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美深町立仁宇布小中学校学校だより令和2年度

第 1 号令和2年4月15日(水)発行

校長 杉山 禎裕

4月7日入学式・入校式 式辞 美深町立仁宇布小中学校長 杉山 禎裕

コロナウイルス感染拡大防止の観点から,卒業式に引き続き,入学式も規模が縮小された略式の式典となりました。本来であればご来賓のご祝辞や学校長の式辞があるのですが,制限時間2分ではなかなか難しいものがあります。(当日は3分ほどになってしまいましたが・・・)改めまして,本来であれば話していた式辞をここに掲載いたします。

■■■ 令和2年度 入学式・入校式 学校長式辞 ■■■■■■■■■■

例年になく暖かい冬が過ぎ,早い雪融けとともに仁宇布の地に春がやってきました。穏やかな日差しの中,全道・全国からこの地にやってきた新入学生と新入校生,小学校から中学校へ進学する皆さんを,保護者の皆様と共に教職員一同,心よりお祝い申し上げます。本日は,新型コロナウイルスの感染拡大防止のため式典も簡略化され,参席される方々も少ない入

学・入校式になりましたが,美深町教育委員会教育長 草野孝治様をはじめとして,PTA会長 塩﨑智史 様,山村協会長・仁宇布自治会長 野村政弘 様から皆さんへのお祝いの言葉をいただいています。皆さんは仁宇布地域の一員です。地域をあげて皆さんを大歓迎し,応援いたします。仁宇布での生

活や仁宇布小中学校での学びが,皆さんが新しい自分を発見し,未知の地平線を切り拓く一歩となることを心より願っています。もうわかっていることとは思いますが,仁宇布小中学校はとても小さな学校です。そして,北海道

の中でもとりわけ厳しくも雄大な自然の中にポツンと建った学校です。通常規模の学校で行われる人数が必要とされる教育活動は苦しい学校です。周りに便利なものはあまりありません。しかし,小さな学校だからこそできる学びに,創意工夫を凝らし,学校・地域と共に取り組んでいる学校です。不便を楽しむ学校です。少人数では難しいとされる学校行事も全校一丸となって,支えあい励ましあって水準の高いものに仕上げることができる学校です。ここは教育のへき地でははありません。一歩先を見据えた教育に取り組んでいる学校です。さらに,自然体験においては驚きの経験をすることができる学校です。学校生活の楽しみや期待,そして苦楽を共にした仲間がたくさんできる学校です。学びを通じて大きく成長できる学校です。ここで,今,新しいスタートラインに立った皆さんに次の言葉を贈ります。「過去と他人は変えられない。しかし,今ここから始まる未来と自分は変えられる」

エリック・バーンという人の言葉です。きっと皆さんは,これからの学校生活の中で,今までにない様々な経験や学びをすることになります。昨日より今日,今日より明日,毎日,確実に成長します。「今までやったことがないから。」「苦手だから。」「〇〇のせいでできないから。」と,過去の経験や何か他のせいにして,未来の自分をあきらめないでください。この学校では自分を間違いなく変えることができます。自分の未来が見えてくる学校です。自分を変える燃料は,今までに自分がやってこなかったことや避けていたことの中に数多く眠っています。何事もやってみなくてはわかりません。失敗を恐れず,むしろ失敗をたくさんして,その中から

新しい何かをつかみ取ってほしい,失敗をものともせずに挑戦できる自分にプライドを持ってほしいのです。学校は勇敢に取り組む皆さんを全力で支えます。さて,本校は廃校の危機を幾度も乗り越えてきました。地域と学校が総力を挙げて存続に取り組

んだこと,皆さんの先輩たちが多くの頑張りの足跡を残してきたことが,美深町だけでなく日本全国に知られ,この学校の教育の価値は高いと認められるようになりました。その結果,今年度,築半世紀の校舎が新校舎に建て替わります。そこで令和2年度の学校の合言葉を「一新」としました。皆さんの門出にふさわしく,学校にとっても目指すところとする合言葉です。皆さん,共に頑張りましょう。最後になりましたが,保護者の皆さま,お子様のご入学,ご入校おめでとうございます。予測の

難しい大変なこの時代において「生きる喜びを見いだし,創造する子ども」そして,喜びを他者と「わかちあう子」を育成するために教職員一同,全力をあげて努力してまいります。今後の教育活動へのご理解とご支援,ご協力をお願いし,皆さまのご健勝とご発展を心より祈念申し上げ,式辞といたします。

早ね

早おき朝ごはん運 動

朝食をとらない子を0に

~新たな学校をデザインする~

~学びを保証し加速する仁宇布小中学校らしい教育~

令和2年度の仁宇布小中学校の教育新型コロナウイルスの感染拡大防止措置のため,少人数を活かした仁宇布小中学校の教育にも影

響を与えています。教育活動本来の姿での実施がなかなか難しい状況の中,新型コロナウイルスの猛威は先が見通せない状況です。

(※ 全世界集計 4/9感染者150万人 死者89,200人→4/13感染者180万人 死者11200人 4日間で感染者30万人増加 死者22900人増加)日本国内では対人口比での死亡率は諸外国に比べて極めて低いとは言え,まずは感染防止のため

の積極的な手洗い・マスクをすること,そして3密を避けることが重要と言われます。ウイルスの脅威が去り,平常授業が少しでも早く実現することを願って,今後とも政府発表や報道の注視,ご家庭での感染予防対策の継続をお願いいたします。また,感染者に対するいわれのない差別・偏見を持たないことも必要です。命の危険のある疾病を好んで感染する人は誰もいないはずですし,大都市の状況を見るといつ,誰がかかってもおかしくない病になっていると感じます。仁宇布小中学校では以下のような今年度の教育計画に沿い,新型コロナに対しての防御の工夫を

凝らして教育活動に取り組んでまいります。********************************************************************

令和2年度 美深町立仁宇布小中学校 学校経営の方針

1 本校の教育目標

学校教育目標「生きる喜びを見いだし,創造する子ども」H30~

重点目標 子どもの学びを深め,広げ,活かす学校づくり H31~~山村留学・へき地複式小中併置校の特質を活かした教育課程の充実~ R2~

(1)基本目標

◇「高めあう知識と技能」 ◇「磨きあい深まる思考」 ◇「学びに挑み,尊ぶ心」 を育てる。(2)子どもへの指針

(3)めざす学校像

◇子どもが自らの成長を実感し,自己の能力に自信を持てる学校

◇子どもが生き生きと活動する学校= 学ぶ楽しさがある 生きる喜びがある

◇保護者・地域から信頼され,透明性のある学校

◇教職員に働き甲斐のある学校=一体感がある 誇りを持てる

(4)めざす教職員像

◇子どものために尽くし,成長を続ける教職員 ◇鍛え合い,常に研修に励む教職員

◇健康で明るく,地域と共に歩む教職員

(5)令和2年度の合言葉

「一 新 」

2 経営の基本方針(3つの柱)

1. 小中一貫教育の充実全教職員への兼務発令を行い,指導する児童生徒の対象自由度を高め,全教職員が全ての児童生徒を深

く指導できる協働体制を整える。義務教育学校制度導入校以上の実効性の高い小中一貫教育を現行制度下で実現する。新校舎建築の年度となるため,工事に伴う制約が予想される。児童・生徒の安全確保に努める。年度内移転準備と新校舎における小中一貫教育の効果的実施に向けた施設・設備の運用について検討し計画する。過去の本校の教育資産の整理・移転と教育情報の電子化による移転をする。

2.小・中の接続に留意した中学校学習指導要領への円滑な移行小中一貫教育を基盤として,教科横断的な視点から学習内容を精査・配列し,PDCAサイクルを高速

化しながら仁宇布小中学校9か年の教育課程全体を構成する。教職員が良い教育の実現に集中できるよう「働き方改革」を推進する。組織体制・教育リソースの配分について,小中一貫教育システムを活用して効率化・スリム化を図る。

3. 社会と一体となった教育課程の実現美深町CSにおいて学校課題の共有,学校・家庭・地域の役割や可能な支援,責任について理解と協力を

得る。学校が地域の核としてリードしながら教育課程の改善を行う。また,美深本町の子どもたちの教育的ニーズに応えるための特認校化を令和3年度を目途に具体化し,本校教育の良さをより多くの方々に知ってもらい,理解と支援をいただく。

『 わ か ち あ う 子 』

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令和2年度の本校教職員配置・転入職員紹介転入職員 紹介

弦巻 峻哉 教諭

この度,旭川市立旭川中学校より赴任いたしました弦巻峻哉です。仁宇布のことはまだ分からないことが多いのですが,児童生徒,そして地域の方々と交流を深める中で,多くを学んでいきたいと思います。理科教員として,仁宇布の自然を感じながら学校生活を送ることが楽しみです!不慣れなことが多くご迷惑

をおかけする場面もあるかと思いますが,仁宇布の子どもたちのために全力で頑張ります!どうぞよろしくお願いいたします。

丁門 容子 事務職員下川町立下川中学校から赴任してまいりました学校事務職員の丁門 容子

です。村上春樹さんの小説『羊をめぐる冒険』の舞台,村上春樹ファンの聖地といわれる自然豊かな仁宇布で,学校と地域・保護者のみなさんと一緒に23名の子どもたちの教育活動に携われることに喜びを感じています。学校職員ならびに地域住民として,仁宇布の子どもたちのよりよい育ちのために,頑張っていきたいと思っています。どうぞよろしくお願いします。

宮本 綾子 養護教諭兵庫県の淡路島というところから来ました。宮本 綾子と言います。「兵庫県?」と驚く方も居

るとは思うのですが,実は北海道にやってきた理由はたくさんあります。私の母が北海道の大学に通っていたために,小さい頃から北海道の生活や楽しい思い出をたくさん聞いていました。そのために,地理的には遠い北海道ですが,なぜか身近なところに感じていたのです。初めて仁宇布という地名を聞いたときには何と読むのだろうと調べたのですが,発音が可愛らし

くて一度聞くと忘れないと感じました。また,私が通っていた小学校と名前や規模が似ていて,なんだか縁があるなと感じました。まだまだ仁宇布での生活,雪のある生活には慣れていないのですが,いろいろなことを経験しな

がら,少しずつ成長していければと,思っていますのでどうぞよろしくお願いいたします。

粟井 直之公務補今年から仁宇布小中学校に公務補として勤めさせていただく粟井 直之と申

します。ここ美深町で生まれ育ち,美深町で働いてきました。今までは主に草刈りや除雪などの肉体労働をしてきましたので,体力には自信があります。ただ,私自身,内気かつ人見知りの性格で初めての公務補の仕事も不安でいっぱいですが,前向きに精一杯,職務に励みたいと思います。皆様には気軽に声をかけて頂いたり,至らないところをいろいろと教えて頂けたら幸いです。こんな私ですが,皆様どうぞよろしくお願いいたします。

4月~5月の行事予定←4/7 大慌ての記念写真撮影 撮影終了後は皆さん即マスク着用でした。(一部合成有り 撮影:校長)

入学式での校歌(歌入りCD演奏)

…本校には歌入りの音源

が平成12年録音のカセットテ

ープしかなく,教室録音の

ため雑音も多かったため,

新たに作り直しました。

プロにお願いすると,

十万円以上はかかると言

われるリニューアル校歌

CD。演奏を聞かれた方,どのような感想を持たれたでしょうか。あの校歌はNEUTRINOという東北大学の准教授:

能勢 隆 氏が開発したフリーウェアでコンピュータが作ったものです。ニューラルネットワークを用いて人の歌い方

を学習させているので,機械的な発声ではなく,自然で人間らしい表現の歌声を作り出しています。市販品とは異な

るため手順や楽曲データの下準備が必要であり,手間はかかりますが,出来上がりはとても機械が合成したものとは

思えません。本当にすごいソフトウェア(公開2020年2月22日)です。卒業式には間に合いませんでしたが,最新のソフトウ

ェアを使い,自然な歌入り校歌を作成できました。

ネットの世界が広がるにつれて,人々の生活を豊かにする知識を無償で公開する人たちが全世界で増えてきました。

3Dプリンタも設計図や部品情報,制御ソフトウェアなどが無償で開示されており,(←オープンソースと呼ばれます。)

開発費がかかっていないため2万円を切る3Dプリンタも売り出されています。今も,世界中の人々が改良・開発のた

めに力を注いでいます。21世紀の新しい形の善意・社会貢献・社会参加への一つの大きな流れかもしれません。


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