大学基準協会と短期大学認証評価の概要
Part2
2021年度短期大学認証評価の概要等(2)
説明内容
1.大学基準協会の概要
2.短期大学認証評価の概要
3.短期大学基準等
4.短期大学基準の特質
5.認証評価結果の構成等
2
4.短期大学基準の特質
3
短期大学基準をよりよく理解するために 4
⚫ 短期大学基準の特質は何か?
→ 以下を取り上げて説明
内部質保証(基準2)
学習成果(基準4)
大学基準協会の内部質保証の定義
⚫ PDCAサイクル等を適切に機能させることによって、質
の向上を図り、教育、学習等が適切な水準にあることを大
学自らの責任で説明し証明していく学内の恒常的・継続的
プロセス
➢内部質保証 ≠ 点検・評価
⚫ 内部質保証の目的の中心は教育の充実と学習成果の向上
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内部質保証のための主要なポイント
⚫ 「内部質保証のための方針及び手続」の設定
⚫ 「短期大学全体として内部質保証に責任を負う組織」(全
学内部質保証推進組織)の整備
⚫ 方針の明確化とPDCAサイクルの有機的結びつき
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「内部質保証のための方針及び手続」の設定(1)
⚫ 内部質保証は全学的な活動
⚫ 特定の者だけが考えを持ち、取り組むべきものでない
⚫ 基本的な考え方や学内の役割関係などを明確にし、共有す
ることが重要
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「内部質保証のための方針及び手続」の設定(2)
⚫方針及び手続の具体的な内容例
• 内部質保証に関する基本的な考え方
• 内部質保証の推進に責任を担う組織(全学内部質保証推進組織)
の権限と役割
• 全学内部質保証推進組織と学科・専攻科その他の組織との役割分
担
• 教育の企画・設計、運用、検証及び改善・向上のための指針
等
⚫方針及び手続は「教育の企画・設計、運用、検証及び改善・
向上」の全般に係る内容でなければならない(≠点検・評価
の体制・手続)
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全学内部質保証推進組織の整備(1) 9
全学内部質保証推進組織は、3つの方針が全学的な基本方針に沿って策定され、また3つの方針に基づく教育活動、その検証及び改善・向上の一連のプロセスが適切に展開するよう、必要な運営等を行う役割を担わなければならない。
全学内部質保証推進組織は、短期大学全体の取り組み状況を常に把握しながら、学科、専攻科その他の組織に対し必要な指示を与え調整を図るなど、学内の取り組みを促進させる中心的役割を担うことが必要である。
基準2「解説 」第2~第4段落
⚫ 全学内部質保証推進組織は「教育の企画・設計、運用、検
証及び改善・向上」の全般に係るマネジメントを実施
全学内部質保証推進組織の整備(2)
⚫ より具体的に期待される役割
• 各学科等の自己点検・評価結果に基づく改善に向けた検討とフィードバック
• 各学科等の自己点検・評価結果を踏まえた改善支援(フィードバックを出したら終わりではなく、改善・向上に着実に結び付けるための支援が必要)
• その他各学科等のPDCAにするマネジメント
• 3つのポリシー策定のための全学的な基本方針の設定
• 教育の企画・設計、運用、検証及び改善のための枠組等の策定・提示
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全学内部質保証推進組織
各学科
D
P
C
A
各専攻科 D
P
C
A
運営・支援
自己点検・評価の結果を報告
P内部質保証のための全学的な方針・手続に基づく教学マネジメントに関わる目標・計画等の設定
D各学科・専攻科その他の組織に対する教学マネジメント
C教学マネジメントの適切性、有効性の検証
A検証結果をもとにした改善・向上のための行動計画の作成、運用へ
【P】3つの方針に基づく教育の企画・設計【D】教育活動の展開【C】教育の有効性の検証(自己点検・評価)【A】検証結果を踏まえた改善・向上
方針の明確化とPDCAサイクルの有機的結びつき 11
全学内部質保証推進組織を中心とした内部質保証システムのイメージ
学内の諸活動に関する方針は、3つのポリシーに加えて、学生支援や社会連携・社会貢献等についても明確な内容を伴った方針を策定することが必要
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⚫ 組織を新設しなければならない?
• 必ずしもそうでない。その役割を担うに十分であれば既存の組織を全学内部質保証推進組織として位置付けても問題ない。
⚫ 併設大学と合同ではだめ?
• 必ずしもそうでない。短期大学の特性、独自性への十分な配慮、短期大学の主体性の尊重がなされ、また、短期大学の内部質保証システムが有効に機能する結果につながりえるならば、組織のかたちは
問わない。
全学内部質保証推進組織FAQ
内部質保証に関する評価の分析―2018・2019年度大学評価から― 13
長所
3%
改善課題
46%
是正勧告
16%
指摘なし
35%
内部質保証に関する評価の内訳
※内部質保証体制の整備、システムの機能に関する提言に絞っています。
※情報公開に関する提言(改善課題1件)は除いています。
なぜ学習成果が重視されるのか
⚫ 内部質保証の目的の中心は「教育の充実と学習成果の向
上」
⚫ 学習成果は「基準4 教育課程・学習成果」で評価を実施
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短期大学は、学位授与方針に示した知識、技能、態度等の学習成果を学生が修得したかどうかを把握し、評価することが必要である。… 基準4解説
(抄)
学習成果の把握・評価
⚫ 学位授与方針に定めた学習成果と把握する方法との関係が明確
で、かつ用いられる方法が多角的であることが重要。
⚫ 評価を行うための指標(目標値)の設定も求められる。
⚫ 把握・評価した結果は教育活動を検証し改善・向上を図るため
の重要な情報として活用(エビデンスに基づく教育改善)。
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どのようにDPに定めた学習成果を把握するか
⚫ 学習成果を把握するための方法例
• アセスメント・テスト
• ルーブリックを活用した測定(卒業論文・口頭試問等)• DPに定めた学習成果を踏まえてルーブリックを作成
• 学習成果の測定を目的とした学生調査(卒業時等)• DPに定めた学習成果を踏まえて設問(学習成果の達成度の自己評価を5段階で回答させるなど)を設定
• 卒業生、就職先への意見聴取
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5.認証評価結果の構成等
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評価結果の構成
⚫ 判定
• 「適合」又は「不適合」
⚫ 総評
• 評価した全体のまとめ
⚫ 各基準の「概評」及び「提言」
• 「提言」は「長所」「改善課題」「是正勧告」の3種。
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判定の基準
⚫ 適合
• 短期大学としてふさわしい水準にあり、理念・目的の実現に向けた取り組みがなされていることから、短期大学基準を満たしている。
⚫ 不適合
• 重要な事項において問題があり短期大学としてふさわしい水準になく、理念・目的の実現に向けた取り組みがなされていないことから、短期大学基準を満たしていない。
⚫ 判定の詳細は「判定の基準とその運用指針」を参照
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各提言の定義(1)
⚫ 長所
• 当該大学の掲げる理念・目的の実現に資する事項であり、有意な成果が見られる(期待できる)もの
• わが国の高等教育において先駆性又は独自性のある事項であり、有
意な成果が見られる(期待できる)もの
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各提言の定義(2)
⚫ 改善課題
• 基礎要件の軽度の不備、又は大学としてふさわしい水準を確保するために問題
があり、必ず改善を求めるもの
• 上記①にはあたらないが、理念・目的の実現のために必ず改善を求めるもの
⚫ 是正勧告
• 基礎要件の重度の不備、又は大学としてふさわしい水準を確保するために重大
な問題があり、必ず改善を求めるもの
• 上記①にはあたらないが、理念・目的の実現のために抜本的な改善を必ず求め
るもの
⚫ 基礎要件に関する改善課題・是正勧告が付される際の指針は、「基礎
要件に係る評価の指針」を参照
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各基準の「評定」
⚫ 評価結果とは別に、各基準の「評定」をS・A・B・Cの4
段階で通知(非公表)
• 評定基準
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S 短期大学基準に照らして極めて良好な状態にあり、理念・目的を実現する取り組みが卓越した水準にある。
A 短期大学基準に照らして良好な状態にあり、理念・目的を実現する取り組みが概ね適切である。
B 短期大学基準に照らして軽度な問題があり、理念・目的の実現に向けてさらなる努力が求められる。
C 短期大学基準に照らして重度な問題があり、理念・目的の実現に向けて抜本的な改善が求められる。
※基準1「理念・目的」において、上記の評定基準を適用する場合は、「理念・目的を実現する取り組みが……」又は「理念・目的の実現に……」の部分は問わない。