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Page 1:  望遠鏡        : 1.85m 電波望遠鏡  観測ライン : 12 CO ,  13 CO , C 18 O ( J =2-1)

 望遠鏡        : 1.85m 電波望遠鏡 観測ライン :12CO , 13CO , C18O (J=2-1) 観測領域       : 82 平方度 (L=166 〜 177 度、 B=-3 〜 -14 度 ) 観測手法       : On The Fly 空間分解能     : 2.7 分角 ( コンボリューション後 3.35 分角 ) 観測グリッド      : 1 分角 総観測時間     : 137 時間 総観測点数     : 295200 点 平均ノイズレベル  : 0.45 K 有効速度分解能  : 0.08 km/s   観測期間       : 2013 年 1 月〜 5 月 

     

・分子輝線観測の先行研究(Ungerechts et al. APJSS,63, 1987 )・太陽系からの距離が比較的近い 140 〜 340 pc・小質量星形成領域・ Auriga 領域は Taurus 領域から北側へ、比較的 diffuse に伸びている。・ Auriga と Taurus は、 HI Super shel/Dust Void を囲う ように、それぞれ大質量星形成領域である California 領域や Perseus 領域へと連なっている。 (Lim et al. Apj, 765, 2013)

1.85m 電波望遠鏡による馭者座暗黒星雲の一酸化炭素輝線の観測○ 大崎茂樹、橋詰章雄、西村淳、徳田一起、大西利和、村岡和幸、小川英夫、 前澤裕之 ( 大阪府立大 ) 、土橋一仁 ( 東京学芸大 ) 、 1.85m 鏡グループ

我々はこれまでに 1.85m 電波望遠鏡を用いて牡牛座 (Taurus) 暗黒星雲を観測し、そこでの物理・化学進化過程を探っている。今期はさらに、馭者座 (Auriga) 領域へと観測領域を拡大した。Taurus-Auriga 複合分子雲は太陽系近傍にあり、小質量星を形成する T-association であり、内部に OB 型星などを付随していない。このため大質量星の活動の影響を少なくとも現在は直接受けていない。このため、暗黒星雲自身の進化過程を追う事のできる非常に重要な観測ターゲットである。 Taurus には、高密度コア・星形成領域が多く分布するのに対し、 Auriga は高密度コアが少なく、大局的には diffuse に見える。本研究では、 Taurus 領域と Auriga 領域における 1) 高密度コアの形成環境の違い、 2) 物理・化学進化段階の違い、 3)association としての大局的な構造の関連性、について探るべく、基本的な物理状態や速度構造等の解析を進めている。ここではその preliminary な結果について報告する。

目的

Taurus-Auriga association

Fig1. 牡牛座領域の可視減光量マップ (Dobashi et al 2005)

Auriga

Taurus

観測諸元

Fig2. 観測に用いられた1.85m 電波望遠鏡(右写真)

・ 12CO ・ 13CO ・ C18O(J=2-1) 積分強度図

解析結果

Fig3. C18O(J=2-1) 積分強度図 Fig4. 13CO(J=2-1) 積分強度図 Fig5. 12CO(J=2-1) 積分強度図

Taurus

AurigaL1517

L1512

L1523

・ 12CO は、ダスト / 可視減光領域と大局的な広がりが良く似ている。・ 13CO は、比較的高密度ないしカラムの多い領域が露出し、 Auriga 領域も Taurus 領域と同様、多くのフィラメント構造が形成されていることがわかった。・ C18O では広がりが局所的となり、 Taurus 領域の高密度コア (HCL2 領域等 ) では分布をトレースできているが、 Auriga 領域では L1517 がわすかに見えているだけである。このことからも、 Auriga は全体的に低密度で Translucent 的であるということがわかる。

HCL2

L1517

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