第42回ビジネス勉強会
『HRテックの衝撃』
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課題図書「科学的」人事の衝撃:
HRテックで実現するマーケティング思考の人事戦略三室 克哉, 鈴村 賢治, 中居 隆 著
本日のアジェンダ
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1. 自己紹介
2. 本書を選んだ理由
3. 課題図書ダイジェスト
1. 自己紹介(酒井 聡志)
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知的好奇心を満たすために、様々なイシューと向き合えるアドバイザーとしてのキャリアを歩み、プライベートでは仲間作りと仕事に係らないテーマの研究のためにTSEPに関わってきた。
キャリア TSEPに関わった動機
Webベンチャー 事業企画・マーケティング
ITベンダー
外資系総合コンサルティングファーム
国内戦略コンサルティングファーム
外資系M&Aアドバイザリー →今ココ
⚫ M&A戦略、事業戦略策定
⚫ ビジネスデューデリジェンス
知的好奇心の高い仲間探し
直接、仕事に係らないテーマにおける
研究の場
2. テーマを選んだ理由
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個人的なテーマとの繋がりと興味からテーマを選んだ。
テーマとの繋がり 個人的な興味
そういえばITベンダーにて人事給与パッケー
ジソフトの導入コンサルをやっていたっけ。。。
そういえばこの前HRテック企業のデューデリ
ジェンスやったっけ。。。
そういえばHRテックベンチャーへの投資につい
てこの前友人から相談を受けたな。。。
HR関連のテクノロジーってどこまで進んだの
かな???⇒ 本書??いや違った。。
HRテックの市場規模・成長性は???
⇒ そこに興味ある人、あまりいない気が
HRテックベンチャーってどういうプレイヤーがい
るのか??? ⇒ 該当する本なし
1. 人事戦略転換の背景
2. 科学的人事分析とは何か
3. 科学的人事の分析手法
4. 科学的人事の実践事例
5. 科学的人事導入を成功に導くステップ
3. 課題図書ダイジェスト
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日本企業は、慢性的な人手不足と従業員の生産性の低さに加えて、国と業界を越えた競争が激化したことによって、人事戦略の見直しが求められている。
3-1. 人事戦略転換の背景
人手不足
生産性の低さ
グローバル化
業界のボーダレス化
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日本企業の慢性的な人材問題 競争環境の変化
人事戦略の見直し
⇒採用の強化と退職の防止
⇒(特に非製造業の)生産性の向上
⇒多種多様な人材の管理
⇒人材のスキル・マインドセットの把握
科学的人事とは、マーケティング部のようにデータ収集・分析による「人」の理解に基づく施策の立案・運用を行う人事のことである。
3-2. 科学的人事とは何か
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従来型の人事 科学的人事 マーケティング
データ利用
目的
データ種類
分析
活用
• 従業員情報の管理
• 一般的な人事情報(採用管理、研修管理、評価、人事給与)
• 人事担当者の勘と経験
• システム/データが用途毎に分断されているため、人材情報の分析が困難
• 人事部門に閉じた世界でのデータ活用
• 人材獲得・人材の生産性向上に繋がる「従業員」の理解
• 蓄積・統合された時系列の定量データ・定性データ✓評価・成果データ(結果)✓人事データ+マインド・スキル・モチベーションデータ(原因)
• 多角的な視点での分析✓人事データ(静的)×エモーショナルデータ(動的)
✓ハイパフォーマー分析(スキル×マインドのベンチマーク) 等
• 他部署の用途へのデータ活用✓ ハイパフォーマー社員の育成✓ 退職の阻止✓ チームビルディングへの利用
• 売上の創出に繋がる「顧客」の理解
• 蓄積・統合された時系列の定量データ・定性データ✓ 顧客データ・購買データ(結果)
✓ アンケートデータ(原因)
• 多角的な視点での分析
• ロイヤルカスタマーの育成(ライフタイムバリューの向上)
• 競合への流出の阻止• 商品企画・販売促進
本書では科学的人事の分析手法として「マインド分析」「スキル分析」「モチベーション分析」「IoTからのビッグデータを活用した分析」を挙げている。
3-3. 科学的人事の分析手法
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マインド分析 モチベーション分析
スキル分析
マインドセット
革新性
活動性
惰動性
協調性
感受性
全体
IoTからのビッグデータを活用した分析
3-4. 科学的人事の実践事例
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科学的人事は人材の育成、人材の最適配置、採用のミスマッチ防止、離職の防止、社員間コミュニケーションの課題解決に適用できる。
人材の育成
人材の最適配置
採用のミスマッチ防止
離職の防止
社員間コミュニケーションの促進
• スキルの標準化(知識/業務/姿勢の3要素×ベーシック/テクニカル/役割期待で定義)• スキルの形式知化(スキル分析)• PDCAサイクル(育成計画⇒人材育成施策の実行⇒定着状況の評価⇒計画見直し)
• 戦略的人材配置(戦略上、欲しい人材の定義し、必要な人材候補者を抽出)と育成滴人材配置(人材プールを作成し、人材分析と本人の要望を加味し、業務をマッチング
• 異動シミュレーション
• ハイパフォーマーの採用時の発言の読み解き(特徴語マップ)• 適性検査の実施(革新性、活動性、情動性、協調性、感受性、積極性、社交性、環
境順応性の8つの座標軸で特性を推察)
• 離職者の特徴や傾向の読み解き(退職者の静的データ・動的データの分析)• 離職リスクの検知(退職予測モデルの構築、定期チェック)• 「採用」へのフィードバック(合わない候補者の抽出)
• Know Whoの効用(成果の流用を防ぎ、社員間コミュニケーションの誘発)• グループ会社の人材活用に有効• オフタイムコミュニケーションの活性化
課題 適用事例
3-5. 科学的人事導入を成功に導くステップ
科学的人事導入を成功させるためには、「情報の統合・見える化」「情報の活用」「利用者の拡大」「動的子データの収集」「リアルタイムフィードバック」の5つのステップを踏むことが肝要である。
情報の統合・見える化
情報の活用
利用者の拡大
動的データの収集
リアルタイムフィードバック
• 目的に合致した情報(社員の考え方、価値観、適性、スキル、知識や経験、得意分野等)の収集
• 人員の最適配置や採用の活用等、様々な目的のために人材データの活用を経営企画や人事部において開始
• 不足データの把握
• 現場のマネージャーへの情報提供の開始• 現場が「普段気付きにくいこと」をITでフォロー• 社内啓蒙や社内周知の実施
• 定期的な情報入力による社員のモチベーションの把握
• 現場のコミュニケーションのリアルタイム性の向上による組織の軌道修正
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ステップ 実施内容
4.まとめ
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1. 日本企業は、慢性的な人手不足と従業員の生産性の低さに加えて、国と業界を越えた
競争が激化したことによって、人事戦略の見直しが求められている。
2. 科学的人事とは、マーケティング部のようにデータ収集・分析による「人」の理解に基づく人
事施策の立案・運用を行う人事のことである。
3. 本書では科学的人事分析手法として「マインド分析」「スキル分析」「モチベーション分析」
「IoTからのビッグデータを活用した分析」を挙げている。
4. 科学的人事は人材の育成、人材の最適配置、採用のミスマッチ防止、離職の防止、社
員間コミュニケーションの促進にワークする。
5. 科学的人事導入を成功させるためには、「情報の統合・見える化」「情報の活用」「利用
者の拡大」「動的子データの収集」「リアルタイムフィードバック」の5つのステップを踏むことが
肝要である。