

よって、自動車産業の成長に貢献し、同時にトヨタグループの長期安定的な成長を実現していきたいと考えています。

将来予測表明に関する特記このアニュアルレポートの記載内容のうち、歴史的事実でないものは、トヨタの将来に関する見通しおよび計画に基づいた将来予測表明です。これらの将来予測表明には、

既知・未知のリスクや不確定な要素などの要因が含まれており、その要因によってトヨタの実際の成果や業績、実績などは、記載の見通しとは大きく異なることがありえ

ます。その要因には、(1)トヨタの主要な事業領域における経済情勢、為替レート、法律、規制、政策、または政治情勢の変化、(2)タイムリーかつ顧客に受け入れられる新

商品を開発するトヨタの能力・機能をとりまく状況の変化、(3)トヨタの商品市場または部品・材料・資材等を調達する地域における、燃料供給の不足、交通機能のマヒ、ス

トライキ、作業の中断、または労働力確保が困難である状況、なども含まれています。

Toyota AR2001表紙(J).7/のコピー 01.8.8 4:35 PM ページc2

ファイナンシャル・ハイライト

1

3月31日終了会計年度

150,000

100,000

50,000

0

126,

498

131,

371

2000 2001会計年度�

6,000

4,000

2,000

0

5,00

2 5,27

5

2000 2001会計年度�

6,000

2,000

4,000

0

5,18

2

5,52

6

2000 2001会計年度�

円 米ドル注1

2000年 2001年 2001年

収益及び利益(単位:百万)当期純利益 ¥ 481,936 ¥ 674,898 $ 5,447収益 12,649,777 13,137,070 106,030

1株あたり金額(円、米ドル)当期純利益 ¥ 128.27 ¥ 180.65 $ 1.46配当金 24.00 25.00 0.20株価及び時価総額(3月31日)株価(円、米ドル) ¥ 5,370 ¥ 4,350 $ 35.11時価総額(単位:百万) 20,134,306 16,029,739 129,376

生産台数(千台)トヨタ/レクサス 4,881 5,174ダイハツ 651 675トヨタグループ総生産台数注2 5,532 5,849連結生産台数 5,002 5,275

販売台数(千台)日本 2,177 2,322北米 1,689 1,734欧州 634 691その他の地域 682 779アジア 164 220中南米 135 145オセアニア 176 183その他 207 231合計 5,182 5,526

注1:表示されている米ドル金額は、2001年3月31日現在のおよその実勢為替相場1米ドル=123.90円により換算しています。

注2:米国(GMとの合弁会社NUMMI生産分)、台湾、南アフリカ、インドネシア、フィリピン、マレーシアなど、連結対象外の事業体の生産台数(2000会計年度530千台、

2001会計年度574千台)を含みます。

当期純利益(億円)

収 益(億円)

連結生産台数(千台)

販売台数(千台)

日本北米欧州その他地域

8,000

6,000

4,000

2,000

0

2000 2001

4,81

9

6,74

9

会計年度�

会長メッセージ

2

20世紀に実現させたトヨタの「長期安定的な成長力」。

これは21世紀においても私たちが追い求める目標。20世紀から21世紀へ、

今新しい風が吹いています。逆風か順風か、それを決めるのは自分たち次第だと考えています。

トヨタの歴史は自らを変革することで逆風を順風にしてきた歴史。

そして今またトヨタそしてトヨタグループの全従業員が新たな変革を試みているのです。

取締役会長  奥田 碩

20世紀に築いたもの-成長の要因

1903年ライト兄弟の飛行機の発明に始まり、20世紀はまさに「科学技術の時代」でした。

そのなかで時代の進歩を牽引し、支えてきたものの一つが自動車です。その意味で20

世紀は「自動車の世紀」であったともいわれています。そしてその歴史のなかで、1937

年、日本での自動車事業の確立をめざし、トヨタ自動車が設立されました。以来63年間

「よい品、よい考」をモットーに、先人の努力や販売店、サプライヤーなど、多くの方々

のサポートを得て、今や生産台数では世界第3位(2000年暦年)の自動車メーカーとし

ての地位を確立するまでに成長を遂げました。また、株主価値(時価総額)では、世界第

1位(2001年3月末時点)の自動車メーカーであり、米国、FORTUNE誌(2000年9月)で

は、「世界で最も尊敬される自動車メーカー」にも選ばれています。同じく米国のJ.D.パ

ワー社による製品品質に対する評価も常にトップクラスにランキングされています。

しかし、今日までのトヨタの道のりは決して平坦でも順風満帆なものでもありませんで

した。創業時の苦労、倒産の危機、1970年代のオイルショック、排出ガス規制、1980

年代の円高など、越えなければならないハードルが数多くあったことを私は決して忘れ

ることはありません。トヨタの成長は、これらの問題に立ち向かい、全社一丸となって

取り組み、一つひとつ乗り越えてきた結果なのです。

例えば、トヨタ生産方式。ムダを省いた、このきわめて合理的な方式はその最も代表的

なものでしょう。

1990年代、日本ではバブル経済が崩壊し、国内の景気後退が深刻化するなかで、円高

の急激な進行、先進諸国との通商摩擦に直面しました。トヨタは、世界の需要のある地

域で生産し、現地とともに発展するという考えに基づき本格的なグローバル化への取り

組みを自ら宣言し、推し進めてきました。同時に、多様な需要に応えるために軽自動車

からトラックまで、車種のフルライン化もグループとして整えました。この間の10年で

米ドルと円の為替相場は1ドルに対し約80円も変動しています。にもかかわらず、トヨ

タは赤字を出すことなく最終利益を確保し続けてきました。それを可能にしたもう一

つの要因に、強固な財務基盤という強みを最大限に活かしたことも付け加えなければな

りません。これを支えに、研究開発体制とフルライン体制を整え、積極的なグローバリ

ゼーションを推進することで、トヨタは需要変動と為替変動の影響を受けにくい体質へ

と、大きな進歩を遂げることができたのです。

21世紀、新たな変革を

トヨタの歴史は、逆風をいつまでも甘受するのではなく、自らを積極的に変革すること

でこれを順風としてきた歴史なのです。おそらくこれこそがトヨタのDNAと呼ぶべきも

3

のでしょう。そのことは私たち経営陣のみならず、トヨタそしてトヨタグループの従業

員一人ひとりがよく理解し、彼ら自身のなかに脈々と息づいているものなのです。

しかしながら、ここで敢えて私は、トヨタの20世紀の成功が、決して21世紀も安定した

成長を継続できるという楽観的な根拠にはならないということを、皆様に申し上げなけ

ればなりません。

20世紀から21世紀へ、地球環境問題、グローバリゼーション、IT革命といった自動車産

業全体に吹きつけている新たな風は、私たちが想像していたよりもはるかに大きく、新

しく、そして強いものです。21世紀、自動車産業、そしてクルマそのもののあり方が改

めて問われています。おそらく今後5年ないし10年の間に、自動車産業、そしてクルマ

そのもののあり方を再定義する、大規模なパラダイムシフトが起こるでしょう。すでに

20世紀の終わりから、それを予感させるようなグローバルな業界再編の動きが始まっ

ています。トヨタが21世紀においても引き続き長期安定的な成長を遂げていくために

は、過去において私たちが行ったいかなる変革よりも、大きく素早い変革をいま一度自

らに課し、実行する必要があるのです。21世紀に先駆けて1997年、トヨタが世界で初

めて、ガソリンエンジンと電気モーターを組み合わせた量産ハイブリッド車「プリウス」

を開発し市販化したのも、この考えを具現化し社会に提示したものなのです。

自動車産業の「役割の再定義」による成長のポテンシャル

さて、皆様のなかには、自動車産業はすでに成熟産業だと認識されている方もいらっしゃ

るかもしれません。先進国を中心にすでに飽和状態だという方も確かにいらっしゃい

ます。また、NOx(窒素酸化物)やPM(ススなどの粒子状物質)などの排出ガスやCO2

(二酸化炭素)による地球温暖化問題、都市における渋滞など、クルマ社会がもたらすさ

まざまな弊害を指摘される方もいらっしゃるでしょう。

しかし、次の事実も併せて知っておいていただきたいのです。それは、現在、世界総人

口約60億人に対して、自動車保有台数は7億台強に過ぎず、自動車の恩恵に浴すること

のない人々が地球上には依然多く存在するということ、そしてトヨタをはじめ多くの自

動車関連企業が地球環境や社会環境、さらには私たち個人の生活環境にもっとやさしい

クルマを創ろうと、技術革新に取り組んでいるという事実です。

トヨタが取り組んでいる燃料電池車の開発はまさにその代表例の一つです。すでにご

存知の方も多いと思いますが、燃料電池車は水素を燃料とする排気のない、いわゆる

ゼロ・エミッションをめざしたクルマです。克服しなければならない技術的な問題が確

かにまだ残されています。しかし、厳しい開発競争のなかで、一歩一歩確実にその形が

見えつつあります。少し想像してみてください。これが実現されれば、私たちは、クル

4

マという非常に優れた移動・運搬手段を捨てることなく、地球環境の改善に大いなる貢

献を果たすことができるのです。

21世紀、クルマは、社会に、生活に、限りなく開かれたものになっていく、つまり移動

する空間として私たちの日常生活と限りなく融合していく可能性を大いに秘めていま

す。そしてトヨタ自身も未来へ、異分野へと開かれていかなくてはなりません。

トヨタの将来にとって最も重要なことは、トヨタという会社が、21世紀の社会にとって

価値あるものと評価されるかどうかだと私は認識しています。そうした評価を受けるに

相応しい、商品・サービスの提供、雇用の創出と維持、そして社会・経済への貢献とい

った行動が求められているのです。トヨタが自動車産業の中心的一社として、将来の自

動車産業とクルマのあり方に対して独自の方向性を示し、それに向かって確実に貢献し

ていくことが求められています。社会との調和、人々の生活との調和を基本に、自動車

産業と社会と個人の生活がともに発展し、豊かなものにならない限り、トヨタの21世紀

における長期安定的な成長もあり得ません。

先に、過去において私たちが行ったいかなる変革よりも、大きく素早い変革を実行する

必要があると申し上げました。そのために、私はトヨタそしてトヨタグループのありと

あらゆる優れた資産を最適に配分し、それをこれまで以上に効果的に活かしていかなけ

ればならないと考えています。その優れた資産とは、強固な財務体質、ムダを省きなが

ら優れた製品を開発する創造力、そしてグローバルにバランスの取れた収益力などです。

そしてもう一つ重要な資産があります。それは、これまでの従業員一人ひとりの、知恵

と変革への熱意そのものです。

私は、トヨタとトヨタグループが引き続き長期安定的な成長を遂げ、ステーク・ホルダー

(株主の皆様をはじめトヨタグループに関係するすべての皆様)価値の増大を図るため

に、全従業員の変革への知恵と熱意を結集させていきます。そのことが株主価値の向上

にも繋がると確信するからです。

同時に、あらゆる機会を通じて、トヨタが何を価値あるものと考え、その実現のために

何を行い、また行おうとしているのか、そして経営がどのような状態にあるのかを、積

極的に開示し、皆様に十分にご理解いただけるよう努めていきたいと考えています。

取締役会長  奥田 碩

5

社長メッセージ

6

「常にそこからどうするのかを考えよ。

自分の改善したものをさらに改善できる者こそ真のプロフェッショナルだ。」

私がまだ若い時分に聞いた、決して忘れることのない言葉。

20世紀から21世紀へ、お客様のニーズはすでに大きく変化し始めています。

前世紀以上の改善がこの新たな世紀にできるかどうか。

これまでのトヨタをはるかに越えられるかどうか。

私たちが、世界で一人でも多くのお客様に、より永く愛されるための鍵を握っていると考えています。

取締役社長  張 富士夫

7

業績ハイライト

トヨタは、2001年3月期、連結ベースで、トヨタとレクサス、ダイハツを合わせた世界

販売台数で552万台、収益13兆1,371億円、営業利益7,907億円、当期純利益6,749億

円を達成することができました。

また、2001年3月期中には総額2,636億円の自己株式の消却を行うとともに、対前期比

で1株当たりの配当金を1円増の25円、配当総額を927億円とすることで、株主の皆様

への積極的な利益還元を行い、株主価値の向上を図りました。この結果、配当総額と自

己株式の消却の合計は、単独ベースで取得した最終利益3,335億円の水準を上回り、株

主還元率〔(配当総額+自己株式の消却)÷最終利益〕は106.8%となりました。

多様化する顧客ニーズと変革への4つの戦略

トヨタがめざす理想は、世界中のお客様に親しまれ、愛されるクルマづくりを通して世

界とともに成長を続ける企業となることです。お客様が求めるクルマはますます多様

化しています。例えば、少しでも環境にやさしいクルマに乗りたいという方もいらっ

しゃれば、安全性、操作性の高いクルマが欲しいという方もいらっしゃいます。また、

クルマだけでなく、さまざまなサービスや高い付加価値を求めるお客様もいらっしゃい

ます。しかもこれをグローバルに捉えると、国や文化、地域による使用環境の違いなど、

まさにお客様のニーズは千差万別です。唯一共通する点は、より高い品質の商品やサー

ビスをより安く、そして安心して使いたいということでしょう。そして、お客様は間違

いなく競合他社の商品やサービスと比較し、選択されます。そのなかでトヨタが選ばれ

愛され続けることは、21世紀において、私たちがさらなる成長を遂げるために不可欠

です。そのために、現在私たちは、次の4つのポイントを変革への戦略と位置付け、グ

ループの総力を結集して取り組んでいます。

1.環境・安全関連技術、情報通信関連技術を中心とする技術開発への重点投資

2.グローバリゼーションのさらなる推進

3.より高い品質の商品をより安く提供するためのコスト競争力の強化

4.金融事業の拡充を中心とするバリューチェーンの拡大

4つの戦略と「トヨタウェイ」の進化

1. 技術開発への重点投資

間違いなく21世紀も、自動車産業にとって技術開発の世紀になるだろうと私は考えて

います。

ただし、20世紀と大きく異なるのは、クルマそのものの技術だけでなく、環境とクルマ、

交通システムとしてのクルマというように、社会や個人の生活との関わり方における技

術が非常に重要になっているということです。ところが、燃料電池車やITS(高度道路交

8

通システム)をとってみても、こうした技術の開発にはこれまで以上に膨大な資金と時

間、そして優れた人材が必要となっているのが現状です。

21世紀、トヨタの経営にとって、さらにムダを省き、効率化と生産性を高め、それに

よって生み出された利益を、環境安全関連技術、情報通信関連技術といった戦略上きわ

めて重要な研究開発に重点的に投資する、しかもこの開発のサイクルをさらにスピード

アップさせることが非常に重要だと考えています。

2. グローバリゼーションのさらなる推進

世界でクルマの開発、生産から販売までを行っている企業のなかで、地域的なバランス

という点においては、トヨタはトップレベルだといえます。つまり、日本国内、北米、そ

して欧州・その他地域で、それぞれの売上げは全体のほぼ3分の1ずつとなっているから

です。しかし、事業のグローバル化という点において、私は決して現状に満足している

わけではありません。真のグローバルな企業となるためには、それぞれの地域で最も競

争力のある最適調達・最適生産を通じて、その地域の発展に貢献しながらともに成長す

ることが求められています。

トヨタには脈々と受け継がれてきた独自の経営価値観と実務を遂行するうえでの考え

方があります。私たちが「トヨタウェイ」と呼んでいるものです。この「トヨタウェイ」

が世界各地域で理解、実践されていくことが、今後のグローバリゼーションにとって大

変重要だと認識しています。それは、各地域でのお客様満足度の向上という視点と、世

界レベルでの最適調達・生産という大きな視点の2つがますます必要になるからです。

この視点に基づいてトヨタ本社から発信された戦略を、海外各事業体が各地域で最適な

方法ですばやく実行できるかどうかが、トヨタの競争力を大きく左右するのです。

3. コスト競争力の強化

今トヨタが取り組んでいる大きなプロジェクトの一つに「CCC21(コンストラクション・オ

ブ・コスト・コンペティティブネス21)」と呼んでいるものがあります。これは、調達部

品および資材のさらなるコストの見直しを図り、世界最高のコスト競争力に高める活動

であり単なる購入(調達)価格の引き下げとは異なります。品質のさらなる向上と同時

にコストの低減を図らなければなりません。そのためには、調達する部品によって、ク

ルマの品質や価格が左右されるのではなく、お客様に提供すべきクルマの品質と価格目

標をまず設定し、それぞれの部品の機能や品質、コストはどうあるべきかを、技術、生

産技術/生産、調達とサプライヤーの皆様とともに四位一体となって根本から見直すと

いう考え方と手法が必要になってきます。そこで、私たちが「パートナー」と呼んでいる

サプライヤーの皆様と、コンセプト開発の段階から一体となった活動が非常に重要な意

味を持ってくるのです。

9

トヨタの持つ強みの一つにグループの総合力があります。世界的な合従連衡の大きな

うねりのなかで勝ち抜いていくために、今、私はグループの知恵とリソースを結集し、

この結束力をより強固なものとしようとしています。もちろん、これは「系列」を意味す

るものでもなければ、時代の流れに逆行するものでも決してありません。トヨタのパー

トナーがそれぞれの担当領域において技術競争力を高めることで、独自のビジネスを拡

大していくことになれば、それがトヨタグループにとっても大いなる進歩、発展に繋が

るものだと考えているからです。

4. バリューチェーンの拡大

現在、トヨタは「トータル・モビリティー・サービス・プロバイダー」をめざし、一人でも多

くのお客様と一生涯にわたっておつきあいいただける独自のカスタマー・リレーション

シップの構築、強化を急いでいます。

トヨタに対するお客様のロイヤルティをさらに高めるためには、お客様一人ひとりとの

関係をさらに強める必要があります。それは新車の販売およびその周辺サービスとい

うこれまでの枠を大きく越えるものです。

なかでも、私たちが最も力を注いでいるのが金融事業の拡充です。トヨタならではの特

徴ある金融サービスをさらに大きく展開していこうと考えています。

目標とするところは、「TS3 CARD(ティーエス・キュービック・カード)」の発行に代表さ

れるように、お客様のカーライフ・サポート、金融ワンストップサービスの実現にあり

ます。つまり、さまざまなサービスを提供し、同時にそれらを繋ぎ合わせ、お客様にさ

らに大きな利便性やベネフィットを還元するというシナジーを創出することなのです。

顧客ニーズへの対応こそが「トヨタウェイ」を進化させる

冒頭でも申し上げたように、時代とともにお客様のニーズは変わります。20世紀から

21世紀へ、それはすでに大きく変わりつつあります。

私がまだ若いころ、トヨタの偉大なマネジメントの一人であった大野耐一にいつもこう

指導されました。「常にそこからどうするのかを考えよ。自分の改善したものをさらに

改善できる人間こそが真のプロフェッショナルだ」と。これも「トヨタウェイ」を表す一

つの重要な価値観だと私は考えています。いま、トヨタがお客様のために創るべきもの

は当時と比べると格段に増えました。当然「トヨタウェイ」も進化しなければなりませ

ん。ここでご紹介した4つの戦略の実行と達成は、21世紀に求められている「トヨタ

ウェイ」の進化への大きなエンジンとなると確信しています。

成長へのもう一つの力

時代とともに変わるのは決してお客様のニーズばかりではありません。企業で働く人

材もますます流動化しています。競争力のない企業は優秀な人材を簡単に失ってしまい

ます。人を組織に集わせ、そこで価値あるものを創造する喜びをどれだけ提供すること

ができるのかが、今後の企業の成長・発展にとってますます重要になるでしょう。

「トヨタウェイ」を受け継いでいくのは、クルマそのものでもなければそれを生産する設

備でもありません。トヨタそしてトヨタグループに働く一人ひとりの従業員です。「モノ

づくりは人づくり」、トヨタの競争力の源泉は人材育成にあると、私は固く信じています。

トヨタにとって、21世紀を担う、独創性と創造性に溢れ、グローバルに活躍できる人材

を育成すること、さらにそうした人材が、他社ではなく、このトヨタで、実力を余すこ

となく発揮できるようにすることが、4つの戦略と並んで大変重要なのです。

Drive Your Dreams

私は、これまで述べた4つの戦略の実行と、その過程においてさらに多くの「真のプロフ

ェッショナル」を育てていきます。そしてこれらの価値創造のプロフェッショナルたち

が、それぞれの持ち場、立場で先人に負けない夢を抱き、その夢の実現に向けて邁進

することを私は願っています。そういう思いを込めて21世紀スタートの本年度のコー

ポレートスローガンを「Drive Your Dreams」としました。これこそが、世界のお客様

の多様化するニーズにすばやく応え、トヨタグループの競争力と長期的に安定した収益

力を高め、同時に株主価値を高めていく源泉となるものだと確信しています。

取締役社長 張 富士夫

10

11

新しい時代が新しい夢をもたらします。

世界中の人々に。そしてトヨタに。

私たちは、常に一歩先を見つめ、その夢を実現させたいと願っています。

ニューテクノロジー

12

Respect自然を敬い、そこから学ぶことで新たなものが見えてきます。

私たちはこの姿勢を、自然と人にやさしいクルマづくりに実らせていきたいと考えています。

それは、お客様の願いでもあり、私たちはその夢を大切にしていかなければなりません。

トヨタの技術開発に対する挑戦の原点です。

敬い、学び、そして創造する

1313

地球環境保全に対する責任

環境対応技術の開発―地球、社会、そして私たち個人の生活に直結するこの

重大な課題は、トヨタばかりか自動車産業全体の将来を決定付けるほどの

大きな力を持っています。トヨタは世界の先進的な自動車メーカーの一社と

して、地球環境に最もやさしく、そして将来にわたって持続できるモビリ

ティー・システムを研究・開発し、提供していくことが社会的責任だと認識

しています。

2001年6月18日、トヨタは、4回目の環境フォーラムを東京で開催しました。

そこで私たちは以下の通り、環境対応技術開発の現状と21世紀へのビジョ

ンを発表しました。

�ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの環境対応技術力をさらに高度化させる。

�ハイブリッド車(HV)のバリエーションおよびラインナップを強化し、2005年には世界で年間30万台のハイブリッド車販売をめざす。

�圧縮水素ボンベを搭載したトヨタの最新燃料電池ハイブリッド車「FCHV-4」を発表、2003年には限定的に市場に導入する。

�水素、天然ガス、ガソリン改質など、あらゆる燃料選択肢を視野に入れた燃料電池ハイブリッド車の開発を引き続き推進する。

2001年6月、東京で開催された

第4回トヨタ環境フォーラム

14

「あしたのために、いまやろう」

燃費改善と排出ガスのクリーン化 これは、1997年にスタートした「トヨタ

エコ プロジェクト」のスローガンです。当時テレビCMなどにも使用したも

のですが、この考えは今も変わっていません。その一つ、現行のクルマに対

する「いまやれること」が、燃費改善と排出ガスのクリーン化です。トヨタで

は、ガソリンエンジンにおいて、燃費対応として直噴D-4の進化、また排出ガ

ス対応としてNOx(窒素酸化物)とHC(炭化水素)の低減技術の高度化を進め

ています。

一方、ディーゼルエンジンについては、排出ガス対応、特にPM(ススなどの

粒子状物質)、NOxの排出の低減において非常に進んだ技術、DPNR(Diesel

Particulate―NOx Reduction System)を開発、2000年7月に発表しました。こ

れは、PMとNOxを同時連続的に浄化する画期的な後処理システムで、2003

年に国内、2005年に欧州市場に順次導入していく予定です。

ハイブリッド・システム 1997年は、トヨタが世界初の量産ハイブリッド車

である「プリウス」を日本の市場に投入した年でもありました。2000年には

北米および欧州市場にも投入を開始し、すでに世界中で累計6万台を販売し

ており、着実に市民権を得ています。このハイブリッド・システムは、環境

問題への実質的な貢献にきわめて有効な、しかも将来性のある技術であると、

トヨタは考えています。また、複数のエネルギーソースをコントロールする

この技術は、「究極のエコカー」開発への核になるとも考えています。

「プリウス」で実用化されたトヨタのハイブリッド技術はさらに進化を続け

ています。例えばCVT(無段変速機)との組み合わせによる新しいハイブ

リッド・システム(THS-C)を開発、2001年6月、日本で発売を開始した「エス

ティマハイブリッド」に搭載しました。さらに、2001年8月には、新方式ハイ

ブリッド・システム搭載車の投入も予定しています。これは「トヨタ マイル

ドハイブリッド・システム(THS-M)」という、搭載性に優れたシンプルな機

構を特徴とした汎用性の高いものです。こうしたハイブリッド・システムの

進化、搭載車種の拡大などを通じて、私たちはハイブリッド車を2005年に

年間30万台、世界に販売したいと考えています。

1997年、トヨタが量産ハイブリッド

車として世界に先駆けて市場に投

入した「プリウス」。現在の内燃機

関型のクルマは発進する時や止め

ようとする時のエネルギー効率が

悪いという欠点があります。トヨ

タ・ハイブリッド・システムでは、無

駄なエネルギーを電気エネルギー

として効率よく蓄積しておき、クルマ

の走行状態に応じてガソリンと電

気をうまく使い分けることで、驚

異的な低燃費を実現するものです。

トヨタのハイブリッド・システムを

搭載した2番目のクルマとなった「エ

スティマハイブリッド」。トヨタ・ハ

イブリッド・システム搭載車のバリ

エーションの拡充を今後も図って

いきます。

クルマと社会のあしたのために―燃料電池ハイブリッド車

従来のガソリンとモーターを組み合わせたハイブリッド・システムは、燃料

電池車への移行の途中段階にあるものだと捉えられがちですが、実際には、

燃料電池とハイブリッド・システムの技術を組み合わせることによって、もっ

と環境にやさしく、しかもエネルギー効率の高いクルマが実現できるのです。

それが、トヨタが現在開発を進めている燃料電池ハイブリッド車(FCHV)です。

トヨタはこの開発を1992年から続けていますが、1996年に最初のFCHVを

発表しました。これは水素吸蔵合金貯蔵装置搭載型「FCHV-1」でしたが、そ

の後絶え間ない開発、改良を繰り返し、1997年には、メタノール改質器搭載

方式の「FCHV-2」を発表、1999年の東京モーターショーではFCHV用コン

ポーネントを展示、2001年3月には、水素吸蔵合金タンクと2次電池を搭載

した「FCHV-3」を発表しました。そして2001年6月、高圧タンクに水素を貯

蔵した最新の「FCHV-4」を発表すると同時に、日本での公道実験を開始しま

した。夢が現実へ、理想から実用へ、着実にその形が見えてきています。

2003年を目標にこの「FCHV-4」をベースに改良を加え、限定的に市場導入す

る予定です。

「適車・適地・適時」という考え方

21世紀の前半は、環境への対応の問題は社会の状況に合わせた展開が求め

られる時期だと考えられます。クルマの普及率やクルマ社会の成熟度、さら

にエネルギーインフラ体制は、世界各地域によって大きく異なります。した

がって、こうした多様な社会に対してどの環境対応車を提供することが最善

か、ということを長期的視野で考える必要があるのです。例えば、すでにガ

ソリン供給インフラが整備されている地域とそうでない地域とでは、環境

技術対応車の導入の条件が大きく異ります。また、FCHVを普及させるとき

に、水素を直接供給する形が将来的に理想ではありますが、おそらく地域に

より移行過程に差異が生じ、インフラが世界で広く普及するまでは、水素供

給源としての燃料も供給形態も複数存在するでしょう。そのための技術開

発も必要だと考えています。

1515

2003年、限定的な市場導入をめざ

している燃料電池ハイブリッド車。

燃料電池は水の電気分解の逆、つ

まり水素と空気中の酸素を化合さ

せることによって電気エネルギー

を作り出すもので、排出されるの

は水のみ。NOx、HC、SOxなどの排

出はゼロ。もちろん、CO2排出もあ

りません。さらに、水素の供給源は

多種多様であり、ガソリンなどの化

石燃料のように枯渇の心配が少な

く、発生するエネルギー効率はガ

ソリンエンジンよりもはるかに高

い、といった多くのメリットがあり

ます。FCHVを簡単に説明すると、

「プリウス」のガソリンエンジンが

この燃料電池に替わる、ということ

です。

トヨタは現在、CHF(クリーン・ハイドロカーボン・フューエル)という石油、

天然ガス、石炭から製造できるクリーンな燃料を水素供給源とし、ガソリン

スタンドのインフラをそのまま利用できる方法に期待を寄せています。しか

し、この方法も「適車・適地・適時」という長期ビジョンの一つの選択肢と位

置付けており、同時に他の可能性に対しても広く、引き続き研究開発を行う

考えです。また、こうしたエネルギー多様化の時代だからこそ、複数のエネ

ルギーに対応可能なハイブリッド・システムの技術的な優位性は燃料電池時

代においても続くと考えており、その研究開発にも力を注いでいきます。

ITSと環境負荷の低減

日本の自動車燃料消費量のうち、約11%が交通渋滞によってムダに消費さ

れているという推計があります。ITS(高度道路交通システム)は、道路、ク

ルマ、人を高度な情報通信技術で結び、交通システムをよりスムーズにしよ

うとするプロジェクトです。例えば、カー・ナビゲーション・システムによ

る渋滞・交通規制などの情報提供によって、目的地までの適正なルート選択

を促すVICS(Vehicle Information and Communication System:道路交通情報通

信システム)、高速道路などの料金所をノンストップで通過させるETC

(Electronic Toll Collection System:ノンストップ自動料金収受システム)な

どは、CO2の低減を含め環境負荷を下げることに大きく貢献します。

また、トヨタでは、EVコミュター「e-com」の共同利用システム「Crayon」を開

発し、豊田市で実験プログラムを展開しています。排出ガスのないこの小型

電気自動車を、駅などの公共施設に配備し、会員が近距離移動に利用できる

システムです。また、世界的文化遺産の多い、京都市においても排出ガス問

題への配慮からこのシステムを試験的に導入しています。

これに対して、中距離・中量輸送公共システムとして開発したものが、IMTS

(Intelligent Multimode Transit System:高度中距離・中量輸送用公共システ

ム)です。これは鉄道とバスの長所をうまく併せ持ったシステムで、専用道

では非連結で隊列自動走行し、一般道では、通常のマニュアル走行するもの

です。車両には新開発のCNG(天然ガス)エンジンを搭載、またノンステッ

プ低床方式を採用。環境にも人にもやさしい交通機関です。すでに兵庫

県・淡路島で導入されており、実用実験を積み重ねています。

16

ETCのサービスは、2001年3月から

千葉、東京を中心とする首都圏と

沖縄の路線で開始されました。トヨ

タは、これと並行して、ETCの車載

器も同時に首都圏および沖縄を中

心に販売を開始しました。

トヨタが日野自動車(株)と共同で

開発した、高圧水素を燃料とする

燃料電池ハイブリッド・システム搭

載のノンステップ大型路線バス

「FCHV-BUS1」。トヨタは、こうした

公共交通機関に対しても環境対応

技術の導入を進めています。

ITSと安全技術

トヨタは、まず耐久性に非常に富んだクルマを開発し、市場に投入してきま

した。この高い耐久性を如実に物語っているのが、「ランドクルーザー」で

しょう。特に、アフリカ、中近東といった地域におけるその信頼性には非常

に高いものがあります。

一方、安全技術に関して、トヨタは予防安全、衝突安全の両面から取り組み、

これまで多くの先進的な技術開発を行ってきました。この分野においても

ITSは非常に注目されています。ここでもカー・ナビゲーション・システムは

重要な位置を占めます。そもそもカーナビは、トヨタが早くからその開発に

力を注ぎ、標準化に大きな貢献を果たしてきました。現在は、さらに進化さ

せ、まさにクルマと交通システムのインテリジェント化のパイオニアとなっ

ています。例えば、最も身近なものとしては、クルマの背後を確認できる

バックモニター。着実にその機能が認知され人気商品となっているほか、ド

ライバーの認知・判断力をサポートする「トヨタASV-2(ASV: Advanced Safety

Vehicle:先進安全自動車)」の開発も進めています。これは、クルマ自体が安

全を支援するシステムと、インフラとの協調によって安全支援するシステ

ムという2つの側面から成るものです。前者の例として、クルマにカメラと

ミリ波レーダーを搭載することで前方の障害物などをクルマ自体が察知し、

ドライバーに知らせるシステム。後者では、検知システムを交差点に設置

することで、運転中のクルマに交差点手前で注意を喚起するシステムなど

が挙げられます。

このように、トヨタはクルマに限らず、交通システムにおける画期的な機能

の開発も続けています。ドライブ中の非常事態に対して、緊急通報を近くの

オペレーションセンターで受信し、対応するシステム「ヘルプネット」もその

一例です。

17

1951年「トヨタジープ」として誕生

して以来、50年の歴史を刻んだ「ラ

ンドクルーザー」。トヨタ車の中で

最も歴史があり、そして最も多様な

国々で愛用されてきました。その

優れた走行性能、耐久性による信

頼性がこのクルマのブランドを支

えてきたといっても過言ではあり

ません。

2001年4月兵庫県・淡路島に開園

した「淡路ファームパーク イングラ

ンドの丘」の園内輸送手段として導

入されている「IMTS」。次世代交通

システムの一つとして、2001年秋

には本格的な無人運転による実用

実験が行われます。

グローバリゼーション

18

Balance外へ向かう力と内へ向かう力―事業のローカリゼーションによって広がっていく力と

私たち独自の経営価値観であり行動規範である「トヨタウェイ」という求心力、これをバランスさせていくことが、

息の長い、しっかりとしたビジネスの土台を造り上げていきます。つまり、世界中どこでも、そしていつでも、

私たちが高い品質と信頼をシームレスに提供していくための土台です。私たちはグローバル企業として、

こうしたバランスを常に保つことが、世界中で一人でも多くのお客様に親しまれるために必要な姿勢だと考えています。

拓き、束ね、そしてバランスを保つ

19

進展するローカリゼーション

現在、トヨタ車は、海外約160カ国で販売されています。そして海外生産拠

点は39社、24の国と地域に広がります。私たちは、1990年代から「需要の

ある地域で、生産し、現地とともに発展すること」を基本理念として本格的

なグローバル化をスタートしました。実際、海外での車両生産台数は、非連

結会社も含めて、1990年度時点で69万台、2001年度は178万台、この約10

年間でその数は約2.5倍に増加しました。この間、生産にとどまらず、デザ

イン、開発から調達にまでおよぶ現地化を浸透させてきました。

こうした事業のローカリゼーションは、世界各地域の多様な顧客ニーズを的

確に捉え、高品質・低コストでより魅力的な商品を開発し提供していくうえ

で不可欠です。今後は、海外各地域の多様性を積極的に受け入れ、ローカル

マネジメントまで含んだ形での川上から川下まで一貫した現地化をさらに

推進していく必要があります。

フランス・ニース近郊にあるトヨタ

の欧州デザインセンター「ED2(イー

ディースクェア)」。「ヤリス」のデザ

インもここから発案されたものが

採用されました。これもトヨタのめ

ざすローカリゼーションの一つの

顔です。

「トヨタウェイ」という求心力

ローカリゼーションを進める一方で、「トヨタウェイ」というグローバル企業と

して核となる経営価値観と行動規範が各地域でしっかりと理解、実践され、

世界中でシームレスに高品質を提供する仕組みをつくり上げていくことが、

トヨタにとって真のグローバリゼーションを実践していくうえで必要不可欠

です。

2001年4月1日付けで、英国のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング

(UK)社(TMUK)の社長に新しく就任したアラン・ジョーンズはこう述べまし

た。「私の目標は、有力自動車メーカーがひしめくこのヨーロッパで、TMUK

を主要メーカーの一員とすること。今後はさらに、トヨタウェイに基づいた

ビジネス展開によって自立していくことが重要。そのためにも、私は従業員

一人ひとりの能力を開発し、それが十分に発揮できる環境にしていきたい。」

また同時に、米国のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング・ケンタッ

キー社(TMMK)の社長に就任したゲーリー・コンビスも次のように抱負を語

りました。「トヨタ本社の社員と話すたびに、トヨタ生産方式(TPS)の豊富な

知識に驚かされる。もう十分だと思われるものに対しても、もっと大きな改

善を加えていこうという意識がある。TPSは、クルマづくりとマネジメント

における最善の方法。私自身、「トヨタウェイ」の良き理解者であり、それに

基づいて、TMMKを世界で最も優れた自動車工場にしていきたい。」

「モノづくり」技術のIT化

デジタル・エンジニアリング 現在、トヨタの海外生産拠点では、「トヨタ

ウェイ」を求心力としながら、「モノづくり」技術のIT化によって、開発リード

タイムの短縮と品質の向上、均質化をめざした大きな試みが進んでいます。

これが私たちのグローバルな競争力確保に大きな貢献を果たすものと考え

ている、トヨタ独自のデジタル・エンジニアリングです。

このデジタル・エンジニアリングは、単に3次元データを取り扱う情報技術

ではありません。製品設計から工程・設備設計、設備製作・工程整備に至る

すべてのプロセスに潜んでいる本質的な課題を可視化し、それをシンプル

化・効率化する、さらにそれによって各プロセスをコンカレント(同時)に進

行させる方法に変革することを意味しています。従来は、一つのプロセスが

20

このデジタル・エンジニアリングに

よって、グローバルレベルでの新車

種の同時立上げ、品質の向上、均質

化が大きく進歩しています。

フランス工場(TMMF)で生産した

「ヤリス」第1号と全従業員。2005

年、欧州市場でのシェア5%という

トヨタの目標に今後大きく貢献し

ていきます。

北米向けトヨタ車の車両開発の拠

点であるトヨタテクニカルセンター

U.S.A.。北米のお客様に最適な車両

の開発を独自に行っています。

終了し、次のプロセスに移ってからそれ以前の見えなかった問題点が出てく

ることが少なくありませんでした。デジタル・エンジニアリングは、各プロ

セスを同時かつ集中的に進行させ、問題点を早期に見つけ出すことで、一気

に量産試作の段階に移ることを可能にする画期的な技術なのです。こうし

た革新を世界の各生産拠点に導入することによって、トヨタはすでに新車種

の世界同時開発、同時立上げを可能にしています。

デジタル・メンテナンス・エンジニアリング 2001年1月に生産を開始し

た、フランス工場(TMMF)では、設備保全と品質維持のノウハウをコンピュー

タグラフィックス、ビデオなどでビジュアルに分かりやすく伝える、DME

(デジタル・メンテナンス・エンジニアリング)と呼ぶ活動を開始しています。

これにより作業者の技術レベルの早期向上と均質化を可能にしました。ま

た、日本との双方向のコミュニケーションによって品質の保全レベルは確実

に向上しています。

現在では、ビジュアルだけでなく、数値化とデータベース化に取り組んでお

り、さらなる品質保全の強化をめざしています。例えば、エルゴノミクス・

ソフトによる作業負担評価に基づき、製品構造や工程を改善、作業性を向上

させ、高品質を確保しやすくしています。

リアルタイム・モニタリング また、海外工場の稼働率向上と日本からの支

援の効率化も図られています。フランス工場との間にはリアルタイム・モニ

タリングが設置され、設備稼働状況の把握、設備故障時の対応、生産性向上

指導など、日本からサポートするシステムを整備しています。今後は、2002

年からマニュアル・トランスミッションの生産を開始するポーランド工場に

対しても同様のサポートを展開する予定です。

「世界最適調達・生産・供給」というもう一つのバランス

今後トヨタにとって、アジア地域や南米地域における現地化の拡大は重要な

戦略の一つです。特にアジア地域は、日本を含めた形での事業展開を進める

必要があります。規制緩和などの動向に合わせ、国ごとの展開から、アジア

地域全体をいくつかの面で捉えた展開が今後ますます重要になってきます。

そのために、地域としての各種オペレーションの強化を現在推進しています。

例えば、2001年4月、東南アジアおよび台湾におけるマーケティング・販売

オペレーションを支援するトヨタ・モーター・アジア・パシフィック社(TMAP)

をシンガポールに設置しました。TMAPは、オーストラリア、インドを含むア

ジア・パシフィック地域の生産、供給ネットワーク強化を牽引する役割も担っ

ています。すでに日本のトヨタの機能の一部が移転されており、また、これ

まで東南アジア地域を中心に部品などの取引コーディネーションを行って

いたトヨタ・モーター・マネジメント・サービス・シンガポール社(TMSS)の

機能も、実質的にTMAPに集約されました。

今後はアジア地域に限らず、コスト競争力強化の観点からも、グローバルな

視点でさらに無駄を省いた調達・生産・販売体制の確立をめざす必要があり

ます。世界のどこから調達し、どこで生産し、そしてどこへ供給すべきか、ま

さに「世界最適調達・生産・供給」への構想が、一歩一歩具体化されつつある

のです。

21

2000年7月、トヨタは中国の天津汽

車夏利株式会社と乗用車生産の合

弁会社、天津トヨタ自動車有限会社

の鍬入れ式を行いました。総投資

額は約1億米ドル、「プラッツ」「ヴィッ

ツ」などのプラットフォームを用いて

新型自動車を年3万台規模で2002

年から生産、トヨタブランドで販売

する予定です。

トヨタのアジアにおける主力工場

の一つであるタイのゲートウェイ

工場。自然採光による省エネ、徹底

した排水管理、廃棄物の低減とリ

サイクルなど、タイにおける環境対

策のお手本にもなっています。

22

コスト競争力

Formより魅力的なクルマをつくることへの想い―それは、より価値の高いクルマをよりお求めやすい価格ですばやくお客様に

お届けすることへの努力でもあります。そのためには、クルマを構成する部品一つひとつに対して、

もう一度新しい視点で見直し、改善し、そして新たな部品を形づくる体制が必要なのです。

私たちの競争力をさらに高めていくための重要なアプローチです。

考え、改め、そして新たに形づくる

23

世界最適調達における考え方

「最も魅力あるクルマを、最も安く、最もタイムリーにお届けしたい」。この

夢の実現において、製造原価の約70%を占める資材・部品の調達はきわめ

て大きな鍵を握っています。言いかえれば、トヨタのクルマづくりはサプラ

イヤーとの共同作業なのです。

新たな発想で部品を形づくる、世界最強の調達チームを形づくる

21世紀、自動車メーカー間のコスト競争は、品質の向上と原価低減という、

一見相反する2つの課題の克服に向けますます激しい状況になってきていま

す。これまでの単なる資材・部品のコストダウン、またそこからクルマの価

格を決定していく段階はすでに終わリを告げ、新たな局面を迎えています。

これからは、機能は同じでも、まったく異なる新たな部品を発想し形づくる、

こうしたビジョンを共有し、互いの知恵と創造力を発揮できる最強のチーム

をグローバルレベルで形づくっていくことが、品質の向上と原価低減を同時

に達成するためにますます重要になっています。

トヨタのロングセラー、「カローラ」

も新たな進化を遂げました。新型

「カローラ」は、トヨタが「さらに優

れた性能・品質に対する割安な価格

の実現」を目標に、総力を挙げて開

発したクルマです。

そこで、いまトヨタの調達部門が取り組んでいるのが、技術、生産技術/生

産、調達の各部門とサプライヤーとが四位一体となった「コンカレント・フ

ロントローディング・コンセプトイン」という調達のSE(サイマルテニアス・

エンジニアリング)のイニシアチブです。そしてこの改革を通じて、私たち

の不変のミッション「世界で最も良いものを、最も安く、最もスピーディー

に、そしてタイムリーに調達する」ことを実現しようと試みているのです。

改革への挑戦

トヨタでは、いま調達における改革をめざし、主に次の3つを基本方針とし

ています。

�総原価低減目標の早期達成

�他社を凌駕する新技術・重要技術の採用・普及

�開発・生産準備・生産リードタイムの短縮、世界同時立上げの実現

総原価低減の強化

この一つ目の基本方針の中心になるのが、2000年7月からスタートした総原

価低減活動「CCC21(コンストラクション・オブ・コスト・コンペティティブ

ネス21)」です。トヨタでは、商品の開発にあたり、基本構想の段階でお客様

に受け入れられる予定販売価格を設定し、そこから部品ごとの原価目標を

決めています。現在、この実行のスピードアップに取り組んでおり、技術、

生産技術/生産、調達そしてサプライヤーとが四位一体となって、「技術・設

計革命」「生産革命」「固定費革命」の観点から総原価低減に取り組んでいま

す。例えば、「標準化・流用化の促進」です。これまでの「種類を増やさない」

から「世界No.1の標準品をいかに創り、生産に繋げていくか」という発想に

切り替えています。

24

サプライヤーとの生産準備活動は、

スムーズな生産を可能にする重要

なプロセスです。

開発段階からの品質と原価の造り

込み-トヨタがその開発・生産の特

徴として受け継いできた考え方で

す。コストの低減と品質の向上のみ

ならず、先進的な技術開発がます

ます重要になる今日、初期の開発

段階からサプライヤーとの入念な

共同作業が重要だとトヨタは考え

ています。

他社を凌駕する新技術・重要技術の採用・普及

すでに1990年代後半より、世界の自動車産業は、環境や安全、そして情報

通信の分野を軸に、技術開発のグローバルな大競争時代に突入しました。

そして例えば、燃料電池車やITSの開発においても、もはや「何ができるか」

ではなく「いかに他社よりも早く、いかに安く実現できるか」という、商品化

のスピードを競う段階にきています。つまり、いかにデファクト・スタン

ダードを獲得するかという競争なのです。

そのためには、こうした戦略的分野における要素技術をクルマという移動空

間で実現する「適合技術」、さらに商品を安く量産するための「低コスト化技

術」の2つをいかに早く取り揃えられるかが重要な鍵を握ります。トヨタは

いま、ビジネスパートナーとともに21世紀のデファクト・スタンダードの獲

得をめざし、これらの技術の結集を急いでいます。

開発・生産準備・生産リードタイムの短縮、世界同時立上げの実現

ますます多様化し、変化の速い顧客ニーズに対応していくためには、次の3

つの観点からクルマを開発することがさらに重要になるだろうと考えられ

ます。

1つ目は、「プロダクト・アウト」。プリウスのように最新の技術によって市場

を生み出していく、つまり技術重視の商品開発。2つ目は、「マーケット・イ

ン」。例えば、ヴィッツ。市場全体のトレンドを的確に掴み、商品を投入する

ということです。3つ目は、お客様、特に個を重視した「カスタマー・イン」。

社内の独立組織として1999年に設立され、ニュージェネレーションをター

ゲットとする「WiLL Vi」や「WiLL VS」をマーケットに送り出したVVC(バーチャ

ル・ベンチャー・カンパニー)のように、マーケットトレンドをリードする層

へのアピールや、カスタムメードを専門的に手掛ける「モデリスタ」のよう

なお客様個々への対応です。

いずれの場合も、商品開発のスピードアップは重要です。また、グローバル

化の進展、IT化の加速から、商品の全世界同時展開もますます必要になって

きます。トヨタ独自のデジタル・エンジニアリングは、こうした試みに大き

な役割を果たしています。

25

米インディアナ工場(TMMI)におけ

る、「タンドラ」生産ラインの最終検

査。微妙なヘコミ、キズなどを一台

一台入念にチェックします。トヨタ

には、「現地現物」という考え方があ

ります。つまり、現地で現物を実際

に見ることがモノづくりにとって

大変重要だということです。これは

「トヨタウェイ」の一環として、海外

でも実践されています。

バリューチェーン

26

Connectお客様のニーズを常に多角的に捉えることで、新しいビジネスが生まれてきます。

トヨタも、加速するIT化を背景に、クルマからさらに広がっていくビジネスを次々と創り出しています。

しかし最も重要なことは、それらを有機的に繋ぎ、お客様により大きな価値を提供することです。

それが、お客様とトヨタとの絆をより永く、深いものにしていくと考えています。

拡げ、繋ぎ、より大きな価値に変える

27

独自のカスタマー・リレーションシップを築く

深く、そして永い、しっかりとしたお客様との関係を築くこと、これもまた

トヨタの大きな夢の一つです。バリューチェーン拡大の目的は、カーライフ

サポートからトータルライフサポートへ、クルマとその周辺へサービスを拡

大することによって、カスタマー・リレーションシップをより強固なものに

し、他メーカーではなく、私たちと一生涯を通してお付き合いいただきたい、

という夢の実現にあります。

2001年3月期、トヨタは、日本での除軽市場で177万台を販売し、43.1%の

市場シェアを獲得しました。一方、約30兆円といわれる国内自動車関連マー

ケットのうち、サービス、用品、中古車、レンタカー、カーリース、割賦、保険

など、新車以外のマーケットはその約4分の3を占めます。いま、トヨタはこ

の新車以外のマーケットを大きなビジネスチャンスと捉え、各分野でさまざ

まな新しい事業を展開しています。

トヨタのバリューチェーンは、IT事

業の強化を核としながらクルマか

らさらに大きなサービスへと広が

りを見せています。

そして、もう一つの大きなポテンシャルが、時代の急速なIT化によって消費

者主導という川上から川下への大きなパワーシフトがもたらす新たなビジ

ネスチャンスです。

IT事業強化によるバリューチェーンの拡大

現在トヨタは、こうしたことを背景にIT事業の強化によりバリューチェーン

の拡大を図っています。そしてその取り組みは、次の5つのカテゴリーから

構成されています。

�「Gazoo.com」による自動車関連eコマースサイト

�次世代交通システムの事業化をめざすITS

�カー・ナビゲーション・システムを高度化し、クルマの高付加価値化をめざす情報端末ビジネス

�「TS3 CARD(ティーエス・キュービック・カード)」による決済ビジネス

�最後に、これら4つを結びつけるネットワークビジネス

なかでも、情報通信事業と金融事業に注力しており、そのシナジーを創出

することが今後ますます重要になると考えています。

Gazooが生み出すポテンシャル

「Gazoo.com」は、1998年に設立したトヨタの自動車や自動車関連サービス

を中心としたeコマースサイトです。現在、その会員数は110万人を超え、こ

のサイトを通じて毎月5,000~7,000人のお客様から最寄りのディーラーに

見積りの請求をいただいています。そのうちの約14%が6カ月以内に、トヨ

タの自動車を購入されており、着実にお客様のニーズにマッチしたチャネ

ルの一つとなっています。さらにこうしたパソコンを通じたアクセスのほか

に、「E-TOWER」という次世代型マルチメディア端末をトヨタのディーラーや

コンビニエンスストアに設置しており、2003年までにはその設置台数を2万

台、会員数も400万人にまで拡大させる予定です。現在、「Gazoo.com」では、

自動車以外にもさまざまな商品・サービスのコンテンツを提供しています。

旅行、本、CD、ビデオ、ファッション、食品、電子機器など、まさに多岐にわ

たりますが、今後さらにこれを充実させていきたいと考えています。

「Gazoo.com」は、トヨタにとっては単なるセールスチャネルにとどまりませ

ん。お客様とのダイレクト・コミュニケーション・ツールとして、お客様の興

味や嗜好に関するデータを収集し、それらを研究開発・商品企画、販売、マー

ケティングなどにフィードバックさせていくことが可能になります。そして

さらに、金融情報サービスや車載情報通信サービス、携帯電話サービスなど

と融合することで「Gazoo.com」はさらに進化し、より広く浸透していくもの

と考えています。つまり、こうしたシナジーによってさらに大きな価値をお

客様に提供し、自動車市場におけるトヨタのプレゼンスをさらに高めていこ

うとしているのです。

28

トヨタ独自の「TS3 CARD」の発行

IT事業を通じ、トヨタはお客様との新たなインターフェースも創り出してい

ます。その一つが、2001年4月に発行した「TS3 CARD」です。これは、トヨタ

独自のICカードであり、さまざまな顧客情報の蓄積が可能です。このため、

従来のクレジットカードとしての機能に加え、データベース・マーケティン

グを通じた商品開発、自動車関連サービスの提供が可能になるばかりでな

く、ネット上での決済や、コンシューマー・ファイナンス、投資信託の販売な

どによる口座管理を通じて、新しいビジネスモデルを構築していく可能性

を秘めています。私たちは、これまでの「トヨタカード」保有者約290万人か

ら「TS3 CARD」の会員数を500万人に増やすことを目標としています。

そのほかにも、他のサービスとのリンクによって、より高いベネフィットを

提供しています。例えば「TS3 CARD」に入会すると自動的にGazoo会員とな

り、「Gazoo.com」のサービスと一体となったサービスを提供しています。

また、「TS3 CARD」の利便性は、クルマ社会の発展とともにさらに発揮され

るものと私たちは期待しています。その鍵を握っているのが、ITSの進展で

す。すでに高速道路等の料金所をノンストップで通過させるETCでは、有料

道路の通行料を無線通信で簡単に決済できるようになっています。また、デ

ジタル時代の便利なカーマルチメディア「MONET(モネ)」との協調によって、

今後ますます高い利便性を提供できると考えています。

29

「TS3 CARD」オフィシャルホームペ

ージ、「TS3 CARDモール」のなかの

「MY TS3」。お客様ごとに、ライフ

スタイルに合わせた金融情報など

を提供する会員専用のページです。

30

ビジネスレビュー/自動車事業

ダイハツを含む国内での連結ベースでの当期

の販売台数は、2,322,838台と、前期比で

6.7%の増加となり、軽自動車を除く販売シェ

アも前期に比べて0.9ポイント上昇し、43.1%

となりました。これはフルモデルチェンジし

た「カローラ」や、好調が続く「ヴィッツ」のほ

か、高級ミニバン「エスティマ」、高級セダン

「セルシオ」など幅広い車種が市場で受け入

れられたことなどが大きく貢献しています。

新型車投入やフルモデルチェンジが功を奏

し、日本自動車販売協会連合会発表の2000

年の年間乗用車車名別販売ベスト10(軽自動

車を除く)中の6車をトヨタ車が占めました。

162,870台を達成した「カローラ」が32年連

続で首位、続いて2位に「ヴィッツ」(160,731

台)、3位「エスティマ」(122,437台)と上位3

車もトヨタ車が占めました。

5年ぶりにフルモデルチェンジした「カロー

ラ」は欧州のテイストを取り入れ、走行性能

や環境対応を強化した結果、セダン不調とい

Japan日 本

当期のハイライト:

� 小型車から高級車まで新型車およびフルモデルチェンジ車の市場投入の成功

� 日本国内での販売台数とシェア拡大

� 年間乗用車車名別販売ベスト10で「カローラ」「ヴィッツ」「エスティマ」が上位3車を独占

� 北米と欧州での販売記録を更新し、アジアでは販売が急回復

� 北米でSUV(スポーツ・ユーティリティー・ビークル)が人気を集める

� 欧州域内での生産・物流の共有化を推進

� 中国での合弁生産開始へ向けて着実に基盤整備

� ブラジルなど中南米で現地生産の拡充を決定

2000年3月期初めて500万台を突破した

連結の車両販売台数は、2001年3月期も

国内海外で順調に販売が伸び、552万台と

なりました。また、北米、ヨーロッパを中

心に生産拠点を拡充、グローバル化を推進

し、現地生産車も増加しました。

新たに生まれ変わった「カローラ」

31

われる市場で発売1カ月で当初目標を大きく

上回る好調な売れ行きを見せました。また、

「マークⅡ」も4年ぶりにフルモデルチェンジ

し、スポーティー感を強調した結果、発売1カ

月で22,000台の受注がありました。高級セ

ダン「セルシオ」は排気量を拡大し、ITS(高度

道路交通システム)関連の機能を充実させて

フルモデルチェンジした結果、同じく発売1カ

月間で25,000台を受注しました。一方、新型

SUV「クルーガーV」を市場に投入し、また、

「RAV4」のフルモデルチェンジも行いました。

「クルーガーV」は当社の「ハリアー」をベー

スに車体を一回り大きくしたものですが、国

内だけでなく「ハイランダー」という商品名

で北米にも輸出を開始しました。

新型車の2BOXカー「Opa」も発売1カ月で

10,000台を受注し好調でした。

さらに、2001年4月には発売以来20年の

高級パーソナルカー「ソアラ」を四代目として

フルモデルチェンジし、発売1カ月間の受注

台数は約1,400台と好調でした。また5月に

は、新型「カローラ スパシオ」を発売、新世紀

のクルマの価値を追求するリラックス&フレッ

クスをテーマに新パッケージを実現しました。

同じく5月、「イプサム」をミニバン、トゥモロー

をテーマに、パッケージ、ユーティリティ、デ

ザイン、走りのすべてを次世代型に進化させ、

ミニバンの将来像を提示する新型車としてフ

ルモデルチェンジして発売しました。

若年層に好評の異業種合同プロジェクト

「WiLL」には、現在トヨタを含め7社が参画し

ています。そのなかで当社は、2001年4月に

クルマシリーズ第2弾「WiLL VS」を発売しま

した。他の会社も続々と新たな商品を展

開しており、ターゲットであるニュージェネ

レーション層のライフスタイルに着実に浸透

し続けています。

その一方で、国内自動車生産累計1億台を

記念して、初代「クラウン」をイメージした観

音開きドアのデザイン、ITS(高度道路交通シ

ステム)対応の装備など最新の走行・安全機

能を融合させた記念車「オリジン」を発売し

ました。まさに「匠の技」と「最新の自動車技

術」を融合させ、伝統と現代感覚が調和した

魅力的なクルマとなりました。

技術開発とその成果は着実に新型車へ

フィードバックされました。ミニバンと乗用

車が融合した新型車「Opa」に新開発の無段

変速機(CVT)を搭載、変速ショックのないス

ムーズな走行を実現しました。さらに「Opa」

には、フルモデルチェンジした「RAV4」に搭

載している、高出力と低燃費を両立させた直

噴ガソリンエンジンも搭載しました。またハ

イブリッド車「プリウス」は、すでに世界販売

台数が累計で6万台を突破していますが、さ

らに改良を加えました。加速性能などの走行

性能を大きく向上させるとともに、排出ガス

のクリーン化とさらなる燃費の向上を実現し

ています。

31

新しく若々しいイメージをアピールする、WiLLブランド第2弾の「WiLL VS」。航空機のコックピットをモチーフにした斬新なインテリアなどが好評を博し、発売1カ月目から当初販売目標をクリア、好調な滑り出しを見せました。購入者の半分強が、20~30代の男性でした(発売1カ月目における当社調べ)。

「新しい高級ドライバーズセダン」をコンセプトに、4年ぶりにフルモデルチェンジした「マークⅡ」。スタイル、走行性能、室内空間、安全・環境性能、いずれもこれまでの「マークⅡ」を上回るクルマです。また、高齢者、身障者の方々にも無理なく運転していただける、ウェルキャブ仕様も併せて発売しました。

高級パーソナルカーというポジショニングで今から20年前に誕生した「ソアラ」。2001年4月、新たに生まれ変わった4代目新型「ソアラ」は、最高の美しさと性能を追求したコンバーチブルタイプ。快適なオープンエアクルージングを実現し、好調な販売に繋がりました。

2,000

2,500

500

1,000

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01997 1998 1999 2000 2001

会計年度�

*1999年3月期よりダイハツ車分が通期で含まれています。

*1999年3月期よりダイハツ車分が通期で含まれています。

45

40

35

301997 1998 1999 2000 2001

会計年度��

日本における市場シェア(%)

除軽 含軽* 除軽 含軽*

日本における販売台数(千台)

32

一方、安全性への研究開発においても引き

続き積極的な活動を続けており、衝突時に受

ける乗員の傷害を分析するため、コンピュー

タ端末で再現・解析できるバーチャル(仮想)

人体モデル「THUMS」を開発しました。

自動車のマルチメディア化を実現する先端

IT関連技術の研究・開発を積極的に行ってい

く一方で、自動車からさらに広がる、より楽

しく便利な生活をサポートするeコマース事

業にも力を注いでいます。

その中核であるGazoo事業においては、総

合eコマースサイトの「Gazoo.com」に、クル

マの見積りや商談予約機能に加え、インター

ネットショッピングや音楽のダウンロードを

はじめとした多彩なサービスを追加。さらに

カード事業と連携して決済機能を持つように

するなど、情報のCS(顧客満足)の実践、eコ

マース顧客層の形成、バリューチェーンの拡

大という目標に向けて着実に進化と広がりを

続けています。

なかでも、2000年に発表した「E-TOWER」

は、急速に進展するeコマース時代を担うマ

ルチメディア・スタンド、まさに次世代型チャ

ネルとして全国的な広がりを見せています。

携帯電話、PC、音楽プレイヤーなどあらゆる

端末と連動し、ショッピング、音楽配信、デジ

タルプリントなど、幅広いサービスを提供す

るものです。同時にコンビニエンスストアや

ガソリンスタンドなどの「E-TOWER」設置店

にとっては、いわばバーチャルなショップで

もあり、そのビジネスの拡大にも貢献するも

のと考えています。

当社は、2000年3月にヤマハ発動機(株)と

資本提携し、四輪車用エンジン、マリン、モ

ータースポーツの3分野で開発部門の人員や

設備の相互活用を含めた、事業協力を進めて

います。四輪車用エンジン分野では従来から

同社に対してスポーツタイプ車のエンジンの

供給を委託してきました。

北米地域は、前期に次いで当期も販売台数の

記録を更新しました。販売台数は対前期比

2.6%増加して1,733,569台となりました。

当社の暦年での米国市場シェアは前期の

8.7%から9.3%となりました。

北米市場では乗用車のプラットフォームを

使って開発した「RAV4」などのSUVが燃費や

乗り心地の良さで人気となりシェアを伸ばし

ました。さらに、当社は同市場に新型の大型

SUV「シクォイア」を投入しました。同車は、

米国インディアナ工場で生産を始めた排気量

4,700ccの大型SUVで、同工場で生産している

ピックアップ・トラック「タンドラ」と共通のプ

ラットフォームを持っています。一方、乗用車

ベースの高級SUV「レクサス RX300(日本名

ハリアー、排気量3,000cc)」を日本から輸出

していますが、米国でも好調なため、2003年

カナダで現地生産することを決定しました。

当社の高級車ブランドである「レクサス」の

海外での生産は初めてのこととなります。

好調なのはSUVだけでなく、米国市場にお

ける高級車部門でのブランド別販売台数で、

NorthAmerica

北 米

eコマース時代に応える多目的メディアステーション「E-TOWER」。その多様なコンテンツは衛星から配信、大容量データも高速でダウンロードが可能です。またGazooセンターが24時間体制で管理しています。

2,000

1,500

500

1,000

01997 1998 1999 2000 2001

会計年度��

北米*における販売台数と現地生産台数(千台)

販売台数現地生産台数

*米国およびカナダ

33

定です。トヨタ・モーター・マニュファクチャ

リング・ウェストバージニア社(TMMWV)の既

存のエンジン工場に5,000万米ドルを投じ、

生産能力を2000年生産実績(29万基)を大き

く上回る年54万基に拡大。「レクサスブラン

ド」のSUVのRX300などにV型6気筒エンジ

ンを供給するほか、ゼネラル・モーターズ

(GM)と共同開発した小型SUV「マトリックス」

(トヨタ)、「バイブ」(GM)にも4気筒エンジン

を供給します。

また、約2.2億米ドルを投じ、2003年の稼

働をめざして、インディアナ工場(TMMI)で

生産しているピックアップトラック「タンド

ラ」用に4,700ccのV8エンジンを供給するエ

ンジン工場をアラバマ州に建設することを決

定、2001年6月に地鎮祭を実施しました。現

在、北米の生産拠点は車両工場4カ所、エン

ジン工場、ユニット工場は計4カ所となって

おり、アラバマ新工場は9番目の生産工場と

なります。新工場では当面、年間12万基のエ

ンジンを生産する見通しです。

2001年5月、TMMWVにおいて、オートマ

チックトランスミッションの生産を開始しま

した。今回、生産が開始されたオートマチッ

クトランスミッションは、ケンタッキー工場

(TMMK)で生産されている「カムリ」およびカ

ナダで生産されている「カムリ・ソラーラ」に

搭載されます。トヨタにとって海外における

初のオートマチックトランスミッション生産

拠点となります。

2001年4月、米国における生産会社である

トヨタ・モーター・マニュファクチャリング・

ケンタッキー社(TMMK)の社長にゲーリー・

コンビス前執行副社長が就任しました。英国

のトヨタ・モーター・マニュファクチャリング

(UK)社(TMUK)のアラン・ジョーンズ新社長

とともに、海外の主要な車両生産会社におい

て現地人社長が誕生したことになり、マネジ

メントの現地化は一層進展するものと考えて

います。

2003年夏に生産開始予定の米国アラバマ新エンジン工場。トヨタが、V8エンジンを海外で生産するのは当工場が初めてとなります。同エンジンは、トヨタのインディアナ工場で生産しているピックアップ・トラック「タンドラ」に搭載される予定です。

SUVの人気が続く北米市場に投入した新型「シクォイア」。

「レクサス」が前年比5.5%増の206,037台と

なり、前年首位であった独ダイムラークライ

スラーのベンツを抜いてトップとなりました。

「カムリ」は前年比5.6%減の422,961台の

販売となりましたが、米国乗用車部門におけ

る乗用車販売台数としては4年連続1位とな

りました。

1983年発売を開始した「カムリ」は、当期

トヨタ車として初めて北米での累計販売台数

が500万台に達しました。

また、米環境保護局が発表した2001年型

車燃費ランキングで、「RAV4」がSUV部門で

最高の評価を受け、「プリウス」が乗用車部門

で第2位となりました。また、2001年4月に

はニューヨーク市、ニューヨーク州およびニュ

ージャージー州などの自治体から合計で320

台の「プリウス」を受注しました。2000年7

月に米国で販売を開始した「プリウス」は、

2001年5月時点で、累計約12,000台となっ

ています。

トヨタは、2003年からレクサス向けのエ

ンジンをウェストバージニア州で生産する予

2001年1月、米国デトロイトで開催された北米国際オートショー。トヨタの出展したクルマの一つが、この「マトリックス」です。北米市場における若年層へのアピールを一つの目標として開発したこのクルマは、2002年春に発売する予定です。

34

欧州でも北米と同じように当期も連結ベース

での販売台数の記録を更新しました。数量は

初めて60万台を突破した前期より9.0%増の

691,135台となりました。来期の欧州の景気

は足踏みが予測されているものの、ほぼ当期

なみの販売台数を想定しています。また、欧

州地域での現地生産化も推進していく予定

で、2005年販売80万台、シェア5%の目標を

達成したいと考えています。

1998年10月に、当社の全額出資の製造統

括会社トヨタ・モーター・ヨーロッパ・マニュ

ファクチャリング社(TMEM)をベルギーに設

立し、当社の生産子会社3社の本社機能を一

本化しました。ユーロ安で採算が悪化しつつ

ある欧州地域で生産準備支援や購買機能など

をTMEMに集約し、間接部門のコスト削減を

図っています。トルコでは合弁相手の「サバ

ンチ」との製販部門分離で合意し製造会社を

トヨタ主体に再編することで、本来年間10

万台の生産能力を持つトルコ工場を欧州向け

の生産基地と位置付けました。

2001年1月、当社の欧州大陸初の乗用車生

産拠点であるトヨタ・モーター・マニュファク

チャリング・フランス社(TMMF)が、小型車

「ヤリス(日本名「ヴィッツ」)」の現地生産を開

始しました。この仏工場への投資額は約800

億円です。生産能力は当初年間15万台と設

定され、1年目の生産は約6万台の予定です。

2002年にはフル生産の体制に移行します

が、2003年からは生産能力を18万台へと拡

充することが決りました。また、2002年半

ばから約30億円を追加投資して、ヤリス用の

ガソリンエンジンの組み付け工程を、2003

年初めから同ディーゼルエンジンの組み付け

工程をそれぞれ、TMUKおよび日本から移管

し、稼動させる予定です。

一方、TMUKにおいては、2001年2月、前

述の通りフランスで生産を開始した「ヤリス」

に搭載するガソリンエンジンの生産を開始し

ました。2001年は6万基を供給する予定で

す。同工場では、このほかカローラおよびア

ベンシス用のガソリンエンジンも生産してお

り、2001年は合計で18.5万基の生産となる

見込みです。また、同3月には工場のオペレー

ションを強化、同社を欧州における主要な

「エンジン生産センター」とすることも決定

しました。さらに南米および南アフリカで生

産されるカローラ用のガソリンエンジン部品

を輸出する計画です。TMUKのエンジン生産

は2003年には、現在(18.5万基)の2倍以上

の年産40万基規模とする見込みです。

2001年7月、当社は、PSA・プジョー・シトロ

エン(PSA)と欧州市場向けエントリーレベル

の小型乗用車を共同で開発・生産することを

決定しました。これは、小型車の需要が今後

ますます高まる欧州市場の動向に対応したも

ので、2005年からトヨタおよびPSAはそれぞ

れのブランド車の、生産開始をめざしていま

す。両社は50:50の合弁会社設立を前提に、

本年末までに当プロジェクトの最終合意をす

る予定です。新工場の年間生産能力は30万

台、総投資額は研究開発投資などを含め15

億ユーロ(約1,590億円)を見込んでいます。

また、モータースポーツの分野では、2002

年にF1(フォーミュラワン)に参戦すること

を決定しました。すでにフィンランド出身の

ミカ・サロをドライバーとして起用、トヨタ

F1テストカーを発表し、テスト走行を実施し

ており、着々とその準備を進めています。

Europeヨーロッパ

800

600

200

400

01997 1998 1999 2000 2001

会計年度��

欧州における販売台数(千台)

2002年シーズンからのF1参戦に向け、モータースポーツ開発拠点であるドイツのTMG(Toyota MotorsportGmbH)を中心に準備を進めています。このトヨタ初のF1カーのエンジンおよびシャシーはTMGが開発、F1全17コースのうち14コースでテスト走行を重ね、データの蓄積を行っています。

2000年「ヨーロッパカー・オブ・ザ・イヤー」に輝いた「ヤリス」。2001年1月からフランスでの現地生産を開始しました。

35

2001年3月期は、日本、北米、欧州以外の地

域における、トヨタ車、レクサス車、ダイハツ

車の総販売台数は対前期比14 .3%増の

779,321台となりました。アジア、中南米、

オセアニアがそろって販売を伸ばしました。

特に通貨危機などで縮小していた東南アジ

アの自動車市場の回復を反映し、東・東南ア

ジアでの販売が急回復しました。中国を除く

当市場での販売台数は、2000年(暦年ベース)

で315,770台、前年比32.4%の増加となりま

した。国別に見ると、通貨危機後の自動車販

売の落ち込みが特に激しかったインドネシア

での販売台数が、対前年比237.1%増の

87,819台(暦年ベース)と急回復したのを筆

頭に、ベトナムで99.6%増、シンガポール

48.2%増となるなど、概ね各国とも販売台数

を伸ばしました。

東・東南アジア

中国での自動車の大衆化に合わせて、2002

年から天津で、「ヴィッツ」と同じ最新プラッ

トホームのNBC(ニュー・ベーシック・カー)

の合弁生産を開始します。1億米ドルを投資し、

排気量1,300ccの小型セダンを年間3万台規

模で生産する予定です。販売網としてこれま

で中国向け輸出車をメンテナンスサービスし

ていた現地資本の全国60社のサービス網を

活用するための準備も進めています。

2001年2月にはタイ現地法人のトヨタ・

モーター・タイランド社(TMT)の資本金を45

億2,000万バーツ(1バーツ=2.8円)から75億

2,000万バーツへ約6割増資しました。これ

により出資比率は85.3%に上昇しました。

TMTは増資で得た資金を生産ラインの効率

化、情報システムや販売網の増強などに投資

し、日系や欧米大手との競争に備えます。

中南米

「カローラ」の生産拡大を軸とする中南米で

の事業強化策を決定しました。ブラジルの子

会社に300億円を追加投資して、「カローラ」

の生産能力や現地での部品調達率の引き上げ

などを図ります。

特に、中南米最大の生産拠点であるブラジ

ルトヨタ(サンパウロ州)では、カローラの生

産能力を2002年までに3倍の年間45,000台

に増強するほか、プレス工場の新設などで、

現地での部品調達比率を拡大、現在の6割か

ら8割程度に高めます。

2001年中には開発中の、新型車をコンピュー

タの仮想空間で組み立て試作できるデジタル

システム「V-Comm(ビジュアル&バーチャ

ル・コミュニケーション)」を南米、アフリカ、

中近東の主要生産拠点に配備します。海外の

生産拠点は同システムを活用、実際の量産の

際に組み立て工程に不具合が生じないかを事

前に調べ、開発部門にフィードバックできる

ことになります。配備済みの日米欧亜豪の主

要生産拠点と併せ、開発データを世界四極で

共有し、開発期間と費用を削減、世界各地の

市場でタイムリーに新型車を投入できる体制

を整えます。新たに「V-Comm」を配備するの

はアルゼンチン、ブラジル、トルコ、南アフ

リカなどの生産拠点です。

OtherRegions

その他の地域

海外の主要生産拠点に次々と導入される「V-Comm」。高品質で効率的な量産体制に向け貢献していきます。

2000年12月、トヨタは、中国・四川の四川トヨタ自動車有限会社で中型バス「コースター」の生産を開始しました。中国で生産される初のトヨタブランド車となります。2001年は3,000台、2005年には、1万台の生産を計画しています。

36

金融サービス

従来国内ではトヨタファイナンス(株)が、海外

では米国をはじめ17カ国においてトヨタモー

タークレジット(株)などが、自動車ローン・リー

ス・保険の販売金融サービスを提供してきま

したが、これらの内外金融会社を傘下におく

統括会社トヨタファイナンシャルサービス

(株)を2000年7月に設立しました。TFSは、

経営の専門性を高め、戦略企画やリスクマネ

ジメント機能を充実させ、金融事業の競争力

を高めることを狙いとしています。

金融事業の展開は、海外においては販売金

融ネットワークの質の向上を高めるととも

に、米国大手自動車メーカーと比肩しうるよ

う、世界30カ国以上に拡大することをめざ

しています。国内においては、2001年4月に

誕生したトヨタ独自のクレジットカード「TS3

CARD(ティーエス・キュービック・カード)」を通

じて、総合的な金融のワンストップ・サービス

を提供していきます。なかでも資産形成サー

ビスの充実を図るため、TFSはトヨタファイ

ナンシャルサービス証券(株)を発足させ、

ビジネスレビュー/多角化事業

お客様にトヨタ車を持っていただくことで、

クルマに関連するさまざまな新しいニーズが

生まれてきます。その多様なニーズに総合的

に対応するため、金融サービスや情報通信事

業、住宅、マリンなどの分野において、顧客

満足をめざした商品を提供しています。その

ために自動車で培った技術とノウハウをITで

有機的に活用させています。

当期のハイライト:

� トヨタファイナンシャルサービス(株)(TFS)を設立し幅広い金融事業を展開

� トヨタ独自のクレジットカード「TS3 CARD(ティーエス・キュービック・カード)」を発行

� 事業部門統合でフォークリフト事業はグループの中核として世界No.1の「総合物流事業」をめざす

� 情報システム系の子会社3社を合併し機能を高める

� 情報通信事業は有望分野へ積極的な投資

� 総合住宅メーカーをめざして初のマンションを販売

� 提携したヤマハにボートを委託生産

37

カードの決済口座にもなる証券総合口座の運

営、および投資信託の販売を行っています。

証券総合口座の運用については、TFSが50%

出資しているトヨタアセットマネジメント(株)

を活用しています。また、カード会員向けの

専用自動車保険については、千代田火災海上

保険と大東京火災保険が2001年4月に合併

して誕生した「あいおい損害保険」が提供して

います。

また、「TS3 CARD」については、発行後3年

程度でカード会員を500万人にするのが目標

です。その実現のために今後さらに先進的な

サービスを充実させていく予定です。

総合eコマースサイトである「Gazoo.com」

の会員向け新サービスとして、インターネッ

トショッピングでの決済機能の充実を目的に

2001年4月に「ライフ&マネーモール」を開

設しました。このモールはインターネット

ショッピングにおける会員の利便性や、サイ

ト利用頻度の向上をめざして実施されたもの

で、これまでのクレジットカードによる一括

支払や代金引き替えに加え、新たにクレジッ

ト、ローン、ネット決済の決済機能を追加す

るものです。

産業車両・機器

フォークリフトに関して「トヨタ」は世界的に

も有力なブランドであり、当社はその他の物

流機器も供給しています。フォークリフトの

ほかに、例えば、自動搬送機や自動倉庫設備、

ショベルローダー、トーイングトラクター、

高所作業台などがあります。

2001年4月1日付けで、当社の産業車両お

よび物流システム事業の営業権を(株)豊田自

動織機製作所に譲渡し、ロジスティックス&

フォークリフト事業部門の製販統合を図りま

したが、今後も「トヨタ」ブランドでの販売を

継続していきます。

2001年3月期、フォークリフトの当社の販

売台数は前期比8.5%増の27,808台となりま

した。また2000年(暦年ベース)では、35年

連続国内販売1位となり、激化する競争の中

でその強さを発揮しました。このうちエンジ

ン車は3.5%増にとどまりましたが、バッテリー

車は18.5%増となりました。シェアは40.3%と

前年比で0.1ポイント上昇し、2年連続で40%

を超えたことになり、2001年(暦年ベース)

には新製品投入などで国内シェアを40.5%程

度まで伸ばすことを目標にしています。

2001年1月に倉庫で使うリーチタイプの

1-3トン積みバッテリー式フォークリフト

「GENEO(ジェネオ)-R」を発売しました。従

来製品を全面改良、必要に応じてサスペン

ションのロックができ、旋回や荷物を上げる

際の安定性を確保できるもので、消耗部品が

少ないAC(交流)駆動システムを採用しまし

た。年間5千台程度の販売をめざします。

情報通信事業

情報通信事業については、日本移動通信(株)

が国内において電話サービスを提供してい

ましたが、2000年10月1日付けで第二電電

(株)およびKDD(株)と合併し、(株)DDI(現

リーチタイプの1-3トン積みバッテリー式フォークリフト「GENEO-R」。なお、当事業は、2001年4月より株式会社 豊田自動織機に譲渡されることになりました。

38

在のKDDI(株))となりました。この結果、

2000年10月1日以降、同社は連結対象から

外れています。

当社と、世界に2,800万人の会員を持つ、

インターネット・オンラインサービス「AOL」

の日本法人、(株)ドコモAOLは、2001年4月

からインターネットの会員向けサービスにお

いて連携を図っていくことで合意しました。

今回の連携は、当社のGazooとAOLの両方が

会員数の拡大を図るとともに、会員向けサー

ビスの一層の充実を狙ったものです。この連

携で、スクリーンネームと呼ばれるAOL会員

IDと、Gazooの会員IDを連動させることによ

り、AOLから簡単にGazooにアクセスできる

ようになります。

住宅・マリン・その他の事業

住宅

トヨタは、1975年に住宅事業部を設立し、

プレハブ住宅市場に参入しました。

鉄骨ユニット住宅シンセシリーズでは、高

剛性、高耐久の構造体とトヨタグループの技

術力を結集した先進設備を組み合わせた「S

(スーパースケルトン)& I(インテリジェント

インフィル)発想」の家づくりを展開しており、

2000年4月には、中高級二階建て「シンセレ

ゾン」を発売し、商品ラインアップを充実さ

せました。

新たな取り組みとしては、低価格帯または

寒冷地対応商品を強化するため、新日鉄と提

携し、スチールハウス住宅「Vie-α(ヴィー・

アルファ)」を2000年6月に発売しました。

また、お客様のニーズに幅広く応えていくた

め、マンション事業への取り組みを開始し、

2001年3月には「セルシオシティ鳴海」を発

売し即日完売しました。2001年3月期の販

売戸数は、前年比11.2%増の3,666戸、また

累計生産戸数は、50,000戸を突破しており、

今後も日本の住環境向上に貢献していきたい

と考えています。

モーターボート

当社は自動車で培われた先進技術・エンジン

技術を生かして1997年にマリン事業に参入

し、年間約90隻のモーターボートやエンジン

を製造・販売しています。当社と2000年3月

に資本提携したモーターボート販売の最大手

ヤマハ発動機(株)とは、モーターボートの生

産・販売面などで協力関係にあり、当社は中

型ボート「ポーナム 26F」の一部を生産委託

しています。また当社は若者に人気のある

ウェイクボードにも対応できるスキーボート

「エピック」も販売しています。

アグリバイオ・環境緑化事業

当社は、1998年からバイオ技術の応用によ

る事業をスタートさせました。現在はバイオ

緑化事業部が中心となり、2001年4月には、

サツマイモを原料にした新しいバイオ事業を

インドネシアで開始するなど、植林や農作物

栽培といった事業を展開しています。

トヨタホームは、省エネ環境配慮技術を積極的に取り入れるとともに、住まい自体を長持ちさせる家づくりを進めています。「シンセ・レゾン」は、ソーラーシステム屋根一体型住宅として2000年4月より発売を開始しました。この「シンセ・レゾン-G」は、特に優れた断熱性能を誇るタイプです。

新型スキーボート「エピック S22」は、ウェイクボード、水上スキーなどのトーイングスポーツやクルージングなど幅広いマリンライフを楽しめるプレジャーボート。ウェイクボードに理想的な波を作る、船体後方にエンジン搭載可能なV-ドライブの駆動方式を採用したものです。

39

経営者による財政状態及び経営成績に関する説明及び分析 40

連結貸借対照表 52

連結損益計算書 54

連結株主持分計算書 55

連結キャッシュ・フロー計算書 56

トヨタ自動車株式会社連結財務諸表への注記 57

公認会計士の監査報告書 91

日本の会計原則に基づく過去10年間の要約連結財務情報(未監査) 92

フィナンシャル・セクション

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ39

本項目に記載される全ての財務情報は、本アニュアル

レポートに含まれる連結財務諸表に基づいています。同

財務諸表は、米国で一般に公正妥当と認められた会計原

則に基づき作成されています。

概 観

トヨタの事業セグメントは、自動車事業、金融サービ

ス事業及びその他の全事業で構成されています。自動車

事業は、最も重要なセグメントで、2001会計年度におい

てトヨタの総収益(セグメント間収益控除前)の約88%、

営業利益(セグメント間収益及び費用控除前)の約97%を

占めています。2001年3月31日に終了した1年間におけ

る車両販売台数ベースによるトヨタの主要な市場は日本

が42%、北米が31%、ヨーロッパが13%となっています。

自動車市場環境

世界の自動車市場は、非常に競争が激しく、また周期

的な動きをします。さらに、各市場における自動車の需要

は年毎に大きく変動します。すなわち、需要は各市場の

全体的な経済状況、車の購入価格及び維持費、クレジット

や燃料の利用可能性及びコストに大きく左右されます。

日本経済の低迷により、トヨタの日本市場における

1999会計年度のトヨタ車両販売台数は減少しましたが、

2000会計年度及び2001会計年度においては、顧客の需

要を満たす新型車の積極的な導入および国内ディーラー

の販売強化の結果増加しました。2000会計年度及び

2001会計年度の北米及びヨーロッパにおけるトヨタの

車両販売台数は、同地域の高い需要を受け、増加してい

ます。トヨタのこれらの市場における販売台数は、米国

を中心に2000年(暦年)の後半期に始まった世界的経済

成長の鈍化にも関わらず、継続的に増加しています。東

アジア及び東南アジア市場においては、アジアにおける

経済危機により1999会計年度においてトヨタの車両販

売台数は減少しましたが、2000会計年度及び2001会計

年度の同市場におけるトヨタの車両販売台数は増加しま

した。トヨタの東アジア及び東南アジアを除くその他の

地域の車両販売台数は、1999会計年度においては増加、

2000会計年度においては減少、2001会計年度において

は増加しました。

各市場における全車両販売台数に占めるトヨタのシェ

アは、製品の品質、価格、デザイン、運転機能、安全性、

信頼性、経済性及び実用性により左右されます。また、

時機を得た新車の導入やモデルチェンジの実施も、顧客

の需要を満たす重要な要因です。変化し続ける顧客の嗜

好を満たす能力も、収益及び利益に大幅な影響をもたら

します。

自動車事業の収益性は、多くの要因により左右されま

す。これらには下記のような要因が含まれます。

�車両販売台数

�販売された車両モデルとオプションの組み合わせ

�価格割引及びその他のインセンティブのレベル並びに

マーケティング費用

�顧客の補償責任請求及びその他の賠償請求にかかる

費用

�研究開発費及び他の固定費用

�コストの管理能力

�生産能力の効率的な利用

�円および、トヨタが事業を行っている地域におけるその

他の通貨の為替相場の変動

法律、規制、政策の変更及びその他の政府による措置

についても自動車事業の収益性に著しい影響を及ぼすこ

とがあります。これらの法律、規制及び政策には、車両

の製造コストを大幅に増加させる環境問題、車両の安全

性、燃費及び排ガスに影響を及ぼすものが含まれます。

これらの法律、規制、政策の議論に関してはフォーム

20-Fの「Information on the Company-Business Overview-

Governmental Regulation, Environmental and Safety

Standards」をご参照下さい。さらに、トヨタ、カリフォル

ニア州大気資源局及び米国環境保護局を当事者とする法

的手続についてはフォーム20-Fの「Information on the

Company-Business Overview-Legal Proceedings」をご参照

ください。現地調達部品を規定し、自動車製造業者の事

業を制限し、本国への利益の送還を難しくし得る関税及

びその他の貿易障壁を課し、価格管理もしくは為替管理

の法規定を行なう政府も多くあります。このような法律

の変更は、製品の生産、ライセンス、流通もしくは販売、

原価、あるいは適用される税率に影響を及ぼすことがあ

ります。

世界の自動車産業は、グローバル化及び合従連衡の時

期にあり、この傾向は予見可能な将来まで続く可能性が

あります。その結果、トヨタが事業を展開する競争的な

環境は、さらに激化する様相を呈しています。トヨタは

一独立企業として自動車産業において効率的に競争する

ための資源、戦略及び技術を予見可能な将来において有

していると考えています。

40

経営者による財政状態及び経営成績に関する説明及び分析

7,000

3,500

0

1999 2000 2001

4,69

5.1 5,18

2.8

5,52

6.9

(会計年度)�

新車販売台数*(千台)

*販売台数には、連結対象外の事業体で組み立てた車両は、含まれていません。

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ40

1998年9月には軽車両、乗用車、商用車及び自動車部

品の製造業者であるダイハツ工業(株)への出資率を

34.5%から51.2%まで引き上げました。ダイハツ工業(株)

の業績は、1999会計年度後期より連結されております。

出資率を引き上げる以前は、ダイハツ工業(株)の利益の

トヨタの株主持分が連結財務諸表に含まれていました。

2001年3月31日現在、トヨタは日野自動車(株)に対す

る持分を36.6%所有し持分法を適用しています。2001年

3月31日後、トヨタは日野に対する持分を2001年8月31

日に取得価額663億円を支払うことにより、50.1%まで

引き上げることに合意しました。この取引は規制当局の

承認を条件としています。日野の数値は取得日からトヨ

タの連結財務諸表に含まれる予定です。本アニュアルレ

ポートに含まれているトヨタの2001年3月期連結財務諸

表注記12において、2000年4月1日に持分を取得したと

仮定した場合の2001年3月期の仮定業績数値(未監査)

に関する開示がなされています。

金融サービス事業

自動車金融の市場は、自動車購入に際し融資を受ける

消費者数の増加(特に北米及びヨーロッパにおいて増加)

を受け、拡大しました。トヨタは、金融サービス事業に

おいて、銀行、貯蓄組合及びリース会社を含む金融機関

による競争の激化に直面しています。リース会社には、

他の自動車製造業者、特に米国の主要製造業者の関連会

社を含みます。競争が激化するにつれ、融資取引の利幅

が減り、顧客がトヨタ車を購入する際にトヨタ以外の金

融サービスを利用するようになれば、マーケット・シェ

アは低下することも考えられます。

トヨタの金融サービス事業には顧客及び代理店に対す

る貸付及びリースが含まれています。トヨタの顧客に対

して資金を提供する能力は顧客に対する重要な付加価値

のあるサービスと考えています。また、トヨタは金融子

会社のネットワークを他の国へと広げることを考えてい

ます。2000年7月にトヨタは全世界の金融会社を統括す

るため、また新たな自動車関連の金融分野に参画するた

めに100%子会社のトヨタファイナンシャルサービス(株)

を設立しました。2001会計年度においてトヨタは米国

における自動車小売契約に関連して、拡張した段階的価

格プログラムを導入しました。この拡張プログラムの目

的は、顧客リスクを契約レートにより反映し、したがっ

てより広いリスクレベルの範囲における利益率の高い契

約購入を達成することにあります。これらの拡張プログ

ラムの導入により契約数の増加が期待されると同時に、

ポートフォリオが大きくなるに従い、より高いリスクの契

約を購入することによる信用損失の増加も見込まれます。

トヨタは、トヨタの新車購入に対する融資のためのオ

ペレーティング・リースの取扱いを続けてきました。当

該リース事業によりトヨタは残存価値のリスクを負って

います。これは車両リース利用者が、リース終了時に車

両を購入するオプションを行使しない場合に発生しま

す。リース終了時に返却される車両台数は近年増加して

います。例えば、米国のファイナンス子会社である

Toyota Motor Credit Corporationによるリース車両につい

て、1996会計年度においては返却の割合が20%以下で

したが、2001会計年度中には返却の割合は50%超にま

で増加しました。リース終了時に返却される車両から生

じる損失を回避するためには、車両の残存価値以上の価

格で再販売もしくは再リースしなければなりません。車

両の残存価値をカバーできない場合には、リース終了時

に損失が生じます。このような損失は、リースによる収

益を減らす要因になります。市場価格を下落させる中古

車両の供給増加のために近年においては返却車両の再販

売価値は下落しています。

更に、資金調達コストは、金融サービス事業の収益性

に影響を及ぼす可能性があります。資金調達コストは、

数多くの要因により影響を受けますが、その中にはトヨ

タがコントロールできないものもあります。これには、

全般的な景気、金利及びトヨタの財務力などが含まれま

す。主として米国における金利の上昇によって2001会計

年度におけるトヨタの資金調達コストは上昇しました。

2001年3月31日現在、トヨタは千代田火災海上保険

(株)の持分を49.9%所有し持分法を適用すると同時に、

大東京火災海上保険(株)の持分を19.3%所有し市場性の

ある有価証券として処理しています。2001年4月1日、千

代田は大東京と合併し、存続会社となる大東京は社名を

あいおい損害保険(株)と変更しました。この結果、合併

日におけるトヨタのあいおい損害保険(株)に対する持分

は33.4%となり、持分法を適用することを予定しています。

その他の事業

その他の事業には、特定の高度道路交通システム及び

Gazoo.comと呼ばれるe-commerce市場を含む情報技術関

連ビジネス、プレハブ住宅の設計及び製造並びにその他

の各種事業が含まれます。

41

70,000

35,000

0

44,8

11

47,5

23

55,3

16

1999 2000 2001(会計年度)�

金融サービス事業の資産(配賦不能額の調整前)(億円)

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ41

トヨタは子会社である日本移動通信(株)を通じて通信

事業を行っていました。日本移動通信(株)は日本におけ

る携帯電話サービスの提供者です。2000年10月1日、日

本移動通信(株)は日本の遠距離通信会社である第二電

電(株)及びケイディディ(株)の2社と合併しました。ケ

イディディアイとして周知の第二電電(株)が存続会社と

なります。この合併の結果、トヨタは299,915.85株の新

第二電電(株)株式を869,756株の日本移動通信(株)株

式と引き換えに取得しました。さらにトヨタは約1,200

億円の第二電電(株)の新株を合併直前である2000年9

月29日に引受けました。合併及び第二電電(株)の新株

購入の結果、トヨタの新会社に対する持分は約13%にな

り、トヨタは新会社に対して重要な影響を及ぼしており

ません。その結果、トヨタは2001年後期より、ケイディ

ディアイ株式を、市場性ある持分証券への投資として処

理することになります。合併日には、トヨタは日本移動

通信(株)株式の処分により、トヨタの合併日現在の日本

移動通信(株)の簿価とトヨタが所有するケイディディア

イ299,915.85株の公正価額の差額1,810億円を利益とし

て認識しております。

トヨタは1998年3月に日本移動通信(株)への出資比率

を27.2%から62.8%に、また2000会計年度には63.3%ま

で引き上げました。日本移動通信(株)の業績は、2001会

計年度前半期同様、1999及び2000会計年度においても

トヨタの連結財務諸表に連結されています。1998年3月

に出資率を引き上げる以前は、日本移動通信(株)の利益

のトヨタの株主持分が連結財務諸表に含まれていました。

2001年4月1日、トヨタは産業車両ビジネスを関連会

社で持分法を適用している(株)豊田自動織機製作所に売

却しました。

現在のところ、その他の事業は連結業績に大きな影響

を及ぼすものではありません。

為替の変動

トヨタは、為替レートの変動による影響を受けやすい

といえます。日本円の他に主に米国ドル及びユーロの価

格変動の影響を受けており、また、米ドルやユーロほど

ではないにしても、英国ポンドについても影響を受ける

ことがあります。日本円で表示されたトヨタの連結財務

諸表は、換算リスク及び取引リスクを通じて為替レート

の変動による影響を受けています。為替レートの変化は

トヨタの収益、売上総利益、営業費用、営業利益、当期利

益及び剰余金に対して好影響も悪影響も及ぼします。

換算リスクとは、特定期間もしくは特定日の財務諸表

が、事業を展開する国々の通貨の日本円に対するその

時々の為替レートの変動による影響を受けるリスクで

す。たとえ日本円に対する通貨の変動が大きく、前会計

年度との比較において、また地域ごとの比較においてか

なりの影響を及ぼすとしても、換算リスクは報告上の考

慮事項に過ぎず、その基礎となる業績を左右するもので

はありません。トヨタは換算リスクに対してヘッジを行っ

ていません。

取引リスクとは、コスト及び債務の通貨体系が売上及

び資産の通貨体系と異なることによるリスクです。取引

リスクは主に、トヨタの日本製車両の海外売上及び比較

的小さいながら英国製車両のヨーロッパ大陸での売上に

関係しています。

トヨタは、生産施設が世界中に所在しているため取引

リスクは大幅に減少されていると考えています。グロー

バル化戦略の一環として、車両販売を行なう主要市場に

おいて生産施設を建設することにより、その大半の生産

を現地化してきました。2000年(暦年)において、海外

での販売台数の54%は、トヨタ子会社及びその非連結関

連会社により海外で生産されています。また北米では、

2000年(暦年)の車両販売台数の60%は現地で生産され

ています。ヨーロッパでは2000年(暦年)の車両販売台

数の26%が現地で生産されています。トヨタは2002会計

年度のヨーロッパでの販売台数に占める現地生産台数の

割合が、2001年1月のフランス工場でのヤリス生産開始

に伴い増加すると考えています。生産の現地化により、

トヨタは生産過程に使用される供給品及び原材料の多く

を現地調達することができ、現地での収益と現地での費

用の通貨のマッチングを計ることができます。

トヨタは、取引リスクの一部に対処するための為替

のアレンジメントを行っています。これにより外国為替

レート変動による影響は軽減されますが、全て排除され

るまでには至っておらず、年によってその影響が大きい

場合もあり得ます。

損益計算書上の1999会計年度、2000会計年度、2001

会計年度の為替差(損)益には、為替ヘッジ対象取引がま

だ認識されていない通貨デリバティブ契約に係る未実現

(損)益、235億円、462億円及び(345億円)が含まれて

います。

一般的に、円安は、営業利益及び当期純利益に好影響

を及ぼし、円高は逆の効果を及ぼします。日本円は、

2000会計年度及び2001会計年度前半期においては、そ

れぞれに対応する過年度に比べ総じて円高となっていま

したが、2001会計年度後半期においては、米ドル及び

ユーロに対して円安になりました。日本円と他の通貨ほ

どではないにしても、英国ポンドがユーロに対して弱く

42

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ42

なる場合には、トヨタの営業利益及び当期純利益の増加

要因となり、英国ポンドがユーロに対して強くなる場合

には逆の影響を及ぼします。2001会計年度においては、

2000会計年度に比べ総じて、一般的にユーロに対して英

国ポンド高となっていました。

セグメンテーション

トヨタの最も重要な事業セグメントは、自動車事業セ

グメントです。トヨタは、世界の自動車市場においてグ

ローバル・コンペティターとして自動車事業を展開して

おり、自動車事業の経営には世界的なアプローチを採用

しています。それにより経営陣は、世界全体の自動車事

業を一つのセグメントとして資源の配分やその実績の評

価を行っています。トヨタは国内・国外または部品等の

ような自動車事業の一分野を個別のセグメントとして管

理していません。

自動車事業セグメントの経営は、機能ベースで成り

立っており、管理職がそのセグメントにおける機能に対

して監督責任をもっています。経営陣は自動車事業セグ

メント内で資源を配分するために、売上台数、生産台数、

マーケット・シェア、車両モデルの計画および工場のコス

トといった財務及びそれ以外に関するデータの評価を

行っています。

地域別内訳

以下の表は、過去3年間のトヨタの地域別外部顧客向

け収益を示しています。ダイハツの収益は1998年10月

から含められています。

単位:百万円

3月31日に終了した1年間 1999年 2000年 2001年

日本 ¥6,029,530 ¥6,280,553 ¥6,462,066

北米 4,617,936 4,517,648 4,802,167

欧州 1,187,638 1,088,095 1,013,967

その他海外 852,317 763,481 858,870

業績―2001会計年度と2000会計年度の比較

収 益

2001会計年度の収益は、前会計年度と比較して4,873

億円(3.9%)増加し、13兆1,371億円となりました。この

増加は主に、2001会計年度において車両販売台数の増

加及び車両販売価格の上昇による影響を受けたことを反

映しておりますが、2001会計年度において為替換算レー

トによる悪影響を受けたこと、及び2000年10月1日に日

本移動通信(株)が第二電電(株)及びケイディディ(株)

の2社と合併した結果、2001会計年度後半期における通

信事業が除外されていることにより一部相殺されまし

た。日本円に換算する際の為替レートの変動による影響

を除いた場合、2001会計年度の収益は約13兆4,737億円

で前会計年度と比較して6.5%の増加であったと考えられ

ます。収益には製品売上高及び金融収益が含まれており、

2001会計年度において製品売上高は前会計年度と比較

して3.8%増加して12兆5,839億円となり、金融収益は前

会計年度と比較して4.7%増加して5,531億円となりまし

た。日本円に換算する際の為替レートの影響を除いた場

合、2001会計年度の製品売上高は6.4%増加して12兆

9,013億円、金融収益は8.3%増加して5,723億円であっ

たと考えられます。2001会計年度の収益は前会計年度

と比較して日本において2.9%増加し、北米において6.3%

増加し、ヨーロッパにおいて6.8%減少し、その他の地域

で12.5%増加しました。日本円に換算する際の為替レー

トの影響を除いた場合、収益は前会計年度と比較して日

本において2.9%増加し、米国において7.4%増加し、ヨー

ロッパにおいて10.0%増加しその他の市場において

25.9%増加したと考えられます。

以下は、各事業セグメントの収益に関する説明です。記

載された収益額は、セグメント間収益控除前の数値です。

自動車事業セグメント

自動車事業からの収益は、トヨタの収益において最も

高い割合を占めています。2001会計年度における、自動

車事業からの収益は11兆7,230億円であり、前会計年度

の11兆989億円から5.6%増加しました。これは主に販売

台数の増加による7,368億円の増加、及び、車両販売価

格の上昇及び商品販売構成の変更の合計で2,048億円の

増加によるものですが、2001年会計年度における為替

換算レート変動の影響による3,174億円により一部相殺

されました。日本円に換算する際の為替レートの変動に

よる影響を除いた場合、2001会計年度における自動車

事業による収益は約12兆404億円で前会計年度と比較し

て8.5%の増加であったと考えられます。2001会計年度

43

150,000

100,000

50,000

0

126,

874

126,

498

131,

371

1999 2000 2001(会計年度)�

収 益(億円)

1999 2000 2001

自動車 111,391 110,989 117,230金融サービス 5,947 5,341 5,711その他 11,742 12,078 10,694

129,080 128,408 133,635

セグメント間消去 (2,206) (1,910) (2,264)合計 126,874 126,498 131,371

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ43

において、日本、北米、ヨーロッパ及びその他の全ての市

場における販売台数は前会計年度と比較して増加しまし

た。日本、北米、ヨーロッパ及びその他の全ての市場に

おける売上高は、それぞれ前年度と比較して6.7%、2.6%、

9.0%、14.4%の車両販売台数の増加を反映しております。

日本における収益増加は車両販売台数の増加及び新型車

の導入によるものですが、これらは、日本市場における

継続的な低価格車両へのシフトにより相殺されていま

す。北米における収益の増加は、2001会計年度における

車両販売台数の増加及び販売価格の上昇によるものです

が、これらは為替レートの変動により一部マイナスの影

響を受けました。さらに、ヨーロッパでの収益減少は

2001会計年度において、為替換算の影響によりマイナ

スの影響を受けたことによりますが、これは車両販売台

数の増加により一部相殺されています。その他の全ての

市場における収益の増加は2001会計年度における車両

販売台数の増加による影響ですが、これは 外貨換算レー

トの変動によるマイナスの影響により、一部相殺されて

います。

金融サービス事業セグメント

2001会計年度における金融サービス事業セグメント

の収益は、5,711億円で、前会計年度に比べて369億円

(6.9%)増加しました。この増加額は、主に取扱高の増加

及び融資における利率の上昇によるものですが、これら

は2001会計年度中の為替レート変動によるマイナスの

影響により、一部相殺されております。日本円に換算す

る際の為替レートの変動による影響を除いた場合、2001

会計年度における金融サービス事業による収益は、約

5,903億円で前会計年度と比較して10.5%の増加であっ

たと考えられます。

その他の全事業セグメント

2001会計年度におけるその他の全事業セグメントの

収益は、対前会計年度比で1,384億円(11.5%)減少し、1

兆694億円でした。この減少は日本移動通信(株)が第二

電電(株)及びケイディディ(株)の2社と合併した結果、

2001会計年度後期の通信事業が除外された影響2,357億

円によるものです。通信事業の収益を除いた場合、2001

会計年度において、その他の全事業からの収益は8,258

億円に上り、対前年比で973億円(13.4%)増加しました。

これは産業機器事業の収益増加を反映しています。

営業費用

2001会計年度における営業費用は、対前会計年度比

で3,951億円(3.3%)増加し、12兆3,463億円となりまし

た。この増加は主に、2001会計年度における車両販売増

加及び商品販売構成の変更による製品売上原価の増加

6,657億円、その他の全事業の数量増加の影響982億円

及び金融サービス事業の取扱高増加の影響332億円によ

るものですが、これらは2001会計年度における2,081億

円の為替レートの変動、コスト削減努力による影響1,800

億円及び日本移動通信(株)が第二電電(株)及びケイ

ディディ(株)の2社と合併したことによる、2001会計年

度後半期の通信事業の除外の影響2,056億円により一部

相殺されています。

また、継続的なコスト削減努力により、2001会計年度

の費用は約1,800億円減少しました。このコスト削減は、

継続的に実施されている価値工学及び価値分析活動、部

品の種類絞込み及び共用化並びに車両生産コストの低減

を目的としたその他の製造活動に関連しています。追加

的なコスト削減活動として、トヨタブランド車両の国内

生産能力を1999会計年度の400万台のレベルから300~

350万台程度へと縮小しました。

2001会計年度における製品売上原価は、対前会計年

度比で3,788億円(3.8%)増加し、10兆2,186億円となり

ました。この増加(セグメント間費用控除前)は、自動車

事業セグメントにおける4,348億円(4.8%)の増加及びそ

の他の全事業セグメントにおける377億円(4.3%)の減少

を反映しています。自動車事業セグメントの増加は、主

として2001会計年度の車両販売台数の増加による影響

ですが、これは、為替レート変動に関連する低コストの

影響及び継続的なコスト削減努力の影響により一部相殺

されています。その他の事業セグメントにおける減少は、

日本移動通信(株)が第二電電(株)及びケイディディ(株)

の2社と合併した結果、2001会計年度後期の通信事業が

除外された影響1,290億円を反映していますが、これは、

産業機器事業における収益増加に伴う製品売上原価の増

加により一部相殺されています。

2001会計年度の売上原価の収益に対する割合は、前

会計年度の81.2%から変化していません。主として日本

で生産された車両の海外売上及び軽微ではあるものの、

英国で生産された車両のヨーロッパ大陸での売上にかか

る為替レート変動の影響、及び日本移動通信(株)が第二

電電(株)及びケイディディ(株)の2社と合併し、2001会

計年度後半期に通信事業が除外された影響により売上原

価の収益に対する割合は増加していますが、これらは継

続的なコスト削減努力によりほぼ相殺されています。

44

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ44

2001会計年度における金融費用は、前会計年度から

253億円(6.3%)増加し、4,273億円でした。この増加は主

として金融事業の取引の増加及び米国での高金利による

金融費用の増加によるものですが、為替レート変動の影

響により一部相殺されています。2001会計年度における

金融費用の金融収益に対する比率は前会計年度の76.1%

から77.3%へと上昇しました。この変化は主として米国で

の高金利によっておこる金融費用の増加によるものです。

2001会計年度の研究開発費は前会計年度の4,512億円

から、4,757億円へと増加しました。これは主として、新

型車、車両の安全性及び環境技術の開発に関係する研究

開発活動の増加によるものです。

2001会計年度における販売費及び一般管理費は、対前

会計年度比で90億円(0.5%)減少し、1兆7,004億円でし

た。この減少(セグメント間費用控除前)は、自動車事業

セグメントにおける628億円(4.5%)の増加、金融サービ

ス事業セグメントにおける192億円(19.2%)の増加及び

その他の全事業セグメントにおける697億円(22.3%)の

減少を反映しています。自動車事業セグメントにおける

増加は主に車両販売増加に伴うものですが、2001会計年

度の為替レート変動、販売促進費の低減及び継続的なコ

スト削減努力により一部相殺されています。金融サービ

ス事業セグメントの増加はクレジットカード事業の準備

費用を含む事業拡大のための費用及び金融債権の増加に

伴う信用損失引当金繰入額の増加を反映しています。こ

れらの増加は2001会計年度の為替レート変動により一

部相殺されています。その他の全事業セグメントにおけ

る減少は、日本移動通信(株)が第二電電(株)及びケイデ

ィディ(株)の2社と合併した結果、2001会計年度後期の

通信事業が除外された影響765億円を反映しています。

2001会計年度における販売費及び一般管理費の収益

に占める割合は、前会計年度の13.5%から減少して

12.9%となりました。販売費及び一般管理費の収益に占

める割合の減少は、主に2001会計年度の自動車事業セ

グメントにおける売上増加、販売促進費の減少、継続的

なコスト削減努力及び日本移動通信(株)が第二電電(株)

及びケイディディ(株)の2社と合併した結果、2001会計

年度後半期の通信事業が除外された影響によるもので

す。これらは、主に自動車事業セグメントにおける、日本

で生産された車両の海外売上及び英国で生産された車両

のヨーロッパ大陸での売上にかかる為替レートの変動の

影響、事業拡大費用の増加及び金融事業セグメントにお

ける信用損失引当金繰入額の増加によるものです。自動

車事業セグメントにおける販売費及び一般管理費の収益

に占める割合は、前会計年度の12.5%から減少して2001

会計年度には12.3%となりました。金融サービスセグメ

ントにおける販売費及び一般管理費の収益に占める割合

は、前会計年度の18.7%から増加して2001会計年度には

20.8%でした。その他の全事業セグメントにおける販売

費及び一般管理費の収益に占める割合は、前会計年度の

25.9%から減少して2001会計年度には22.7%でした。

営業利益

2001会計年度における営業利益は7,907億円で、対前

会計年度比で922億円(13.2%)増加しました。営業利益

は主として、車両販売台数の増加及び販売価格の上昇並

びに継続的なコスト削減努力によるものですが、これら

は、2001会計年度における米ドル及びユーロに対する円

高の影響とそれに関連する為替レートの変動及び日本移

動通信(株)が第二電電(株)及びケイディディ(株)の2社

と合併した結果、2001会計年度後期の通信事業が除外

された影響によって一部相殺されました。

2001会計年度における(内部利益控除前)営業利益は、

対前会計年度比で、それぞれ、日本においては835億円

(15.5%)、北米においては351億円(22.0%)、その他の市

場においては30億円(81.4%)増加しました。これらの増

加はヨーロッパにおける150億円(151.5%)の営業損失

の増加により一部相殺されました。日本における増加は

主に、日本における車両販売台数の増加、北米及びヨー

ロッパへの輸出増加及びコスト削減努力などによる好影

響に関連するものですが、米国ドル及びユーロに対して

の円高の影響により一部相殺されました。北米における

増加は主に、車両販売台数の増加、販売価格の上昇及び

新しい工場施設での生産拡大により好影響を受けまし

た。この増加は日本円に対する米国ドルの通貨安により

一部相殺されました。その他の市場における増加はアジ

ア市場における車両販売台数の増加、販売価格の上昇及

び売上構成の変化の組み合わせによるものです。ヨー

ロッパにおける減少は主に、日本円に対するユーロの激

しい価値下落及び新しいフランス工場施設の立ち上げ費

用によるものですが、車両販売台数の増加及び販売価格

の上昇により一部相殺されました。

以下は、各事業セグメントの営業利益に関する説明で

す。記載された営業利益額は、セグメント間利益控除前

の数値です。

45

6,000

4,000

2,000

0

4,87

3

4,51

2 4,75

7

1999 2000 2001(会計年度)�

研究開発費(億円)

9,000

6,000

3,000

0

1999 2000 2001

7,50

4

6,98

6

7,90

7

(会計年度)�

営業利益(億円)

1999 2000 2001

自動車 6,870 6,390 7,655金融サービス 383 317 317その他 290 264 (46)

7,543 6,971 7,926

セグメント間消去 (39) 15 (19)合計 7,504 6,986 7,907

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:22 PM ページ45

自動車事業セグメント

2001会計年度における自動車事業セグメントの営業

利益は、7,656億円となり、対前会計年度比で1,266億円

(19.8%)増加しました。営業利益は主に、車両販売台数

の増加、販売価格の上昇、車種構成の変化及び継続的な

コスト削減努力の影響によるものですが、これらは米国

ドル及びユーロに対する円高の影響により一部相殺され

ました。

金融サービス事業セグメント

2001会計年度における金融サービス事業セグメント

の営業利益は317億円となり、対前会計年度比で0.1%だ

け減少しました。営業利益の減少は主に、クレジットカー

ド事業の準備費用を含む事業拡大のための費用、金融債

権の増加に伴う金融損失引当金繰入額の増加及び米国ド

ル及びユーロに対する円高の影響によるものですが、こ

れらは融資の増加により一部相殺されました。

その他の事業セグメント

2001会計年度におけるその他の事業セグメントの営

業利益は対前会計年度比で310億円減少し、46億円の営

業損失となりました。この減少は主に、日本移動通信(株)

が第二電電(株)及びケイディディ(株)の2社と合併し、

2001会計年度後半期の通信事業が除外された影響によ

るものです。

営業外損益

2001会計年度における受取利息及び配当金は714億

円となり、同会計年度における日本での低金利が原因で

対前会計年度比で26億円(3.5%)減少しました。

2001会計年度における支払利息は409億円となり、同

会計年度における日本での低金利が原因で対前会計年度

比で65億円(13.6%)減少しました。

2001会計年度における為替差損益は、60億円の為替

差損となり、対前会計年度比で972億円為替差益が減少

しました。為替差損益は主に外国通貨建てによる売上を

取引時の為替レートで換算した価格と、先物為替契約を

利用したものを含む同会計年度における決済金額との差

額を示すものです。2001会計年度における為替差益は、

主に同会計年度前半期における為替レートの適度な変動

及び同会計年度後半期における円安傾向により前会計年

度の著しい円高傾向と比べてマイナスの影響を受けたこ

とによるものです。

2001会計年度におけるその他収益は2,278億円増加し

ました。この増加は、日本移動通信(株)に対する持分の

処分による実現利益1,810億円及び「流動性と資金の源

泉」に記載されている退職給付信託への株式拠出益

1,612億円によるものです。これらの増加は売買目的証

券の未実現利益の減少およびその他営業外費用の増加に

より一部相殺されています。

法人税

2001会計年度における法人税等は、主に連結対象会

社の当期純利益の増加及び持分法適用会社の未分配利益

に対する税効果額の増加により、対前会計年度比で

1,011億円増加しました。2001会計年度の実効税率は

47.3%であり、前会計年度の48.0%から減少しました。

これは、主に、評価性引当金繰入額の税引前利益に対す

る比率の減少によるものですが、関連会社の未分配利益

に対する法人税等の増加により一部相殺されています。

少数株主持分及び持分法投資損益

2001会計年度における少数株主持分損益は前年度に

比べ45億円増加し、121億円となりました。連結子会社

の少数株主持分損益の増加は、主にダイハツ工業(株)の

当期純利益の増加を反映していますが、これは日本移動

通信(株)の前半期における利益の減少及び日本移動通

信(株)が第二電電(株)及びケイディディ(株)と合併し

後半期の日本移動通信(株)の損益が除かれたことによ

り一部相殺されています。2001会計年度における持分

法投資損益は、関連会社の業績が全般的に改善したこと

及び退職給付信託への株式拠出益を計上したことによ

り、対前会計年度比で720億円増加し、1,036億円となり

ました。

当期純利益

2001会計年度の当期純利益は6,749億円で、対前会計

年度比で1,930億円(40.0%)増加しました。

その他の包括損失

2001会計年度におけるその他の包括損失は、対前会

計年度比で660億円増加し、1,571億円となりました。こ

の増加は主に、前会計年度の未実現有価証券評価益829

億円に対して2001会計年度においては、3,050億円の未

実現有価証券評価損であったこと、及び最小年金債務調

整額に関連する134億円のその他の包括損失によるもの

です。これらの損失は、前会計年度における外貨換算調

整損失が1,813億円であったのに対して2001会計年度に

おいては外貨換算調整利益が1,613億円であったことに

より一部相殺されています。

46

12

8

4

0

6.7 7.

1

9.6

1999 2000 2001(会計年度)�

株主資本当期純利益(ROE)(%)

8,000

4,000

0

4,51

6

4,81

9

6,74

91999 2000 2001

(会計年度)�

当期純利益(億円)

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ46

業績―2000会計年度と1999会計年度の比較

収 益

2000会計年度の収益は、前会計年度と比較して376億

円(0.3%)減少し、12兆6,498億円となりました。この減

少は主に、為替換算レートによる悪影響を受けたことを

反映していますが、ダイハツ工業(株)の業績を2000会

計年度に1年間連結したこと、車両販売台数の増加及び

車両販売価格の上昇により一部相殺されました。為替

レートの変動による影響を除いた場合、2000会計年度の

収益は約14兆1,298億円で前会計年度と比較して11.4%

の増加であったと考えられます。収益には製品売上高及

び金融収益が含まれており、2000会計年度において製

品売上高は12兆1,214億円であまり変化はなく、金融収

益は9.5%減少して5,283億円となりました。日本円に換

算する際の為替レートの影響を除いた場合、製品売上高

は11.8%増加し、金融収益は2.5%増加したと考えられま

す。収益は前会計年度と比較して日本において4.2%増加

し、北米において2.2%減少し、ヨーロッパにおいて8.4%

減少し、その他の地域で10.4%減少しました。日本円に

換算する際の為替レートの影響を除いた場合、収益は前

会計年度と比較して日本において4.2%増加し、米国にお

いて19.3%増加し、ヨーロッパにおいて20.2%増加しそ

の他の市場において7.2%増加したと考えられます。

以下は、各事業セグメントの収益に関する説明です。記

載された収益額は、セグメント間収益控除前の数値です。

自動車事業セグメント

自動車事業からの収益は、トヨタの収益において最も

高い割合を占めています。2000会計年度における、自動

車事業からの収益は11兆989億円であり、前会計年度の

11兆1,391億円から0.4%減少しました。これは主に

2000年会計年度において為替換算レート変動の悪影響

による1兆4,100億円の減少に起因しており、ダイハツ工

業(株)の業績を2000会計年度に一年間連結したことに

よる4,875億円の増加、販売台数の増加による5,390億円

の増加及び商品販売構成の変更及び販売価格の上昇の合

計で3,200億円の増加により一部相殺されました。為替

レートの変動による影響を除いた場合、2000会計年度に

おける自動車事業による収益は約12兆5,089億円で前会

計年度と比較して12.3%の増加であったと考えられま

す。日本、北米及びヨーロッパにおける大幅な売上の増

加は、長引く景気の低迷に起因したその他の市場の車両

販売台数の減少により一部相殺されております。日本、

北米及びヨーロッパにおける売上高には、それぞれ

12.9%、13.8%、13.7%の車両販売台数の増加が反映され

ました。日本での売上は日本でのトヨタブランド車両販

売台数の1.2%の増加によるものです。日本での売上の好

影響の残りはダイハツ工業(株)の1年間の連結によるも

のです。日本におけるこれらの販売台数の増加による収

益の増加は、日本での継続する低価格の車両への商品販

売構成の変化により一部相殺されています。北米におけ

る収益は、2000会計年度の為替レートの変動によりマイ

ナスの影響を受けましたが、車両販売台数の増加及び販

売価格の上昇の両方の影響により一部相殺されていま

す。さらに、ヨーロッパでの売上は、為替換算の影響に

よりマイナスの影響を受けましたが、販売台数の増加、

販売価格の上昇及びダイハツ工業(株)の2000会計年度

1年間の連結によって一部相殺されました。ダイハツ工

業(株)は主に軽自動車市場において事業展開しており、

従って、ダイハツ工業(株)の車両一台あたりの収益はト

ヨタより低くなっています。その他の全ての市場におけ

る販売台数は、5.7%減少しており、これは東アジア及び

東南アジアを除くその他市場における車両販売台数の減

少に起因しています。その他の全ての市場における収益

は、2000会計年度の外貨換算レートの変動およびトヨタ

ブランド車両の販売台数の8.6%の減少によりマイナスの

影響を受ける結果となりましたが、ダイハツ工業(株)の

2000会計年度1年間の連結による好影響により、一部相

殺されました。

金融サービス事業セグメント

2000会計年度における金融サービス事業セグメント

の収益は、5,342億円で、前会計年度に比べて605億円

(10.2%)減少しました。この減少額は、主に2000会計年

度の為替レート変動によるマイナスの影響を受けたもの

です。為替レートの変動による影響を除いた場合、2000

会計年度における金融サービス事業による収益は、約

6,042億円で前会計年度と比較して1.6%の増加であった

と考えられます。

その他の全事業セグメント

2000会計年度におけるその他の全事業セグメントの

収益は、1兆2,078億円に上り、対前会計年度比で336億

円(2.9%)増加しました。この増加は通信事業の504億円

の収益増加によるものですが、産業機器事業の収益の減

少により一部相殺されました。

47

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ47

営業費用

2000会計年度における営業費用は、対前会計年度比

で142億円(0.1%)増加し、11兆9,512億円となりました。

この増加は主に、ダイハツ工業(株)の2000会計年度1年

間の連結による4,707億円の影響、車両販売増加による

4,250億円の売上原価増加、及び日本移動通信(株)の継

続的な拡大による760億円のコスト増加によるものです

が、2000会計年度における1兆200億円の為替レートの

変動により一部相殺されています。

また、継続的なコスト削減努力により、2000会計年度

の費用は約1,500億円減少しました。このコスト削減は、

継続的に実施されている価値工学及び価値分析活動、部

品の種類絞込み及び共用化並びに車両生産コストの低減

を目的としたその他の製造活動に関連しています。

2000会計年度における売上原価は、対前会計年度比

で242億円(0.2%)増加し、9兆8,398億円となりました。

この増加(セグメント間費用控除前)は、自動車事業セグ

メントにおける278億円(0.3%)の減少及びその他の全事

業セグメントにおける58億円(0.7%)の増加を反映して

います。自動車事業セグメントの減少は、主として2000

会計年度の為替レート変動に関連する低コストの影響及

び継続的なコスト削減努力の影響を反映しています。こ

れらの減少は、ダイハツ工業(株)の2000会計年度1年間

の連結による3,800億円の影響及び車両販売台数増加に

関連するコスト増加による4,253億円などにより一部相

殺されています。その他の事業セグメントにおける増加

は、主に日本移動通信(株)の継続的な通信事業拡大によ

る413億円の影響によるものです。

売上原価の収益に対する割合は、1999会計年度の

81.1%から、2000会計年度の81.2%に増加しました。

この増加は主として日本で生産された車両の海外売上に

かかる為替レートの変動の影響によるものですが、継続

的なコスト削減努力による影響により一部相殺されて

います。

2000会計年度における金融費用は、対前会計年度比

で548億円(12.0%)減少し、4,020億円となりました。こ

の減少は主に、2000会計年度の為替レート変動の影響及

びリース車両の残存価値損失引当金計上額の減少及び米

国での金融損失の改善によるものです。この減少は米国

での高金利及び借入の増加によって起こる金融費用の増

加により一部相殺されました。2000会計年度における

金融費用の金融収益に対する比率は、1999会計年度の

78.3%から、2000会計年度の76.1%に減少しました。こ

の変化は主に、北米のリース返却車両の再販価値の減少

の緩和に起因しています。この減少は米国での高金利に

よっておこる金融費用の増加により一部相殺されました。

2000会計年度の研究開発費は前会計年度の4,873億円

から、研究開発活動の効率化により4,512億円と減少し

ました。

2000会計年度における販売費及び一般管理費は、対

前会計年度比で448億円(2.7%)増加し、1兆7,094億円

に上りました。この増加(セグメント間費用控除前)は、

自動車事業セグメントにおける356億円(2.6%)の増加、

金融サービス事業セグメントにおける10億円(1.0%)の

増加及びその他の全事業セグメントにおける302億円

(10.7%)の増加の結果であります。自動車事業セグメン

トにおける増加は主に、ダイハツ工業(株)の2000会計

年度を1年間連結した906億円の影響であります。この

増加は2000会計年度の為替レート変動、販売促進費及び

継続的なコスト削減努力により一部減少しています。金

融サービス事業セグメントの増加は賃金引き上げ及び事

業拡大に関連した労働コストの増加が影響しています

が、2000会計年度の為替レート変動により一部相殺され

ています。その他の全事業セグメントにおける増加は、

日本移動通信(株)の継続的な事業拡大に関連したコスト

増加を反映しています。

2000会計年度における販売費及び一般管理費の収益

に占める割合は、1999会計年度の13.1%から増加して

2000会計年度には13.5%となりました。販売費及び一般

管理費の収益に占める割合の増加は、主に2000会計年

度の自動車事業セグメントにおける為替レートの変動、

金融サービス事業における継続的業務の拡大、その他の

全事業セグメントにおける日本移動通信(株)の事業拡大

によるものです。自動車事業セグメントにおける販売費

及び一般管理費の収益に占める割合は、1999会計年度

の12.1%から増加して2000会計年度には12.5%となりま

した。金融サービスセグメントにおける販売費及び一般

管理費の収益に占める割合は、1999会計年度の16.6%か

ら増加して2000会計年度には18.7%でした。その他の全

事業セグメントにおける販売費及び一般管理費の収益に

占める割合は、1999会計年度の24.1%から増加して

2000会計年度には25.9%でした。

48

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ48

営業利益

2000会計年度における営業利益は6,986億円で、対前

会計年度比で518億円(6.9%)減少しました。ダイハツ工

業(株)の連結の影響を除けば営業利益は813億円

(10.9%)減少して6,669億円であったと考えられます。

営業利益は日本円の米ドル及びユーロに対する円高の影

響とそれに関連する為替レートの変動によってマイナス

の影響を受け、車両販売台数の増加及び販売価格の上昇

によって一部相殺されました。

2000会計年度における(内部利益控除前)営業利益は、

対前会計年度比で、日本においては462億円の減少

(7.9%)、ヨーロッパにおいては221億円の減少により99

億円の損失となりました。 これらの減少は、北米におけ

る営業利益の103億円(6.9%)の増加及びその他の市場

における営業利益の20億円(114.4%)の増加により一部

相殺されました。日本における減少は主に、米国ドル及

びユーロに対しての円高に関連するものですが、日本に

おける車両販売台数の増加、北米及びヨーロッパへの輸

出増加及びコスト削減努力などによる好影響により一部

相殺されました。ヨーロッパにおける減少は主に、日本

円に対するユーロの激しい価値下落及び新しいフランス

工場施設の立ち上げ費用によるものですが、車両販売台

数の増加及び販売価格の上昇により一部相殺されまし

た。北米における増加は主に、車両販売台数の増加、販

売価格の上昇及び新しい工場施設での生産拡大により好

影響を受けました。この増加は日本円に対する米国ドル

の通貨安により一部相殺されました。その他の市場にお

ける増加は特定のアジア市場における車両販売台数の増

加、販売価格の上昇及び売上構成の変化の組み合わせに

よるものです。

以下は、各事業セグメントの営業利益に関する説明で

す。記載された営業利益額は、セグメント間利益控除前

の数値です。

自動車事業セグメント

2000会計年度における自動車事業セグメントの営業

利益は、6,390億円となり、対前会計年度比で480億円

(7.0%)減少しました。営業利益は主に、米国ドル及び

ユーロに対する円高によりマイナスの影響を受けました。

この減少は車両販売台数の増加、販売価格の上昇及び継

続的なコスト削減努力の影響にて一部相殺されました。

金融サービス事業セグメント

2000会計年度における金融サービス事業セグメント

の営業利益は317億円となり、対前会計年度比で67億円

(17.4%)減少しました。営業利益は主に、米国ドル及び

ユーロに対する円高、米国における高金利による利益幅

の減少及び事業拡大費の増加などからマイナスの影響を

受けました。この減少は、リース車両残存価値の下落幅

の改善により一部相殺されました。

その他の事業セグメント

2000会計年度におけるその他の事業セグメントの営業

利益は265億円となり、対前会計年度比で25億円(8.7%)

減少しました。この減少は主に、事業拡大の費用による

通信事業の106億円の営業利益減少の結果で、その他の

事業の収益性の改善により一部相殺されております。

営業外損益

2000会計年度における受取利息及び配当金は740億

円となり、同会計年度における日本での低金利が原因で

対前会計年度比で139億円(15.8%)減少しました。

2000会計年度における支払利息は、前会計年度と大

きな変化はありません。

2000会計年度における為替差損益は、対前会計年度

比で540億円増加し、913億円の為替差益となりました。

為替差損益は主に外国通貨建てによる売上を取引時の為

替レートで換算した価格と、先物為替契約を利用したも

のを含む同会計年度における決済金額との差額を示すも

のです。2000会計年度における為替差益は、主に同会計

年度における円高傾向により前会計年度と比べて好影響

を受けました。

2000会計年度におけるその他収益は170億円増加し

て642億円になりました。

法人税

2000会計年度における法人税等は、主に同会計年度

で各国の異なった税制下での税引前利益の構成割合が変

化したために、対前会計年度比で31億円減少しました。

49

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ49

少数株主持分及び持分法投資損益

連結子会社の少数株主持分損益の減少は、主に日本移

動通信(株)における2000会計年度の当期純利益の減少、

トヨタの持分の変化及び利益の変動によるものでありま

す。この減少はダイハツ工業(株)の業績を2000会計年

度に1年間連結したことによる影響と一部相殺されてい

ます。2000会計年度における持分法投資損益は、関連会

社の業績が全般的に良好であったため、対前会計年度比

で増加しました。

当期純利益

2000会計年度の当期純利益は4,819億円で、対前会計

年度比で303億円(6.7%)増加しました。

その他の包括損失

2000会計年度におけるその他の包括損失は、対前会

計年度比で475億円(34.3%)増加しました。この増加は

主に、1999会計年度における外貨換算調整損失が1,416

億円であったのに対して2000会計年度では外貨換算調

整損失が1,813億円に増加したことに起因しています。

2000会計年度の外貨換算調整損失は、1999年3月31日

と比べた2000年3月31日の対米国ドル換算レートが円高

に推移したことに起因しています。未実現有価証券評価

益は、1999会計年度では101億円でしたが、2000会計

年度では829億円となり、2000会計年度におけるその他

の包括損失を一部相殺しました。

流動性と資金の源泉

トヨタは、設備投資及び研究開発のための資金を主に

事業収入による現金により調達しています。リースプロ

グラムを含めた顧客やディーラーへの融資プログラムの

ための資金については、営業活動からのキャッシュ・フ

ロー及び金融子会社による借入金によりまかなっていま

す。金融子会社のネットワークを拡大することにより、

世界中の現地市場で資金を調達する能力を向上させるよ

う努めています。

2001会計年度における営業活動から得た現金・預金

(純額)は、1兆4,280億円で、前会計年度における1兆

989億円から増加しています。

この増加には、主として販売台数の増加による当期純

利益の増加、2001会計年度後半期における利益の増加

に伴う未払法人税等の増加、及び支払のタイミングによ

るその他の流動負債の増加によります。

投資活動に使用した現金・預金(純額)は、前会計年度

においては1兆3,885億円でしたが、2001会計年度にお

いては1兆3,187億円でした。

財務活動に使用した現金・預金(純額)は、2001会計

年度においては1,667億円で、前会計年度の財務活動か

ら得た現金・預金(純額)は5,503億円でした。この減少

は主に、短期借入金の返済額の増加及び自己株式取得の

増加によるものです。

2001会計年度におけるオペレーティング・リース用の

車両及び設備を除く設備投資は7,623億円で、前会計年

度における当該支出の8,383億円に対し、9.1%の減少と

なりました。設備投資の減少は、現地生産化の進展に合

わせたいくつかの海外生産拠点の拡張が完了したこと及

び日本移動通信(株)が第二電電(株)及びケイディディ

(株)の2社と合併した結果、2001会計年度後半期の通信

事業が除外された影響によります。2001会計年度にお

いて、オペレーティング・リース用の車両及び設備に対

する支出合計は4,391億円であり、前会計年度における

5,384億円と比べて18.4%減少しました。これは主とし

てオペレーティングリースの取扱高減少によります。

2002会計年度においては、リース車両を除く設備投資

額を約7,500億円にまで減少させる予定です。設備投資

予定額には現地生産化の一環である継続的な海外投資の

拡大に必要な約400億円が含まれています。

現在入手可能な情報による限り、環境問題がトヨタの

2002年における財務状況、業績、資産の流動性もしくは

キャッシュ・フローに重大な影響を及ぼすとは考えてお

りません。

現金及び現金等価物は、2001年3月31日時点で1兆

5,109億円に上りました。また、2001年3月31日時点に

おける定期預金は489億円、市場性のある有価証券は

4,881億円でした。

トヨタは、現金及び現金等価物、定期預金、市場性の

ある負債証券及び信託ファンドへの投資を総資金量と定

義しており、2001会計年度における総資金量は2,417億

円(7.6%)減少し、2兆9,548億円となりました。

2001会計年度における、受取手形及び売掛金(純額)

は、526億円(4.3%)増加し、1兆2,718億円でした。この

増加は、売上増加及び為替レート変動の影響によるもの

ですが、2001会計年度後半期より日本移動通信(株)が

連結から除外されたことにより一部相殺されています。

2001会計年度における棚卸資産は、対前年度比で858

億円(10.9%)増加し、8,763億円でした。この増加は、取

引量の増加及び為替レート変動の影響によるものです

が、日本移動通信(株)が連結から除外されたことにより

一部相殺されています。

50

18,000

12,000

6,000

0

1999 2000 2001

13,3

41

15,2

93

15,1

09

(会計年度)�

現金・預金及び現金等価物期末残高(億円)

12,000

8,000

4,000

0

10,1

65

8,38

3

7,62

3

1999 2000 2001(会計年度)�

固定資産の購入(賃貸資産を除く)(億円)

20,000

10,000

0

17,4

20

10,9

89

14,2

80

1999 2000 2001(会計年度)�

営業活動からのキャッシュ・フロー(億円)

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ50

2001会計年度における金融債権(純額)は、販売店の

売上高に占めるトヨタの金融サービス事業を通じて融資

を受けている割合の増加及び為替レート変動の影響によ

り、7,180億円(24.1%)増加しました。2001年3月31日

時点で、金融債権の地域別内訳は、北米71.2%、日本

16.1%、ヨーロッパ6.9%、その他の市場5.8%でした。特

定目的子会社を通じて金融債権を販売するプログラムを

保有し、同プログラムのもとで2001会計年度において

5,028億円の金融債権を売却しました。トヨタは定期的

に国際資本市場において、自動車の販売やリースの融資

プログラムへの資金を調達しています。

2001会計年度における有価証券及びその他の投資有

価証券(流動資産に計上されているものを含む)は、

2,471億円(9.5%)減少し、2兆3,505億円でした。この減

少は、主に市場価値の下落及び公正価額2,697億円の市

場性のある有価証券を退職給付信託へ拠出したことに

よるものです。

2001会計年度における有形固定資産は、2,029億円

(4.4%)減少しています。この減少は、主に日本移動通信

(株)が2001会計年度後半期に除外されたことによる影

響、及び設備投資が減少したことによる影響ですが、これ

らは為替レート変動の影響により一部相殺されています。

2001会計年度における支払手形及び買掛金は、為替

レート変動の影響により75億円(0.6%)減少しています

が、これは2001会計年度後半期より日本移動通信(株)

が連結から除外されたことによる影響ですが、為替レー

トの変動の影響により一部相殺されています。

2001会計年度における未払費用は、主に販売関連費

用の増加及び為替レート変動の影響により、1,170億円

(16.8%)増加していますが、2001会計年度後半期に日本

移動通信(株)が連結から除外されたことにより一部相

殺されています。

2001会計年度における未払法人税等は、2000会計年

度後期と比較して、2001会計年度後期における利益が増

加したことにより1,443億円(133.8%)増加しています。

2001会計年度における借入金合計額は、1,818億円

(3.6%)増加しました。2001会計年度における短期借入

金は、1,093億円(8.0%)増加して1兆4,690億円になりま

した。2001会計年度の1年以内に返済期限の到来する長

期借入債務は、971億円(12.0%)減少して7,147億円とな

り、返済期限が1年超の長期借入債務は1,696億円(5.8%)

増加して3兆833億円になりました。2001年3月31日時

点で、長期借入債務の約38%は米国ドル建て、33%は日

本円建て、29%はその他の通貨によるものでした。

2000年3月31日時点におけるトヨタの自己資本に対す

る金融負債比率は73.6%でしたが、2001年3月31日時点

ではその比率は74.4%となりました。

2001年3月31日時点で、未積立年金債務は7,567億円

で、これは主に親会社及び日本国内の子会社に関連した

ものです。未積立額は主に、対象従業員のそれぞれの退

職日に支払われます。トヨタは2000年9月、子会社及び

関係会社株式を除く特定の市場性ある有価証券を退職給

付信託に拠出しました。これらの拠出された有価証券の

拠出時における公正価額は2,697億円でした。これらの

拠出により、2001会計年度の未積立て年金債務が減少

しました。

長期借入債務は、2000年3月31日時点で、Standard &

Poor’s Ratings Groupによって「AAA」、Moody’s Investors

Serviceによって「Aa1」、と格付けされています。これらの

格付けは、Standard & Poor’sによる長期借入債務の最高

格付けで、Moody’s Investors Serviceによる二番目に高い

格付けです。株式の格付けは株式の購入、売却もしくは

保有を推奨するものではありません。また、株式の格付

けは何時においても撤回もしくは修正され得ます。各格

付けはその他の格付けとは個別に評価されるべきです。

金融政策の主要な要素は、収益の短期的変動に左右さ

れず費用効率の高いベースで研究開発活動、設備投資及

び金融事業に投資できるような、安定した財務ベースを

維持することです。トヨタは高い信用格付けを維持する

ことにより、引き続き多額の資金を比較的安いコストで

外部から調達することができると考えています。高い格

付けを維持する能力は、数多くの要因に左右され、その

中にはコントロールできないものも含まれています。こ

れらの要因には、日本及びトヨタが事業を行なうその他

の主要な市場の全体的な景気、並びにトヨタの事業戦略

を成功させることができるかなどが含まれています。

廃棄自動車に関する法律

2000年9月、欧州連合は、加盟国に対して2002年4月

21日までに下記に関する国内での法令化を要求する議

案書を承認しました。

・2002年7月1日からは、それ以後に販売した自動車を

対象に、各自動車メーカーが回収費用を負担し、それら

の解体及びリサイクルを行う。さらに、2007年1月1日

からは、販売した年に関わらず全ての販売した自動車を

対象に各自動車メーカーは同様の責任を負う。

・各自動車メーカーは、2003年7月後に販売される自動

車に特定有害物質を使用してはならない。

51

36,000

24,000

12,000

0

1999 2000 2001

30,3

39 31,9

65

29,5

48

(会計年度)�

総資金量(現金及び現金等価物、定期預金、市場性のある負債証券及び信託ファンドへの投資)(億円)

90,000

60,000

30,000

0

1999 2000 2001

66,5

53

69,1

21

70,7

74

(会計年度)�

株主資本(億円)

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ51

・将来における議案書において決定される特定日におい

て販売された自動車の部品の95%は再利用可能かつ復元

可能なものでなければならない。

さらに、各加盟国はこの議案書に従い、各自動車メー

カー、流通業者及びその他の自動車関連業者が適切な中

古車の廃棄施設を確立し、また、有害物質及び再利用可

能な部品を廃棄前に自動車から取り除くことを保証する

ための対策を講じると考えられます。欧州連合加盟各国

で制定される法令は、廃棄自動車に対して自動車メーカ

ーが支払う費用に重大な影響を及ぼすものと思われま

す。この議案書の法令化は欧州連合内でのトヨタの自動

車販売に影響を与えるものであり、トヨタは現在議案書

のトヨタの連結経営成績及び財政状態に与える影響につ

いて検討を行なっています。

最近の米国会計基準に関する公表

1998年6月、米国財務会計基準審査会(FASB―Financial

Accounting Standards Board)は、「デリバティブ商品及び

ヘッジ活動の会計処理」(Accounting for Derivative

Instruments an Hedging Activities)に関する財務会計基準

書第133号(基準書第133号)を公表しましたが、財務会

計基準書第137号「財務会計基準書第133号の適用の延

期」(Deferral of the Effective Date of FASB Statement

No.133)を公表し、さらに「特定のデリバティブ商品及び

特定のヘッジ活動の会計処理-財務会計基準書第133号の

修正」(Accounting for Certain Derivative Instruments and

Certain Hedging Activities―An Amendment to FASB

Statement No.133)に関する財務会計基準書第138号を

公表しました。修正された基準書第133号は、2001年4

月1日以降適用されます。基準書第133号は、すべてのデ

リバティブ商品を公正価額にて貸借対照表に表示するこ

とを要求しています。デリバティブがヘッジ取引の一部

としての取引がどうか、またヘッジ取引の種類によって、

デリバティブの公正価格の変更は各期間における当期利

益もしくはその他の包括利益として計上されます。ヘッ

ジの無効となった部分は損益として計上されます。基準

書第133号の適用によるトヨタの連結経営成績及び財政

状態に与える重要な影響はないと考えられます。

1999年12月に、証券取引委員会が職員会計公報(SAB)

101号「財務諸表での収益認識」(SAB101)を発行しまし

た。SAB101は、財務諸表での収益認識問題に関して一

般に公正妥当と認められた会計原則の適用の指針を規定

します。トヨタは規定に従い2001年3月31日に終了する

会計年度の下半期よりSAB101を採用しましたが、、トヨ

タの連結経営成績及び財政状態に与える重要な影響はあ

りませんでした。

2000年9月、米国財務会計基準審議会は、財務会計基

準書第125号を改定する基準である財務会計基準書第

140号「金融資産の譲渡及びサービス業務並びに負債の

消滅に関する会計処理」を公表しました。この基準書第

140号は、2001年3月31日後に生じた金融資産の譲渡及

びサービス業務並びに負債の消滅および2000年12月15

日後に終了した会計年度における担保の認識及び組替

え、並びに証券化及び担保に関する開示に対して適用さ

れます。基準書第140号の適用によるトヨタの連結経営

成績及び財政状態に与える重要な影響はないと考えら

れます。

米国財務会計基準審議会の発生問題専門部会(EITF)の

Issue No.00-10号「運送及び取扱費用の会計処理」に従い、

トヨタは1999会計年度、2000会計年度および2001会

計年度の得意先への運賃請求額を販売費および一般管理

費の控除から製品売上高へ組み替え、これに関連する運

賃諸掛費を販売費および一般管理費から製品売上原価へ

組み替えております。

米国財務会計基準審議会の発生問題専門部会(EITF)の

Issue No.00-22号「ポイント及び時間ベース又は数量ベー

スの販売インセンティブのオファー、及び将来提供され

る無償の製品又はサービスのオファーに係る会計処理」

に従い、トヨタは1999会計年度、2000会計年度および

2001会計年度の数量ベースの販売インセンティブを販

売費および一般管理費から収益のマイナスに振替えて

います。

市場リスクに関する定量及び定性情報の開示

トヨタは、為替相場、金利、特定の商品先物及び株価

の変動による市場リスクにさらされています。為替相場

及び金利の変動によるリスクを管理するために、トヨタ

は様々な金融派生商品を利用しています。

デリバティブ商品に関するトヨタの会計処理の詳細

は、本アニュアルリポートに含まれる連結財務諸表の注

記2に記載されており、さらに同財務諸表の注記19に関

連する情報が開示されています。

トヨタは、金融市場が予測不可能であることを認識し

た上で、業績に悪影響を及ぼし得るリスクを軽減するた

めの総合的リスク管理プログラムを設け、その重要な一

環として、このような財務的リスクの監視及び管理にあ

たっています。

52

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ52

市場リスク分析に含まれる金融商品は、全ての現金及

び現金等価物、市場性のある有価証券、金融債権、証券

投資、短期・長期借入債務、及び全てのデリバティブ金

融商品により構成されます。デリバティブ金融商品の

ポートフォリオには、金利スワップ、金利オプション、通

貨スワップ、先物取引及び通貨オプション取引が含まれ

ます。トヨタがヘッジを行うために保有しているデリバ

ティブの対象となる外国通貨建ての予定取引は市場リス

ク分析には含まれていません。オペレーティング・リー

スを含めることは要求されていませんが、金利リスクを

評価するにあたり同リースを含めています。

為替レート・リスク

トヨタは、事業を行なう現地の通貨以外の通貨による

売買及び融資に関連して為替リスクを負います。すなわ

ち、外国通貨建ての事業によるキャッシュ・フロー及び

様々な金融商品を原因とする将来における収益もしくは

資産及び負債に関連する為替リスクにさらされていま

す。最も影響を受ける為替リスクは、米国及び西欧諸国

に関連するものです。

トヨタは、為替相場の変動に対するリスクを評価する

為、バリュー・アット・リスク(value-at-risk)方法を採用し

ています。合計した為替のバリュー・アット・リスクは税

引前利益における潜在的損失を示すものであり、2000

年及び2001年の3月31日の時点で、それぞれ67億円、

202億円と予想されます。トヨタの総合的な為替相場の

エクスポージャー(デリバティブを含む)に基づき、

2001年3月31日に終了する一年間の為替変動による税

引前キャッシュ・フローに対するリスクは、最高202億円、

最低132億円、そして平均値は159億円でした。

バリュー・アット・リスクは分散・共分散モデルを利用

して、10日間の保有期間を想定した認識日における信頼

レベルを95%として算出されたものです。

金利リスク

トヨタは、融資活動、投資活動及びキャッシュマネジ

メント活動において金利の変動リスクにさらされていま

す。金利変動リスクを望ましいレベルに維持するため、

また、利息費用を最小限に抑えるために、トヨタは様々

な金融商品取引を行っています。具体的には、特定の先

物為替取引及びオプション、金利キャップ及びフロア、

並びに様々な投資を行っています。金利が100ベース・

ポイントに上昇したと想定した場合の金融商品の公正

価額の潜在的な減少額は、2000年及び2001年3月31日

の時点で、それぞれ211億円、383億円であると予想さ

れます。

以上で言及した感応度分析には特定の欠点がありま

す。同モデルは、金利がイールドカーブと同時に平行し

て変動すると仮定しています。実際には、変動が同時に

起こることはほとんどありません。特定の資産及び負債

が同様の満期もしくは再値付け期間を有しても、それら

は市場金利の変動に同様に対応しない場合もあります。

また、特定の資産及び負債に対する金利は市場金利レー

トの変動に連動する場合もあれば、他の資産に対する金

利は市場金利レートの変動に遅れて変動する場合もあり

ます。金融債権は、金利が変動した場合の前払いリスク

が少ないため、トヨタが採用している同モデルでは、自

動車関連の金融債権における前払いリスクに言及してい

ません。しかし、金利が変動した場合、実際のローンの

前払いがモデル上の仮定条件と大きく異なることも考え

られます。

商品価格リスク

商品取引に関したリスクは微少です。

株価リスク

トヨタは、価格リスクの影響を受けやすい様々な売却

可能証券への投資を行っています。これらの投資の公正

価額は、2000年3月31日の時点で1兆298億円、2001年

3月31日の時点で7,186億円であります。これらの投資

の公正価額は、価格が10%変化したと仮定した場合、

2000年3月31日の時点で1,030億円、2001年3月31日の

時点で719億円変動し得ます。

53

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ53

連結貸借対照表

54

単位:百万円 単位:百万米ドル

資 産 2000年 2001年 2001年

流動資産:

現金・預金および現金同等物 ¥ 1,529,268 ¥ 1,510,892 $ 12,194

定期預金 92,845 48,917 395

有価証券 590,874 488,096 3,939

受取手形および売掛金、貸倒引当金控除後

貸倒引当金残高 2000年―44,881百万円

2001年―33,050百万円(267百万米ドル) 1,219,185 1,271,820 10,265

金融債権―純額 1,189,257 1,633,247 13,182

未収入金 374,398 357,380 2,884

棚卸資産 790,416 876,252 7,072

繰延税金 205,972 355,051 2,866

前払費用およびその他の流動資産 295,076 323,485 2,612

流動資産合計 6,287,291 6,865,140 55,409

長期金融債権―純額 1,794,761 2,068,768 16,697

投資およびその他の資産:

有価証券およびその他の投資有価証券 2,006,711 1,862,389 15,031

関連会社に対する投資およびその他の資産 1,305,801 1,397,604 11,280

経営者および従業員に対する債権 22,836 21,740 175

その他 362,754 346,240 2,795

3,698,102 3,627,973 29,281

有形固定資産:

土地 845,291 847,635 6,841

建物 2,045,280 2,075,147 16,749

機械装置 6,221,641 6,213,626 50,150

賃貸用車両運搬具 1,407,206 1,525,164 12,310

建設仮勘定 190,955 142,278 1,148

10,710,373 10,803,850 87,198

控除―減価償却累計額 (6,049,567) (6,345,948) (51,218)

4,660,806 4,457,902 35,980

資産合計 ¥16,440,960 ¥17,019,783 $137,367

添付の注記は、これらの連結財務諸表の一部であります。

トヨタ自動車株式会社3月31日現在

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ54

55

単位:百万円 単位:百万米ドル

負債および資本 2000年 2001年 2001年

流動負債:

短期借入金 ¥ 1,359,754 ¥ 1,469,007 $ 11,856

1年以内に返済期限の到来する長期借入債務 811,736 714,674 5,768

支払手形および買掛金 1,297,574 1,290,072 10,412

未払費用 697,148 814,153 6,571

未払法人税等 107,888 252,235 2,036

その他の流動負債 887,007 1,013,146 8,178

流動負債合計 5,161,107 5,553,287 44,821

固定負債:

長期借入債務 2,913,759 3,083,344 24,886

未払退職・年金費用 659,202 505,150 4,077

繰延税金 602,589 553,266 4,465

その他の固定負債 1,932 62,208 502

固定負債合計 4,177,482 4,203,968 33,930

少数株主持分 190,231 185,117 1,494

資 本:

資本金―額面1株当り50円

授権株式数 2000年3月31日現在―9,880,182,000株

2001年3月31日現在―9,815,185,400株

発行済株式数 2000年3月31日現在―3,749,405,129株

2001年3月31日現在―3,684,997,492株 397,020 397,050 3,205

資本準備金 487,531 488,655 3,944

利益剰余金 6,156,396 6,479,073 52,293

その他の包括損失累積額 (125,347) (282,491) (2,280)

自己株式―取得原価 (3,460) (4,876) (40)

資本合計 6,912,140 7,077,411 57,122

契約債務および偶発債務

負債および資本合計 ¥16,440,960 ¥17,019,783 $137,367

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ55

連結損益計算書

56

単位:百万円 単位:百万米ドル

1999年 2000年 2001年 2001年

収益

製品売上高 ¥12,103,729 ¥12,121,428 ¥12,583,937 $101,565

金融収益 583,692 528,349 553,133 4,465

12,687,421 12,649,777 13,137,070 106,030

売上原価および販売費・一般管理費:

売上原価 9,815,636 9,839,833 10,218,599 82,475

金融費用 456,781 401,998 427,340 3,449

販売費および一般管理費 1,664,596 1,709,385 1,700,402 13,724

11,937,013 11,951,216 12,346,341 99,648

営業利益 750,408 698,561 790,729 6,382

その他の収益(費用):

受取利息および受取配当金 87,843 73,972 71,358 576

支払利息 (47,112) (47,348) (40,886) (330)

為替差(損)益―純額 37,274 91,267 (5,954) (48)

その他の収益―純額 47,261 64,228 292,042 2,357

125,266 182,119 316,560 2,555

税引前利益 875,674 880,680 1,107,289 8,937

法人税等 425,851 422,731 523,876 4,228

少数株主持分および持分法投資損益前利益 449,823 457,949 583,413 4,709

少数株主持分損益 (17,391) (7,632) (12,129) (98)

持分法投資損益 19,214 31,619 103,614 836

当期純利益 ¥ 451,646 ¥ 481,936 ¥ 674,898 $ 5,447

単位:円 単位:米ドル

1株当り当期純利益:

―基本 ¥119.47 ¥128.27 ¥180.65 $1.46

―希薄化後 ¥119.47 ¥128.27 ¥180.65 $1.46

1株当り現金配当金 ¥ 23.00 ¥ 24.00 ¥ 25.00 $0.20

添付の注記は、これらの連結財務諸表の一部であります。

トヨタ自動車株式会社3月31日に終了した1年間

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ56

連結株主持分計算書

57

単位:百万円

その他の包括利益 自己株式 株主持分

資本金 資本準備金 利益剰余金 (損失) ―取得原価 合計

1998年3月31日現在残高 ¥396,994 ¥486,667 ¥5,558,315 ¥ 104,563 ¥(1,602) ¥6,544,937

当期発行額 26 864 890包括利益:当期純利益 451,646 451,646その他の包括利益(損失)外貨換算調整額 (141,586) (141,586)未実現有価証券評価益、組替修正考慮後 10,119 10,119最小年金債務調整額 (7,251) (7,251)

包括利益合計 312,928

配当金 (87,263) (87,263)自己株式の買入消却 (114,823) (1,386) (116,209)

1999年3月31日現在残高 397,020 487,531 5,807,875 (34,155) (2,988) 6,655,283

包括利益:当期純利益 481,936 481,936その他の包括利益(損失)外貨換算調整額 (181,313) (181,313)未実現有価証券評価益、組替修正考慮後 82,870 82,870最小年金債務調整額 7,251 7,251

包括利益合計 390,744

配当金 (87,958) (87,958)自己株式の買入消却 (45,457) (472) (45,929)

2000年3月31日現在残高 397,020 487,531 6,156,396 (125,347) (3,460) 6,912,140

当期発行額 30 1,124 1,154包括利益:当期純利益 674,898 674,898その他の包括利益(損失)外貨換算調整額 161,280 161,280未実現有価証券評価損、組替修正考慮後 (304,995) (304,995)最小年金債務調整額 (13,429) (13,429)

包括利益合計 517,754

配当金 (88,625) (88,625)自己株式の買入消却 (263,596) (1,416) (265,012)

2001年3月31日現在残高 ¥397,050 ¥488,655 ¥6,479,073 ¥(282,491) ¥(4,876) ¥7,077,411

単位:百万米ドル

2000年3月31日現在残高 $3,204 $3,935 $49,688 $(1,012) $(28) $55,787

当期発行額 1 9 10包括利益:当期純利益 5,447 5,447その他の包括利益(損失)外貨換算調整額 1,302 1,302未実現有価証券評価損、組替修正考慮後 (2,462) (2,462)最小年金債務調整額 (108) (108)

包括利益合計 4,179

配当金 (715) (715)自己株式の買入消却 (2,127) (12) (2,139)

2001年3月31日現在残高 $3,205 $3,944 $52,293 $(2,280) $(40) $57,122

添付の注記は、これらの連結財務諸表の一部であります。

トヨタ自動車株式会社3月31日に終了した1年間

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連結キャッシュ・フロー計算書

58

単位:百万円 単位:百万米ドル

1999年 2000年 2001年 2001年

営業活動からのキャッシュ・フロー:

当期純利益 ¥ 451,646 ¥ 481,936 ¥ 674,898 $ 5,447

営業活動から得た現金・預金(純額)への当期純利益の調整

有形固定資産の減価償却費および無形固定資産の償却費 864,224 822,315 784,784 6,334

貸倒引当金および金融損失引当金繰入額 39,726 33,755 27,131 219

退職・年金費用(支払額控除後) 35,479 27,307 45,138 364

固定資産処分損 13,915 19,544 22,409 181

売買目的有価証券の未実現評価損(益) (32,041) (41,614) 13,377 108

通信関連子会社に対する持分の処分による実現利益 ― ― (180,950) (1,460)

退職給付信託への株式拠出益 ― ― (161,151) (1,301)

繰延税額 21,460 88,406 49,325 398

少数株主持分損益 17,391 7,632 12,129 98

持分法投資損益 (19,214) (31,619) (103,614) (836)

資産および負債の増減

受取手形および売掛金の(増加)減少 150,894 (86,911) (111,632) (901)

棚卸資産の増加 (28,736) (73,172) (49,374) (398)

その他の流動資産の(増加)減少 45,884 (169,200) 4,486 36

支払手形および買掛金の増加(減少) 67,344 98,812 (7,911) (64)

未払法人税等の増加(減少) (4,488) (77,952) 141,525 1,142

その他の流動負債の増加(減少) 113,755 (79,176) 220,357 1,779

その他 4,727 78,862 47,091 380

営業活動から得た現金・預金(純額) 1,741,966 1,098,925 1,428,018 11,526

投資活動からのキャッシュ・フロ-:

金融債権の増加 (3,824,236) (2,681,142) (3,697,376) (29,842)

金融債権の回収 2,906,765 1,961,026 2,801,160 22,608

金融債権の売却 340,918 127,037 507,811 4,099

固定資産の購入(リース資産を除く) (1,016,482) (838,309) (762,274) (6,152)

賃貸資産の購入 (714,815) (538,395) (439,132) (3,544)

固定資産の売却(リース資産を除く) 113,477 80,375 61,265 494

賃貸資産の売却 489,228 381,852 337,047 2,720

投資およびその他の資産に関する支払 (75,412) (61,261) (70,906) (572)

有価証券および投資有価証券の購入 (796,737) (1,144,839) (949,058) (7,660)

有価証券および投資有価証券の売却 411,202 447,925 234,608 1,893

有価証券および投資有価証券の満期償還による収入 254,611 537,106 597,409 4,822

定期預金の(増加)減少 (37,419) 323,594 45,190 365

関連会社への追加投資支払(当該関連会社保有現金控除後) (11,239) (18,351) (34,204) (276)

その他 24,111 34,865 49,722 401

投資活動に使用した現金・預金(純額) (1,936,028) (1,388,517) (1,318,738) (10,644)

財務活動からのキャッシュ・フロ-:

自己株式の買入消却 (116,209) (45,929) (265,012) (2,139)

長期借入債務の増加による収入 995,589 1,006,046 1,117,360 9,018

長期借入債務の返済 (461,377) (654,745) (958,475) (7,735)

短期借入金の増加(減少) (119) 332,853 28,039 226

支払配当金 (87,263) (87,958) (88,625) (715)

財務活動から得た(に使用した)現金・預金(純額) 330,621 550,267 (166,713) (1,345)

為替相場変動の現金・預金および現金同等物に対する影響額 (29,008) (65,465) 39,057 315

現金・預金および現金同等物純増加(減少)額 107,551 195,210 (18,376) (148)

現金・預金および現金同等物期首残高 1,226,507 1,334,058 1,529,268 12,342

現金・預金および現金同等物期末残高 ¥ 1,334,058 ¥ 1,529,268 ¥ 1,510,892 $ 12,194

添付の注記は、これらの連結財務諸表の一部であります。

トヨタ自動車株式会社3月31日に終了した1年間

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トヨタ自動車株式会社連結財務諸表への注記

1.事業の概況:

2.主要な会計方針の要約:

トヨタ自動車株式会社(以下当社)および連結子会社(以下トヨタと総称)は主に自家用乗用車、レクレー

ショナルおよびスポーツユーティリティカー、ミニバン、トラックおよび関連交換部品・機器の設計、製造、

組立ておよび販売を世界的規模で行っております。また、トヨタは、トヨタ製の自動車に係る小売・卸売金融、

小売リースおよびその他の金融サービスを、主として販売代理店およびその顧客に対して行っております。

当社および日本の子会社は、日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に従って会計帳簿を保持

し、財務諸表を作成しております。また、当社の海外子会社は、その子会社が所在する国において一般に公

正妥当と認められた会計原則に従っております。当連結財務諸表には、米国において一般に公正妥当と認め

られた会計原則に適合するために、一時的差異に対する税効果の認識、負債証券および持分証券の評価、あ

る種の費用の引当計上ならびに外貨換算等の修正および組替えが反映されております。これらの修正事項は、

法定帳簿には記録されておりません。

上記の修正事項を反映した後の主要な会計方針は以下のとおりであります。

連結の基本方針ならびに関連会社に対する投資の会計処理

トヨタの連結財務諸表は、当社および当社が過半数の株式を所有する子会社の勘定を含んでおります。海

外子会社のいくつかは12月31日現在の業績でトヨタの連結財務諸表に含まれております。2001年3月31日

に終了した1年間において、いくつかの会社は決算期を3月31日に変更しましたが、トヨタの経営成績及び財

政状態に重要な影響はありません。連結会社間の重要な取引ならびに債権債務は、すべて消去しております。

トヨタが支配はしていないが重要な影響を及ぼしている関連会社に対する投資は、取得価額に当該各社の未

分配利益に対するトヨタの持分額を加算した金額をもって計上しております。連結当期純利益は、これらの

会社の当年度の純利益に対するトヨタの持分額から未実現内部利益を控除した金額を含んでおります。トヨタ

が重要な影響を及ぼしていない会社(概ね20%未満の持分所有会社)に対する投資は原価で計上しております。

財務諸表作成上の見積り

一般に公正妥当と認められた会計原則に従った連結財務諸表を作成するにあたり、当社の経営陣は、連結

財務諸表および脚注の報告金額に影響を与えるような見積りおよび予測を行っております。結果として、こ

のような見積額と実績額とが相違する場合があります。

外貨換算

海外子会社および関連会社の財務諸表項目の換算については、資産ならびに負債勘定を決算日の為替相場

によって円貨に換算し、収益ならびに費用勘定をおおむね取引発生日の為替相場によって円貨に換算してお

ります。その結果生じた換算差額は、外貨換算調整額としてその他の包括利益累積額の項目として表示して

おります。

当社および子会社の外貨建金銭債権および債務は、決算日の為替相場によって換算し、その結果生じた為

替差損益は、各年度の損益に計上しております。

収益認識

製品および部品売上高は、下記の場合を除き、原則として出荷基準で計上しております。販売促進費およ

び販売奨励費はその対象となる売上の認識時に引当計上されます。

車両の最低再販売価額をトヨタが保証する場合の収益は、リース会計と同様に売上の日から保証の実行日

までの間で分割して計上されます。これらの取引の対象になっている車両は資産として計上され、トヨタの

減価償却方針に従い償却されております。

小売金融およびファイナンス・リースの収益は、実効利回り法に基づき計上しております。オペレーティ

ング・リースの収益は、リース期間にわたり均等に計上しております。

トヨタは一定の償還請求権付きで金融債権を売却することがあります。当該売却は信託機関に対して行わ

れますが、債権の管理および回収はトヨタが行い、関連手数料を受け取っております。金融債権の売却に係

る損益は当該売却の行われた年度に認識されます。

その他費用

広告宣伝費および販売促進費は発生時に費用処理しております。1999年3月31日、2000年3月31日およ

び2001年3月31日に終了した各1年間の広告宣伝費は、それぞれ277,037百万円、260,529百万円および

276,596百万円(2,232百万米ドル)であります。

製品保証に係る見積費用はその対象となる売上の認識時に引当計上しております。

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研究開発費は発生時に費用計上されており、1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に

終了した各1年間で、それぞれ487,334百万円、451,177百万円および475,716百万円(3,840百万米ドル)で

あります。

現金・預金および現金同等物

現金・預金および現金同等物は、表示された金額で容易に換金され、かつ、満期日まで短期間であるため

に利率の変化による価額変動が僅少なもので、取得日から3ヵ月以内に満期の到来する流動性の高い投資の

みを含んでおります。

有価証券

有価証券は負債証券および持分証券から成っております。売却可能証券に区分される負債証券および持分

証券は公正価額で評価され、未実現評価損益増減額は税効果考慮後の金額で資本のその他の包括利益累積額

に区分表示されております。売買目的有価証券に区分される持分証券は公正価額で評価され、未実現評価損

益増減額は各年度の損益に含まれております。トヨタが将来、証券を購入し、それを満期まで保有する証券

として区分した場合、それらの証券は償却原価で評価されます。売却可能証券または満期保有証券に区分さ

れる有価証券の公正価額の減価が一時的でない場合は、正味実現可能価格まで評価の切下げが行われます。

売却による実現損益は銘柄別平均原価法にもとづいて計算され、損益に計上されます。

金融損失引当金

金融損失引当金は、主に過去に生じた損失実績にもとづいて計上しております。計上すべき引当金の算定

にあたっては、債権の回収可能性に影響するその他の要因も勘案しております。不良債権に対する担保品の

引揚げにより生じる損失については、引当金の取崩しが行われ、引揚げ担保品は見積実現可能価額でその他

の資産として計上されます。また、担保品に減損が生じた場合には引当金の計上が行われます。

棚卸資産

棚卸資産は取得原価で評価しており、時価を超えているものはありません。これらの棚卸資産の取得原価

は、個別法あるいは後入先出法により算定している一部の子会社の製品を除き、平均法によって算定してお

ります。後入先出法により評価されている棚卸資産は、2000年3月31日および2001年3月31日現在、それ

ぞれ109,510百万円および170,103百万円(1,373百万米ドル)であります。後入先出法を採用している子会

社の棚卸資産に先入先出法を適用したと仮定したならば、2000年3月31日および2001年3月31日現在の棚

卸資産は、貸借対照表上の金額に比べて、それぞれ40,625百万円および34,457百万円(278百万米ドル)増

加すると予想されます。

2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間において、後入先出法により評価されている

一部の車両棚卸資産の数量につき、期末残高が期首残高を下回っております。これらの数量減少は後入先出

法で評価されている棚卸資産の評価額につき、期首残高の一部が売上原価に含められることになります。こ

の結果、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間のトヨタの財政状態および経営成績に及

ぼす影響に重要性はありません。

有形固定資産

有形固定資産は、取得原価で表示しております。重要な更新および改良のための支出は資産計上しており、

これらの少額な費用は発生時の費用として処理しております。有形固定資産の減価償却は、当該資産の区分、

構造および用途等により見積もられた耐用年数にもとづき、主として、当社および日本の子会社においては

定率法、海外子会社においては定額法で、それぞれ計算しております。見積耐用年数は、建物については20

年から50年を、機械装置および器具備品については2年から25年を使用しております。

車両および器具の賃貸オペレーティング・リースは、販売代理店を介して行われ、特定の連結子会社に委

譲されます。当該子会社は、それらの会社が直接取得した有形固定資産の貸し手にもなっております。賃貸

用車両および器具は見積残存価額まで、主として3年のリース期間にわたり定額法で償却されております。

営業権

営業権は、新規取得ビジネスにおける純資産の公正価額を購入価額が上回る額を表しております。営業権

は20年を超えない期間にわたり均等償却しております。

長期性資産

トヨタは営業権および原価で計上されている関連会社への投資を含む長期性資産について、その簿価の回

収可能性が認められないと判断される事象または状況変化があるか否かについての減損のレビューをして

おります。長期性資産の使用および処分から得られる現在価値への割引を考慮しない将来のキャッシュ・フ

ロー見積額が簿価を下回ると予測されたときに、資産価値の減損が認識されます。計上される減損の金額は、

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簿価が公正価額を上回る額により計算されます。公正価額は割引キャッシュフロー評価法を用いて決定さ

れます。

環境問題

トヨタが現在行っている事業に関連して発生する環境対策支出は、すべて適切に費用処理または資産計上

されています。また、現在あるいは将来の収益に貢献することのない、過年度の事業に関連して発生してい

る環境対策支出も適切に費用処理されております。環境対策改善のための費用は、それらの支出が発生する

可能性が高く、かつ合理的に見積もることができる場合に計上しており、一般的には遅くとも環境対策の改

善を実行するための検討が終了した時点または改善計画が約束された時点までには計上されます。 それぞ

れの環境対策のための負債は、現行の法制度のもとで社内に現存する技術を用い、様々な工学、財務及び法

律専門家により見積もられます。この負債は、保険会社からの想定される回復額と相殺せず、また現在価値

への割引も行いません。貸借対照表で開示されている期間の負債計上額に関してこれまで重要な変更は発

生しておりません。

法人税等

税金費用は連結損益計算書上の税引前利益にもとづいて計算されています。資産と負債の帳簿価額と税

務上の評価額との間の一時的差異に対して将来見込まれる税効果について、資産・負債法により繰延税金資

産・負債を認識しております。評価性引当金は、繰延税金資産に対するものであり、翌期以降の税金の減額

効果実現が期待できないと予想される場合に計上しております。

リスク・マネジメント・コントラクト

トヨタは、通常の業務の一環として、金利および為替の変動によるリスクを管理するために、先物為替予

約、通貨オプション契約、金利スワップ契約および金利・通貨スワップ契約を含むデリバティブ金融商品を

利用しております。トヨタはデリバティブ金融商品を投機もしくは売買目的で使用しておりません。

先物為替予約:

先物為替予約は、外貨建の売掛金および買掛金並びに予定されている取引について、為替レート変動の

結果生ずる損失リスクを軽減するために使用されております。計上されている資産および負債について

のこうした為替レート変動リスクに対するヘッジとして締結された先物為替予約は、時価で評価され、当

該資産および負債について計上された為替差損益と相殺されております。予定されている取引に対する

契約については、会計上はヘッジとして取り扱われず、時価で評価され、評価差額は為替差損益として認

識されております。

通貨オプション契約:

トヨタは外貨建の売掛金および予定されている取引について、為替レート変動の結果生ずる損失のリス

クを軽減するために、買建て通貨オプション契約を利用しております。トヨタはまた、売建て通貨オプショ

ン契約を行っておりますが、買建て通貨オプション契約に対応するレンジフォワード契約となっておりま

す。買建て通貨オプション契約の簿価はヘッジとして会計処理され、売建て通貨オプション契約は時価で

評価されるとともに、その価値の変動額は当期の為替差損益として処理されております。

金利スワップ契約、金利通貨スワップ契約および通貨スワップ契約:

トヨタは、資金調達費用を引き下げ、資金調達を多様化し、借入債務に関連して金利変動や為替レート変

動の結果生ずる損失のリスクを軽減するため、金利スワップ契約、金利通貨スワップ契約及び通貨スワッ

プ契約を利用しております。金利スワップおよび金利通貨スワップ契約による金利の収支差額は、その契

約の期間にわたって支払利息に計上されております。外貨建の借入債務の為替レート変動から生じる損失

のリスクをヘッジするために締結された通貨スワップ契約(金利通貨スワップ契約の通貨スワップ部分を

含む)は、時価で評価され、当該借入債務の為替差損益と相殺されております。

為替リスクを管理する活動から生ずる損益のキャッシュ・フローは、関連する外貨建取引からのキャッ

シュ・フローと同じカテゴリーに区分されております。

ヘッジの対象となる取引が終了もしくは存在しなくなった後は、取引をヘッジする目的で利用したデリバ

ティブ金融商品で終了していないものの公正価額の変動はすべて、為替差損益として認識されております。

1株当り当期純利益

基本1株当り当期純利益は各算定期間の普通株式の加重平均発行済株式数にもとづいて計算されます。希

薄化後1株当り当期純利益の算定方法は基本1株当り当期純利益の算定方法と類似しておりますが、加重平

均発行済株式数の算定において、転換社債および希薄化を生じさせる持分証券のような潜在的普通株式同等

物からもたらされる希薄化の影響を考慮しております。

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株式分割による無償新株式の発行

トヨタは、株主に対して株式分割による無償新株の発行を行うことがあります。この会計処理には、額面

金額により資本準備金から資本金勘定へ振替処理を行う方法と、資本金勘定中の額面超過金額から当該発行

が行われたものとして何ら会計処理を行わない方法とがあります。日本の商法の下では、株主総会の決議に

もとづく利益剰余金から資本金勘定への組入れと、当該金額に対する取締役会の決議にもとづく株式分割に

よる無償新株発行を行うことにより、株式配当と同様の効果をもたらすことができます。

株式を基礎とした報酬

トヨタは株式を基礎とした役員報酬制度に対する報酬費用を本源的価値基準法を用いて測定しております。

その他の包括利益

その他の包括利益は、収益、費用、利益および損失のうち、米国で一般に公正妥当と認められた会計原則

に従って包括利益に含まれるものの、当期純利益には含まれず、資本の調整項目として直接的に認識される

項目として定義されております。トヨタの場合、その他の包括利益は、主として売却可能有価証券未実現評

価益、外貨換算調整額、およびトヨタの年金制度に関して追加的最小年金債務を認識するために計上される

調整額によって構成されております。

最近公表された会計基準

1998年6月、米国財務会計基準審査会(FASB―Financial Accounting Standards Board)は、「デリバティブ商

品及びヘッジ活動の会計処理」(Accounting for Derivative Instruments and Hedging Activities)に関する財務会

計基準書第133号(基準書第133号)を公表しましたが、その修正基準書である財務会計基準書第137号「財

務会計基準書第133号の適用の延期」(Deferral of the Effective Date of FASB Statement No.133)を公表し、さ

らに「特定のデリバティブ商品及び特定のヘッジ活動の会計処理―財務会計基準書第133号の修正」

(Accounting for Certain Derivative Instruments and Certain Hedging Activities―An Amendment to FASB

Statement No.133)に関する財務会計基準書第138号を公表しました。修正された基準書第133号は、2001

年4月1日以降適用されます。基準書第133号はすべてのデリバティブ金融商品につき、公正価額で貸借対照

表に計上することを求めております。デリバティブ金融商品の公正価額の変動は、その取引がヘッジ取引の

一部として行われているか、またヘッジ取引のタイプにしたがって、各会計年度の損益またはその他の包括

利益に計上されます。すべてのヘッジ取引のうち、その効果の得られない部分については損益に認識されま

す。基準書第133号の適用により、トヨタの業績および財政状態に及ぼす影響に重要性はないと思われます。

1999年12月に、米国証券取引委員会が職員会計公報(SAB)101号「財務諸表での収益認識」(SAB101)を

発行しました。SAB101は、財務諸表での収益認識問題に関して一般に公正妥当と認められた会計原則の適

用の指針を規定します。トヨタは規定により2001年3月31日に終了する会計年度の下半期にSAB101を採用

しました。SAB101の採用により、トヨタの業績および財務状態に及ぼす影響に重要性はありませんでした。

2000年9月、米国財務会計基準審議会(FASB―Financial Accounting Standards Board)は、財務会計基準書第

125号を改定する基準である財務会計基準書第140号「金融資産の譲渡及びサービス業務並びに負債の消滅

に関する会計処理」を公表しました。この基準書第140号は、2001年3月31日の後に生じた金融資産の譲渡

及びサービス業務並びに負債の消滅および2000年12月15日の後に終了した会計年度における担保の認識

並びに組替えおよび証券化並びに担保に関する開示に対して適用されます。この基準書の適用によりトヨタ

の業績および財務諸表に及ぼす重要な影響はないと思われます。

米国財務会計基準審議会の発生問題専門部会(EITF)のIssue No.00-10号「運送及び取扱費用の会計処理」に

より、トヨタは1999会計年度、2000会計年度、2001会計年度の得意先への運賃請求額を販売費および一般

管理費の控除から製品売上高へ組み替え、これに関連する運賃諸掛費を販売費および一般管理費から製品売

上原価へ組み替えております。

米国財務会計基準審議会の発生問題専門部会(EITF)のIssue No.00-22号「ポイント及び時間ベース又は数

量ベースの販売インセンティブのオファー、及び将来提供される無償の製品又はサービスのオファーに係る

会計処理」に従い、トヨタは1999会計年度、2000会計年度および2001会計年度の数量ベースの販売インセ

ンティブを販売量および一般管理から収益のマイナスに振替えています。

勘定科目の組替え再表示

特定の過年度の金額は2001年度の表示に合わせて組替え再表示されております。

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3.米ドルによる表示額:

連結財務諸表に表示されている米ドル金額は、読者の便宜のため、記載されており、監査されておりませ

ん。これらの米ドル表示額は、円金額が実際の米ドルを表したり、または、米ドルに換算されたり、あるいは

換金されうるというように解されるものではありません。この目的において、2001年3月30日現在のおよ

その実勢為替相場1米ドル=123.90円を、2001年3月31日終了事業年度のトヨタの連結財務数値の米ドル額

表示のために使用しております。

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間の基本および希薄化後EPS

の差異の調整は次のとおりであります。

単位: 単位:百万円 単位:千株 単位:円 米ドル

加重平均当期純利益 株式数 EPS EPS

1999年3月31日に終了した1年間:基本および希薄化後EPS普通株式保有株主に対する当期純利益 ¥451,646 3,780,357 ¥119.47

2000年3月31日に終了した1年間:基本EPS普通株式保有株主に対する当期純利益 ¥481,936 3,757,276 ¥128.27

希薄化の影響希薄性のあるストックオプション行使 ― 41

希薄化後EPS計算に用いる当期純利益 ¥481,936 3,757,317 ¥128.27

2001年3月31日に終了した1年間:基本EPS普通株式保有株主に対する当期純利益 ¥674,898 3,735,862 ¥180.65 $1.46

希薄化の影響希薄性のあるストックオプション行使 ― 79

希薄化後EPS計算に用いる当期純利益 ¥674,898 3,735,941 ¥180.65 $1.46

ストックオプションは、行使価格が普通株式の平均株価より高かったため、1999年3月31日に終了した

1年間の希薄化後EPSの計算には含まれておりません。

4.基本および希薄化後1株当り当期純利益(EPS)の差異の調整:

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間において、法人税等の支払

額は、それぞれ403,376百万円、414,708百万円および330,203百万円(2,665百万米ドル)であります。また、

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における利息の支払額は、そ

れぞれ259,384百万円、237,155百万円および250,405百万円(2,021百万米ドル)であります。

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間において、キャピタル・リー

ス債務として新たに計上された額は、それぞれ71,108百万円、81,701百万円および31,252百万円(252百万

米ドル)であります。

1999年3月31日に終了した1年間において、トヨタはダイハツ工業(株)に対する持分を、37,121百万円で

追加取得いたしました。その結果、この会社に対するトヨタの所有持分は50%超に増加し、トヨタの連結財

務諸表は、取得日以降のこの過半数所有子会社の勘定残高を含んだものとなっております。取得日現在にお

いて、この買収による取得資産および引受負債の公正価額は次のとおりであります。

単位:百万円

3月31日現在

1999年

取得資産 ¥ 653,103引受負債 (528,746)控除:取得した現金 (25,882)控除:少数株主持分 (87,236)

関連会社への追加投資に対する支払額(当該関連会社保有現金控除後) ¥ 11,239

5.キャッシュ・フローに関する補足情報:

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金融債権の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

小売債権 ¥ 1,794,380 ¥ 1,900,537 $ 15,339ファイナンス・リース 799,868 1,223,340 9,874卸売債権およびその他のディーラー貸付金 643,773 895,968 7,231

3,238,021 4,019,845 32,444未稼得収益 (222,280) (279,538) (2,256)金融損失引当金 (31,723) (38,292) (309)

金融債権―純額 2,984,018 3,702,015 29,879控除:一年以内に期限の到来する債権 (1,189,257) (1,633,247) (13,182)

長期金融債権―純額 ¥ 1,794,761 ¥ 2,068,768 $ 16,697

2001年3月31日現在の小売債権、ファイナンス・リースの将来最低受取リース債権、卸売債権およびその

他のディーラー貸付金の契約上の満期は、次のとおりであります。

単位:百万円 単位:百万米ドル

卸売債権 卸売債権および およびその他の その他の

ファイナンス ディーラー ファイナンス ディーラー小売債権 ・リース 貸付金 小売債権 ・リース 貸付金

3月31日に終了する各年度:2002年 ¥ 640,769 ¥277,997 ¥802,258 $ 5,172 $2,244 $6,4752003年 513,184 246,970 29,735 4,142 1,993 2402004年 382,294 204,687 18,014 3,086 1,652 1452005年 224,442 124,979 19,759 1,811 1,009 1592006年 103,878 51,115 12,608 838 412 1022007年以降 35,970 2,244 13,594 290 18 110

¥1,900,537 ¥907,992 ¥895,968 $15,339 $7,328 $7,231

6.金融債権:

2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間において、トヨタはいくつかの買収を行いまし

たが、買収によって得た資産及び負債に重要性はないと考えております。

2001年3月31日に終了した1年間において、トヨタの通信関連子会社である日本移動通信(株)(以下、IDO)

が日本の通信会社2社と合併し、トヨタの存続会社に対する持分は13.3 %になりました。その結果トヨタの

連結財務諸表は、合併日後より同社の勘定残高を含んでおりません。合併日におけるIDOの資産および負債

の帳簿価額は次のとおりであります。

単位: 単位:百万円 百万米ドル

3月31現在 3月31現在

2001年 2001年

資産 ¥ 603,627 $ 4,872負債 (571,150) (4,610)

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金融債権のうち、ファイナンス・リースの内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

最低受取リース料 ¥ 573,228 ¥ 907,992 $ 7,328未保証見積残存価額 226,640 315,348 2,546

799,868 1,223,340 9,874控除:未稼得収益 (142,473) (233,653) (1,886)金融損失引当金 (9,488) (13,761) (111)

ファイナンス・リース―純額 ¥ 647,907 ¥ 975,926 $ 7,877

トヨタは特定目的子会社を通じた小売金融債権およびファイナンス・リース債権における持分の売却プロ

グラムを有しております。トヨタは証券化した債権のサービス業務を行っており、証券化を行った元本総額

の残高の1%をサービス報酬として受取っております。劣後した権利者の範囲内において、特定目的子会社

は、超過サービス業務キャッシュ・フロー、一定の預金およびその他の関連する資産を、限定遡及条項に従

った使途限定資産として留保しております。これらの使途限定資産は、トヨタの何らかの債務の弁済に用い

ることはできません。証券の保有者は、利息のみストリップ、証券信託が保有している使途限定資金および

留保したすべての劣後持分に対して請求権を有しております。証券の保有者は、原債務者が期日に支払を

怠った場合においても、トヨタが保有しているその他の資産に対しては請求権を有してはおりません。

2001年3月31日現在、これらの証券化に関連してトヨタが留保した持分および投資は、65,826百万円

(531百万米ドル)の信託受益権、16,072百万円(130百万米ドル)の利息のみストリップおよび21,975百万

円(177百万米ドル)のその他債権を含んでおります。

トヨタはこれらのプログラムのもとで、1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了

する各1年間に、金融債権をそれぞれ337,734百万円、125,791百万円および502,765百万円(4,058百万米

ドル)売却し、見積金融損失および残存価値損失引当金を計上後の金額でこれらの売却にもとづく利益(税

効果考慮前)を、それぞれ3,184百万円、1,246百万円および5,046百万円(41百万米ドル)認識しております。

2000年3月31日および2001年3月31日現在、トヨタが引続きサービス業務を行う金融債権売却総額は、それ

ぞれ340,300百万円および535,776百万円(4,324百万米ドル)であります。売却益は、売却した時点におけ

る売却した資産の帳簿価額を基に計算されます。売却した資産の帳簿価額は、売却した時点における相対的

な公正価値に基づき、売却した資産および留保した権益に配分されます。留保した権益の公正価値は、主要

な仮定についてマネジメントが行った最善の見積りを用いて、期待キャッシュ・フローを割引くことによって

見積られます。

2001年3月31日に終了する1年間に完了した証券化について、証券化を行った日における留保した権益の

公正価値を測定するために用いられた主要な仮定は次のとおりであります。

担保の早期返済速度 0.0―1.5%加重平均期間(年数) 1.39―1.61担保の期待信用損失(年間) 0.50%―0.95%残存キャッシュ・フローの割引率 8.0%―24.5%劣後トランシェの割引率 7.6%―8.0%

2001年3月31日に終了する1年間における、証券化信託との間のキャッシュ・フローの要約は次のとおり

であります。

単位:百万円 単位:百万米ドル

ファイナンス・ ファイナンス・小売債権 リース 小売債権 リース

新規証券化による収入 ¥507,811 ¥ ― $4,099 $ ―受取サービス業務報酬 2,697 2,188 22 18利息のみストリップから生じた超過持分 6,410 641 52 5延滞債権の再購入 ― (1,017) ― (8)サービス業務立替金の回収 1,116 630 9 5満期立替金 ― (14,953) ― (121)満期立替金の回収 ― 14,953 ― 121

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2001年3月31日に終了する1年間において実行した小売債権の証券化に関連して、3,221百万円(26百万

米ドル)のサービス業務資産を計上しております。2001年3月31日現在、サービス業務資産の償却後の残高

は約2,230百万円(18百万米ドル)であります。2000年3月31日に終了する1年間においては、サービス業務

資産は計上しておりません。

2000年3月31日および2001年3月31日現在、証券化により売却した、トヨタが引続きサービス業務を行う

小売金融債権の未回収残高はそれぞれ総額68,998百万円および525,146百万円(4,238百万米ドル)でありま

す。2000年3月31日および2001年3月31日現在、証券化により売却した、トヨタが引続きサービス業務を行

うファイナンス・リース債権における持分の未回収残高はそれぞれ総額272,699百万円および140,379百万

円(1,133百万米ドル)であります。

2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間において、トヨタはその他債権に対してそれぞ

れ総額3,683百万円、9,393百万円(76百万米ドル)の修正を計上しております。1999年3月31日に終了した

1年間においては、減損は計上されておりません。これらの減損は、返却率の上昇や車両廃棄時における損

失の仮定値の上昇に起因して、それらの資産から生じる将来の割引前キャッシュ・フローが、関連する簿価

を回収するのに不十分であると見積られた場合に計上されます。

トヨタは、留保した持分の当初の評価に用いる主要な経済上の仮定を評価し、四半期ごとにこれらの仮定

に対する事後的なレビューを実施しております。仮定のレビューは早期返済速度、損失の精度および割引率

のレビューを含んでおります。留保した持分に対して、直接利用可能な市場価値があるものとは考えており

ません。トヨタは留保した持分を公正価値で計上しておりますが、公正価値は市場価格または割引キャッ

シュ・フロー分析を用いることにより見積っております。留保した持分に関連する、関連税額控除後の未実

現利益は包括利益に含めております。マネジメントが、公正価値が帳簿価額を超過する部分を回収不能であ

ると考えた場合には、資産を減額して損益に計上しております。

自己で保有している債権および証券化した債権をあわせたすべての債権の運用ポートフォリオについて、

2001年3月31日現在の未回収元本および2001年3月31日に終了する1年間における延滞金額は、次のとお

りであります。

単位:百万円 単位:百万米ドル

ファイナンス・ ファイナンス・小売債権 リース 小売債権 リース

未回収元本 ¥1,743,472 ¥1,803,961 $14,072 $14,560契約件数 1,107,442 702,95260日以上滞納している契約件数 3,388 1,470信用損失(償却後回収との純額) ¥ 6,356 ¥ 8,521 $ 51 $ 69残存価値損失 ― 37,243 ― 301

構成内容:ポートフォリオ中に保有している債権 ¥1,218,264 ¥1,663,494 $ 9,833 $13,426証券化された債権 525,208 140,391 4,239 1,133

静的プール損失は、実績および予測将来損失を合算したうえ、その合算値を各資産プールの原残高で除す

ことによって計算されております。2001年3月31日現在、小売債権の証券化における当日までの実績信用

損失および期待静的プール信用損失はそれぞれ0.18%および0.52%であります。2001年3月31日現在、リー

ス債権の証券化における当日までの実績信用損失および期待静的プール信用損失はそれぞれ1.64%および

0.12%であります。2001年3月31日現在、リース債権の証券化における当日までの実績残存価値損失および

期待静的プール残存価値損失はそれぞれ3.75%および2.72%であります。

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賃貸用車両および器具の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

自動車 ¥1,385,835 ¥1,492,901 $12,049器具その他 29,328 41,167 333控除:金融損失引当金 (7,957) (8,904) (72)

1,407,206 1,525,164 12,310控除:減価償却累計額 (331,519) (372,369) (3,006)

賃貸用車両および器具―純額 ¥1,075,687 ¥1,152,795 $ 9,304

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における賃貸用車両および

器具からのレンタル収入は、それぞれ342,007百万円、277,426百万円および289,550百万円(2,337百万米

ドル)であります。賃貸用車両および器具に係る将来の最低レンタル収入は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了する各年度:2002年 ¥211,003 $1,7032003年 135,915 1,0972004年 67,832 5472005年 20,704 1672006年 6,233 50

上記の将来の最低レンタル収入は、将来の現金回収額を示すわけではありません。

7.賃貸用車両および器具:

2001年3月31日現在における主要な経済的仮定、およびこれら経済的仮定が10%および20%即時に変動

した場合における残存キャッシュ・フローの公正価値の感応度は次のとおりであります。

単位:百万円 単位:百万米ドル

ファイナンス・ ファイナンス・小売債権 リース 小売債権 リース

留保した持分の貸借対照表計上額・公正価値 ¥38,500 ¥20,927 $311 $169早期返済速度の仮定(年間レート) 0.0―1.6% 0.8―1.5%10%変動した場合の公正価値への影響 (1,028) (99) (8) (1)20%変動した場合の公正価値への影響 (2,156) (186) (17) (2)残存キャッシュ・フロー割引率(年間レート) 7.6―24.5% 12%10%変動した場合の公正価値への影響 (660) (136) (5) (1)20%変動した場合の公正価値への影響 (1,318) (273) (11) (2)期待信用損失(年間レート) 0.5―1.0% 0.5―0.9%10%変動した場合の公正価値への影響 (368) (37) (3) (0)20%変動した場合の公正価値への影響 (740) (62) (6) (1)期待残存価値損失(残存価値の%) ― 4.9―7.6%10%変動した場合の公正価値への影響 ― (768) ― (6)20%変動した場合の公正価値への影響 ― (1,536) ― (12)

この仮説上のシナリオは期待される将来の市況を反映してはおらず、将来の実績に対する予想として用い

るべきものではありません。公正価値の変動は、上記の数値が示しているように直線的なものではない可能

性があります。さらに、上記の表においては、ある特定の仮定の変化が公正価値に及ぼす影響は他のすべて

の仮定が変化しないものとして計算されておりますが、現実には、ある要素が変化すると他の要素も変化す

る可能性があり、それにより感応度が拡大し、または縮小する可能性があります。また、実際のキャッシュ・

フローは上記の分析とは大きく異なる可能性があります。

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その他債権には、部品メーカーとの委託製造契約に係る債権が含まれており、当該債権はトヨタによる委

託製造部品の購入に係る債務と相殺されます。

棚卸資産の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

製品 ¥559,949 ¥601,839 $4,857原材料 88,710 110,668 893仕掛品 109,542 126,143 1,018貯蔵品およびその他 32,215 37,602 304

¥790,416 ¥876,252 $7,072

9.その他債権:

10.棚卸資産:

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における、売掛金および受

取手形に係る貸倒引当金の分析は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

1999年 2000年 2001年 2001年

貸倒引当金期首残高 ¥ 51,423 ¥ 57,525 ¥ 59,423 $480繰入額 18,122 19,077 5,616 45債権償却 (20,063) (17,726) (12,089) (98)その他 8,043 547 (12,349) (99)

貸倒引当金期末残高 ¥ 57,525 ¥ 59,423 ¥ 40,601 $328

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における「その他」には、新

規連結の子会社および持分を処分したトヨタの通信関連子会社が計上していた貸倒引当金、および為替の変

動による調整額が含まれております。

貸倒引当金の一部は長期の手形債権に係るものであり、2000年3月31日および2001年3月31日現在、「投

資およびその他の資産―その他」に、それぞれ14,542百万円および7,551百万円(61百万米ドル)が含まれて

おります。

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における、金融債権および

賃貸用車両および器具に係る金融損失引当金の分析は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

1999年 2000年 2001年 2001年

金融損失引当金期首残高 ¥ 44,677 ¥ 45,537 ¥ 39,680 $ 320繰入額 21,604 14,678 21,515 174債権償却(回収額と相殺) (16,502) (11,639) (18,315) (148)その他 (4,242) (8,896) 4,316 35

金融損失引当金期末残高 ¥ 45,537 ¥ 39,680 ¥ 47,196 $ 381

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における「その他」には、主

として為替の変動による調整額が含まれております。

8.貸倒引当金および金融損失引当金:

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有価証券およびその他の投資有価証券その他は、負債証券および持分証券を含んでおり、これらの公正価

額、未実現評価損益および取得価額は次のとおりであります。

単位:百万円

2000年3月31日現在

未実現 未実現取得価額 評価益 評価損 公正価額

売却可能証券負債証券 ¥ 742,495 ¥ 13,611 ¥ 2,894 ¥ 753,212持分証券 361,250 632,449 37,819 955,880

合計 ¥1,103,745 ¥646,060 ¥40,713 ¥1,709,092

売買目的証券持分証券 ¥ 215 ¥ 73,699 ¥ 44 ¥ 73,870

市場性のない証券負債証券 ¥ 718,314持分証券 96,309

合計 ¥ 814,623

単位:百万円

2001年3月31日現在

未実現 未実現取得価額 評価益 評価損 公正価額

売却可能証券負債証券 ¥1,330,994 ¥ 50,076 ¥ 9,630 ¥1,371,440持分証券 664,894 270,183 216,487 718,590

合計 ¥1,995,888 ¥320,259 ¥226,117 ¥2,090,030

市場性のない証券負債証券 ¥ 244,874持分証券 15,581

合計 ¥ 260,455

単位:百万米ドル

2001年3月31日現在

未実現 未実現取得価額 評価益 評価損 公正価額

売却可能証券負債証券 $10,742 $ 404 $ 78 $11,068持分証券 5,366 2,181 1,747 5,800

合計 $16,108 $2,585 $1,825 $16,868

市場性のない証券負債証券 $ 1,976持分証券 126

合計 $ 2,102

2000年3月31日および2001年3月31日現在、売却可能証券に分類された負債証券は主に1年から10年満

期の国債、地方債および社債で構成されております。

その他の包括利益累積額に含まれる、売却可能証券に係る税効果考慮後の未実現利益(純額)は、1999年3

月31日および2000年3月31日に終了した各1年間において、それぞれ10,119百万円および82,870百万円増

加しました。また、2001年3月31日に終了した1年間において、未実現利益(純額)は304,995百万円(2,462

百万米ドル)減少しました。

11.市場性ある有価証券およびその他の投資有価証券:

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持分法で評価されている関連会社の要約財務情報は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

流動資産 ¥3,364,846 ¥3,533,094 $28,515固定資産 5,300,290 5,373,996 43,374

資産合計 ¥8,665,136 ¥8,907,090 $71,889

流動負債 ¥2,507,278 ¥2,777,992 $22,421固定負債 2,313,655 1,998,497 16,130資本 3,844,203 4,130,601 33,338

負債および資本合計 ¥8,665,136 ¥8,907,090 $71,889

資本に対するトヨタの持分額 ¥1,215,697 ¥1,308,654 $10,562

期末における持分法適用会社数 58 60

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

収益 ¥8,994,440 ¥8,891,362 ¥9,841,869 $79,434

売上総利益 ¥ 890,333 ¥ 933,570 ¥1,009,400 $ 8,147

当期純利益 ¥ 49,663 ¥ 90,781 ¥ 269,745 $ 2,177

トヨタの関連会社に対する投資額のうち、重要な部分を占める会社は、(株)デンソー、千代田火災海上保

険(株)、(株)豊田自動織機製作所、豊田通商(株)およびアイシン精機(株)であります。

特定の関連会社の持分法による評価額は、2000年3月31日および2001年3月31日現在、それぞれ

1,024,353百万円および1,077,493百万円(8,969百万米ドル)であり、これらの関連会社の市場価額での評価

額の総計は、それぞれ1,508,555百万円および1,438,592百万円(11,611百万米ドル)であります。

12.関連会社への投資および取引:

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間における売却可能証券の売却

収入は、それぞれ411,202百万円、447,925百万円および234,608百万円(1,893百万米ドル)であります。こ

れらの売却収入に係る実現総利益は、それぞれ13,566百万円、35,696百万円および41,134百万円(332百万

米ドル)であり、実現総損失は、それぞれ6,954百万円、64百万円および81百万円(1百万米ドル)であります。

2001年3月31日に終了した1年間において、トヨタは子会社株式および関連会社株式以外の市場性ある持

分証券を従業員退職給付信託へ拠出しました。なお、この取引を通じた現金収入はありませんでした。これ

らの証券の拠出時における公正価額は269,700百万円(2,177百万米ドル)でした。この信託に保有される証

券は年金資産としての要件を満たしております。これらの市場性ある証券の拠出により、未実現利益(純額)

161,151百万円(1,301百万米ドル)が実現しましたが、それは連結損益計算書の「その他の収益-純額」に含ま

れております。税効果考慮後の未実現利益がすでにその他の包括利益として計上されていたため、この拠出

による包括利益の金額に対する影響はありませんでした。

トヨタは、通常のビジネスの過程で多くの非上場会社発行の長期性有価証券を保有しており、これらはそ

の公正価値が容易に算定できないため原価で「有価証券およびその他の投資有価証券」に含めて計上されて

います。トヨタのマネジメントは、これらの各企業に対する投資に減損が生じていないか及びその減損が一

時的なものであるか否かを決定するために、証券発行企業の財務的健全性及びその企業が事業を行っている

市場の状態をレビューし、各投資の回収可能性を評価するという規則的な手法を採用しております。減損が

一時的でないと判断された場合には、減損されている金額だけ投資額を減額し、その損失はその期の実現損

失として計上されております。

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ70

71

関連会社との取引残高および取引高は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

売上債権および未収入金 ¥150,870 ¥155,973 $1,259

買掛債務 ¥436,666 ¥466,852 $3,768

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

製品売上高 ¥ 698,596 ¥ 697,801 ¥ 682,317 $ 5,507

仕入高 ¥2,840,013 ¥2,886,648 ¥3,006,546 $24,266

持分法で評価されている関連会社からの配当金は、1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月

31日に終了した各1年間において、それぞれ12,978百万円、12,452百万円および13,871百万円(112百万米

ドル)であります。

トヨタは関連会社発行の転換社債を、2000年3月31日および2001年3月31日現在、それぞれ56,034百万

円および57,096百万円(461百万米ドル)保有しております。これらの負債証券は連結貸借対照表上、「関連

会社に対する投資およびその他の資産」に原価にて計上されております。これら有価証券の公正価額は、

2000年3月31日および2001年3月31日現在、それぞれ94,466百万円および80,060百万円(646百万米ドル)

であります。これら有価証券の償還期限は3年から6年であります。

1999年3月31日に終了した1年間において、トヨタは、従来、持分法適用の関連会社であったダイハツ工

業(株)(以下、ダイハツ)に対する持分を追加取得により、34.5%から50.2%まで引き上げました。その結果、

追加取得日以降、子会社となったダイハツの勘定残高はトヨタの連結財務諸表に含まれております。追加取

得以前は、ダイハツに関する持分法投資損益がトヨタの連結財務諸表に含まれておりました。この追加取得

に対する支払総額は約37,121百万円でした。取得価額のうち取得した純資産の公正価額を超える約816百

万円については営業権として計上しております。

2001年3月31日に終了した1年間において、トヨタの通信関連子会社である日本移動通信(株)(以下、IDO)

が日本の通信会社である第二電電(株)(以下、KDDI)およびKDD(株)の2社と合併しました。合併時に、トヨ

タは、IDOに対する63.3%の持分と引き換えにKDDI株を取得しました。合併の結果、トヨタのKDDIに対する持

分は13.3%になり、トヨタのKDDIに対する持分は売却可能証券として計上されています。トヨタは連結損益

計算書上、日本移動通信(株)に対する持分の処分による税引前利益180,950百万円(1,460百万米ドル)を

「その他の収益―純額」に含めて計上しております。

ダイハツに対する持分の追加取得が1998年4月1日に行われ、IDOに対する持分の処分が1999年4月1日に

行われたと仮定した場合の1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間の

仮定の業績数値(未監査)は次のとおりであります。なお、IDOに対するトヨタの持分の処分による利益の影

響は除外しております。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

収益 ¥13,041,300 ¥12,181,646 ¥12,899,868 $104,115当期純利益 449,990 485,011 576,515 4,6531株当り当期純利益(円、米ドル)―基本 ¥ 119.03 ¥ 129.09 ¥ 154.32 $ 1.25―希薄化後 119.03 129.08 154.32 1.25

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13.短期借入金および長期借入債務:

2000年3月31日および2001年3月31日現在の短期借入金の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

借入金(主として銀行借入)(加重平均金利:2000年 年2.53% 2001年 年2.96%) ¥ 678,460 ¥ 664,440 $ 5,362

コマーシャル・ペーパー(加重平均金利:2000年 年4.97% 2001年 年5.65%) 681,294 804,567 6,494

¥1,359,754 ¥1,469,007 $11,856

2001年3月31日現在、トヨタには1,936,494百万円(15,629百万米ドル)の未使用の借入枠があり、うち

528,543百万円(4,266百万米ドル)はコマーシャル・ペーパーのプログラムに関するものであります。これ

らのプログラムによって、トヨタは、360日以内の借入に適用される一般的な利率で短期の資金調達を行う

ことができます。

仮定の業績数値(未監査)は比較目的のためにのみ作成されており、1998年4月1日にダイハツに対する持

分の追加取得および1999年4月1日にIDO株の処分が行われたものと仮定した場合に起こり得た結果、ある

いは将来起こり得る結果を必ずしも反映するものではありません。

2001年3月31日現在、トヨタは日野自動車(株)(以下、日野)に対する持分を 36.6%所有しており、持分法

を適用しております。2001年3月31日の後に、トヨタは日野に対する持分を、2001年8月31日に取得価額

66,287百万円(535百万米ドル)を支払うことにより、50.1%まで引き上げることに合意しました。この取引

は規制当局による承認を条件としております。追加取得日以降、日野の勘定残高はトヨタの連結財務諸表に

含まれることになります。

日野の追加取得が2000年4月1日に行われたと仮定した場合の、2001年3月31日に終了する1年間の仮定

業績数値(未監査)は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に 3月31日に終了した 終了した1年間 1年間

2001年 2001年

収益 ¥13,701,209 $110,583当期純利益 679,891 5,4871株当り当期純利益(円、米ドル)―基本 ¥ 181.99 $ 1.47―希薄化後 181.99 1.47

仮定の業績数値(未監査)は比較目的のためにのみ作成されており、2000年4月1日に取得が行われたもの

と仮定した場合に起こり得た結果、あるいは将来起こり得る結果を必ずしも反映するものではありません。

2001年3月31日現在、トヨタは、千代田火災海上保険(株)(以下、千代田)の持分を49.9%所有し、持分法

を適用しており、大東京火災海上保険(株)(以下、大東京)の持分を19.3%所有し、市場性のある有価証券と

して計上しております。2001年4月1日、千代田は大東京と合併し、存続会社となる大東京は社名をあいお

い損害保険(株)(以下、あいおい)と変更しました。この結果、合併日におけるトヨタのあいおいに対する持

分は、33.4%となり、持分法を適用することになります。

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2000年3月31日および2001年3月31日現在の長期債務の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

無担保の借入金(借入先:主として銀行)[2000年―利率:年0.15%~15.00%、

返済期限:2000年~2030年2001年―利率:年0.10%~21.20%、

返済期限:2001年~2031年] ¥ 714,338 ¥ 416,425 $ 3,361

担保付きの借入金(借入先:主として銀行)[2000年―利率:年0.35%~8.25%、

返済期限:2000年~2019年2001年―利率:年0.55%~8.50%、

返済期限:2001年~2019年] 20,556 12,794 103

ミディアム・ターム・ノート(連結子会社の発行)[2000年―利率:年0.20%~14.00%、

返済期限:2000年~2010年2001年―利率:年0.30%~8.25%、

返済期限:2001年~2011年] 1,709,662 2,006,449 16,194

無担保転換社債(連結子会社の発行)[利率:0.45%、満期:2003年、転換価格:672円(5米ドル)、期限前償還可能] 13,314 13,308 107

無担保普通社債(当社の発行)[2000年―利率:年1.40%~6.25%、

返済期限:2002年~2018年2001年―利率:年1.40%~6.25%、

返済期限:2002年~2018年] 506,150 523,900 4,229

無担保普通社債(連結子会社の発行)[2000年―利率:年0.72%~7.50%、

返済期限:2000年~2008年2001年―利率:年0.72%~7.00%、

返済期限:2001年~2008年] 623,065 680,391 5,492

長期キャピタル・リース未払金[2000年 利率:年0.34%~13.00%、

返済期限:2000年~2017年2001年 利率:年0.95%~9.33%、

返済期限:2001年~2017年] 138,410 144,751 1,168

3,725,495 3,798,018 30,654控除:1年以内に返済期限の到来する額 (811,736) (714,674) (5,768)

¥2,913,759 ¥3,083,344 $24,886

2001年3月31日現在、帳簿価額42,563百万円(344百万米ドル)の有形固定資産が連結子会社の借入金の

担保に供されております。

2001年3月31日現在、長期借入債務の通貨単位は、約38%が米ドル、33%が日本円、29%がその他の通貨

となっております。

長期借入債務の翌年度以降5年間の各年度別返済予定額は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了する各年度:2002年 ¥714,674 $5,7682003年 683,869 5,5202004年 778,337 6,2822005年 308,154 2,4872006年 186,118 1,502

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邦銀数行との取引約定書にもとづき、トヨタは当該銀行から要求があれば直ちに担保(当該銀行に対する

預金を含む)を提供し、あるいは保証人をたてる義務を負っております。この約定または他の理由により供

される担保は、当該銀行に対する現在および将来のすべての債務を共通に担保しております。

税引前利益の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

税引前利益:当社および日本国内子会社 ¥716,657 ¥703,614 ¥ 920,823 $7,432海外子会社 159,017 177,066 186,466 1,505

¥875,674 ¥880,680 ¥1,107,289 $8,937

法人税等の内訳は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

税金費用―当年度分:当社および日本国内子会社 ¥354,406 ¥255,503 ¥371,797 $3,001海外子会社 49,985 78,822 102,754 829

当年度分合計 404,391 334,325 474,551 3,830

税金費用―繰延税額:当社および日本国内子会社 324 87,063 58,391 471海外子会社 21,136 1,343 (9,066) (73)

繰延合計 21,460 88,406 49,325 398

税金費用合計 ¥425,851 ¥422,731 ¥523,876 $4,228

トヨタは、所得に対して種々の税金を課せられておりますが、日本国内における法定税率はそれぞれ、

1999年3月31日に終了した1年間において約46.8%、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した1年

間において約41.3%であります。日本の税制改正により1999年4月1日より法定実効税率は約41.3%に引き

下げられ、一時的差異に対する将来の繰延税額の計算には当該税率が使用されております。法定税率と実効

税率との差は、次のとおり分析されます。

3月31日に終了した1年間

1999年 2000年 2001年

法定税率 46.8% 41.3% 41.3 %税率増加(減少)要因:日本国内の税制変更による税率変更 (1.7) ― ―損金に算入されない費用項目 1.6 0.9 0.7自己株式取引に係る内部利益の消去 1.0 ― ―持分法会社の未分配利益に係る繰延税金負債の増加 1.1 1.5 2.2評価性引当額 (1.1) 2.2 1.5その他 0.9 2.1 1.6

実効税率 48.6% 48.0% 47.3%

14.法人税等:

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繰延税金資産および負債の主な内訳は、次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

繰延税金資産:未払退職年金費用 ¥ 220,728 ¥ 254,427 $ 2,053製品保証引当金および未払費用 90,860 92,684 748従業員に関するその他の未払給与 55,525 62,751 507税務上の繰越欠損金 61,616 63,186 510棚卸資産 53,202 55,126 445有形固定資産およびその他資産 83,093 78,109 631その他 83,057 113,618 917

繰延税金資産総額 648,081 719,901 5,811控除:評価性引当金 (72,437) (73,339) (592)

繰延税金資産計 575,644 646,562 5,219

繰延税金負債:未実現有価証券評価益 (319,866) (45,237) (365)持分法適用関連会社の未分配利益 (294,754) (307,571) (2,482)圧縮記帳戻入れ (15,669) (15,350) (124)リース取引 (206,423) (211,298) (1,705)退職給付信託への株式拠出益 ― (66,523) (537)通信関連子会社に対する持分の処分による実現利益 ― (74,696) (603)その他 (83,103) (73,497) (594)

繰延税金負債総額 (919,815) (794,172) (6,410)

繰延税金負債純額 ¥(344,171) ¥(147,610) $(1,191)

評価性引当金は、主として税務上の繰越欠損金を有する連結子会社の繰延税金資産のうち、実現が見込め

ない部分に対するものであります。1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各

1年間における繰延税金資産に対する評価性引当金の純変動額は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

評価性引当金期首残高 ¥ 55,082 ¥45,825 ¥ 72,437 $ 584増加 8,291 28,164 27,857 225減少 (16,736) (5,014) (9,561) (77)その他 (812) 3,462 (17,394) (140)

評価性引当金期末残高 ¥ 45,825 ¥72,437 ¥ 73,339 $ 592

1999年、2000年および2001年に終了した各1年間において、「その他」には、新規連結の子会社が計上し

ていた評価性引当金、法定税率引き下げおよび為替の変動による調整額が含まれております。さらに2001

年3月31日に終了した一年間において、「その他」にはトヨタの通信関連子会社に対する持分の処分による影

響額が含まれております。

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繰延税金負債純額は、次のとおり連結貸借対照表に含まれております。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

繰延税金資産:繰延税金(流動資産) ¥ 205,972 ¥ 355,051 $ 2,866投資およびその他の資産―その他 56,930 55,092 444

繰延税金負債:その他の流動負債 (4,484) (4,487) (36)繰延税金(固定負債) (602,589) (553,266) (4,465)

純繰延税金負債 ¥(344,171) ¥(147,610) $(1,191)

トヨタの経営陣は、海外子会社の未分配利益の一部を永久に再投資する方針をもっております。したがっ

て、2001年3月31日現在、将来配当することを予定していない海外子会社の未分配利益に対しては、税金引

当を行っておりません。当該未分配利益は合計で989,749百万円(7,988百万米ドル)であり、トヨタはこれ

らの未分配利益がすべて日本において課税対象になったと仮定した場合に算定される追加的税金引当額を

64,416百万円(520百万米ドル)と見積もっております。

2001年3月31日現在の連結子会社の税務上の繰越欠損金は、184,702百万円(1,491百万米ドル)であり、

当該子会社の将来の課税所得から控除できます。これらの繰越欠損金は、繰越期限のない91,392百万円

(738百万米ドル)を除き、2002年から2015年の間に繰越期限が到来します。

2000年3月31日および2001年3月31日現在、その他の流動負債にはそれぞれ590,985百万円および

607,170百万円(4,900百万米ドル)の未払金が含まれております。これらは有形固定資産の購入および非製

造関連の購入に関するものであります。

年金および退職金制度

当社および日本の子会社の従業員は、通常、退職時にその時点における給与と勤続年数にもとづいて計算

された以下に述べる退職一時金または年金の受給資格を有します。定年前に退職した場合の最低支給額は、

通常、自己都合による退職にもとづいた金額となります。定年を含む会社都合による退職の場合、加算金を

加えた退職金が支給されます。役員の退任に際しては、通常、内規にもとづく退職一時金が、株主総会の決

議を要件として支払われます。

当社および大部分の日本の子会社は、厚生年金保険法にもとづく厚生年金基金制度に加入しております。

この厚生年金基金制度は、会社および従業員の拠出からなる国の年金制度の一部を会社が代行する部分と、

適格退職年金制度の給与比例部分を引き継いだ加算部分より構成されます。現行の退職金規程のもとでは、

通常、従業員に対する退職金の50パーセント超がこの制度により充当されます。残りの部分は会社が支払う

退職一時金により充当されます。年金給付は、前述の規程に従い、勤続年数と給与にもとづいて決定され、

退職する従業員の選択により、月払いの年金あるいは一時金として支給されます。年金基金へ拠出された資

金は、関係法令に従い、数社の金融機関により運用されております。これらの年金資産は、主として国債、株

式、確定利回り証券、および保険契約によって投資運用されております。2000年3月に厚生年金保険法が改

定され、それにより当社および幾つかの日本の子会社の拠出型確定給付年金制度の予測給付債務が減少する

結果となりました。また、2000年3月および2001年2月に、トヨタは年金制度を改定し、それにより予測給

付債務が減少する結果となりました。これらの減少の影響は未認識過去勤務債務として反映されております。

大部分の海外子会社は、ほぼ全従業員を対象とする確定給付年金制度または退職一時金制度を有し、この

制度にもとづく退職年金費用は各期に拠出による積立を行うかあるいは引当計上しております。これらの制

度にもとづく給付額は、主に退職時の給与と勤続年数にもとづいて計算されます。

トヨタは米国で一般に認められた会計原則に準拠した財務情報を初めて作成するため、および過年度の数

理データが入手困難であったために、1997年4月1日に財務会計基準書第87号「雇用主の年金会計」を適用

しております。適用により、適用時差額247,911百万円は1989年7月1日より15年で償却されております。

1989年7月1日から1997年3月31日までの期間の適用時差額償却額は126,284百万円で、1997年4月1日に

おける株主持分期首残高の調整として処理されております。

15.その他流動負債:

16.従業員給付制度:

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トヨタは2000年3月31日および2001年3月31日現在、追加的最小年金債務をそれぞれ13,144百万円およ

び39,513百万円(319百万米ドル)計上しております。この追加的最小年金債務は、累積給付債務の金額が年

金資産公正価額および未払退職・年金費用残高の合計を上回る年金制度について計上されます。累積給付債

務が年金資産および未払退職・年金費用残高の合計を上回る制度に関する、予測給付債務、累積給付債務お

よび年金資産の公正価額は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

予測給付債務 ¥ 222,969 ¥ 291,524 $ 2,353累積給付債務 209,073 267,705 2,161年金資産の公正価額 (135,007) (162,088) (1,308)

トヨタの年金および退職金制度の関連情報は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

予測給付債務の変動:期首予測給付債務 ¥1,764,345 ¥1,731,045 $13,971勤務費用 58,495 68,084 550利息費用 52,073 53,118 429従業員による拠出額 9,894 8,818 71年金数理純損失 8,733 78,961 637買収およびその他 ― 38,341 309退職給付支払額 (60,109) (54,427) (439)制度改定 (102,386) (43,358) (350)

期末予測給付債務 1,731,045 1,880,582 15,178

年金資産の変動:期首年金資産公正価額 780,560 932,896 7,529年金資産実際運用収益 118,489 (125,078) (1,010)会社による拠出額 48,896 303,589 2,451買収およびその他 ― 28,584 231従業員による拠出額 9,894 8,818 71退職給付支払額 (24,943) (24,910) (201)

期末年金資産公正価額 932,896 1,123,899 9,071

年金状況 798,149 756,683 6,107未認識年金数理純損失 (151,538) (386,216) (3,117)未認識過去勤務債務 102,386 136,877 1,105未認識基準適用開始時純債務 (102,939) (84,212) (680)

連結貸借対照表に計上した純額 ¥ 646,058 ¥ 423,132 $ 3,415

連結貸借対照表計上額の内訳:未払退職・年金費用 ¥ 659,202 ¥ 505,150 $ 4,077前払退職・年金費用 ― (42,505) (343)投資その他の資産 (13,144) (16,644) (135)その他の包括利益累積額 ― (22,869) (184)

連結貸借対照表に計上した純額 ¥ 646,058 ¥ 423,132 $ 3,415

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単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

1999年12月31日、2000年3月31日および2001年3月31日現在の加重平均想定率:割引率 3.0―6.5% 3.0―8.5% 2.5―8.7%期待長期年金資産収益率 3.5―9.0% 3.0―9.0% 1.5―9.0%長期昇給率 2.8―7.5% 2.0―7.5% 2.0―6.5%純退職・年金費用の内訳:勤務費用 ¥ 55,766 ¥ 58,495 ¥ 68,084 $ 550利息費用 50,107 52,073 53,118 429期待年金資産運用益 (25,583) (24,971) (29,184) (236)過去勤務債務の償却 ― ― (8,867) (72)年金数理純損失の償却 ― 5,955 2,184 18基準適用開始時純債務の償却 18,776 18,878 18,960 153

純退職・年金費用 ¥ 99,066 ¥110,430 ¥104,295 $ 842

当社および日本の子会社の予測給付債務が2000年および2001年3月31日現在の予測給付債務のほとんど

であります。当社および日本の子会社の予測給付債務算定のために用いられた割引率および期待長期年金

資産収益率についての加重平均仮定は、2000年3月31日に終了する年度がそれぞれ3.0%および3.0%、2001

年3月31日に終了する年度がそれぞれ3.0%および3.0%であります。

2001年3月31日に終了した1年間における年金数理純損失は、主に年金数理上の仮定のために行われた見

積りを、2000年会計年度における見積りから変更したことにより発生したものであります。

注記11に記載されている通り、2001年3月31日に終了した1年間において、当社および特定の日本の子会

社は市場性ある持分証券を退職給付信託へ拠出しました。拠出時におけるこれらの証券の公正価額は

269,700百万円(2,177百万米ドル)であり、これは年金資産に含まれ、会社による拠出として反映されてお

ります。

退職者に対する退職年金以外の給付債務および休職者に対する給付債務

トヨタの米国子会社は、適格退職者に対して健康保険および生命保険給付を行っております。さらに、ト

ヨタは、雇用後で退職前の休職者等に対する給付を行っております。これらの給付は、様々な保険会社およ

び健康保険提供機関を通して行われますが、現在外部積立ては行われておりません。これらの費用は、従業

員として勤務する期間にわたって費用認識されます。これらの制度に関連するトヨタの債務額に重要性はあ

りません。

1997年6月、当社の株主は、取締役を対象としたストック・オプション・プランを承認しました。株主はト

ヨタの普通株式600,000株を上限としてストック・オプションの付与を毎年認めてきました。まだ付与さ

れていないオプションを将来付与することはできません。これらのオプションは、権利付与日の株価(終値)

に1.025を乗じた価格を権利行使価格として付与されます。権利行使は、権利付与日から2年間経過後に実行

可能となります。

2001年3月31日後、株主は特定の従業員をストック・オプション・プランの対象者に含めることを承認し、

取締役およびこれらの主要な従業員を対象としたトヨタのストック・オプション・プランのもとに、

1,500,000株のストック・オプションを追加付与することを承認しました。

17.株式を基礎とした報酬:

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ストック・オプションの実施状況は次のとおりであります。

単位:円

加重平均 加重平均受給権数 権利行使価格 有効期間(年)

1998年3月31日現在残高 450,000 ¥3,598 3.33付与 455,000 3,639喪失 (60,000) 3,598

1999年3月31日現在残高 845,000 3,620 2.87付与 465,000 4,141行使 (141,000) 3,598喪失 (182,000) 3,622

2000年3月31日現在残高 987,000 3,868 2.63付与 455,000 4,838行使 (84,000) 3,623喪失 (35,000) 4,141

2001年3月31日現在残高 1,323,000 ¥4,210 2.24

2001年3月31日現在行使可能 438,000 ¥3,626 1.02

単位:米ドル

加重平均権利行使価格

2001年3月31日現在残高 $34

2001年3月31日現在行使可能 $29

2001年3月31日現在におけるオプション残高および権利行使可能なオプションに関する内容は次のとお

りであります。

残高 権利行使可能

加重平均 加重平均 加重平均 加重平均 加重平均権利行使価格 受給権数 権利行使価格 権利行使価格 残存期間 受給権数 権利行使価格 権利行使価格

円 円 米ドル 年 円 米ドル

¥3,598-4,838 1,323,000 ¥4,210 $34 2.24 438,000 ¥3,626 $29

トヨタは、株式を基礎とした報酬制度に係る報酬費用を、本源的価値基準法により測定しております。こ

の方法は、対象となる株式の市場価格が付与日における行使価格を上回るときに、オプションに係る報酬費

用を認識することを求めております。トヨタが、株式を基礎とした報酬制度費用をオプションの付与日にお

ける公正価額にもとづいて認識したと仮定した場合に計算される、1999年3月31日、2000年3月31日およ

び2001年3月31日に終了した各1年間の当期純利益および希薄化後1株当たり当期純利益は次のとおりであ

ります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

当期純利益 財務諸表上 ¥451,646 ¥481,936 ¥674,898 $5,447仮定数値 451,388 481,444 674,252 5,442

1株当り当期純利益:―基本(単位:円、米ドル) 財務諸表上 ¥ 119.47 ¥ 128.27 ¥ 180.65 $ 1.46

仮定数値 119.40 128.14 180.48 1.46

―希薄化後(単位:円、米ドル) 財務諸表上 ¥ 119.47 ¥ 128.27 ¥ 180.65 $ 1.46仮定数値 119.40 128.14 180.48 1.46

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間のオプション付与日におけ

るオプション1単位当たりの加重平均公正価額は、それぞれ672円、857円および1,327円(11米ドル)であり

ます。付与されたオプションの公正価額は、上記の仮定数値算定にあたってはオプション行使可能期間にわ

たり費用償却されますが、付与日においてブラック・ショールズ・オプション・プライシング・モデルにより、

次の加重平均想定率にもとづいて計算されます。

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18.株主持分:

発行済普通株式数の変動内容は次のとおりであります。

3月31日に終了した1年間

1999年 2000年 2001年

発行済普通株式:期首残高 3,804,172,073 3,760,650,129 3,749,405,129期中発行 521,056 ― 588,963買入消却 (44,043,000) (11,245,000) (64,996,600)

期末残高 3,760,650,129 3,749,405,129 3,684,997,492

日本の商法の下では、当社および日本の子会社の実施した現金配当およびその他現金の流出を伴う利益剰

余金処分の10パーセント以上の金額を、利益準備金として積立てることが要求されております。利益準備金

が払込資本金の25パーセントに達した場合は、その後の積立ては要求されません。2000年3月31日および

2001年3月31日現在の連結利益剰余金に含まれている利益準備金残高は、それぞれ115,839百万円および

121,405百万円(980百万米ドル)であり、この金額は配当可能利益からは除かれます。

日本において一般に公正妥当と認められた会計原則に従って算定された連結利益剰余金のうち、配当等の

規制のない金額は、2000年3月31日および2001年3月31日現在、それぞれ5,895,785百万円および

6,038,471百万円(48,737百万米ドル)であります。

日本での会計慣行に従い、当期の利益処分はその期間の財務諸表には計上されず、株主による承認が得ら

れた会計期間において計上されることになります。2001年3月31日現在の利益剰余金は、2001年6月27日

に開催された株主総会で承認された、期末現金配当金51,571百万円(416百万米ドル)、一株当たり14.0円

(0.11米ドル)を含んでおります。

2001年3月31日現在の利益剰余金には、持分法で評価されている未分配利益に対するトヨタの持分相当

額 591,595百万円(4,775百万米ドル)が含まれております。

1997年6月26日においてトヨタの株主は日本の改正商法に従い利益による消却のための株式買い受け方

針を承認しました。この新方針において、トヨタは取締役会の決議を条件として、実施時期に関する制限な

く、370百万株を超えない普通株式を買い受け消却することが認められております。この制度を利用して、

トヨタは1999年3月31日、2000年3月31日、および2001年3月31日に終了した1年間において、それぞれ約

44百万株、11百万株、65百万株を買い受けました。この結果、1999年3月31日、2000年3月31日、および

2001年3月31日に終了した1年間において、利益剰余金がそれぞれ114,823百万円、45,457百万円、

263,596百万円(2,127百万ドル)減少しました。株式買い受け消却制度で承認された買い受け消却株式数の

未実行分は、2000年3月31日および2001年3月31日現在、それぞれ301.5百万株および220.5百万株であり

ます。2001年3月31日後、株主は取締役および主な従業員によるストックオプションの行使に備えるために、

株数150万株、支払総額7,500百万円(61百万米ドル)を上限に自己株式を取得することを承認しました。

1997年より前に、トヨタは新株式を株式分割により無償発行しましたが、日本では株式分割については何

ら会計処理は求められておりません。仮に、当該株式分割が米国企業によって通常行われている方法で会計

処理された場合、利益剰余金2,576,606百万円(20,796百万米ドル)が資本金および資本準備金に振り替えら

れることになります。

1999年 2000年 2001年

配当率 0.6% 0.6% 0.5%無リスク金利 1.6% 1.9% 1.7%期待ボラティリティ 24% 26% 36%期待保有期間 4年 4年 4年

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81

その他の包括利益累積額の税引後純額での、2000年3月31日、および2001年3月31日現在の残高内訳、お

よび1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間の残高変動は、次のとお

りであります。

単位:百万円

未実現 その他の外貨換算 有価証券 最小年金 包括利益調整額 評価(損)益 債務調整額 (損失)累積額

1998年3月31日現在 ¥(144,766) ¥249,329 ¥ ― ¥ 104,563期中変動額 (141,586) 10,119 (7,251) (138,718)

1999年3月31日現在 (286,352) 259,448 (7,251) (34,155)期中変動額 (181,313) 82,870 7,251 (91,192)

2000年3月31日現在 (467,665) 342,318 ― (125,347)期中変動額 161,280 (304,995) (13,429) (157,144)

2001年3月31日現在 ¥(306,385) ¥ 37,323 ¥(13,429) ¥(282,491)

単位:百万米ドル

未実現 その他の外貨換算 有価証券 最小年金 包括利益調整額 評価(損)益 債務調整額 (損失)累積額

2000年3月31日現在 $(3,775) $ 2,763 $ ― $(1,012)期中変動額 1,302 (2,462) (108) (1,268)

2001年3月31日現在 $(2,473) $ 301 $(108) $(2,280)

その他の包括利益の各項目に係る税効果額の1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に

終了した各1年間の内訳は、次のとおりです。

単位:百万円

税効果考慮前 税効果 税効果考慮後

1999年3月31日に終了した1年間:外貨換算調整額 ¥(144,931) ¥ 3,345 ¥(141,586)未実現有価証券評価益:当期発生未実現利益 38,719 (17,590) 21,129控除:当期純利益への組替修正額 (20,703) 9,693 (11,010)最小年金債務調整額 (12,346) 5,095 (7,251)

その他の包括損失 ¥(139,261) ¥ 543 ¥(138,718)

2000年3月31日に終了した1年間:外貨換算調整額 ¥(182,910) ¥ 1,597 ¥(181,313)未実現有価証券評価益:当期発生未実現利益 163,896 (67,657) 96,239控除:当期純利益への組替修正額 (22,768) 9,399 (13,369)最小年金債務調整額 12,346 (5,095) 7,251

その他の包括利益(損失) ¥ (29,436) ¥(61,756) ¥ (91,192)

2001年3月31日に終了した1年間:外貨換算調整額 ¥ 163,100 ¥ (1,820) ¥ 161,280未実現有価証券評価損:当期発生未実現損失 (322,266) 147,804 (174,462)控除:当期純利益への組替修正額 (86,805) 35,833 (50,972)控除:退職給付信託への株式拠出益への組替修正額 (161,151) 81,590 (79,561)最小年金債務調整額 (22,869) 9,440 (13,429)

その他の包括利益(損失) ¥(429,991) ¥272,847 ¥(157,144)

単位:百万米ドル

税効果考慮前 税効果 税効果考慮後

2001年3月31日に終了した1年間:外貨換算調整額 $ 1,316 $ (14) $ 1,302未実現有価証券評価損:当期発生未実現損失 (2,602) 1,193 (1,409)控除:当期純利益への組替修正額 (700) 289 (411)控除:退職給付信託への株式拠出益への組替修正額 (1,301) 659 (642)最小年金債務調整額 (184) 76 (108)

その他の包括利益(損失) $(3,471) $2,203 $(1,268)

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82

19.金融商品:

トヨタは通常の事業において、金融資産、負債を含む金融商品およびオフバランスシート金融商品を保有

しております。トヨタは継続的なリスク管理戦略を採用し、ヘッジとして締結された先物為替予約、通貨オ

プション契約、金利スワップ契約、金利・通貨スワップおよび通貨スワップ契約を利用することにより、金融

資産および負債に係る市場金利変動のリスクを管理しております。これらの金融商品は信用度の高い金融機

関により決済され、事実上ほとんどの外国通貨による契約は米ドル、ユーロおよびその他の主要先進国通貨

で構成されております。金融商品は、程度の違いはありますが、金融商品の市場価格変動によるマーケッ

ト・リスク、および取引の相手側の契約不履行による信用リスクを含んでおります。外貨建および金利付の

商品の契約条件が相手側により実行されないという予期せぬ事象が生じた場合、公正価額を限度としてトヨ

タがリスクを負っております。トヨタは相手側の契約不履行により損失を被ることになる可能性があります

が、相手側の性質により重要な損失は見込んでおりません。トヨタの金融商品取引の相手側は、一般的に国

際的金融機関であります。また、これらの金融機関の信用力にもとづきトヨタは特定の取引先に重要な金額

が集中していません。相手側およびトヨタともに一般的に担保の提供をしておりません。トヨタはこれらの

金融機関に対する全体的な信用リスクに関して、重要性は低いと確信しております。

貸借対照表上および簿外の金融商品(有価証券、その他の投資有価証券および、関係会社に対する投資お

よびその他の資産を除く)の見積公正価額は以下のとおりであります。

単位:百万円

2000年3月31日現在

簿価 見積公正価額

資産(負債)現金・預金および現金同等物 ¥ 1,529,268 ¥ 1,529,268定期預金 92,845 92,845金融債権、純額 2,984,018 2,921,854その他の債権 374,398 374,398短期借入金 (1,359,754) (1,359,754)長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) (3,725,495) (3,784,524)先物為替予約 12,218 11,242金利・通貨スワップ (74,087) (72,217)買建てオプション 11,419 16,317売建てオプション (785) (785)

単位:百万円 単位:百万米ドル

2001年3月31日現在 2001年3月31日現在

簿価 見積公正価額 簿価 見積公正価額

資産(負債)現金・預金および現金同等物 ¥ 1,510,892 ¥ 1,510,892 $ 12,194 $ 12,194定期預金 48,917 48,917 395 395金融債権、純額 2,726,089 2,655,063 22,002 21,429その他の債権 357,380 357,380 2,884 2,884短期借入金 (1,469,007) (1,469,007) (11,856) (11,856)長期借入債務(1年以内に返済期限の到来する長期借入債務を含む) (3,653,267) (3,695,957) (29,486) (29,830)先物為替予約 (14,582) (14,614) (118) (118)金利・通貨スワップ (121,955) (33,914) (984) (274)買建てオプション 4,690 1,529 38 12売建てオプション 11,978 11,978 97 97

以下は金融資産、負債およびオフバランスシート金融商品に関する概要です。

現金・預金および現金同等物、定期預金およびその他の資産

通常の事業において、ほとんどの現金・預金および現金同等物、定期預金、およびその他の債権はきわめ

て流動性が高く、その貸借対照表価額はおおむね公正価額であります。

金融債権、純額

2000年3月31日および2001年3月31日現在の変動金利金融債権の貸借対照表価額は、それぞれの時点で

有効な利率によって調整されているため、おおむね公正価額であるとみなしております。固定金利金融債権

の公正価額は、期待される将来のキャッシュ・フローを、それらと同様の格付けと満期の貸付金を2000年3

月31日および2001年3月31日の時点で設定した場合の利率で割引くことにより、計算しております。

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ82

83

短期借入金および長期借入債務

短期借入金および1年以内の返済分を含む長期借入債務の公正価額は、それらと類似した負債をトヨタが

新たに借入れる場合に適用される利子率を使って、将来の返済額を現在価値に割引くことにより、計算して

おります。

デリバティブ金融商品

トヨタは主に、外貨建ての売上債権、買入債務、確定取引契約および将来の予定された取引高から生じ

るキャッシュ・フロー価値を、会社の主要なオペレーション部門における基軸通貨(日本円、米ドルおよび

ユーロ)に関連して確定するために、先物為替予約及び通貨オプション契約を利用しております。先物為替

予約は、大部分が8ヵ月以内で決済されるもので、主に外貨建ての売上債権、買入債務および将来の予定さ

れた外貨建て取引による為替レートの変動リスクをヘッジするためのものであります。2000年3月31日お

よび2001年3月31日現在の先物為替予約の残高は、それぞれ453,710百万円および239,993百万円(1,937

百万米ドル)であります。これらの予約残高の公正価額は市場価額によっております。

買建て通貨オプション契約は、その大部分が6ヵ月以内に行使日を迎えるものであり、先物為替予約と同

様に、外貨建て売上債権および将来の予定された外貨建て売上取引契約の為替変動に対するヘッジとして行

われております。2000年3月31日および2001年3月31日現在の想定元本はそれぞれ265,395百万円および

373,016百万円(3,011百万米ドル)であります。トヨタはまた売建て通貨オプション契約も行っており2000

年3月31日および2001年3月31日現在の想定元本はそれぞれ46,226百万円および282,418百万円(2,279百

万米ドル)であります。これらの売建て通貨オプション契約はレンジフォワード契約として行われており、前

述の対応する買建て通貨オプション契約と同じ月に行使日を迎え、支払オプション料を節減するためのみに

行われております。このほか、トヨタは2001年から2004年の間に行使日をむかえる買建て金利オプション

契約を行っており、2000年3月31日および2001年3月31日現在の想定元本は、それぞれ901,387百万円お

よび1,433,260百万円(11,568百万米ドル)であります。これらは有利子負債の利率変動の影響を軽減するた

めに行われているものであります。トヨタは2001年から2002年の間に行使日をむかえる売建て金利オプ

ション契約も行っており、2000年3月31日現在の想定元本は、98,192百万円であります。2001年3月31日

現在においてトヨタの金利オプション契約残高はありません。オプション契約の公正価額はブローカー価格

によっております。

金利スワップ契約、金利通貨スワップおよび通貨スワップ契約は、2001年から2014年までに満期となる

もので、有利子負債に対する金利および為替レート変動から生じる損失のリスクを軽減するために締結され

ているものであります。これらの契約の期間は、それらの対象となる債務もしくは債権の期間と一致してお

ります。対象となる債務を軽減する目的の金利スワップは市場価額で評価されず負債契約の期間にわたって

利息費用を修正するために使用されております。金利スワップ契約の想定元本の総額は2000年3月31日現

在で、支払変動分が1,826,932百万円および支払固定分が1,655,597百万円、2001年3月31日現在で、支払

変動分が3,086,746百万円(24,913百万米ドル)および支払固定分が532,385百万円(4,297百万米ドル)であ

ります。金利通貨スワップ契約および通貨スワップ契約についてはそれぞれ、2000年3月31日現在で

2,099,768百万円および119,758百万円、2001年3月31日現在についてはそれぞれ1,492,950百万円

(12,050百万米ドル)および118,893百万円(960百万米ドル)であります。期間の終了した金利スワップにか

かる損益は繰り延べられ対象となる負債の利息修正として認識されます。これらの契約の公正価額は将来

キャッシュ・フロー(純額)の割引価値として計算されております。

20.リース契約:

トヨタは、一部の資産をキャピタル・リースおよびオペレーテイング・リースにより使用しております。

キャピタル・リースに該当するリース資産の内容は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

資産の種類建物 ¥ ― ¥ 9,049 $ 73機械装置および器具 249,260 131,841 1,064控除:減価償却累計額 (96,820) (76,373) (616)

¥152,440 ¥ 64,517 $ 521

1999年3月31日、2000年3月31日および 2001年3月31日に終了した各1年間の、キャピタル・リースに係

る減価償却費は、それぞれ22,905百万円、27,991百万円、および10,101百万円(82百万米ドル)であります。

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ83

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21.契約債務および偶発債務ならびに将来の事業に影響を与えるリスクの集中:

2001年3月31日現在の有形固定資産およびその他の資産の購入等に関する契約債務は、約59,637百万円

(481百万米ドル)であります。

通常の事業における債務保証に係る偶発債務は、2001年3月31日現在、合計約719,623百万円(5,808百

万米ドル)であります。トヨタは、販売店が顧客と締結した一部のリース契約について、顧客の支払保証を行

っております。当該保証は、関連する車両によって担保されており、当該保証取引から損失が生ずると見込

まれる場合には引当が行われます。

1998年9月、カリフォルニア州大気資源局(California Air Resource Board)は、トヨタ及び米国子会社である

Toyota Technical Center, U.S.A., Inc. に対して、カリフォルニア州で販売された1996年モデル、1997年モデル、

1998年モデルの約337,000台のトヨタ車及びレクサス車のリコールを勧告しました。カリフォルニア州大

気資源局は、これらの車両に装備された燃料蒸発ガス検知装置が、車両における燃料蒸発ガス漏れを適切に

検知せず、燃料蒸発ガスに関する規制要件により要求される警告ランプが点灯しないと主張しております。

1998年10月、トヨタは、カリフォルニア州の行政手続の下でリコール勧告の取り消しを求めて上告しました。

かかる案件には行政法審判官が任命され、1999年7月に行政聴聞が開始されました。1998年10月、トヨタ

はカリフォルニア州行政手続のもとで、当該リコール勧告の取り消しを求め申請書を提出しました。かかる

案件には行政法審判官が任命され、1999年7月に行政聴聞が開始されました。2001年1月、双方当事者はそ

れぞれの立証を終了しました。2000年2月、行政審判官が審決案(recommended decision)を提示しましたが、

内容は(1)当該トヨタ車は燃料蒸発ガス漏れ検知装置の規制要件に適合している、(2)同装置の検知条件に

関するトヨタからカリフォルニア州大気資源局への通知は時宜的ではなかった、(3)当該リコール勧告は却

下すべきというものでありました。カリフォルニア州大気資源局は審決案の審議の日程をきめておらず、同

局の担当者が同局に審決案への決定を要請するかどうかはわかりません。また同局の担当者が審決案の調

査結果に基づいてトヨタに対して罰金訴訟を提起するかどうかはわかりません。現時点でトヨタは、これら

の不明要因がいつ解明されるかは予想できません。

キャピタル・リースに関して、将来支払われる最低リース料の年度別の金額およびその合計額の2001年3

月31日現在の現在価値は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了する年度:2002年 ¥ 14,171 $ 1152003年 13,275 1072004年 9,432 762005年 10,029 812006年 8,328 672007年以降 33,085 267

リース料の最低支払額 88,320 713控除:利息相当額 (15,589) (126)

現在価値 72,731 587控除:短期リース未払金 (10,062) (81)

長期キャピタル・リース未払金 ¥ 62,669 $ 506

1999年3月31日、2000年3月31日および2001年3月31日に終了した各1年間のオペレーティング・リース

に係る賃借料は、それぞれ69,113百万円、74,500百万円および57,187百万円(462百万米ドル)であります。

2001年3月31日現在における当初の契約期間または残存契約期間が1年以上で、解約不能な土地、建物、

器具に係るオペレーティング・リースの最低賃借料は次のとおりであります。

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了する1年間:2002年 ¥ 7,829 $ 632003年 6,949 562004年 5,279 422005年 4,188 342006年 3,563 292007年以降 10,743 87

将来の最低賃借料の支払額合計 ¥38,551 $311

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ84

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1999年7月、米国の環境保護局(Environmental Protection Agency)は、米国司法省を代理人として、トヨタ

の米国子会社であるToyota Motor Sales, U.S.A., Inc.を米国のコロンビア特別区の連邦地裁に提訴しました。

この訴訟は、米国において販売された1996年モデル、1997年モデル、1998年モデルの約220万台のトヨタ

車及びレクサス車(カリフォルニア州の行政手続の対象である車両を含む)に関連したものであります。こ

の訴訟では、トヨタの燃料蒸発ガス漏れ検出装置が法規不適合であるとするカリフォルニア州の行政手続と

同様、トヨタは米国のClean Air Actに違反しているとされております。環境保護局と司法省は、適用される連

邦規制を遵守しない1996年モデルから1998年モデルの新車を米国において販売することを永久的に禁止

し、またClean Air Act違反を改善するために適切な措置を取るようトヨタに要求する判決を求めています。

また同法に違反して販売されたと環境保護局と司法省が主張する車両についてそれぞれ1件の違反につき法

律で定められた制裁金上限の27,500ドルも請求しています。1999年11月に、環境保護局と司法省はトヨタ

及び米国子会社であるToyota Technical Center, U.S.A., Inc.を被告人として追加しました。トヨタはこの訴訟を

却下するか、もしくはカリフォルニア州の行政聴聞手続が終了するまで訴訟審理を延期するよう申立てまし

たが、2000年10月に却下されました。2000年11月に、裁判所は2001年の初めに開示手続を始める旨の訴

訟指揮命令を出しました。文書開示手続は2001年2月に始まりました。トヨタは訴訟の進行スケジュールを

予想することはできません。

トヨタは、連邦及びカリフォルニア州の請求に対して正当な防御を擁していると考えており、両請求に対

して積極的に防御していく姿勢であります。訴訟は多数の不確定要素に左右されるため、トヨタがこれらの

訴訟による結果を予想することはできません。かかる案件のいずれの最終的な決定が、特定の会計年度のト

ヨタの連結業績及びキャッシュ・フローに重要な影響を及ぼす可能性はありますが、トヨタは、これらの案件

がその連結財務状況に重要な影響を及ぼすとは考えておりません。

トヨタは他にも、米国における製造物責任訴訟を含む数件の訴訟、行政当局の処分その他のクレームに関

与しております。それらの事項の一部については、実質的な損害の可能性についての検討を要するものの、

債務の存在および結果としての損失額を確定することはできません。特定の偶発債務として計上された金額

は見積であり、トヨタ及びその法律顧問により、定期的にレビューされ、また利用可能な追加情報を反映さ

せるために調整されております。偶発債務のための将来費用の見積には本質的に不確定要素があることを

条件として、トヨタの経営陣は、それらの訴訟等による損害が仮にあったとしても、トヨタの財政状態、経営

成績またはキャッシュ・フローに重大な悪影響を及ぼすものではないと考えております。

2000年9月に、欧州連合は加盟国に2002年4月21日までに以下を実施するための法令を作ることを要求

する議案書を承認しました:(1)各自動車メーカーは2002年7月1日以降に販売した自動車を対象に、使用済

み車の回収及びその後の解体とリサイクル費用を負担する。2007年1月1日以降には、各自動車メーカーは

さらに2002年7月1日以前に売出された自動車についてもかかる費用を負担する。(2)各自動車メーカーは

2003年7月以降に販売される自動車に特定有害物質を使用してはならない。そして(3)将来の議案書で決め

られる日付以降には、自動車部品の95%が再利用可能かつ復元可能なものでなければならない。

さらにこの議案書では、加盟国は適切な措置を取り、各自動車メーカー、販売店並びにその他の自動車関

連業者が適切な廃車処理施設を設立し、自動車の廃棄前に有害物質と再利用可能な部品を取除くように確保

しなければなりません。欧州連合に加盟している各国議会で制定される法令は、廃棄自動車に対して各自動

車メーカーが支払う費用に重大な影響を及ぼすものと思われます。この議案書は欧州連合で販売されるトヨ

タ車に影響します。現在トヨタはこの議案書がトヨタの業績、キャッシュフロー及び財務状況に与える影響

について検討を行っております。

トヨタは大部分の材料を関係会社より購入しております。これらの購入は材料費のおおむね10%であります。

トヨタは大部分の労働力を、従業員との団体交渉による労働協約のもとで雇用しておりますが、現行の協

約の有効期間は2001年12月31日に終了する予定であります。

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以下に報告されているオペレーティング・セグメントは区分された財務情報が入手可能なもので、その営業

損益が経営陣によって経営資源の配分の決定および業績の評価に定期的に使用されているものであります。

トヨタの世界的事業の主要部分は、自動車及び金融サービスで成り立っております。自動車セグメントで

は、自家用自動車、レクレーショナルおよびスポーツユーティリティカー、ミニバン、トラックおよび関連部

品・アクセサリーをデザインし、製造し、組み立て、そして販売しております。金融サービスセグメントは、

主として金融事業ならびにトヨタ製品および他の製品の販売を補完するための車両および機器のリース事業

から構成されております。その他の製品セグメントは、2001年3月31日に終了した1年間において処分され

たトヨタの情報通信ビジネス、産業用機器および住宅の製造・販売ならびにその他の種々の事業活動を含ん

でおります。

次の表は、1999年3月31日、2000年3月31日、および2001年3月31日現在ならびにそれぞれの日に終了

した各1年間におけるトヨタの事業の種類別セグメントおよび所在地別セグメントに関する情報であります。

セグメント別損益および資産の情報

1999年3月31日あるいは同日に終了した1年間:

単位:百万円

セグメント間金融 消去及び

自動車 サービス その他 配賦不能額 合計

収益 ¥11,139,140 ¥ 594,678 ¥1,174,225 ¥ (220,622) ¥12,687,421減価償却費および償却費 566,969 230,955 66,300 ― 864,224営業利益 686,954 38,347 28,977 (3,870) 750,408セグメント資産 7,424,177 4,481,106 931,988 3,041,914 15,879,185持分法適用会社に対する投資 936,499 170,237 8,467 113,260 1,228,463セグメント資産に対する支出 932,258 603,175 168,041 27,823 1,731,297

2000年3月31日あるいは同日に終了した1年間:

単位:百万円

セグメント間金融 消去及び

自動車 サービス その他 配賦不能額 合計

収益 ¥11,098,864 ¥ 534,154 ¥1,207,787 ¥ (191,028) ¥12,649,777減価償却費および償却費 574,533 183,174 64,608 ― 822,315営業利益 638,990 31,667 26,453 1,451 698,561セグメント資産 7,557,700 4,752,270 1,089,532 3,041,458 16,440,960持分法適用会社に対する投資 1,066,349 179,845 8,702 49,595 1,304,491セグメント資産に対する支出 720,682 465,808 196,732 (6,518) 1,376,704

2001年3月31日あるいは同日に終了した1年間:

単位:百万円

セグメント間金融 消去及び

自動車 サービス その他 配賦不能額 合計

収益 ¥11,723,043 ¥ 571,058 ¥1,069,378 ¥ (226,409) ¥13,137,070減価償却費および償却費 569,159 164,503 51,122 ― 784,784営業利益(損失) 765,557 31,693 (4,578) (1,943) 790,729セグメント資産 7,951,107 5,531,568 584,948 2,952,160 17,019,783持分法適用会社に対する投資 1,155,536 181,285 8,411 50,981 1,396,213セグメント資産に対する支出 776,086 358,026 109,320 (42,026) 1,201,406

単位:百万米ドル

セグメント間金融 消去及び

自動車 サービス その他 配賦不能額 合計

収益 $94,617 $ 4,609 $8,631 $ (1,827) $106,030減価償却費および償却費 4,594 1,328 412 ― 6,334営業利益(損失) 6,179 256 (37) (16) 6,382セグメント資産 64,174 44,645 4,721 23,827 137,367持分法適用会社に対する投資 9,326 1,463 68 412 11,269セグメント資産に対する支出 6,264 2,890 881 (339) 9,696

22.セグメント情報:

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87

地域別情報

3月31日に終了した1年間の収益:

単位:単位:百万円 百万米ドル

1999年 2000年 2001年 2001年

日本 外部顧客 ¥ 6,029,530 ¥ 6,280,553 ¥ 6,462,066 $ 52,156連結会社間 3,113,499 3,112,958 3,308,518 26,703

合計 9,143,029 9,393,511 9,770,584 78,859

北米 外部顧客 4,617,936 4,517,648 4,802,167 38,758連結会社間 119,413 141,168 164,280 1,326

合計 4,737,349 4,658,816 4,966,447 40,084

欧州 外部顧客 1,187,638 1,088,095 1,013,967 8,184連結会社間 17,250 14,548 31,295 253

合計 1,204,888 1,102,643 1,045,262 8,437

その他海外 外部顧客 852,317 763,481 858,870 6,932連結会社間 52,760 63,254 81,729 660

合計 905,077 826,735 940,599 7,592

連結会社間収益の消去 (3,302,922) (3,331,928) (3,585,822) (28,942)

連結合計 ¥12,687,421 ¥12,649,777 ¥13,137,070 $106,030

3月31日に終了した1年間の営業利益(損失):

単位:単位:百万円 百万米ドル

1999年 2000年 2001年 2001年

日本 ¥585,923 ¥539,731 ¥623,195 $5,030北米 149,161 159,457 194,548 1,570欧州 12,251 (9,897) (24,893) (201)その他海外 1,706 3,658 6,636 54セグメント間利益の消去 1,367 5,612 (8,757) (71)

連結合計 ¥750,408 ¥698,561 ¥790,729 $6,382

3月31日現在の長期性資産:

単位:単位:百万円 百万米ドル

1999年 2000年 2001年 2001年

日本 ¥2,767,249 ¥2,788,733 ¥2,347,840 $18,949北米 1,820,158 1,503,927 1,645,856 13,284欧州 248,807 224,612 283,468 2,288その他海外 190,048 181,706 180,738 1,459

連結合計 ¥5,026,262 ¥4,698,978 ¥4,457,902 $35,980

収益は、当社又は外部顧客に対して販売している子会社の所在地をベースにした地域別に集計されてお

ります。

売上高および営業収入、長期性資産について、その他海外に含まれている個別に金額的重要性のある国は

ありません。

事業の種類別もしくは地域別セグメント間取引は、トヨタのマネジメントがほぼ独立企業間価格であると

考えている価格で行われております。報告セグメントの損益を測定するにあたって、営業利益は売上高およ

び営業収入から売上原価および営業費用を控除したものとしております。配賦不能資産は主に、全社共通の

目的で保有している現金および現金同等物並びに市場性ある有価証券で構成されております。

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ87

88

金融サービスビジネスおよび非金融サービスビジネスに関しての財務諸表情報

2000年7月7日、トヨタは全世界のトヨタの金融会社を統括するために100%子会社のトヨタファイナン

シャルサービス(以下、TFS)を日本に設立しました。TFSを通して、トヨタは金融サービス事業を改善し、金

融ネットワークを30以上の国々に広げることを予定しております。

2000年会計年度より、トヨタは金融サービスビジネスおよび非金融サービスビジネスに関してのセグメ

ント別財務諸表情報を作成するようになりました。この財務諸表情報は、2000年3月31日および2001年3月

31日現在の貸借対照表及び2001年3月31日に終了した3年間の損益計算書並びに2001年3月31日に終了し

た2年間のキャッシュ・フロー計算書を含みます。

貸借対照表

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

非金融サービスビジネス流動資産:現金・預金および現金同等物 ¥ 1,398,500 ¥ 1,456,750 $ 11,757定期預金 89,548 48,917 395有価証券 578,145 475,463 3,837受取手形および売掛金 1,214,605 1,272,764 10,272金融債権-純額 8,590 10,635 86棚卸資産 787,161 873,456 7,050前払費用およびその他の流動資産 828,714 1,025,355 8,276

流動資産合計 4,905,263 5,163,340 41,673

長期金融債権-純額: 13,588 18,835 152投資およびその他の資産: 3,652,279 3,385,418 27,324有形固定資産: 3,680,276 3,446,417 27,816

非金融サービスビジネス資産合計 12,251,406 12,014,010 96,965

金融サービスビジネス流動資産:現金・預金および現金同等物 130,768 54,142 437 定期預金 3,297 ― ―有価証券 12,730 12,633 102受取手形および売掛金 9,675 7,813 63金融債権-純額 1,180,666 1,622,612 13,096棚卸資産 3,255 2,796 23前払費用およびその他の流動資産 356,030 377,073 3,043

流動資産合計 1,696,421 2,077,069 16,764

長期金融債権-純額: 1,781,172 2,049,933 16,545投資およびその他の資産: 294,148 393,079 3,173有形固定資産: 980,529 1,011,487 8,164

金融サービスビジネス資産合計 4,752,270 5,531,568 44,646

消去: (562,716) (525,795) (4,244)

資産合計 ¥16,440,960 ¥17,019,783 $137,367

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89

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日現在 3月31日現在

2000年 2001年 2001年

非金融サービスビジネス流動負債:短期借入金 ¥ 680,522 ¥ 621,648 $ 5,0171年以内に返済期限の到来する長期借入債務 160,546 48,292 390支払手形および買掛金 1,262,004 1,248,698 10,078未払費用 664,520 780,650 6,301未払法人税等 96,831 247,613 1,999その他の流動負債 671,712 814,775 6,576

流動負債合計 3,536,135 3,761,676 30,361

固定負債:長期借入債務 1,004,441 775,256 6,257未払退職・年金費用 658,009 503,306 4,062その他の固定負債 371,738 299,684 2,418

固定負債合計 2,034,188 1,578,246 12,737

非金融サービスビジネス負債合計 5,570,323 5,339,922 43,098

金融サービスビジネス流動負債:短期借入金 865,913 1,098,527 8,8661年以内に返済期限の到来する長期借入債務 707,203 766,522 6,187支払手形および買掛金 37,741 43,294 350未払費用 35,703 36,195 292未払法人税等 11,056 4,622 37その他の流動負債 219,756 214,783 1,733

流動負債合計 1,877,372 2,163,943 17,465

固定負債:長期借入債務 2,106,584 2,462,719 19,876未払退職・年金費用 1,192 1,844 15その他の固定負債 232,783 315,790 2,549

固定負債合計 2,340,559 2,780,353 22,440

金融サービスビジネス負債合計 4,217,931 4,944,296 39,905

消去: (449,665) (526,963) (4,252)少数株主持分: 190,231 185,117 1,494資本: 6,912,140 7,077,411 57,122

負債および資本合計 ¥16,440,960 ¥17,019,783 $137,367

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損益計算書

単位:単位:百万円 百万米ドル

3月31日に終了した

3月31日に終了した1年間 1年間

1999年 2000年 2001年 2001年

非金融サービスビジネス収益 ¥12,106,573 ¥12,122,783 ¥12,582,339 $101,553売上原価および販売費・一般管理費:売上原価および金融費用 9,819,777 9,847,306 10,229,269 82,560販売費および一般管理費 1,567,677 1,607,501 1,581,775 12,767

11,387,454 11,454,807 11,811,044 95,327

営業利益 719,119 667,976 771,295 6,226

その他の収益(費用)純額 121,862 169,349 298,018 2,405

税引前利益 840,981 837,325 1,069,313 8,631法人税等 408,837 404,299 504,359 4,071

少数株主持分および持分法投資損益前利益 432,144 433,026 564,954 4,560

少数株主持分損益 (17,098) (7,380) (11,959) (96)持分法投資損益 12,501 29,259 94,334 761

当期純利益-非金融サービスビジネス 427,547 454,905 647,329 5,225

金融サービスビジネス収益 594,678 534,154 571,058 4,609

売上原価および販売費・一般管理費:売上原価および金融費用 457,449 402,621 420,327 3,392販売費および一般管理費 98,882 99,866 119,038 961

556,331 502,487 539,365 4,353

営業利益 38,347 31,667 31,693 256

その他の収益(費用)純額 (2,841) 13,149 7,074 57

税引前利益 35,506 44,816 38,767 313法人税等 17,015 18,432 19,637 159

少数株主持分および持分法投資損益前利益 18,491 26,384 19,130 154

少数株主持分損益 (276) (101) (209) (2)持分法投資損益 6,101 2,360 9,280 75

当期純利益-金融サービスビジネス 24,316 28,643 28,201 227

消去 (217) (1,612) (632) (5)

当期純利益 ¥ 451,646 ¥ 481,936 ¥ 674,898 $ 5,447

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キャッシュ・フロー計算書

単位:百万円

2000年3月31日に終了した1年間

非金融 金融サービス サービスビジネス ビジネス 連結

営業活動からのキャッシュ・フロー:当期純利益 ¥ 454,905 ¥ 28,643 ¥ 481,936営業活動から得た現金・預金(純額)への当期純利益の調整―有形固定資産の減価償却費および無形固定資産の償却費 639,141 183,174 822,315貸倒引当金および金融損失引当金繰入額 7,043 26,712 33,755退職・年金費用(支払額控除後) 27,212 95 27,307固定資産処分損 19,215 329 19,544売買目的有価証券の未実現評価益 (41,614) ― (41,614)繰延税額 59,482 3,023 88,406少数株主持分損失 7,380 101 7,632持分法投資利益 (29,259) (2,360) (31,619)資産および負債の増減 (264,622) (135,802) (387,599)その他 36,685 67,550 78,862

営業活動から得た現金・預金(純額) 915,568 171,465 1,098,925

投資活動からのキャッシュ・フロ-:金融債権の増加 (1,306) (2,677,980) (2,681,142)金融債権の回収および売却 ― 2,088,063 2,088,063固定資産の購入(賃貸資産を除く) (794,092) (44,217) (838,309)賃貸資産の購入 (115,724) (422,671) (538,395)固定資産の売却(賃貸資産を除く) 76,242 4,133 80,375賃貸資産の売却 66,581 315,271 381,852投資およびその他の資産に関する支払 (3,130) (10,692) (61,261)有価証券および投資有価証券の購入 (1,061,570) (83,269) (1,144,839)有価証券および投資有価証券の売却および満期償還による収入 909,331 75,700 985,031定期預金の(増加)減少 327,447 (3,853) 323,594関連会社への追加投資支払(当該関連会社保有現金控除後) (12,550) (5,801) (18,351)その他 (24,467) 2,829 34,865

投資活動に使用した現金・預金(純額) (633,238) (762,487) (1,388,517)

財務活動からのキャッシュ・フロ-:自己株式の買入消却 (45,929) ― (45,929)長期借入債務 84,327 917,818 1,006,046長期借入債務の返済 (78,636) (563,067) (654,745)短期借入の増加 35,386 307,426 332,853支払配当金 (87,958) ― (87,958)

財務活動から得た(に使用した)現金・預金(純額) (92,810) 662,177 550,267

為替相場変動の現金・預金および現金同等物に対する影響額 (38,334) (27,131) (65,465)

現金・預金および現金同等物純増加(減少)額 151,186 44,024 195,210現金・預金および現金同等物期首残高 1,247,314 86,744 1,334,058

現金・預金および現金同等物期末残高 ¥ 1,398,500 ¥ 130,768 ¥ 1,529,268

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92

単位:百万円 単位:百万米ドル

2001年3月31日に終了した1年間 2001年3月31日に終了した1年間

非金融 金融 非金融 金融サービス サービス サービス サービスビジネス ビジネス 連結 ビジネス ビジネス 連結

営業活動からのキャッシュ・フロー:当期純利益 ¥ 647,329 ¥ 28,201 ¥ 674,898 $ 5,225 $ 227 $ 5,447営業活動から得た現金・預金(純額)への当期純利益の調整―有形固定資産の減価償却費および無形固定資産の償却費 620,281 164,503 784,784 5,006 1,328 6,334貸倒引当金および金融損失引当金繰入額 5,675 21,102 27,131 46 170 219退職・年金費用(支払額控除後) 44,665 473 45,138 360 4 364固定資産処分損 21,541 868 22,409 174 7 181売買目的有価証券の未実現評価損 13,377 ― 13,377 108 ― 108通信関連子会社に対する持分の処分による実現利益 (180,950) ― (180,950) (1,460) ― (1,460)退職給付信託への株式拠出益 (161,151) ― (161,151) (1,301) ― (1,301)繰延税額 38,541 10,904 49,325 311 88 398少数株主持分損失 11,959 209 12,129 96 2 98持分法投資利益 (94,334) (9,280) (103,614) (761) (75) (836)資産および負債の増減 155,491 (61,384) 197,451 1,255 (495) 1,594その他 (62,014) 108,405 47,091 (501) 875 380

営業活動から得た現金・預金(純額) 1,060,410 264,001 1,428,018 8,558 2,131 11,526

投資活動からのキャッシュ・フロ-:金融債権の増加 (7,291) (3,690,085) (3,697,376) (59) (29,783) (29,842)金融債権の回収および売却 ― 3,308,971 3,308,971 ― 26,707 26,707固定資産の購入(賃貸資産を除く) (710,495) (51,779) (762,274) (5,734) (418) (6,152)賃貸資産の購入 (132,885) (306,247) (439,132) (1,072) (2,472) (3,544)固定資産の売却(賃貸資産を除く) 52,227 9,038 61,265 421 73 494賃貸資産の売却 67,264 269,783 337,047 543 2,177 2,720投資およびその他の資産に関する支払 (19,175) (15,795) (70,906) (155) (127) (572)有価証券および投資有価証券の購入 (644,312) (304,746) (949,058) (5,200) (2,460) (7,660)有価証券および投資有価証券の売却および満期償還による収入 623,359 209,278 832,017 5,031 1,690 6,715定期預金の減少 41,971 3,219 45,190 339 26 365関連会社への追加投資支払(当該関連会社保有現金控除後) (34,204) ― (34,204) (276) ― (276)その他 50,389 403 49,722 406 3 401

投資活動に使用した現金・預金(純額) (713,152) (567,960) (1,318,738) (5,756) (4,584) (10,644)

財務活動からのキャッシュ・フロ-:自己株式の買入消却 (265,012) ― (265,012) (2,139) ― (2,139)長期借入債務 261,939 912,926 1,117,360 2,114 7,369 9,018長期借入債務の返済 (186,971) (827,516) (958,475) (1,509) (6,679) (7,735)短期借入の増加(減少) (46,006) 138,533 28,039 (371) 1,118 226支払配当金 (88,625) ― (88,625) (715) ― (715)

財務活動から得た(に使用した)現金・預金(純額) (324,675) 223,943 (166,713) (2,620) 1,808 (1,345)

為替相場変動の現金・預金および現金同等物に対する影響額 35,667 3,390 39,057 288 27 315

現金・預金および現金同等物純増加(減少)額 58,250 (76,626) (18,376) 470 (618) (148)現金・預金および現金同等物期首残高 1,398,500 130,768 1,529,268 11,287 1,055 12,342

現金・預金および現金同等物期末残高 ¥ 1,456,750 ¥ 54,142 ¥ 1,510,892 $11,757 $ 437 $12,194

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93

公認会計士の監査報告書

2001年6月29日

トヨタ自動車株式会社の株主各位および取締役会へ

私どもの意見によれば、添付の連結貸借対照表、ならびにこれに関連する連結損益計算書、連結株主持分計

算書および連結キャッシュ・フロー計算書は、トヨタ自動車株式会社およびその連結子会社の2000年3月31

日および2001年3月31日現在の財政状態ならびに2001年3月31日に終了した3年間の経営成績およびキャッ

シュ・フローを、米国において一般に公正妥当と認められた会計原則に準拠し、すべての重要な点において

適正に表示している。これらの財務諸表は、会社の経営者の責任のもとに作成されたものであり、私どもの

責任は、私どもの監査に基づいてこれらの財務諸表についての意見を表明することである。私どもは、米国

において一般に認められた監査基準に準拠して監査を実施した。これらの監査基準は、財務諸表に重要な誤

った記載がないかどうかについて合理的な確証を得るように、私どもが監査を計画し、実施することを要求

している。監査は、財務諸表における金額や開示の基礎となる証拠の試査による検証、経営者が採用した会

計原則および経営者が行った重要な見積りの検討、ならびに財務諸表全体の表示に関する評価を含んでいる。

私どもは、私どもの監査が上述の監査意見に対する合理的な基礎を提供していると確信している。

PricewaterhouseCoopers〒450-8565

名古屋市中村区名駅3-28-12

大名古屋ビル7F

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ93

2001 2000 1999

販売台数

国内 2,322,838 2,177,524 1,929,279

海外 3,204,025 3,005,250 2,765,868

北米 1,733,569 1,689,483 1,485,095

欧州 691,135 633,879 557,506

中近東・南西アジア 185,553 150,549 183,996

オセアニア 183,201 175,558 183,893

中南米 145,420 135,078 163,802

東・東南アジア 220,092 164,383 131,810

アフリカ 38,768 45,811 51,320

その他 6,287 10,509 8,446

計 5,526,863 5,182,774 4,695,147

単位:百万円 単位:千ドル

売上高 ¥13,424,423 $108,349,854 ¥12,879,561 ¥12,749,009

当期純利益 471,295 3,803,834 406,798 356,180

総資産 17,519,427 141,399,734 16,469,054 14,753,312

株主資本 7,114,567 57,421,848 6,796,666 6,175,937

資本金 397,049 3,204,592 397,020 397,021

設備投資額* 818,795 6,608,515 865,865 973,479

減価償却費* 749,752 6,051,267 754,934 606,134

単位:円 単位:米ドル

1株当たり金額

当期純利益 ¥ 127.88 $ 1.03 ¥ 109.95 ¥ 94.22

配当金 25.00 0.20 24.00 23.00

株主資本 1,956.57 15.79 1,841.53 1,642.91

株主資本比率 40.6% 41.3% 41.9%

期末発行済株式数(千株) 3,684,997 3,749,405 3,760,650

期末従業員数 215,648 210,709 183,879

*除、リース用車両

注:1. 日本の会計原則と米国の会計原則では、主に有価証券の評価、外貨建て財務諸表の換算、発生済有給休暇、退職解雇給付金及び包括利益において相違しています。

2. 一株当たり金額は各年度の平均発行済株式数に基づいて計算し、更に株式分割については遡及的に調整計算しています。

3. 配当金には、中間配当を含んでいます。

4. 米ドル金額は読者の便宜のため記載しているもので、2001年3月30日現在のおよその実勢為替相場1米ドル=123.90円を用いて表示しています。

5. 1999年3月終了年度以前の従業員数については在籍人員数を、2000年3月終了会計年度以降の従業員数については就業人員数を記載しています。

94

日本の会計原則に基づく過去10年間の要約連結財務情報(未監査)

トヨタ自動車株式会社および連結子会社1995―2001年3月終了会計年度及び1992―1994年6月終了会計年度

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ94

95

1998 1997 1996 1995(9ヶ月) 1994 1993 1992

単位:台

1,907,059 2,216,072 2,058,457 1,560,970 2,010,130 2,159,474 2,331,091

2,549,285 2,343,443 2,090,184 1,699,700 2,120,716 2,306,742 2,180,742

1,293,121 1,201,309 1,117,248 911,578 1,105,447 1,134,005 1,130,653

500,668 415,580 360,003 288,065 384,249 442,291 433,079

154,065 129,436 89,295 90,870 144,162 185,078 177,226

149,481 147,828 85,022 72,549 91,532 86,179 80,792

149,970 99,649 111,028 76,528 90,101 106,497 85,888

243,829 295,859 278,688 224,401 270,936 303,083 220,103

49,935 44,759 43,173 31,516 29,275 44,051 45,613

8,216 9,023 5,727 4,193 5,014 5,558 7,388

4,456,344 4,559,515 4,148,641 3,260,670 4,130,846 4,466,216 4,511,833

単位:百万円

¥11,678,397 ¥12,243,835 ¥10,718,740 ¥ 8,120,975 ¥9,362,732 ¥10,210,749 ¥10,163,376

454,350 385,916 256,977 131,953 125,807 176,465 237,841

13,854,355 12,704,833 11,342,448 10,395,816 9,657,638 9,414,417 9,582,708

6,021,896 5,676,825 5,316,998 5,020,842 4,829,755 4,762,546 4,718,885

396,995 354,657 285,122 275,198 261,800 260,513 260,161

788,742 664,400 471,300 282,600 330,000 555,900 768,300

508,380 446,796 405,881 330,320 400,366 444,810 439,931

単位:円

¥ 118,77 ¥ 100.21 ¥ 66.55 ¥ 34.40 ¥ 32.95 ¥ 46.04 ¥ 61.90

23.00 22.00 19.00 14.50 19.00 19.00 19.00

1,563.16 1,497.35 1,417.21 1,343.14 1,297.13 1,279.69 1,268.12

43.5% 44.7% 46.9% 48.3% 50.0% 50.6% 49.2%

3,804,172 3,791,254 3,751,744 3,738,135 3,723,406 3,721,631 3,721,165

159,035 150,736 146,855 142,068 110,534 109,279 108,167

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ95

96

取締役および監査役

2001年7月1日現在

取締役会長

奥田 碩

取締役副会長

磯村 巌

池渕 浩介

取締役社長

張  富士夫

取締役副社長

清水 哲太

上坂 凱勇

齋藤 明彦

荒木 W司

石坂 Q男

白水 宏典

渡辺 捷昭

三R S

岩月 一詞

専務取締役

長谷川 康司

山内 康仁

安田 善次

神尾 W

渡邉 浩之

常務取締役

中川 勝弘

松原 彰雄

浦西 T一

渡辺 顯好

冨田 務

加藤 由人

岡本 一雄

近藤 詔治

笹津 恭士

木下 光男

水嶋 敏夫

深津 泰彦

内山田 竹志

豊田 周平

取締役名誉会長

豊田 章一郎

取締役

田口 俊明

稲葉 良U

箕浦 輝幸

瀧本 正民

狩野 耕

安川 彰R

服部 哲夫

吉田 博昭

神尾 克幸

中西 清

布野 幸利

鈴木 武

新美 篤志

豊田 章男

若山 甫

V田 坦史

立花 貞司

佐々木 眞一

南  和俊

金田 新

小野 博信

岡部 聰

白井 芳夫

一丸 陽一郎

井川 正治

監査役

井上 輝一

宮原 秀彰

村松 吉明

豊田 芳年

岡村 泰孝

AR2001(J)後半再校RE.8/3のコピー 01.8.8 1:23 PM ページ96

トヨタ自動車株式会社

創 立

1937年8月28日

上場証券取引所

国内

東京、名古屋、大阪、福岡、札幌

海外

ニューヨーク、ロンドン

発行済株式総数(2001年3月31日現在)

3,684,997,492株

株主数(2001年3月31日現在)

177,453

大株主(上位10名、2001年3月31日現在)

株式会社豊田自動織機製作所

株式会社三和銀行

株式会社さくら銀行

日本生命保険相互会社

株式会社東海銀行

中央三井信託銀行株式会社

日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社

株式会社東京三菱銀行

みずほ信託銀行株式会社

株式会社新生銀行

投資家窓口

本社

〒471-8571

愛知県豊田市トヨタ町1番地

電話:(0565)28-2121

ファクシミリ:(0565)23-5800

東京本社

〒112-8701

東京都文京区後楽1丁目4番18号

電話:(03)3817-7111

ファクシミリ:(03)3817-9034

ニューヨーク

Toyota Motor North America, Inc.

9 West 57th St., Suite 4900, New York,

NY 10019, U.S.A.

電話:(212)223-0303

ファクシミリ:(212)759-7670

ロンドン

Toyota Financial Services (UK) PLC

9 Clifford Street, London,

W1S 2LD, U.K.

電話:(020)7851-2312

ファクシミリ:(020)7851-2339

株主関連業務

株式名義書換代理人

東洋信託銀行株式会社

〒100-0005

東京都千代田区丸ノ内1丁目4番3号

電話:(03)3287-2211

米国預託証券の名義書換・預託代理人

The Bank of New York

101 Barclay Street, 22 West

New York, NY 10286, U.S.A.

電話:(212)815-2042

フリーダイアル(米国内):888-269-2377

(888-BNY-ADRS)

http://www.adrbny.com

比率:1ADR=2普通株

シンボル:TM

ホームページアドレス

日本語サイト

http://www.toyota.co.jp

英語サイト

http://www.global.toyota.com

97

株式情報

1996 1997 1998 1999 2000 2001

0

20

60

40

100

80

120

株式売上高(百万株) �

¥0

¥1,000

¥3,000

¥2,000

¥5,000

¥4,000

¥6,000

¥0

¥10,000

¥30,000

¥20,000

¥50,000

¥40,000

¥60,000

株価(左目盛)�

日経平均**(右目盛)�

東京証券取引所における株価および売買高*

* 2001年3月31日終了の1年間における上記国内証券取引所5カ所の売買高合計に占める東京証券取引所の割合は92.14%でした。**月々の高値と安値の単純平均

このアニュアルレポートはすべてリサイクル可能な再生紙を使用しています。

Toyota AR2001表紙(J).7/のコピー 01.8.8 4:35 PM ページ1