グリーン製品のための欧州単一市場(SMGP)イニシアティブ
TheEUSingleMarketforGreenProductsinitiative(SMGP)
イモラ・ベドー(Ms.ImolaBedő)欧州委員会環境総局持続可能な生産・消費部生産部コーディネーター
・本資料は、欧州委員会環境総局からご提供いただいた「LCAの政策活用に関する国際ワークショップ」(2013年2月27日)の発表用資料を、グリーン・バリューチェーン国際ルール化等支援事業の受託者である、みずほ情報総研(株)が仮訳したものです。・本資料の位置づけは、あくまで参考のための「仮訳」であり、用語・用法の厳密な精査は施しておりません。・内容の確認については、必ず原典をご確認ください。
資料 4
LCAの政策活用に関する国際ワークショップ
EUの機構
欧州委員会
European Commission
法案提出権
欧州理事会
Council of the EU
各種政策の優先付け
意思決定
欧州議会
European Parliament
市民の代表
意思決定
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1) 政策の背景
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疑問
• 世界に存在する環境ラベルは400以上
• 課題:• 「環境に優しい(green)」とは何を指
すか?• 自社製品や企業が環境に優しいとい
うことをどのように証明すればよいか?
• 一つのアプローチを選んだ場合、そのアプローチは全員に受け入れられるか?
• 自社が環境に優しい企業であることを、異なった方法で異なるクライアントに証明しなければならないか?
• 消費者とビジネスパートナーは主張を理解してくれるか?
=困惑や不信感ただ乗り勝ち
コスト
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政策による指示
提案その10: 欧州委員会は、炭素排出を含む製品の環境影響という課題に対処するため、2012年までに製品のエコロジカルフットプリントに関する取り組みの実現可能性について検討する。その取り組みでは、製品を査定しラベル付けするための欧州共通の方法論を構築する可能性を調査する。
単一市場法案
欧州理事会は、「製品の評価とラベル付けを支援するため、製品ライフサイクル全体での環境影響の定量評価に関する共通の方法論を構築」することを欧州委員会に要請する。
欧州理事会決定(2010年12月10日)
資源効率ロードマップ(2011年9月20日)
加盟国や民間企業が製品・サービス、組織の環境性能を、ライフサイクルにわたる環境影響(“環境フットプリント”)の総合的な評価結果に基づき評価・表示・ベンチマーク付けできるよう、方法論による共通のアプローチを構築する(2012年) 。
消費者行動への理解を促進し、誤解を招く主張の回避やエコラベル制度の改善などを含め、製品の環境フットプリントについてよりよい情報を提供する(2012年) 。
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政策のリンク
グリーン
(
グリーン製品のための欧州単一市場(SMGP)
持続可能な消費・生産 (SCP)
‐ グリーン公共調達(GPP)
‐ エコデザイン
産業界の方針
単一市場法案(Single Market Act)
非財務情報の報告
リサーチ
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2) 方法論の策定
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既存方法論の分析
方法論ガイド完成
方法論ガイド案の作成
政策オプションに関するステークホルダ意見聴取
施行テスト終了
2011年6月
2011年12月20日
2013年第一四半期
2011年3月
方法論に関するトレーニング実施
2012年2月
製品の環境フットプリント
ステークホルダ会合 2011年11月28~30日
2011年1月~2012年4月
組織の環境フットプリント
2011年9月
2011年7月13~15日 2011年10月19~20日
スケジュール
PEFCR/OEFSR テスト 2013年中頃?
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環境フットプリントは、
• 既存の手法がベース
• 他の文書を参照しないで適用可能 (「総合(one-stop)ショップ」)
• ライフサイクル全体(原材料採取~使用後処理/廃棄物管理まで)を包括的に評価
• 潜在的な環境影響を包括的にカバー(「シングル・イシュー」手法ではない)
• 結果が比較可能。例えば、異なる製品の結果など(ただし、PEFCR/OEFSRが利用可能な場合のみ)。
特徴 9
PEFと従来のLCAの違いは?
違いは多くない!!
PEFは、より整合性が取れ、信頼でき、再現性のある結果を出すことが出来るLCA実施方法の一つである。さらにPEFは、ISO14040に準拠した従来のLCAと比べ、B2BとB2Cの双方の結果を、より容易にコミュニケーションすることができるという特徴を持っている。
PEFのこうした新しい特徴は、以下によって可能となっている:•方法論の柔軟性の制限•データ品質関連のより厳しい要求事項•正規化と重み付けの導入
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調査の目的及び適用範囲の設定
関連のある/関連のない影響領域の設定
分析のための適切なシステム境界の特定
主要なパラメータ及びライフサイクル段階の特定
考えられる情報源に関するガイダンスの提示
「資源利用・排出プロファイル」のフェーズの完了
多機能性の問題を解決するための更なる詳細の提示
PEFCR & OEFSR 11
今後の課題
• ライフサイクルデータ、データ品質と利用可能性
• 整合性のとれた製品/セクター固有の規則を策定する必要性
• ステークホルダーの関与(特に中小企業)
• 検証システム
• 国際的対話の必要性
3) ステークホルダーの意見公募
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実施期間: 2012年1月11日~2012年4月3日
回答者: 426
質問分野:
持続可能な消費・生産 (SCP)及び持続可能な産業政策(SIP)
グリーン公共調達 (GPP)
製品の環境性能を向上させるためのアクション(製品の環境フットプリ
ント(PEF))
組織の環境パフォーマンスを向上させるためのアクション(組織の環境
フットプリント(OEF))
意見公募
PEFの全体的所見
一般に支持を集めたのは、「現在の政策を調整・強化する方向が望ましく、新たな規制的枠組みの方向に向かうことは望ましくない」という意見であった。
「信頼できて科学的に妥当性のある方法論をベースとした、自発的なPEFスキームの作成」が支持された。
民間企業の48%と産業団体の45%が、「PEFが製品の環境性能を向上させるだろう」という項目を支持した。
回答者の多くが、頑健性があり自由に入手可能なライフサイクルデータを用いたPEF方法論を支援することの重要性を強調。
以下の支援が支持された:PCR作成、製品のベンチマーク作成、中小企業向けの簡易化、及び国際的な調和化。
ステークホルダーの中には、国際的な調和化を強く推す意見もあった。
PEFをベースとした情報を一般の消費者が理解する能力に疑問の声もあった。また、全ての環境影響を表示するよりも、ホットスポットに重点を置いたより少ないパラメータの方が好まれた。
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OEFの全体的所見
主要な促進要因: 金銭面での節約機会 (93%) 、将来的な競争力の戦略的重要性 (88%)
主要な障壁: 時間と専門知識の不足、既存イニシアティブ間の整合性の欠如、並びに市場からの見返りの不十分さ
既存の活動に伴う主要な問題: 全てのリスクが把握されていない、イニシアティブや報告方法が複数ある
中小企業: EUレベルでの簡易化されたアプローチ – 的を絞った情報、国レベルでのインセンティブ及び支援
EUのアクション項目についての大きな支持 – アプローチを国際的に歩調を合わせるための取り組み (強く支持:40%)、共通のアプローチを通したパフォーマンスの改善、情報の信頼性向上、意味のあるインセンティブ(74%)
政策は任意が最も支持を集めた: 共通の方法論の使用をEU加盟国に推奨、ボランタリーベースでEUによって方法論を推進
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4) 次のステップ
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次のステップ
EUにおいて、多くの手法ではなく一つの手法を推進していく
テスト期間は3年
国際的な活動を継続
UNEP主催の政府レベルでの対話
UNEPによる、EUの主要な貿易相手国(開発途上国)の能力構築(LCA、環境フットプリント、ライフサイクルデータ作成)
中小企業の支援ツールの開発
品質の良いライフサイクルデータへのアクセスを改善
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2013年のテスト
目的
1. PEFCR及びOEFSRの作成プロセスのテスト
2. 検証システム向けの異なるアプローチのテスト(製品が内包するインパクト(embedded impacts)、トレーサビリティ)
3. コミュニケーション手段
欧州委員会は、限られた数の施行テストを「主導」する予定。一方で、加盟国や産業界に対し、より多くのPEFCR及び/又はOEFSRの作成を主導してくれる「ボランティアの募集」も行う予定。
施行テストは、中間財又は最終製品に対して実施できる。
PEFとOEFの双方とも、施行テストの実施は義務ではない。
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2013年のテスト
欧州委員会が提供する「ゲームの規則」: ガバナンス
セクター又は製品グループの代表性についての規則
施行テストの主要優先事項
欧州委員会に期待される支援: 技術的なヘルプデスク
検証のテスト
誰が施行テストを提案できるか:
1. 単独企業2. 企業集団3. 国、欧州又は欧州外の、業界団体4. NGO5. EU加盟国、又はEU政府以外6. 上記に挙げた組織の混合
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2013年のテスト
施行テスト期間の主要優先事項 - 例えばPEFでは、
適用範囲の設定
(ベンチマークとなる)「代表的な」製品のモデリング
その「代表的製品」に適用されるPEF調査のスクリーニング
最も重要な影響及びプロセスの特定
関連のあるPEFCRの要求事項の設定(PEFのスクリーニング結果に基づかない、追加の環境情報を含む)
「実際の」製品へのPEFCRの適用
1~2つの検証アプローチの検証
実際の製品の算定値を、ベンチマーク用の各算定値と比較し、パフォーマンスのクラスの決定に使用
3~4つの適したコミュニケーション手段の特定(B2B及び/又はB2C) 実際のケースにおける、そのコミュニケーション手段のテスト
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LCA 1: コーヒー1杯
環境影響
水
資源
気候
XXXが検証
E
PEFCR無し (2012年) PEFCR有り (架空の例:PEFCRが利用可能な場合に可能)
パフォーマンスレベル B
パフォーマンスレベル C
コーヒー1杯について、最も重要なライフサイクル段階は: 使用段階
最も重要な影響領域 (ライフサイクルの該当段階)は:• 気候変動 (生産及び使用段階におけるエネルギー消費)• 水の利用 (原材料及び使用)• 資源の枯渇 (鉱物、化石)
結果の一例
コミュニケーション結果
対 対
パフォーマンスレベルA
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今後の予定
試行結果の評価
将来の政策適用への可否の決定
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詳細情報については、
http://ec.europa.eu/environment/eussd/product_footprint.htmhttp://ec.europa.eu/environment/eussd/corporate_footprint.htm
env‐environmental‐[email protected]
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