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1 UDトラックス株式会社 コモンレール・システム 通 称 名 車両型式 エンジン型式 適用時期 出 典 資 料 コンドル SKG-MK38 TKG-MK38 SKG-LK38 TKG-LK38 SKG-LK39 TKG-LK39 LKG-PK39 QKG-PK39 LDG-PW39 GH5TA GH7TA GH7TB 2010.10 ~ 整備要領書 2010・2011 年モデル 中・普通型トラック (別冊)エンジン編 GH5:No.S2000 3A56A (別冊)エンジン編 GH7:No.S2000 3A57A 1 概 要(図- 1,2) コモンレール・システムは,排出ガス規制をクリアするために欠かせない,高い噴射圧力を確保することが 可能なシステムで,サプライ・ポンプ,コモンレール,インジェクタ,エンジンの運転状態を検出する各セ ンサ,これらを制御するコントロール・ユニットなどで構成されている。サプライ・ポンプによって生成さ れた高圧燃料は,コモンレールによって各気筒のインジェクタに分配され,運転条件に適応する理想的な燃 料噴射量及び噴射時期を電気的に制御している。 UD トラックスでは,新開発の GH5TA,GH7TA/B 型エンジンに,高い噴射圧力で燃料を微細化し空気と の混合を促すことで完全燃焼させPM(粒子状物質)の発生を削減すると共に,高い燃焼効率により低燃費も 実現した最大燃料噴射圧力 2000 気圧の新世代コモンレールを採用している。 GH5TA,GH7TA/B 型エンジンは,コモンレールによる超高圧燃料噴射のほかに,大型 EGR,UDPC(UD パティキュレート・クリーニング),尿素SCRシステムの排出ガス低減の環境技術を採用し,平成21,22 年排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合している。また,排気管内に直接燃料を噴射することで,エンジ ン・オイルを希釈することなく,UDPC の再生を助ける AHI (アフタートリートメント・ハイドロカーボ ン・インジェクション)を装備している。更に,電子制御によるエンジン全体制御の最適化,フリクション の低減などを図り,高出力・低燃費エンジンを実現している。 〈エンジン主要諸元〉 GH5TA GH7TA GH7TB 過給方式 L4 Tci L6 Tci 総排気量  〔cm 3 {L}〕 4675{4.675} 7013{ 7.013 }  内径×行程  〔mm〕 110 × 123  最高出力  〔kW{PS}/r/min〕 158{ 215 }/2500 180{ 245 }/2500 206{ 280 }/2500 最大トルク  〔N・m{kgf・m}/r/min〕 628{ 64 }/1400 716{ 73 }/1400 883{ 90 }/1400

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UDトラ ッ ク ス 株 式 会 社

コモンレール・システム通 称 名 車 両 型 式 エンジン型式 適 用 時 期 出 典 資 料

コンドル

SKG-MK38TKG-MK38SKG-LK38TKG-LK38SKG-LK39TKG-LK39LKG-PK39QKG-PK39LDG-PW39

GH5TAGH7TAGH7TB

2010.10~

整備要領書2010・2011年モデル 中・普通型トラック(別冊)エンジン編 GH5:No.S2000 3A56A(別冊)エンジン編 GH7:No.S2000 3A57A

1 概 要(図-1,2)

コモンレール・システムは,排出ガス規制をクリアするために欠かせない,高い噴射圧力を確保することが可能なシステムで,サプライ・ポンプ,コモンレール,インジェクタ,エンジンの運転状態を検出する各センサ,これらを制御するコントロール・ユニットなどで構成されている。サプライ・ポンプによって生成された高圧燃料は,コモンレールによって各気筒のインジェクタに分配され,運転条件に適応する理想的な燃料噴射量及び噴射時期を電気的に制御している。UDトラックスでは,新開発のGH5TA,GH7TA/B型エンジンに,高い噴射圧力で燃料を微細化し空気との混合を促すことで完全燃焼させPM(粒子状物質)の発生を削減すると共に,高い燃焼効率により低燃費も実現した最大燃料噴射圧力2000気圧の新世代コモンレールを採用している。GH5TA,GH7TA/B型エンジンは,コモンレールによる超高圧燃料噴射のほかに,大型EGR,UDPC(UDパティキュレート・クリーニング),尿素SCRシステムの排出ガス低減の環境技術を採用し,平成21,22年排出ガス規制(ポスト新長期規制)に適合している。また,排気管内に直接燃料を噴射することで,エンジン・オイルを希釈することなく,UDPCの再生を助けるAHI(アフタートリートメント・ハイドロカーボン・インジェクション)を装備している。更に,電子制御によるエンジン全体制御の最適化,フリクションの低減などを図り,高出力・低燃費エンジンを実現している。

〈エンジン主要諸元〉

GH5TA GH7TA GH7TB過給方式 L4 Tci L6 Tci総排気量  〔cm3{L}〕 4675{4.675} 7013{7.013} 内径×行程  〔mm〕 110×123 最高出力  〔kW{PS}/r/min〕 158{215}/2500 180{245}/2500 206{280}/2500最大トルク  〔N・m{kgf・m}/r/min〕 628{64}/1400 716{73}/1400 883{90}/1400

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図-1 GH5TA型エンジン

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図-2 GH7TA/B型エンジン

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2 構造・機能

1) 構成部品の配置(図-3)

図Ⅰ-3 構成部品の配置

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2) 構成部品の構造・機能

⑴ サプライ・ポンプ(図-4)

サプライ・ポンプには,ギヤで駆動される三つの高圧ポンプがある。高圧ポンプの役割は,フューエル・システムに圧力を与え,三つのピストンで燃料を送り込むことである。また,サプライ・ポンプは,非対称なギア・ポンプを使用して高圧ポンプへ燃料を供給するフィード・ポンプを内蔵している。フィード・ポンプは高圧ポンプ・カムシャフトで駆動される。このため,燃料はエンジン始動後はじめて供給される。フィード・ポンプには温度センサとコントロール・バルブが装着されている。

図-4 サプライ・ポンプ

⑵ コモンレール(図-5)

コモンレールには,インジェクタ用の高圧の燃料が格納されている。コモンレールは,高圧センサとセーフティ・バルブを装着している。

図-5 コモンレール

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イ 高圧センサ

高圧センサは,コモンレール内の燃料圧力の変化を感知する。センサの信号はエンジン・コントロール・ユニットに送信する。ロ セーフティ・バルブ

セーフティ・バルブは機械的な安全装置で,故障によって発生する圧力超過からシステムを保護する。⑶ インジェクタ(図-6)

インジェクタは,各シリンダの中央に垂直に配置され,ヨークで支えられている。インジェクタとシリンダ・ヘッドは,インジェクタのリング状のくぼみにあるO-リングでシーリングしている。インジェクタの下部は銅ワッシャでシーリングしている。インジェクタの最上部にはチューニング・コードがある。インジェクタは,主に,ソレノイド・バルブ付きコントロール部,インジェクタ本体及びノズルの三つの部分から構成されている。噴射にはプレ・インジェクション,メイン・インジェクション,ポスト・インジェクションの三つの段階がある。各インジェクタには個性があり,エンジンへの燃料噴射を最適化し,エミッションが最小限になるよう調整するために,一つ又は複数のインジェクタを交換する際は,エンジン・コントロール・ユニットに新しいインジェクタのチューニング・コードをプログラミングする必要がある。

     図-6 インジェクタ

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3) 燃料供給システム(図-7)

燃料は,フィード・ポンプにより吸い上げられ,燃料タンク・ユニット内のストレーナ,ウォータ・セパレータ付きプライマリ・フューエル・フィルタ,エンジン・コントロール・ユニットを冷却するクーリング・コイルを通った後,サプライ・ポンプ内のストレーナへ達する。燃料は絶えずフィード・ポンプで押し出され,メイン・フューエル・フィルタへ流れる。そこで,燃料はろ過され,二つの方向へ向かう。一つはフューエル・ラインを通って,フューエル・シャットオフ・バルブとフューエル・コントロール・バルブのあるAHIマニホールドへ向かいノンリターン・バルブを通って,AHIインジェクタへ達する。二つ目の流れは,サプライ・ポンプ内のリストリクタ,ストレーナを通り,コントロール・バルブが燃料の量を制御する。余分な燃料はレギュレータ・バルブからフュード・ポンプへ戻される。燃焼に使用される燃料は,インレット・バルブを通り,高圧ポンプのピストンへ送られる。高圧ポンプには燃料が流れ,ポンプ・カムシャフトを潤滑する流路がある。高圧ポンプ内のピストンが圧力を生成し,この圧力が燃料をコモンレールへ押し上げ,インジェクタに達する。圧力が超過した燃料は,セーフティ・バルブを介して,リターン・ラインへ戻る。なお,プライミング・ポンプはメイン・フューエル・フィルタにあり,燃料系統のエア抜きを行うときに使用する。また,プライマリ・フューエル・フィルタにはサーモ・バルブが装着されており,コールド・スタート時に燃料を急速に温めるために使用する。

図-7 燃料供給システム

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3 点検・整備

1) 多重表示による故障診断コード表示(図-8)

以下に車載ECUとネットワークを示す。そのうち,多重表示により故障診断コードを表示可能なECUは,エンジン,VECU,NICU,となっている。

図-8 車載ECUとネットワーク

⑴ 故障診断起動,選択画面,故障診断終了について(図-9)

図-9 故障診断操作スイッチ

イ 故障診断起動(図-10)

“整備点検画面[多重画面遷移参照]”表示中にMODE操作スイッチ及びオド/トリップ切り替えスイッチを同時に長押し(3sec)。

図-10 故障診断起動

ロ 選択画面(図-11,12)

上記操作により,故障表示画面に遷移し,初期画面に“Engine Active”と表示される。

図-11選択画面①

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また,下記表のようにスイッチ操作で項目が遷移する。Activeは現在故障,Inactiveは過去故障を示す。

図-12 選択画面②

ハ 故障診断終了(図-13)

終了させるには,選択画面又は故障コード表示時にMODEスイッチ,SELECTスイッチ,RETURNスイッチのいずれかを長押しすると整備点検画面に戻る。

図-13 故障診断終了

参考

⒜ 表示概略(図-14)

項 目 バリエーション

①システム名称及びMID Engine・MID128,ESCOT・MID130,VECU・MID144,NICU・MID178

②状態 Active,Inactive③ID・type PID,SID,PPID,PSID,表示なし④ID番号 0~2047,“?”,“OK”,“--”⑤FMI番号 0~14,“--”⑥回数 0~99,“--”⑦待機表示 右図による

図-14 表示概略

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⒝ 用語の説明

・MID:Message・IDシステムを示すID(SAE・J1587に規定,一部SAE・J1587に規定されていないオリジナルのMIDもあり)例:MID128エンジンECU  MID140 VECU・PID/SID/PPID/PSIDPID:Parameter・IDシステムにおけるパラメータのID(SAE・J1587に規定されているもの)SID:Subsystem・IDサブシステムのID(SAE・J1587に規定されているもの)PPID:Proprietary・Parameter・ID(SAE・J1587に規定されていないオリジナルのPID)PSID:Proprietary・Subsystem・ID(SAE・J1587に規定されていないオリジナルのSID)例:MID128 PID81:Particulate・Trap・Inlet・Pressure  MID128 SID39:Engine・starter・motor・relay・FMI:Failure・Mode・ID;PID/SID/PPID/PSIDのSAE標準のタイプを表す。

FMI 表示テキスト SAEテキスト0 値が高すぎます  適用可能なデータですが,標準動作範囲以上です。1 値が低すぎます 適用可能なデータですが,標準動作範囲以下です。2 誤ったデータ 間欠データまたは不正データ。3 電気故障 異常高電圧または高電圧に対する短絡。4 電気故障 異常低電圧または低電圧短絡。5 電気故障 異常低電流または断線。6 電気故障 異常高電圧または接地短絡。7 機械故障 機械システムからの不正確な応答。8 機械故障または電気故障 異常周波数。9 通信故障 異常更新レート。10 機械故障または電気故障 異常に高い変動。11 未知の故障 原因不明の故障。12 コンポーネントの故障 装置またはコンポーネントの欠陥。13 誤った較正 制限範囲外の較正値。14 未知の故障 特記事項。15 未知の故障 将来の使用のための予約領域。

⒞ 故障コード表示例

項目選択し,モード・スイッチ短押しで故障診断を開始する。なお診断中はスイッチ操作できない。① 故障コードあり(図-15)

故障コードが複数ある場合には,5sec毎に診断結果が切り替わる。故障コードの内容は,各システムの整備要領を参照のこと。

図-15 故障コードあり

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② 故障コードなし(図-16)

図-16 故障コードなし

③ 応答なし(図-17)

車両設定によりECUが装着されていないとき,応答なしとして表示する。

図-17 応答なし

④ 通信異常(図-18)

ECUは装着されているが,通信異常により正しく故障コードを受信できなかった場合表示する。再度診断しても①~③のように正しく表示されない場合は,ECU又はCANラインを点検する。

図-18 通信異常

2) 重点部位の脱着方法及び点検・整備

⑴ ユニット・ポンプ

イ 取り外し(図-19,20,21,22,23,24,25,26,27,28,29)

参考  本項の整備要領書は,GH7エンジンについて記載している。主要部品は同様であり,必要な整備要領は,

GH5エンジンにも適用できる。

警告  燃料システムは加圧されていることがある。高圧燃料系統の作業を行う場合は,最初のコンポーネントを注

意して取り外すこと。

注意  ・ボルト・ナットの締め付けトルクは,「締め付けト

ルク一覧表」を参照のこと。

・燃料システムは汚れに弱いので,すべての開口部に

は直ちにプラグを付けること。

①エンジンをクランキングさせて,フライ・ホイールに「1-6」が見えるようにする。専用工具:5288800287

図-19 ユニット・ポンプ取り外し①

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U D

②エンジン・ハーネス,フューエル・パイプ,コモンレール,フューエル・フィルタ・ハウジング及びポンプ・ユニットの周囲を十分清掃すること。③クランプを緩め,ハーネスを取り外す。

図-20 ユニット・ポンプ取り外し②

④エンジン・コントロール・ユニットの冷却部位からIコネクタを取り外す。フューエル・パイプを取り外す。

図-21 ユニット・ポンプ取り外し③

⑤燃料を冷却部位から適切な容器の中へ排出する。コントロール・ユニットを脇に寄せる。注意  コントロール・ユニットのコネクタは取り外さない。

図-22 ユニット・ポンプ取り外し④

⑥エンジン・ハーネス・ブラケットを取り外す。

図-23 ユニット・ポンプ取り外し⑤

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U D

⑦コントロール・ブラケットを取り付けボルトと共に取り外す。

図-24 ユニット・ポンプ取り外し⑥

⑧フューエル・パイプ(フューエル・フィルタ~ユニット・ポンプ)を取り外す。

図-25 ユニット・ポンプ取り外し⑦

⑨燃料センサのコネクタを外す。フューエル・パイプ(コモンレール~ユニット・ポンプ)を取り外す。

図-26 ユニット・ポンプ取り外し⑧

⑩フューエル・パイプを取り外す。警告  燃料システムは加圧されていることがある。高圧燃料

系統の作業を行う場合は,最初のコンポーネントを注

意して取り外すこと。

図-27 ユニット・ポンプ取り外し⑨

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U D

⑪ポンプ・ユニット及びフューエル・フィルタ・ハウジングに接続するフューエル・リターン・パイプを緩める。ポンプ・ユニットの取り外しを容易にするために,フューエル・リターン・パイプを押し上げる。

図-28 ユニット・ポンプ取り外し⑩

⑫ポンプ・ユニットを取り外す。

図-29 ユニット・ポンプ取り外し⑪

ロ 取り付け(図-30,31,32,33,34,35,36,37,

38,39,40)

①合わせ面の汚れを落とす。ポンプ・ユニットに新しいO-リングを取り付ける。取り付けしやすいようにO-リングを潤滑する。②ギヤを組立位置にセットする。注意  ギヤのマーキングがポンプ・ユニットのマーキングに

一致していることを確認する。

図-30 ユニット・ポンプ取り付け①

③ポンプ・ユニットを取り付ける。注意  パイプを接続する直前まで,プロテクティングをデリ

バリ・パイプやポンプ・ユニットから外さないこと。

専用工具:5288890148

図-31 ユニット・ポンプ取り付け②

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U D

⑥フューエル・パイプ(コモンレール~ユニット・ポンプ)を取り付ける。燃料センサのコネクタを取り付ける。新しいシーリング・ワッシャを取り付ける。専用工具:5288890148

⑦フューエル・パイプ(フューエル・フィルタ~ユニット・ポンプ)を取り付ける。新しいシーリング・ワッシャを取り付ける。専用工具:5288890148

④フューエル・パイプを取り付ける。新しいシーリング・ワッシャを取り付ける。専用工具:5288890148

図-32 ユニット・ポンプ取り付け③

⑤フューエル・パイプを取り付ける。専用工具:5288890148

図-33 ユニット・ポンプ取り付け④

図-34 ユニット・ポンプ取り付け⑤

図-35 ユニット・ポンプ取り付け⑥

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U D

⑧コントロール・ブラケットを取り付ける。専用工具:5288890148

⑨エンジン・ハーネス・ブラケットを取り付ける。専用工具:5288890148

⑩コントロール・ユニットを取り付ける。専用工具:5288890148

⑪エンジン・コントロール・ユニットの冷却部位からIコネクタを取り付ける。フューエル・パイプを取り付ける。新しいシーリング・ワッシャを取り付ける。専用工具:5288890148

図-37 ユニット・ポンプ取り付け⑧

図-38 ユニット・ポンプ取り付け⑨

図-39 ユニット・ポンプ取り付け⑩

図-36 ユニット・ポンプ取り付け⑦

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U D

⑫ハーネスを取り付ける。

⑵ インジェクタ

イ 取り外し(図-41,42,43,44,45,46,47,48,

49,50,51,52,53,54,55,56)

本項の整備要領書は,GH7エンジンについて記載している。主要部品は同様であり,必要な整備要領は,GH5エンジンにも適用できる。注意  燃料システムは汚れに弱いので,すべての開口部には

直ちにプラグを付けること。

①ブリーザ・ホースをクランプと共に取り外す。

②ハーネスを取り外す。

③ロッカ・カバーを取り外す。

図-40 ユニット・ポンプ取り付け⑪

図-41 インジェクタ取り外し①

図-42 インジェクタ取り外し②

図-43 インジェクタ取り外し③

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U D

⑤インテーク・マニホールドのダクト・ブラケットを取り外す。

⑥EGRバルブ・ダクトを取り外す。

⑦CVSフィルタの配管クランプを取り外す。

④インテーク・ダクトまわりのハーネスをクランプと共に取り外す。

図-44 インジェクタ取り外し④

図-45 インジェクタ取り外し⑤

図-46 インジェクタ取り外し⑥

図-47 インジェクタ取り外し⑦

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U D

⑨ブリーザ・パイプをクランプと共に取り外す。

⑩インテーク・ダクトを取り外す。

⑪インジェクタ燃料パイプを固定しているクランプを取り外す。

⑧CVSフィルタを取り外す。

図-48 インジェクタ取り外し⑧

図-49 インジェクタ取り外し⑨

図-50 インジェクタ取り外し⑩

図-51 インジェクタ取り外し⑪

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U D

⑬インジェクタ・チューブ・パイプを取り外す。

⑭インジェクタから配線を取り外す。

⑮インジェクタ・ヨークからネジを外す。

⑫圧力パイプにマーキングする。パイプを次の順序で取り外す。1→2→4→3→5→6警告  燃料システムは加圧されている。高圧燃料システムの

作業を行う場合は,最初の構成部品を注意深く取り外

すこと。

注意  燃料システムは汚れに弱いので,すべての開放部には

直ちにプラグを付けること。 図-52 インジェクタ取り外し⑫

図-53 インジェクタ取り外し⑬

図-54 インジェクタ取り外し⑭

図-55 インジェクタ取り外し⑮

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U D

ロ 取り付け(図-57,58,59,60,61,62,63,64,

65,66,67,68,69,70,71,72)

①新しいガスケットをインジェクタ・ノズルに取り付ける。インジェクタのO-リングにワセリンを塗布する。シリンダ・ヘッドの接触面を清掃する。

②インジェクタとインジェクタ・ヨークを取り付ける。注意  取り付ける際は,インジェクタのトリム・コード及び

それを取り付けるシリンダをメモする。

③インジェクタ・ヨークにネジを取り付ける。専用工具:5288890148

⑯9mmのドリフトをインジェクタ・ヨークに入れる。ドリフトをインテーク・マニホールドの方へ倒す。インジェクタとインジェクタ・ヨークを取り外す。インジェクタ・ノズルのガスケットも必ず取り外す。

図-56 インジェクタ取り外し⑯

図-57 インジェクタ取り付け①

図-58 インジェクタ取り付け②

図-59 インジェクタ取り付け③

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U D

⑤O-リングにワセリンを塗る。インジェクタ・チューブ・パイプを取り付ける。ロック・ナットを取り付ける。注意  ・27mm対応(クロー・フット付き)のトルク・レンチ

を使用する。

・パイプに接続する直前まで保護プラグをパイプから

外さないこと。

専用工具:5288890148

⑥圧力パイプを取り付ける。パイプは次の順序で取り付ける。6-5-3-4-2-1注意  19mm対応(クロー・フット・レンチ)のレンチを使用

する。

専用工具:5288890148

⑦インテーク・マニホールドとEGRインレット・パイプに新しいガスケットを取り付ける。専用工具:5288890148

④配線をインジェクタに取り付ける。

図-60 インジェクタ取り付け④

図-61 インジェクタ取り付け⑤

図-62 インジェクタ取り付け⑥

図-63 インジェクタ取り付け⑦

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⑧コンプレッサ・パイプを取り付ける。シーリング・ワッシャは新品を使用する。

⑨CVSフィルタを取り付ける。専用工具:5288890148

⑩EGRインレット・パイプを取り付ける。専用工具:5288890148

⑪インテーク・マニホールド・ブラケットを取り付ける。専用工具:5288890148

図-64 インジェクタ取り付け⑧

図-65 インジェクタ取り付け⑨

図-66 インジェクタ取り付け⑩

図-67 インジェクタ取り付け⑪

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⑫CVSフィルタ配管クランプを取り付ける。

⑬インテーク・ダクトまわりのエア・ホースをクランプと共に取り付ける。

⑭上部ロッカ・カバーの汚れを落とす。上部ロッカ・カバーのガスケットを点検し,必要であれば交換する。上部ロッカ・カバーを取り付ける。専用工具:5288890148

⑮エア・ホースを取り付ける。

図-68 インジェクタ取り付け⑫

図-69 インジェクタ取り付け⑬

図-70 インジェクタ取り付け⑭

図-71 インジェクタ取り付け⑮

⑯ブリーザ・ホースを取り付ける。注意  ユニット・インジェクタを交換した場合,エンジン・

タイミング及び排出レベルの補正が必要となるので,

UDトラックス・サービス工場へ相談すること。

図-72 インジェクタ取り付け⑯

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参 考

1) エンジン・コントロール・ユニット

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