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Page 1: 受動喫煙防止対策強化で救える命を 救ってください · は避け,耐性菌の出現を防ぐために「飲む必要のない ときに飲まない」ようにとも呼びかけた。

受動喫煙防止対策強化で救える命を救ってください

2017年4月26日(水)午後4時から,参議院議員松沢成文氏(東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟幹事長)に,また午後5時から参議院議員山東昭子氏(自由民主党受動喫煙防止議員連盟会長)の参議院会館事務所を訪れ,ネットと書面で集めた受動喫煙防止対策を強化するよう求めた署名38,122筆を届けた。

松沢議員からは,厚生労働委員会が開かれない状態が続いているが,最後まで厚生労働省案で進めていくよう塩崎大臣にもエールを送っているのでみなさんも頑張ってくださいと声掛けがあった。

山東議員からは,皆様の要望はすべて受け止めているが,もっと反対している議員にも呼びかけてくださいとお願いがあった。

続いて,厚生労働省に移動し厚生労働大臣の塩崎恭久氏に署名を渡した。塩崎大臣は,かなりの

反対を受け厚生労働委員会が開かれない状態が続いているが,皆さんにも協力いただいて,ぜひ進めたいと話した。

また,飲食店などの反発が強いと一般には報道されているが,一般社団法人インターナショナルメートルサーバーアソシエーションの労働環境改善対策委員長の髙野真司氏は,働いている人間は受動喫煙にさらされることに賛成していないと労働者側の意見を伝えた。

さらに,岡本弁護士からは,反対派案はまったくの人権侵害だと説明。職業選択の自由といいながら,声を大きくできない弱者(非正規雇用者など)や受動喫煙を理由にキャリアを中断する人がいること,さらに職業選択時には気にならなかったことが時間の経過と共に,途中で急性期症状が出て賠償問題に発展することもあると指摘した。

厚生労働記者会にて記者発表も行われ,多くの報道,新聞社等が集まった。同日反対署名が30倍も集まったことにも焦点が当たったが,受動喫煙で15,000人の方が死亡すると推定されること,喫煙者の家族,会社の同僚など被害に声を上げられないサイレントマジョリティーが存在することを忘れてはならない。明るい未来を子どもたちに託せないまま,2020年のオリンピック・パラリンピックを迎えてよいのかと考えさせられた。 (普及広報課)

松沢議員の事務所で,日本肺がん患者連絡会の長谷川会長,日本禁煙学会作田理事長,IMSA高野委員長から要望書を手渡した

塩崎大臣が38,122人の署名を受け取る(署名の入った箱を持っているのは,岡本光樹弁護士)

山東議員の事務所でも同様に手渡したところを,テレビの取材が入っていた(山東議員の上に音声マイクが)

7 / 2017 複十字 No.37528

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受動喫煙防止対策強化で救える命を救ってください(続報)

JOYさんが「薬剤耐性へらそう!」応援大使としてイベントに出演~第1回薬剤耐性(AMR)対策普及啓発活動表彰式&トークイベント~

2017年7月4日(火)厚生労働大臣宛に,「受動喫煙対策として厚生労働省の原案に賛成」とする94,595筆の署名を届けた(詳細は本誌7月号№375,28p参照)。

当日は,あいにく国会等で大臣にお会いできなかったが,厚生労働副大臣の橋本岳議員に届けた(写真)。

同席した飲食店経営者の女性は,店舗面積に猶予を設けず,一律に禁煙にする措置を求めた。

その後,省内の記者クラブで会見を行い,都議選の結果を見ても,受動喫煙防止を国民は支持しているので,引き続き秋の臨時国会での国の動きを見守っていきたいと報告した。 (普及広報課)

ストップ結核ボランティア大使のJOYさんが,去る6月26日(月)日本未来科学館(港区)で開かれた標記イベントに「薬剤耐性へらそう!」応援大使として出演した。

薬剤耐性対策とは,抗生物質(抗菌剤)の過剰使用(不適正使用)によって薬の効かない耐性菌を生み出さない対策のことで,今,世界中で「耐性菌」が増加していることから,一昨年のG7(ベルリン)で取り上げられ,日本政府もその拡大防止への取り組みを開始した。

ただ,この問題は医療者だけでなく,広く一般にも行動変容が必要なので,薬剤耐性の拡大防止のために

「薬剤耐性へらそう!」応援大使が任命された。その大使であるJOYさんと篠田麻里子さんによるイベントが開かれ,2017年2月に募集した薬剤耐性対策の普及啓発活動の取り組み(74件)から「厚生労働大臣賞」をはじめ5つの賞(12件)の表彰式も併せて行われた。

冒頭,国立国際医療研究センターの忽那賢治先生から薬剤耐性について説明があった。抗生物質を使用して効果がある肺炎と,風邪とインフルエンザの違いを宝くじの確率で解説。風邪で抗生物質を使っても4等

(1/1万)が当たるくらいの確率でしか効果が期待できず,副作用は連番を買えば必ず当たる6等(1/10)の確

率で発生する。医師も患者から「抗生物質をください」「多めに出しておいてください」と言われてもその人に合った薬かを丁寧に説明してほしいと話した。また,抗生物質は限りある社会資源ととらえ,不必要な使用は避け,耐性菌の出現を防ぐために「飲む必要のないときに飲まない」ようにとも呼びかけた。

続いて「薬剤耐性へらそう!」応援大使のJOYさんからは自分の結核療養の経験を語り,決められた量と期間で薬を飲みきる大切さを,また篠田麻里子さんからは,薬剤耐性について知らないことが怖いので,もっと多くの人に知ってもらいたいと話した。

表彰式後の記念撮影

写真 署名と要望書を受け取る橋本副大臣(中央)

9 / 2017 複十字 No.376 31


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