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eizojoho industrial6︱February 2017

 近年、あらゆる分野でAIが注目をされている。中でもディープラーニングを手法として取り入れているものが急速に発展をしている。これらはPCのクラウド・ビッグデータ等環境の高性能化が後押しとなっていることは言うまでもない。これらの特徴を上手く利用しマシンビジョン用画像処理に特化した製品として世界で初めてリリースをしたのがスイスに本社を置くViDi Systems社である。ViDi Systems社はソフトウェア開発のリーディングカンパニーとして、ディープラーニングを10年以上研究開発(研究開発はViDiの前身にて)し、その革新的な試みを実現した。ViDi Systems社がリリースした「ViDi Suite(図1)」は、

産業用の画像解析を目的とし、プログラムレスで手軽に画像の検出や画像の判断が可能なディープラーニング・ベースのソフトウェアアプリケーションとなっている。 本稿ではViDi Suiteを構成する3つのツールとマシンビジョンのアプリケーション事例を交え、ViDi Suiteの概要を解説、紹介する。

 まず始めに必要なことは一定数の画像サンプルを収集することである。それをアプリケーション上に反映し、必要に応じて特定の欠陥をマークする。欠陥のマーク等に代表する機会学習を行うことにより、サンプル画像だけでの学習よりも正確な識別を可能にしている。ViDi Suiteはいかにしてタスクを遂行するか、いかにして目視検査と同等以上の品質を達成するかを自力で学習する。なお、これを「学習フェーズ」と呼び、およそ数分~数十分(画像のサイズや処理の内容に依存)で学習は完了。「評価フェーズ」では、評価(検査)したい未知のサンプルを与え、ViDi Suiteは見るべき部分にのみ焦点を合わせ、何が重要で何が重要でないかを学習する(図2)。 ViDi Suiteは3つのツールにより構成さている。3つのツール“ViDi blue(位置検出と認識)”、“ViDi red(欠陥検出と区分け)”、“ViDi green(クラス分け)”はそれぞれ単独で使用することも可能だが、図3のように3ツールを組み合わせて用途に応じ

はじめに

「ViDi Suite」の解析手法

従来の概念を変えるディープラーニングを用いた画像解析ソフトウェア「ViDi Suite」

株式会社エーディーエステック/茶畑 聡

図1 ViDi Suite

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