月末仕掛品原価の計算
坂本ゼミナール
月末仕掛品原価の計算②加工費
月末仕掛品の加工費を計算する際には、加工進捗度を考慮する必要がある。例えば、月末仕掛品が2個あったとしても、加工進捗度が50%の場合、(2個 ×50%=完成品1個分)として計算する。本棚の例でいうと、加工進捗度50%=作業時間5時間の月末仕掛品が2個あると、作業時間は10時間=完成品1個分となる。仕掛品-加
工費当月 3個 ( )※
600円
完成品 2個
月末 2個×0 .5200円
400円
※完成品が2個あり月末仕掛品も2個あるので、当月に作り始めた製品は本来であれば4個ある。ただ、月末仕掛品は完成品に換算すると実質1個分となる。なので、加工費の計算上、当月に作り始めた製品は完成品2個と月末仕掛品の1個を足して3個となる。
※加工費の計算を行う際には、最初に月末仕掛品が完成品何個分を計算して、それと完成品を足した個数を当月投入量とする。
月初仕掛品がある場合の計算①平均法
月初仕掛品 (=前の月の作り残し )と当月投入分 (=今月作り始めた )の合計から、平均的に製品が完成するという考え方
仕掛品勘定月初 50個
(50個 ×0 .2)
当月 75個 (110個)
完成 100個 (100個)
月末 25個 (25個 ×0.8)
5 ,340円(1 ,080
円 )
8 ,160円(14 ,520円 )
10 ,800円
(13 ,000円 )
2 ,700円(2 ,600
円 )
カッコなしが直接材料費カッコありが加工費
月初仕掛品がある場合の計算②先入先出法
月初仕掛品 (=前の月の作り残し )があればこれを優先的に完成させ、その後に当月投入分 (=今月作り始めた )を完成させていく考え方仕掛品勘定月初 50個
(50個 ×0 .2)
当月 75個 (110個)
完成 100個 (100個)
月末 25個 (25個 ×0.8)
5 ,340円(1 ,080
円 )
8 ,160円(14 ,520円 )
10 ,780円
(12 ,960円 )
2 ,720円(2 ,640
円 )
カッコなしが直接材料費カッコありが加工費
ポイント 前月の作り残しから優先的に完成させるので、これらは月末には残っていない。つまり、月末仕掛品は全て当月投入分から生まれているといえる。そこで、月末仕掛品の原価は当月投入分から計算する。