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第1.1版
2012年 5月
富士通株式会社
富士通Hyper-VTM仮想化センター
Windows Server 2008 R2
Hyper-V
ネットワーク設定ガイド
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
改版履歴
改版日時 版数 改版内容
2011.09.27 1.0 新規作成
2012.05.08
1.1 検証IntelPROSetバージョンにV16.3、V16.8追加
SFT構成でチームを作成した場合のプローブパケットに関する留意事
項を追加
V16.8での制限解除事項追加
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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Copyright 2011-2012 FUJITSU LIMITED
目次 はじめに ...................................................................................................................................... 5 1 Hyper-Vネットワークの概要 ............................................................................................. 6
1.1 仮想ネットワーク .................................................................................................................................................6 1.1.1 外部仮想ネットワーク ................................................................................................................................6 1.1.2 内部仮想ネットワーク ................................................................................................................................7 1.1.3 プライベート仮想ネットワーク .................................................................................................................7
1.2 仮想NIC .................................................................................................................................................................7 2 Hyper-Vでネットワークを使用する ................................................................................. 8
2.1 仮想ネットワーク構成例 ...................................................................................................................................8 2.2 Hyper-Vネットワークの設定手順 .................................................................................................................9 2.2.1 外部仮想ネットワークの作成 ..................................................................................................................9 2.2.2 仮想マシンのネットワーク設定 ............................................................................................................ 12
3 Hyper-V環境でチーム化したネットワークを使用する .............................................14 3.1 チームを利用したネットワーク構成例 ...................................................................................................... 14 3.2 チーム化したNICを仮想ネットワークで使用する場合の設定手順 ............................................ 15
4 Hyper-V環境でVLANを使用する ...............................................................................18 4.1 VLANを利用したネットワーク構成例 ....................................................................................................... 20 4.2 VLANを使用する場合の設定手順 ............................................................................................................ 23 4.2.1 仮想マシンのVLAN設定手順 .............................................................................................................. 25
5 Hyper-V環境でチーム化したネットワークとVLANを使用する ............................26 5.1 チームとVLANを利用したネットワーク構成例(Hyper-VのVLAN機能を使用) ................. 26 5.1.1 チームとVLANを使用する場合の設定手順 ................................................................................... 26
5.2 チームとVLANを利用したネットワーク構成例(IntelPROSet のVLAN機能を使用した場合) 27 5.2.1 チームとVLANを使用する場合の設定手順(IntelPROSet のVLAN機能を使用) .......... 28
6 留意事項 ..............................................................................................................................29
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図表目次
図 1-1外部仮想ネットワーク ................................................................................................................................................ 6 図 1-2内部仮想ネットワーク ................................................................................................................................................ 7 図 1-3プライベート仮想ネットワーク ................................................................................................................................. 7 図 2-1物理ネットワーク構成 ................................................................................................................................................ 8 図 2-2 Hyper-Vによるネットワーク構成 .......................................................................................................................... 8 図 3-1チームを使用した構成 ............................................................................................................................................ 14 図 4-1 Hyper-VのVLAN機能 .......................................................................................................................................... 18 図 4-2 VLAN用NICを仮想ネットワークで使用する場合 ....................................................................................... 19 図 4-3 VLANネットワーク構成 ........................................................................................................................................... 20 図 4-4 Hyper-Vを使用したVLANネットワーク構成 ................................................................................................. 21 図 4-5ホスト側で作成したVLAN使用時の構成例 ................................................................................................... 22 図 5-1 Hyper-VのVLANとチームの組み合わせ ..................................................................................................... 26 図 5-2 IntelPROSetによるVLANとチームの組み合わせ ..................................................................................... 27
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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Copyright 2011-2012 FUJITSU LIMITED
はじめに 本書は、Hyper-Vの仮想ネットワークを構築する方法について解説した資料であり、Intel製ネットワーク
カードの使用を想定して記述しています。
本書に記載している内容
Hyper-V仮想ネットワーク構成の考え方 チーム化したネットワークの設定方法 VLANを使用したネットワークの設定方法
※本書はHyper-Vの仮想ネットワーク部分を対象としているため、チームやVLANを使用する場合の物理
スイッチの構成や設定は対象としていません。
本書を利用するにあたっての前提知識
以下の技術情報についての知識が必要となります。
Hyper-Vに関する基本的な知識 ネットワークに関する基本的な知識 IntelPROSetを使用したネットワークのチーム化、VLANに関する基本的な知識
(LANドライバに付属のユーザーズガイドを事前に参照願います)
本書では、下記環境を使用して検証した内容を元に記載しています。
対象ソフト 版数
Hyper-Vマネージャー v 6.1.7600.16385(Windows Server 2008 R2に同梱) v 6.1.7601.17514(Windows Server 2008 R2 SP1に同梱)
IntelPROSet V15.8.1
V16.3
V16.8
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1 Hyper-Vネットワークの概要
1.1 仮想ネットワーク Hyper-V環境下で各仮想マシンの通信を実現するための仮想的なネットワークであり、仮想マシンに搭載
した仮想NICを接続するための仮想スイッチです。
仮想ネットワークは用途に合わせて3種類存在します。
ここではそれぞれのネットワークを順番に説明します。
1.1.1 外部仮想ネットワーク 物理NICを経由した外部ネットワークとの通信を目的とした仮想ネットワークです。
以下の通信が可能です。
①仮想マシン間の通信
②仮想マシンとホスト間の通信 ※
③仮想マシンと外部ネットワーク間の通信
④ホストと外部ネットワーク間の通信 ※
※外部ネットワーク作成時に「管理オペレーティングシステムにこのネットワークアダプターの共有を
許可する」を有効にした場合に使用可能 (非推奨)
図 1-1外部仮想ネットワーク
外部仮想ネットワークでは外部ネットワークとの通信用に物理 NICだけではなく IntelPROSetで作成した
チームやVLAN用の仮想アダプターを指定することもできます。
仮想スイッチ物理NIC
仮想NIC 仮想NICホスト⽤仮想NIC
仮想マシン 仮想マシン
外部ネットワークへ
「管理オペレーティングシステム
にこのネットワークアダプタを共有する」を有効にした場合(非推奨パターン)
仮想ネットワーク
へ組み込む前の設定を引き継ぐ
①②
③ ④
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1.1.2 内部仮想ネットワーク ホストおよびそのホスト上で動作する各仮想マシン間の通信を目的とした仮想ネットワークです。
以下の通信が可能です。
①仮想マシン間の通信
②仮想マシンとホスト間の通信
図 1-2内部仮想ネットワーク
1.1.3 プライベート仮想ネットワーク 同一ホスト上の仮想マシン間の通信のみを目的とした仮想ネットワークです。
以下の通信のみが可能です。
①仮想マシン間の通信
図 1-3プライベート仮想ネットワーク
1.2 仮想NIC 仮想マシンで使用する仮想的なネットワークアダプターであり、仮想ネットワークに接続して使用します。
仮想NICには通常の「ネットワークアダプター」と互換性の為に用意された「レガシネットワークアダプター」
が存在します。
「レガシネットワークアダプター」は主に統合サービスを使用できないOS上から使用することを目的に用
意されています。
本資料では「ネットワークアダプター」使用を前提に記述しています。
仮想スイッチ
仮想NIC 仮想NICホスト⽤仮想NIC
仮想マシン 仮想マシン
① ②
ホスト
仮想スイッチ
仮想NIC 仮想NIC
仮想マシン 仮想マシン
①
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2 Hyper-Vでネットワークを使用する 本章では、Hyper-Vの仮想ネットワーク構築手順を説明します。
2.1 仮想ネットワーク構成例 ここでは単純なサーバークライアント型のネットワーク構成を例に、Hyper-Vでネットワークを構成した場
合の解説を行います。
図 2-1は2台のサーバと4台のクライアント端末が1台のスイッチに接続されているネットワーク構成図
です。
図 2-1物理ネットワーク構成
この2台のサーバをHyper-Vの仮想マシンに置き換えた構成が図 2-2となります。
2台のサーバは仮想マシンとなり、外部仮想ネットワークに接続された1枚の物理NICを経由してスイッチ
に接続され、各クライアントとの通信を行います。
図 2-2 Hyper-Vによるネットワーク構成
Client ClientClient
物理スイッチ
Client
Server Server
Hyper-V
外部仮想ネットワーク
仮想NIC仮想NIC
物理NIC
Client
物理スイッチ
Server仮想マシン
Server仮想マシン
管理⽤ClientClient Client Client
ホスト
物理スイッチ
物理NIC
Hyper-V管理用
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Hyper-Vを動作させているホストの管理用ネットワークは仮想マシンで使用するネットワークとは別に用
意することをお勧めします。外部仮想ネットワークをホストと共有し、ホストと仮想マシンで同一物理 NIC
を経由した通信を行うことも可能ですが、性能およびセキュリティの観点から推奨していません。
2.2 Hyper-Vネットワークの設定手順 Hyper-Vの外部仮想ネットワークを例としてネットワーク設定手順を説明します。
以下に設定手順の流れを示します。
・ 外部仮想ネットワークの作成
仮想マシンがネットワークリソースにアクセスするためにホスト上に外部仮想ネットワークを構成し
ます。 ・・・ 「2.2.1外部仮想ネットワークの作成」
・ 仮想マシンのネットワーク設定
仮想マシンが外部ネットワークに接続できるように、仮想NICが接続する仮想ネットワークを選択し
ます。 ・・・ 「2.2.2仮想マシンのネットワーク設定」
2.2.1 外部仮想ネットワークの作成 以下に外部仮想ネットワークの作成手順を説明します。
外部仮想ネットワークの作成
1 ホスト上で、[スタート] メニュー⇒[管理
ツール] ⇒[Hyper-Vマネージャー]を起動
します。
2 [Hyper-Vマネージャー]の右の[操作]ペイ
ンより[仮想ネットワークマネージャー]を開
きます。
3
[仮想ネットワークマネージャー]ウィンドウ
の左側のペインより[新しい仮想ネットワー
ク]を選択します。
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4 [仮想ネットワークマネージャー]ウィンドウ
の右ペインより[外部]を選択し、[追加]ボタ
ンを押します。
5 追加された新しい仮想ネットワークを選択
し、仮想ネットワークの名前の入力と物理
NICの選択を行います。
6 [管理オペレーティングシステムにこのネッ
トワークアダプターの共有を許可する]の
チェックを外します。
[管理オペレーティングシステムにこのネッ
トワークアダプターの共有を許可する]
チェックはデフォルトで有効になっています
が、ネットワーク上に DHCPが存在する環
境などでは、意図せず仮想ネットワークを
経由して外部から管理サーバを参照でき
る状態になる可能性があります。
この設定を有効にする場合は、セキュリ
ティを考慮してください。
また、仮想マシンのネットワーク負荷や
ホスト側の管理操作に伴う負荷がお互い
に影響を与えることを避ける意味も含め
て、ホスト(管理オペレーティングシステ
ム)との共有は推奨していません。
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7 [OK]を押して設定を反映します。
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2.2.2 仮想マシンのネットワーク設定 以下に仮想マシンのネットワーク設定手順を説明します。
仮想マシンのネットワーク設定
1 [Hyper-Vマネージャー]で、[仮想マシン]
の一覧から、仮想ネットワークへの接続設
定をする仮想マシンを選択し、右クリックメ
ニューから[設定]を選択します。
2 左ペインより[ネットワークアダプター]を選
択し、右ペインの[ネットワーク]より、「2.2.1
外部仮想ネットワークの作成」で作成した
外部仮想ネットワークを選択します。
3 MACアドレスは初期値の[動的]を選択し
ます。
[動的]を選択している場合、仮想マシン起
動時に自動的にMACアドレスが設定され
ます。このため、仮想マシン再起動により
MACアドレスが変更される場合もありま
す。運用上、MACアドレスが変更されると
不都合が生じる場合は[静的]を指定し、
使用したいMACアドレスを入力します。
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4 [MACアドレスのスプーフィングを有効に
する]のチェックボックスは外したままとし
ます。
NLBなどMACアドレススプーフィング機能
を必要とするネットワークを構成する場合
のみ有効にします。
5 [OK]を押して設定を完了します。
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3 Hyper-V環境でチーム化したネットワークを使用する 本章では、IntelPROSetの機能を使用してチーム化したネットワークを Hyper-Vで構成する手順を説明し
ます。
3.1 チームを利用したネットワーク構成例 外部仮想ネットワーク作成時に物理 NICの代わりにチーム化したネットワークを指定することで、Hyper-V
の仮想ネットワークからチームを使用することができます。
これにより外部仮想ネットワークの冗長性確保や、通信負荷分散を行うことができます。
図 3-1にチームを使用したネットワークの構成例を示します。
図 3-1チームを使用した構成
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3.2 チーム化したNICを仮想ネットワークで使用する場合の設定手順 IntelPROSetにより作成したチームを仮想ネットワークで使用する手順を説明します。チームの作成はホ
スト上で行います。
なお、チームの作成方法や作成可能なチームの種類、物理スイッチの構成に関しては LANドライバ付属
のユーザーズガイドを参照願います。
以下に仮想ネットワークでチーム化したネットワークを使用する場合の手順を説明します。
チーム化したネットワークを仮想マシン専用にする場合は手順 1から手順 4まで、仮想マシンとホストで共
有する場合は手順1から手順7まで参照願います。
チーム化したネットワークを仮想ネットワークに登録する
1 IntelPROSetを使用して、チームを作成し
ます。
※詳細はLANドライバ付属のユーザーズ
ガイドを参照願います。
2 「ネットワーク接続」を開いて、作成した
チームで右クリックし、「プロパティ」を選択
します。
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3 選択されているプロトコルのチェックをす
べて外します。
※このネットワークをホストと共有する場
合は、ホスト用に追加されるネットワーク
に同じ内容を設定できるように何がチェッ
クされていたのかをメモしておきます。
4 外部仮想ネットワークの作成を行います。
接続先のネットワークとして 1で作成した
チームを選択します。
外部ネットワーク作成については「2.2.1外
部仮想ネットワークの作成」を参照願いま
す。
5 「管理オペレーティングシステムにこの
ネットワークアダプターの共有を許可す
る」のチェックを入れる場合は、以下手順
6,7で必要なプロトコルを戻します
※ネットワークアダプターの共有は推奨し
ていません。
6 「ネットワーク接続」を開いて、外部仮想
ネットワーク作成時にホスト上に追加され
たネットワーク※を右クリックし、「プロパ
ティ」を選択します。
※2,3で選択し、チェックを外したネット
ワークとは異なります。
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7 3で外したプロトコルからホスト側で必要な
ものを選択し戻します。
チーム化したネットワークを仮想ネットワークで使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「チーム化したネットワークを使用する場合について」を参照願います。
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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4 Hyper-V環境で VLANを使用する 本章では、VLANネットワークをHyper-Vで構成する手順を説明します。
VLANを使用するにはHyper-Vの機能を使用する方法とIntelPROSetの機能を組み合わせて使用する方
法があります。
それぞれの特徴を以下に示します。
・Hyper-VのVLAN機能を使用する
図 4-1にHyper-VにおけるVLAN機能を使用する例を示します。
VLANタグID(以降VLAN IDと記載)は仮想マシンに接続した仮想NIC単位で指定します。仮想スイッチ
(外部仮想ネットワーク)に接続された物理NICは各仮想マシンで使用している複数のVLAN IDを使用した
通信を外部ネットワークとの間で行います。また、外部ネットワーク作成時にホスト側で VLANを使用する
設定をした場合はホスト用の仮想NICにVLANが設定されます。
仮想NICにVLAN IDを設定するだけで使用でき、VLAN IDの追加、変更も柔軟に対応できるため、通
常はこちらの方法を使用します。
図 4-1 Hyper-VのVLAN機能
VLANを使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「VLAN使用時の仮想ネットワーク設定変更について」を参照願います。
仮想スイッチ物理NIC
仮想NIC 仮想NICホスト⽤仮想NIC
仮想マシン 仮想マシン
外部ネットワークへ
トランクモードとなり、仮想NICで使用している各VLANIDで外部と通信
VLANID10
VLANID20
VLANID30
仮想NIC
仮想マシン
VLANID10
VLANID10,20,30
ホスト
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・IntelPROSetによるVLAN機能を組み合わせて使用する
図 4-2に IntelPROSetにより作成された VLAN用 NICを仮想ネットワークで使用する場合の例を示し
ます。
IntelPROSetでVLAN IDを設定するとそのVLAN ID毎にVLAN用NIC(論理NIC)がホスト上に生成さ
れるため、仮想ネットワークで使用する場合はそのVLAN用NICを物理NICの代わりに外部ネットワーク
に定義します。
図 4-2 VLAN用NICを仮想ネットワークで使用する場合
VLAN用NICは作成時に指定したVLAN IDのみが使用可能であるため、それを定義した外部ネット
ワークに接続する仮想NICにも同一のVLAN IDを指定する必要があります。異なるVLAN IDを指定す
ると外部ネットワークとの通信ができなくなります。
IntelPROSetのバージョンがV16.3以前の場合、VLAN用NICを仮想ネットワークで使用している状態
で、元となる物理 NICにVLAN IDを追加することはできません。追加にはその物理 NICに対応するす
べての VLAN用 NICを仮想ネットワークから一旦外す必要があります。VLAN ID追加完了後、再度仮
想ネットワークに設定します。
この他にもVLANを使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「IntelPROSetのVLANを使用する場合について」、「VLAN使用時の仮想ネットワー
ク設定変更について」を参照願います。
物理NIC
外部ネットワークへ
VLAN ID毎に専用のNICがホスト上に生成される。仮想スイッチ
VLAN⽤NICVLANID10
仮想ネットワークで使用する場合は、生成されたVLAN用NICを物理NICと同じように仮想ネットワークに接続する。
VLAN⽤NICVLANID30
仮想スイッチVLAN⽤NICVLANID20
仮想NIC
仮想マシン
仮想NIC
仮想マシン
仮想NIC
仮想マシン
VLANID10
VLANID10
VLANID20
仮想NICにはVLAN用NICと同じVLAN IDを指定する。
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4.1 VLANを利用したネットワーク構成例 VLAN IDを物理スイッチのポートに設定し、それぞれのネットワークのブロードキャスト・ドメインを分割して
利用するケースを想定しています。
図 4-3に各サーバがそれぞれ異なるVLAN IDを使用してクライアントと通信を行う場合のネットワーク構
成例を示します。
この例では物理スイッチの各ポートにはVLAN IDが指定され、同一VLAN IDが指定されているサーバ、
クライアント間で通信を行っています。
この構成例を元にHyper-Vを使ってVLAN環境を構築する手順を説明します。
図 4-3 VLANネットワーク構成
Server ServerServer
物理スイッチ
ClientClient
物理スイッチ
Client
VLAN10 VLAN20 VLAN30
VLAN10 VLAN20 VLAN30
VLAN10,20,30
VLAN10,20,30
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・Hyper-VのVLAN機能を使用した場合
図 4-3のVLANネットワークをHyper-Vで構築して場合の一例を図 4-4に示します。
各仮想マシンが同一の外部ネットワークを使用し、それぞれ異なるVLAN IDを使用してクライアントと通信
を行います。
外部仮想ネットワークは単一の物理NICを使用してVLAN IDが複数設定されている物理スイッチのポート
と接続されます。
図 4-4 Hyper-Vを使用したVLANネットワーク構成
Hyper-V
仮想NIC
仮想マシン
仮想NIC
仮想マシン
外部仮想ネットワーク
ClientClient
物理スイッチ
Client
VLAN10 VLAN20 VLAN30
VLAN10 VLAN20
VLAN10,20,30
物理NIC
VLAN30
仮想NIC
仮想マシン
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・IntelPROSetのVLANと組み合わせた場合
図 4-5にIntelPROSetによりネットワークをVLANで分割し、仮想ネットワークで使用した場合の例を示し
ます。
IntelPROSetでVLANを設定した場合、VLAN毎にネットワークが作成されるため、これを使用した外部仮
想ネットワークをそれぞれに対して作成します。
このため、外部仮想ネットワークはVLAN ID毎に作成される事となります。
その外部ネットワークに接続する仮想NICではIntelPROSetで指定したものと同一のVLAN IDを設定す
る必要があります。異なるVLAN IDを指定した場合は正しく通信をすることはできません。
図 4-5ホスト側で作成したVLAN使用時の構成例
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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4.2 VLANを使用する場合の設定手順 ・Hyper-VのVLAN機能の設定手順
VLANネットワークを構成するには、仮想ネットワークを作成する際にVLAN IDを指定します。
以下に仮想マシンのネットワーク設定でVLANを指定する方法を説明します。
仮想マシンのVLAN設定
1 [Hyper-Vマネージャー]で、[仮想マシン]
の一覧から、VLANを設定する仮想マシ
ンを選択し、右クリックメニューから[設定]
を選択します。
2 仮想マシンの設定画面にてネットワーク
アダプターを選択し、[仮想VLAN ID を有
効にする]にチェックを入れます。
VLAN以外の設定に関しては「2.2.2仮想
マシンのネットワーク設定」を参照願いま
す。
3 使用したいVLAN IDの値を入力します。
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VLANを使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「VLAN使用時の仮想ネットワーク設定変更について」を参照願います。
・IntelPROSetのVLANを使用する外部仮想ネットワークの作成
IntelPROSetで作成した VLANを使用する場合は、VLAN ID毎に作成される VLAN用仮想アダプターを
それぞれ外部ネットワークに登録する必要があります。登録した外部ネットワークはその VLAN ID専用のも
のとなります。
以下にIntelPROSetによるVLANの作成から外部ネットワーク登録までの手順を説明します。
4 [OK]を押して設定を反映します。
IntelPROSet のVLANを使用する外部仮想ネットワークの作成
1 IntelPROSet を使用して VLANの設定を
行います。
VLANを作成したいNICのプロパティを開
き VLANタグから[新規作成]を選択しま
す。
使用したい VLAN IDをすべて登録しま
す。
※VLAN作成に関する詳細はLANドライ
バ付属のユーザーズガイドを参照願いま
す。
2 作成した VLAN用の仮想アダプターが
ネットワーク接続の一覧に追加されます。
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IntelPROSetのバージョンがV16.3以前の場合、VLAN用NICを仮想ネットワークで使用している状態で、
元となる物理NICにVLAN IDを追加することはできません。追加にはその物理NICに対応するすべての
VLAN用NICを仮想ネットワークから一旦外す必要があります。VLAN ID追加完了後、再度仮想ネットワーク
に設定します。
この他にもVLANを使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「IntelPROSetの VLANを使用する場合について」、「VLAN使用時の仮想ネットワーク設定
変更について」を参照願います。
4.2.1 仮想マシンのVLAN設定手順 「・IntelPROSetの VLANを使用する外部仮想ネットワークの作成」で作成した外部仮想ネットワークを仮
想マシンで使用する場合、仮想マシンのネットワークアダプターでもVLAN IDを指定する必要があります。
このとき指定する VLAN IDは外部仮想ネットワークが接続した VLAN用仮想アダプターに設定している
VLAN IDと同一である必要があります。異なるIDを指定した場合は外部のネットワークと正しく通信すること
ができません。
仮想マシンのネットワークアダプターへのVLAN ID設定については「・Hyper-Vの VLAN機能の設定手順」
を参照願います。
3 外部仮想ネットワークを作成し、接続先と
して1で作成したVLAN用仮想アダプター
を指定します。
VLAN用仮想アダプターと外部仮想ネット
ワークの接続については「3.2チーム化し
た NICを仮想ネットワークで使用する場
合の設定手順」と同様の手順を実施しま
す。このときチームの代わりに VLAN用
の仮想アダプターを接続先として選択し
ます。
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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5 Hyper-V環境でチーム化したネットワークと VLANを使用する 本章では、VLANネットワークをHyper-Vで構成する手順を解説します。
VLANを使用するには Hyper-Vの機能を使用する方法と IntelPROSetの機能を使用する方法がありま
す。
チームとVLANを組み合わせて使用するにあたり留意事項が存在します。
「6留意事項」の「チーム化したネットワークを使用する場合について」、「VLAN使用時の仮想ネットワーク設
定変更について」を参照願います。さらに IntelPROSetの VLAN機能を使用する場合は「IntelPROSetの
VLANを使用する場合について」を参照願います。
5.1 チームとVLANを利用したネットワーク構成例(Hyper-VのVLAN機能を使用) 図 5-1にチームとVLANを使用したネットワークの構成例を示します。
「図 3-1チームを使用した構成」と「図 4-4 Hyper-Vを使用したVLANネットワーク構成」を組み合わせたも
のとなっています。
図 5-1 Hyper-VのVLANとチームの組み合わせ
5.1.1 チームとVLANを使用する場合の設定手順 チーム化したネットワーク上でHyper-VのVLAN機能を使用する場合は以下の手順で設定します。
「3.2チーム化したNICを仮想ネットワークで使用する場合の設定手順」に従い、外部仮想ネットワークにチー
ム化したネットワークを接続します。
「・Hyper-VのVLAN機能の設定手順」に従い、仮想マシンのネットワークアダプターでVLANの設定を行い
ます。
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5.2 チームとVLANを利用したネットワーク構成例(IntelPROSet のVLAN機能を使用した場合) 図 5-2にチームを VLANで分割した上で Hyper-Vの外部仮想ネットワークに組み込んだ構成例を示しま
す。
「図 3-1チームを使用した構成」と「図 4-5ホスト側で作成した VLAN使用時の構成例」を組み合わせたも
のになります。
図 5-2 IntelPROSetによるVLANとチームの組み合わせ
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5.2.1 チームとVLANを使用する場合の設定手順(IntelPROSet のVLAN機能を使用) IntelPROSetで作成したチームに加えてVLANを使用する場合は、VLAN ID毎に作成される VLAN用仮
想アダプターをそれぞれ外部ネットワークに登録する必要があります。登録した外部ネットワークはその
VLAN ID専用のものとなります。
以下にIntelPROSet のチームとVLANを使用する外部仮想ネットワークの作成手順を説明します。
本手順で作成した外部仮想ネットワークを仮想マシンで使用する場合、仮想マシンのネットワークアダプター
でもVLAN IDを指定する必要があります。
このとき指定する VLAN IDは外部仮想ネットワークが接続した VLAN用仮想アダプターに設定している
VLAN IDと同一である必要があります。異なるIDを指定した場合は外部のネットワークと正しく通信すること
ができません。
仮想マシンのネットワークアダプターへのVLAN ID設定については「・Hyper-Vの VLAN機能の設定手順」
を参照願います。
IntelPROSet のチームとVLANを使用する外部仮想ネットワークの作成
1IntelPROSet を使用して VLANの設定を
行います。
チームは事前に作成しておきます。
チームの作成については「3.2チーム化し
た NICを仮想ネットワークで使用する場
合の設定手順」を参照願います。
「ネットワーク接続」の画面から VLANを
作成したいチームのプロパティを開き
VLANタグから新規作成を選択します。
使用したい VLAN IDをすべて登録しま
す。
VLAN作成に関する詳細はLANドライバ
付属のユーザーズガイドを参照願いま
す。
2作成した VLAN用の仮想アダプターが
ネットワーク接続の一覧に追加されま
す。
3外部仮想ネットワークを作成し、接続先と
して1で作成したVLAN用仮想アダプター
を指定します。
外部仮想ネットワークの作り方について
は「2.2.1外部仮想ネットワークの作成」を
参照願います。
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6 留意事項 チームやVLANを仮想ネットワークで使用するにあたり以下の留意事項があります。 チーム化したネットワークを使用する場合について
・ チーム化したNICをHyper-Vの仮想ネットワークで使用している状態でチームのNICの構成を変更す
ると異常な動作をする場合があります。構成を変更する場合は、一度仮想ネットワークから外してくださ
い。
・ 複数の管理者がログオンした状態で外部仮想ネットワークの設定を行った場合、他の管理者の画面
に応答が必要なダイアログが表示される場合があります。この場合、そのダイアログに応答するまで設
定処理が完了しません。 複数の管理者がログオンした状態で外部仮想ネットワークの設定は行わな
いでください。
・ Hyper-Vマネージャーで他サーバに接続している場合など、設定対象サーバ以外の環境から外部仮
想ネットワークの設定を行った場合、設定対象のサーバ上に応答が必要なダイアログが表示される場
合があります。この場合、設定対象サーバ上のダイアログに応答するまで設定処理が完了しません。
チーム化した NICを使用する場合は設定対象のサーバ上から外部仮想ネットワーク作成操作を実施し
てください。
・ チーム化したNICをHyper-Vの仮想ネットワークに登録する場合は、プロトコルのチェックを一旦すべ
て外して登録してください。
・ SFTでチームを構成する場合はL2スイッチ間を接続し、切り替え先スイッチへの迂回経路を確保する
ことを推奨します。迂回経路が存在しない場合、仮想マシンへの外部からの接続が数分間にわたり失
敗する場合があります。これは以下の理由により仮想マシンへの経路情報更新ができないためです。
- IntelPROSetのVLANを使用せずHyper-VのVLANのみを使用した場合、ネットワーク切り替え時Hyper-Vで使用しているVLANに対してプローブパケットが送出されません。
- ネットワーク機器によってはネットワーク切り替え時に送出されるプローブパケットによる経路情報更新に対応していない場合があります。
- 仮想マシンで使用しているMACアドレスのプローブパケットが送付されない場合があります。 ※L2スイッチ間の接続は STPを有効にするなどパケットのループが発生しないよう構成する必要が有
ります。
IntelPROSetのVLANを使用する場合について
・ IntelPROSetの機能を使用してホスト上に作成した VLANを Hyper-Vの仮想ネットワーク上で使用す
る場合は、それを使用する Hyper-Vの仮想 NICにも同一の VLAN IDを設定する必要があります。異
なったVLAN IDを指定した場合や、VLAN IDの設定を行わない場合は正常な通信ができません。
・ IntelPROSetのバージョンがV16.3以前の場合、VLAN用NICを仮想ネットワークで使用している状態
で、元となる物理 NICにVLAN IDを追加することはできません。追加にはその物理NICに対応するす
べての VLAN用 NICを仮想ネットワークから一旦外す必要があります。VLAN ID追加完了後、再度仮
想ネットワークに設定します。
・ 仮想ネットワークで使用している物理NICのVLANを新規に有効にすることはできません。VLANを有
効にする場合はその物理NICを仮想ネットワークから外す必要があります。
・ IntelPROSetの機能を使用してホスト上に作成した VLANを Hyper-Vの仮想ネットワークに登録する
場合は、チーム化した NICを登録する場合と同様にプロトコルのチェックを一旦すべて外して登録してく
ださい。
・ IntelPROSetにより VLANを大量に定義すると、仮想ネットワークへの登録操作が長時間復帰せずに
失敗する場合があります。VLAN定義数は10個程度までに抑えてください。
・ VLAN用NICをHyper-Vの仮想ネットワークに登録する場合は、プロトコルのチェックを一旦すべて外し
て登録してください。
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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VLAN使用時の仮想ネットワーク設定変更について
・ VLANを使用しているHyper-V仮想ネットワークにおいて外部ネットワークで選択されている物理NIC
の選択を変更した場合や仮想ネットワークの種類を変更した場合、VLANが使用できなくなる場合があ
ります。仮想ネットワークを変更した場合はHyper-V上でのVLANを再度設定する必要があります。
詳細は以下のKBを参照願います。
「Windows Server 2008 Hyper-Vの仮想ネットワークを特定の操作で切り替えるとVLANの設定が解
除される」
http://support.microsoft.com/kb/2549692/ja
その他ネットワーク設定変更時について
・ Hyper-Vマネージャーから仮想マシンに接続した状態でネットワーク設定を変更した場合、仮想マシン
接続が切断される場合があります。切断された場合は再度接続処理を実施してください。
Windows Server 2008 R2 Hyper-Vネットワーク設定ガイド
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Copyright 2011-2012 FUJITSU LIMITED
商標登記について
Intel、インテル、Pentium、Intel Core、Xeon、Celeronは、米国インテル社の登録商標または商標です。
Microsoft、Windows、Windows Server、Hyper-Vは、米国Microsoft Corporationの米国およびその他の国における登録商標または商標です。
Ethernetは、米国ゼロックス社の登録商標です。 記載されている会社名、製品名は各社の登録商標または商標です。 記載されている会社名、製品名等の固有名詞は各社の商号、登録商標または商標です。 その他、本資料に記載されている会社名、システム名、製品名等には必ずしも商標表示を付記し
ておりません。
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