Daikin Industries (Thailand) Ltd. 2017 年度サイトレポート
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所在地 タイ王国 チョンブリー県
敷地面積 212,800m2
設立 1990 年 2 月
従業員数 4,964 人
主要製品 住宅用・業務用空調機(ルームエアコン、パッケージエアコン)
ISO14001 認証取得 1998 年 2 月
ISO9001 認証取得 1996 年 11 月
OHSAS18001 認証取得 2002 年 11 月
ISO 27001 認証取得 2007 年 2 月
グリーンハートファクトリー認証取得 スーパーグリーンハートファクトリー認証(ステージ 2 シルバーレベル)
2017 年
【環境】環境負荷低減の主な取り組み事例
■空調機からの凝縮水を再利用する
私たちは、エアコンの凝縮水(ドレン排水)からの再利用
水を緑地への散水やトイレの洗浄水として利用し、水の資源を
削減することに努めました。私たちはすでにこの概念を、新しい
開発ビルの設計プロセスの段階から適用しています。これによ
り、年約900m3の水が節約できました。
■排気ダクトからの風力発電装置
私たちは、エネルギー源を見つけて電力消費を削減しよう
と努力し、会社内でもエネルギーを生み出しています。AGV
カートのバッテリー充電器への給電のために、排気ダクトから
放出する空気を使う風力発電機を適用しました。その結果、
年間電力節減量は5,068kWh/年、コスト削減量は
0.018MB/年、排出削減量は約3t-CO2となりました。
Daikin Industries (Thailand) Ltd. サイトレポート 2017 年度
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■インテリジェント・タッチ・マネージャー(ITM)によるエアコン
制御
ダイキンの技術革新である、エアコンを厳密に制御するインテリ
ジェント・タッチ・マネージャー(ITM)が、継続的な改善によって
環境を維持し、環境負荷を低減することを約束します。2016
年度からは、オフィスから生産ラインにまで「ITM」技術を展開して
います。その結果、毎年 483,532kWh/年の電力節減、年間
1.69MB の削減費用、約 295t-CO2 の排出削減量を達成し
ました。
【環境】生物多様性の保全事例
■自然を生み出すことで生態系のバランスを保つ
私たちは工場内の環境を守ることを約束します。緑地を増やし、休憩エリアを改善し、魚のための池を確保するこ
とで、生態系のバランスを取り戻していきます。自然の恵みとして、酸素が供給され、工場内の温度と湿度が調整さ
れます。
【環境】環境コミュニケーション事例
■環境月間と環境道場
毎年 6 月の「環境月間」には、さまざまなコミュニケーション活
動、従業員の環境知識や環境意識の向上活動を行っています。
たとえば、生産ラインにおけるエネルギーロス&ゴミ分別のコンテス
ト、きれいで素敵なトイレコンテスト、環境研修コース、環境展示な
どが挙げられます。それ以外にも、「環境道場」での活動により、従
業員の意識や基礎知識の向上を図っています。
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【環境】環境パフォーマンスデータ
■温室効果ガス排出量
■エネルギー起源 CO2 排出量
■排出物量(有価物含む)
■取水量
■VOC 排出量
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【顧客満足】品質向上への取り組み
■サプライヤーに購入部品の品質向上を教育
サプライヤーの品質レベル向上を目指して、品質に関するより優れた知識を提供したいと考えています。そこで、
トレーニングを通じて品質を向上させる教育活動を行っています。全サプライヤー研修(170 社)や個別サプライ
ヤー研修、職業訓練など、多くの研修が実施されています。この活動はダイキンインダストリータイランド社の工場
と、サプライヤーの工場の両方で行われます。
1)トレーニング計画:6 ヶ月(1 クラス 50 社)
2)トレーナー:QC エンジニア、スーパーバイザー、マネージャー
3)トレーニング内容:(例)
品質性能評価方法
問題の調査と根本原因の分析
月次品質会議でのライン改善の欠陥
QFD(品質機能展開)の概念を適用した検査工程の定義
「ポカヨケ」のコンセプトによるプロセス評価
二流サプライヤーのための品質管理方法
トレーニング終了後、月次計画を立ててサプライヤーを訪問し、評価しました。サプライヤーの各トレーナーは、品
質向上を適用する実際のプロセスを確認しました。 私たちは P-D-C-A サイクルの改善を継続するようアドバイス・
提案しました。さらに、予防のための水平展開を行い、過去の品質問題の是正措置を共有しました。
私たちは、サプライヤーが私たちに質の高い部品を生産することを保証します。私たちはそれを組み立てて最高
品質の製品を作ります。
品質支援活動は、引き続き良好な協力関係をもって実施されます。
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■5D クオリティコンテスト
11 月はダイキングループの品質月間です。ダイキングループの「ダイキン品質賞
コンクール」は下記の目的で開催されると私たちは理解しています。
1)タイにあるダイキングループの各カンパニーの品質意識向上
2)品質改善を含む根本原因分析能力のレベルアップ
3)各会社の各社員のモチベーションの向上
4)品質向上のための思考コンセプトと創造的アイディアを交換し、学びあう
■経営者層の品質パトロール
サプライヤーの欠陥から品質についての大きな問題を参照し、ダイキン・インダストリーズ・タイランド社社長は、
すべてのサプライヤーに対し、生産する部品の品質を厳密に管理するように指示・要求しました。根本原因を究
明し、是正処置を施しました。残る弱点を解消するために、品質
改善活動も実施する必要があります。サプライヤーの経営者層
は、各活動を見直し、管理する必要があります。ダイキン・インダ
ストリーズ・タイランド社の経営者層は、パトロール活動を行って、
実際の作業プロセスにおける過去の対策の、維持活動をチェック
します。
活動の利益と成果
1)大きな問題の根本的な原因を取り除き、再発を防止しました。
2)サプライヤーの経営者層による品質改善活動が実施され、サプライヤーの経営者層に報告されました。彼
らはダイキン・インダストリーズ・タイランド社のために生産する部品の品質を厳密に管理します。
3)私たちはサプライヤーと品質改善の活動を共有し、サプライヤーも私たちと改善と創造のアイディアを共有し
ました。
4)対象となるサプライヤーの品質性能は過去の期間よりも優れており、品質管理システムのレベルアップが可
能です。
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【顧客満足】お客様のニーズを反映するシステム
■サービス部門との連携により、市場で発生した問題の特定をスピードアップ
私たちは製品の改善のために顧客から市場品質情報を得ることができます。
私たちの活動の例:
1)製品の品質問題や市場での問題を把握するために、各関連会社との対面およびテレビ会議を開催。
2)グローバルインフォメーションバンク(GIB)からの情報を使用して、顧客の苦情に迅速に対処し、問題を解決
します。
3)市場調査のために欠陥部品を収集し、根本原因を見つけ確かなものとし、対策をとる。
4)改善のプロセスにおけるすべての関係者(例えば R&D、PUG のような責任グループ、製造、物流、生産エン
ジニアなど)に問題をフィードバックする。
5)量産の対策を実施し、将来的な顧客満足度上昇のための、製品対応を拡大する。
■開発者向けの柔軟なシステムの開発
ダイキンの顧客は、居住者のための標準的な設備として IoT を統合することによって豪華なマンションに価値を
付加する傾向にあります。たとえば、客室のセキュリティ、空調、照明などを制御するために、スマートフォンや集中管
理システムを使用します。
ダイキンは、コミュニケーションプロトコルや接続されたシステムを使用して、競合他社と差別化し、建築開発者に
柔軟なシステムを提供します。 これは次の方法で行うことができます。
1)IoT 開発チームを立ち上げ、建物のシステムを計画する。
2)販売会社と協力して市場からニーズを集める。
3)ASE-OCE の IoT 開発プラットフォームを、ダイキンの開発戦略と同期させる。
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【人材】従業員に対する人材育成
■エアコン設置とサービス研修
ダイキン・インダストリーズ・タイランド社は、ダイキングループのアジア・オセアニア地域でのトップクラスを目指し、当
社のディーラーおよびサブディーラー向けの、エアコン設置とアフターセールス研修に焦点を当てています。研修には 4
つのコースがあります。
●エアコン設置とサービス研修:2017 年中に RA /スカイエア/ VRV 設置の研修に 419 人が参加しました。
●標準 RA サービス認定トレーナーの研修:ダイキン工業は、個々の関係会社が行う国や地域別の研修内容の
差異をなくすため、ASEAN とオセアニア地域のサービスパートナーを含むサービスエンジニア向けに、日本のサービス
エンジニア向けの研修コースに基づいた RA 標準研修コースを設けています。
●RA 標準レベル 1:ダイキン・インダストリーズ・タイランド社の研修センターにおいて、認定技能標準テストセンタ
ーが設置されています。技能開発部門(DSD)で認定された RA 標準レベル 1 の研修およびテストを提供する
ことにより、ディーラーおよびサブディーラーのエアコン設置技術を開発・レベルアップしたいと考えています。
さらに、研修センターは、ダイキン・インダストリーズ・タイランド社従業員のためのエアコン設置とサービス研修とし
て、追加の基本知識も提供しています。
■管理者/監督者レベル向けの特別な社内研修コース
●COP によるコーチング
部 署 を 越 え て 知 識 を 分 か ち 合 う 「 Community of Practice
(COP)」により、管理者レベルのコーチングスキルを向上・発展させま
す。また、COP は組織のチームワークを促進させる良きファシリテーター
として応用できます。
●指導者の研修
新入社員の仕事における品質問題や安全性に関する知識とコーチン
グ技術を監督者に提供します。
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■ダイキンベトナム社従業員のスキルトレーニング
2017 年に建設中のベトナム工場では、HR、GA、PE、
IT、PD、QC、PU、SC などの部に所属する 56 人のベトナ
ム人メンバーがダイキン・インダストリーズ・タイランド社に来
て、空調に関する知識、スキルを学びました。短い人でサポ
ートやオフィスの仕事の研修を 1 週間、PE と PD のメンバ
ーは 2 ヶ月の研修を行い、メンテナンスのメンバーはもっとも
長い 6 ヶ月の研修を行いました。
■外国語研修
次のような言語技能発達コースを開催しました。
●スーパーバイザーはプレゼンテーションスキルや会話スキルなどを含
む英語トレーニングを受け、自信と理解、プロフェッショナリズムを備え
た状況で、プレゼンテーションやコミュニケーションができるようにしまし
た。
●日本の経営陣は英語能力を向上させることで、ビジネス業務やコ
ミュニケーションを最大化・最適化させました。
●ベトナム語
ベトナムでの新 DAV 工場の立ち上げに伴い、ベトナム・プロジェクト
を支援してくれたダイキン・インダストリーズ・タイランド社メンバーに、ベ
トナムのベトナム語研修を開催し、言語と文化を理解できるようにし
ました。
■技能大会
●第 2 回 ダイキン・インダストリーズ・タイランド社 スキルコンペティション
2017 では、ダイキン・アジア・オセアニア・スキル大会の代表者を選ぶため
に、ろう付け、アーク溶接、メンテナンス、型仕上げの競技に参加しまし
た。合計 39 人の競技者がこのイベントに参加しました。
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●第 10 回ダイキンアジア・オセアニアスキルコンペティション 2017 では、ろう付け、アーク溶接、メンテナンス、金型
仕上げ、旋盤加工に参加しました。その目的は、生産において熟練労働者を育成し、品質上の問題や欠陥を防
止することでした。参加者はさまざまなスキルを得て、お互いに良い関係を築くことができました。ダイキンの企業・サ
プライヤー20 社の合計 86 名が参加しました。
■特定の技能訓練
●プレス機
板金製造ラインのプレス機には、せん断、曲げと成形、延伸、押
出と印圧加工、バルジ成形からなる 5 つのカテゴリーがあります。
研修センターでは、このラインで働く新入社員に 5 日間のトレー
ニングコースを提供し、毎年ライセンスを更新する従業員にもプ
レスマシンを提供します。2017 年にトレーニングセンターは 7 つ
のコースのプレス機のトレーニングを 26 名に提供しました。現在
ダイキン・インダストリーズ・タイランド社には 265 人のライセンス
保有者がいます。
●グローバルろう付け技術
ろう付けは、生産が年々増加傾向にあるエアコン製造に必要な
技術です。2017 年には、研修センターの 14 あるろう付けのコ
ースに 61 名が参加し、現在、ダイキン・インダストリーズ・タイラン
ド社には 599 名のろう付け資格者がいます。生産ラインでの欠
陥や漏洩の問題を減らすために、ヘアピン、U 字型ベンドなどの
ろう付け方法を適用し、生産に対応する高度なトレーニングコ
ースを提供しています。
【人材】ダイバーシティの推進
■勤務年齢について
ダイキン・インダストリーズ・タイランド社は、55 歳以上の従業員は、会
社の仕事の必須条件を参照して、毎年勤務期間を延長することについ
て相互に合意しています。
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■性別について
ダイキン・インダストリーズ・タイランド社は、職業資格を満たしている限
り、トランスジェンダーに対しても門戸を開いています。
■国籍について
オーストラリア人やベトナム人、インドネシア人、日本人など、タイ以外の
国民に対しても募集を行い、それぞれに適合した職務を与え、当社のビジ
ネスを強化します。
■障がい者について
ダイキン・インダストリーズ・タイランド社は障がい者を募集し、彼らの家
族を支援し生計を立てるのを助けます。エレベーターやトイレなど、障がい
者用の設備も提供しています。
【人材】労働安全衛生の取り組み
■従業員への労働安全衛生に関する研修を実施
労働安全衛生に関する以下のような従業員への研修を実施しています。
• KYT 活動:危険予知能力を高めるための教育訓練
• 取引先対象教育:安全な作業と事故報告に関する教育
• 安全運転:私有車・バイクなどでの通勤にあたっての安全運転教育
• 聴覚保護:騒音発生工程での聴覚(耳)の保護教育
(耳栓の着用指導)
• 従業員向け応急処置:けがなどの発生時の応急処置方法の教育
• 出産前準備:出産に関する教育
• 食品衛生:食品衛生に関する教育
• 薬物防止:麻薬等の危険性教育、使用禁止の指導
•基本化学物質:化学物質安全性を使用するための教育
•安全法規:新しい法律問題のための教育
•リスク評価:問題の是正措置を見つけるための評価を学ぶ
•良好な栄養状態:従業員は日常生活の中で健康を管理する
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•火災予防:緊急事態が突発的に発生した時への対応
■安全月間イベントの実施
9 月には、従業員が安全意識とその向上に役立つ活
動やコンテストに参加するための安全展示会を開催してい
ます。
■3D 安全会議
タイのダイキングループ(ダイキン・インダストリーズ・タイラ
ンド社、ダイキンエアコン社、ダイキンコンプレッサーインダスト
リ社)は、安全活動を強化するために、「3D(3 ダイキ
ン)安全会議」で共同活動と情報共有を行っています。
1.情報交換と安全活動の共有
2.安全性を効果的に生み出す
3.問題のある作業領域の改善・修正
4.事故の危険性の排除
5. 3D(DIT、DCI、DAT)の協力とチームワーク
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【社会貢献】環境保全活動
■10 回目の森林活動
2017 年 9 月 23 日、チョンブリー県の Ban Muen Chit のコミュニティ森林で 10 回目の森林活動を行い、
合計 2,500 本が植樹されました。従業員とその家族、学生、地域の人々など、約 400 人の協力のもと行われま
した。これまでの 10 回の活動により、合計 11,822 本を植樹したことになり、森の環境についての意識が増してい
ます。
■ビーチ清掃活動
ダイキンの従業員は毎年、政府機関やブラパ
(Burapha)大学の大学生と協力してバンセン海岸を清
掃します。このような活動はバンセン海岸の美しさを維持する
だけでなく、自然遺産の環境保護として、観光客に対しても
意識の浸透を図ります。
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【社会貢献】教育活動への支援
■タイの地域社会と他州の学校校舎の改修
作業長グループやリーダーグループ、40 アップクラブは、毎年この活動に参加して社会に貢献しています。これら
の活動は様々な農村地域で組織されており、関心のある人はその活動に参加することができます。
学校の修繕と道路の整備
整備中の様子と整備後の記念撮影
奨学金の授与や教材の寄付
【社会貢献】その他の地域貢献
■献血
2017 年 3 月と 9 月に、赤十字社に献血するための 2
つの献血診療所を開設し、約 465 人の従業員が協力を行
いました。
■タイ人工葬儀花
約 100 名のダイキン・インダストリーズ・タイランド社従業員が、9,999 の花を使って作った葬儀用の献花を、タ
イの故ラーマ 9 世に捧げました。