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埼玉 NGOネ ット2016年 度勉強会 浦和 ・コムナー レ 9階 2016年 5月 17日 (火 ) ローバル市民 育成 現代 若者 とグ ロー 市民 0人 材育成」 赤石和則 (埼 NGOネ ッ ト世話人 拓殖大学国際学部) 1.現 の若者は 内向き志向」 ? (1)現 ~その根拠 とされ るも 海外留学生の減少 (文 科省デ ータ) ピー ク時 :2004年 8万 2007年 75,156メ 2008年 66,833人 (前 年比 イナス 11%) 2009年 59,923ノ 2010年 58,060人 2013年 55,350ノ k *(参 )上 記私費留学生は確かに減少傾向であるが、別統計 大学等 交換留学数」は年 増加 の 傾 向。 日本 全体 で 2.5万 人程度 とい う。全体でみ る と、 この 2~ 3年 で少 しず 加」 とい う見方 も。 ただ しピー ク時 の 8万 人か ら減少 していることは事実。 海外勤務 に対す る消極性 産能大学調査 海外で働 きたい と思わない」 2001年 =29.2%、 2010年 =49.0% *(参 )た だし 国や地域 によつては」 とい う条件付 きも入れ る と、 51%は 海外で働 きた い とい う結果。 20代 の若者 40%以 上が、海外勤務に関心あり。60代 以降は、 12%の み。 女性 の方が男性 より、海外勤務希望者多 とい う結果 も。 (2)上 現状 を作 り出 した要 因 経済的理由 (留 学 に行 く余裕 が ない)」 留学 して も、全 員 が 良 仕事に就けるわけではない (採 用す る側 も留学経験者 を必ず しも優先 して取 らない)」 のことよりも、その場、今 幸せ を求 める傾 向」 若者 の数 そ の も のの減少」などがあげられている。 (3)若 者が海外に関心がないわけではない 早大 (2011)の 学内調査 =行 きたい海外旅行 の形。 1位 =友 人 との旅 行 2位 =一 人旅行 3 =家 族 と一 の旅 行 4位 =留 5位 =ボ ランテ ィア活動、 ゼ ミ旅行 な ど。 拓殖大学国際学部生の 関心 =一 学年 350名 中、 10%強 学生 (50名 足 らず)は 、アジア等 いわゆる開発途上国に関心。機会があれば訪問または留学 したいと考えている。支援活動にも関

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埼玉NGOネ ット2016年度勉強会 浦和・コムナーレ9階 2016年 5月 17日 (火 )

グローバル市民の育成

「現代の若者とグローバル市民 0人材育成」

赤石和則 (埼玉NGOネ ット世話人・拓殖大学国際学部)

1.現代の若者 は 「内向き志向」か ?

(1)現状~その根拠とされるもの

① 海外留学生の減少 (文科省データ) ピーク時 :2004年の8万人

2007年 75,156メ、

2008年 66,833人 (前年比マイナス 11%)

2009年 59,923ノに

2010年 58,060人

2013年 55,350ノk

*(参考)上記私費留学生は確かに減少傾向であるが、別統計「大学等の交換留学数」は年々

増加の傾向。日本全体で 2.5万人程度という。全体でみると、この 2~3年で少しずつ「増

加」という見方も。ただしピーク時の 8万人から減少 していることは事実。

② 海外勤務に対する消極性

産能大学調査 「海外で働きたいと思わない」 2001年 =29.2%、 2010年 =49.0%

*(参考)ただし「国や地域によつては」とい う条件付きも入れると、51%は海外で働きた

いという結果。20代の若者の 40%以上が、海外勤務に関心あり。60代以降は、12%のみ。

女性の方が男性より、海外勤務希望者多い 。・ 。という結果も。

(2)上記の現状を作 り出した要因

「経済的理由 (留学に行く余裕がない)」「留学 しても、全員が良い仕事に就けるわけではない (採

用する側も留学経験者を必ず しも優先 して取らない)」「先のことよりも、その場、今の幸せを求

める傾向」「若者の数そのものの減少」などがあげられている。

(3)若者が海外に関心がないわけではない。

早大 (2011)の学内調査=行きたい海外旅行の形。1位 =友人との旅行 2位 =一人旅行 3

位=家族 と一緒の旅行 4位 =留学 5位 =ボランティア活動、ゼミ旅行など。

拓殖大学国際学部生の関心=一学年 350名 中、10%強の学生 (50名 足らず)は、アジア等の

いわゆる開発途上国に関心。機会があれば訪問または留学したいと考えている。支援活動にも関

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心。 しかし40~50%(150名以上)は ヨーロッパや リゾー ト・観光地に関心あると明言。

(4)若者の内向き志向を作 り出した日本社会、企業の姿勢にも原因があるとする見方

ニューズウィーク 「若者の内向き志向の原因は悪いお手本にあるのでは ?」 (冷泉影彦氏、2010

年 10月 )な どを参考に、赤石流の分析・・・

① 日本の風土。海外要員は亜流 ? 短期の留学や派遣はハクがつく、しかし長期の海外勤務者

は企業の主流にはなれない ?

② 欧米への極端な迎合、卑屈。明治期の 「脱亜論」の横行。

③ その反動での、ゆがんだかたちでの 「日本が一番」志向。 日本に生まれてよかつた、他をJF

斥することで、自分の優位性を保持 しようとする、間違つた愛国主義の台頭。

「欧米にひざまづき、アジアにふんぞり返る」図式の完成。

しかしながら、今 日の日本社会は、いやお うなしに「海外」との接点抜きには存在 しえなくな

つている。 しかもこれまでの 「海外要員」が当たり前の企業はもとより、メーカーや中小企業ま

でも。特に埼玉県の専門メーカー (工場)、 商社などのアジア進出があたりまえの現在において。

参考 :日 本を代表するある商社。毎年若手社員 100~ 200名 程度を、アフリカや中南米等に2~3

年程度、自由研修。いわゆる海外勤務ではない。多くの若手社員が応募。 (大まかな情報 )

一方、いわゆる中小メーカーや商社は、即戦力として 「現地採用」に頼る傾向も。特にアジア。

2.そ こで 「 トビタテ」の登場

(文科省HP)

「トビタテ !留学JAPAN日本代表プログラム」は、2014年からスタートした官民協働で

取り組む海外留学支援制度です。2020年までのフ年間で約 1万人の高校生、大学生を「ト

ビタテ !留学 JAPAN日本代表プログラム」の派遣留学生として送り出す計画です。派遣留学

生は支援企業と共にグローノヽル人材コミュニティを形成し、″産業界を中心に社会で求められ

る人材( ″世界で、又は世界を視野 に入れて活躍できる人材

″へと育成されます。帰国後は

海外体験の魅力を伝えるエヴアンジエリス ト (伝道師)と して、日本全体の留学機運を高め

ることに貢献することが期待されています。

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(1)対象とする学生

。高校、大学、相当の学校 (高専など)。 日本国籍または永住権所有者。

・学業だけが優秀な学生を対象にしていない。いわゆるエリー ト養成のプログラムではない。

(特 に高校生。大学は一部エ リー ト派遣を容認 )

。自分のためになるだけを理由に海外に行きたい学生は合格が難 しい。

・ どのような学生を選抜するか (選考基準は口頭で)

(2)募集内容

【高校等】500名

分野名 内容 募集人数

アカデ ミック テイクオフ 語学研修中心。語学学校等に学びながら、

外国語を用いて異文化交流。

140′箔

ショー ト 海外の高校。大学のサマースクールに参加

し、外国語を用いて様々な科目を履修。

100イ名

ロング 同上の内容で、長期間滞在。 20′名

プロフェッショナル 観光、IT、 調理等のキャリアカレッジに

通学。農場や工場等での実地研修。

80`名

スポーツ 。芸術 海外の トレーニングセンター、教育機関、

芸術学校の通学。

80`名

国際ボランティア NGO等 が主催する支援活動に参加する

ほか、国際協力について関係機関で学び、

理解を深めるもの。

80′名

【大学等】500名

申請コース名 対象分野 対象地域、募集人数等

理系・複合 。融合コース 理工系、生物系、複合系 国 。地域限定なし、220名

新興国コース 総合人文社会、社会科学、人文

科学

今後経済成長が期待される国。

地域 (東南アジア、南アジア、

中東諸国、中南米等)、 80名

世界 トップレベル大学等

コ ー ス

同上 世界大学ランキング例で 100

位以内の大学または同等の研

究機関、100名

多様性人材コース スポーツ、アー ト、国際協力な

ど様々な分野や活動

国 。地域限定なし、100名

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3。 身近 な地域 でできる若者 の海 外志 向 0海外 交流 の増進

(1)埼玉とアジアをつなぐ、高校生 。大学生インターン派遣

埼玉に拠点を置く企業等のアジア現地事務所、提携企業への派遣

(2)埼玉県内企業、NGO等 に関係する外国人居住者との交流活動、インターン活動。

(3)高校生のための「世界に飛び立つ講座」開催

夏休み、春休みなど。これまでの国際理解講座等の改良版。座学+実践の融合。

(4)埼玉県出身の トビタテ参加者による報告会、セミナー実施。

関係機関の共催、文科省後援 (ま たは協力、共催 )

(5)その他