空気質にもとづく換気量制御を用いた空調・換気エネルギーの削減
EM研究・検討会-成果報告会 2017.03.09
環境学研究科 齋藤輝幸・清水一磨
大学には講義室・研究室等たくさんの室がある
→換気扇の消し忘れもある
講義室では規模と実際の利用人数に差がある
講義が休みの時限や講義の無い時間帯にも室利用がある
→換気量の余剰を含め無駄な換気がある
講義室ではCO2濃度1,500ppm以下であればよい
→空気質を維持しながら適正に換気
2
実 態
課 題
一般換気に関する実態と課題
消し忘れ等の無駄な換気
→スケジュール運転・人感制御など
空気質を維持しながら適切に換気することで省エネに
→CO2 制御による換気量制御
新営建物では一部適用もあるが
既存建物での適用はまれ
3
空気汚れセンサ
CO2センサに比べ設置工事が容易・低廉
空気汚れセンサ
課題と対策
3
導入メリットと省エネの考え方(冷房の例)
現 状
換気扇 常時運転
空調エネルギー 大
換気扇 適宜運転
空調エネルギー 小
導入後
空気の汚れを感知して換気扇を運転
空調機が処理する熱負荷が減少
熱量 大
熱量 小
換気扇・空調機の消費
エネルギーが削減可能
44
導入する制御装置
空気の汚れを感知して換気扇を発停
空気汚れセンサー付換気扇 on-off 制御器
文科省・国交省認可文教施設協会 推奨品
一般的な居室の場合、空気の汚れは空気中の
CO2濃度と相関性がある
CO2濃度も適正に制御
55
6
IB電子情報館・中棟
IB013講義室比較対照室
IB電子情報館・中棟
IB014講義室試験導入
<省エネルギー量>・換気扇の電力消費・空調機(GHP)のガス消費量
<室内空気質>・CO2濃度
分析項目
実測場所
6
7
●:温湿度計
室温:教卓上、室後部の腰壁上
換気扇吹出し口
外気取入れ口
エアコン室内機吹出し口
◇:CO2濃度計
教卓上、室後部の腰壁上
目視によるデータ収集
在室人数
扉の開閉
換気扇のON/OFFとモード
空調機のON/OFFと設定温度
全熱交換器
実測場所
インテリア側空気汚れセンサ(014講義室)
ペリメータ側空気汚れセンサ(014講義室)
エアコン室内機
7
廊下
屋外
CO2濃度
換気扇の消費電力
8
週 火曜日 木曜日 金曜日
第一週 7月 5日 7月 7日 7月 8日
第二週 7月12日 7月14日 7月15日
分析項目
夏期計測
実証期間
8
0
500
1000
1500
2000
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
014講義室
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
①在室人数が多い日(014講義室)
9
合計-
4,561
4限
在室人数[人] 38→43 44→49 58→1講義無し
消費電力量[Wh] 1,277 1,095
7/12(火) 1限 2限昼休み
3限
1,233
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
9
0
500
1000
1500
2000
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
013講義室
①在室人数が多い日(013講義室)
10
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
合計-
6,806
3限 4限
在室人数[人] 27→25 54→36消費電力量[Wh] 1,382 1,359
講義無し52→511,358
7/12(火) 1限 2限昼休み
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
10
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
11
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→40%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→53%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→80%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
11
0
500
1000
1500
2000
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
014講義室
②在室人数の変動が多い日(014講義室)
12
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
合計-
3,571
20→29 38→7 59→60消費電力量[Wh] 431 620 1,122
36→7637
7/8(金) 1限 2限昼休み
3限 4限
在室人数[人]
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
12
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
13
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→51%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→63%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→85%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
13
0
500
1000
1500
2000
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
014講義室
③講義が休みで人がいない日(014講義室)
14
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
合計-
1,331講義無し 講義無し
810
4限
在室人数[人] 12→21 52→54消費電力量[Wh]
7/14(木) 1限 2限昼休み
3限
308
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
14
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→82%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→86%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→94%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(夏期)
15
16
週 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
制御なし 1月17日 1月18日 1月19日 1月20日
制御あり 1月24日 1月25日 1月26日 1月27日
分析項目
冬期計測
CO2濃度
換気扇の消費電力
空調機のガス消費量
実証期間
16
①在室人数が多い日(制御あり)
17
0
500
1000
1500
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
合計-
6,5131,389
3限
1,42832→49 61→36 61→62
4限60→28昼休み
1/24(火) 1限 2限
1,130 1,112在室人数[人]消費電力量[Wh]
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
17
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
18
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→9.9%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→32%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→72%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
18
0
500
1000
1500
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
014講義室(制御あり)
②講義が途中で終了した日(制御あり)
19
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
授業無し
合計-
4,826在室人数[人]
88828→571,041
59→151,428
昼休み消費電力量[Wh]
4限
講義無し
1/26(木) 1限 2限 3限42→4
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
19
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→33%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→50%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→79%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
20
0
500
1000
1500
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
CO2濃
度[ppm
]
014講義室(制御あり)
③講義が休みで人がいない日(制御あり)
21
0
200
400
600
800
1000
1200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
1限 2限 3限 4限
授業無し 授業無し
合計-
1,938
3限 4限2限昼休み
1/25(水) 1限34→341,089
講義無し 講義無し 講義無し在室人数[人]消費電力量[Wh]
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
21
換気扇の省エネ性(964W一定運転との比較)
22
(1)8:45~16:15 稼働(1限~4限)
→73%の削減
(2)8:30~18:30 稼働(現状運用)
→80%の削減
(3)24h稼働(仮定)
→92%の削減
CO2濃度と換気扇の消費電力(冬期)
22
1限 2限 3限 4限
2.49 1.65 0 0 ガス消費量[m3]
5.0 7.5 8.5 8.3 平均外気温[℃]
53→62 63→(36) 60→64 59→60 在室人数[人]
2.89 1.65 2.03 1.75 ガス消費量[m3]
3.9 4.7 5.7 4.9 平均外気温[℃]
32→49 61→(36) 61→62 60→(28) 在室人数[人]
昼休み
制御なし1/17
制御あり1/24
0
3
6
9
12
15
00.010.020.030.040.050.060.070.080.090.1
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
外気
温[℃
]
ガス
消費
量[m
3 ]
014講義室(制御なし) 014講義室(制御あり)外気温(制御なし) 外気温(制御あり)
空調機(GHP)の省エネ性
23
0200400600800
10001200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
014講義室(制御なし)
014講義室(制御あり)
1限 2限 3限 4限
空調機のガス消費量(冬期)
23
0200400600800
10001200
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
消費
電力[W
]
014講義室(制御なし)
014講義室(制御あり)
1限 2限 3限 4限
0
3
6
9
12
15
00.010.020.030.040.050.060.070.080.090.1
8時 9時 10時 11時 12時 13時 14時 15時 16時 17時
外気
温[℃
]
ガス
消費
量[m
3 ]
014講義室(制御なし) 014講義室(制御あり)外気温(制御なし) 外気温(制御あり)
空調機(GHP)の省エネ性
24
空調機のガス消費量(冬期)
24
1限 2限 3限 4限
2.43 0.12 1.83 1.14 ガス消費量[m3]
7.1 8.9 10.2 9.6 平均外気温[℃]
37→51 62→ (7) 34→(11) 講義無し 在室人数[人]
2.79 0 1.60 1.43 ガス消費量[m3]
4.1 6.3 9.0 9.8 平均外気温[℃]
28→57 59→(15) 42→ (4) 講義無し 在室人数[人]
昼休み
制御なし1/19
制御あり1/26
一次エネルギーの削減(1/26の3限)
25
一次エネルギーの削減(冬期)
(1)換気扇のエネルギー
→39%の削減
(2)空調機のエネルギー
→13%の削減
(3)トータルエネルギー
→16%の削減
25
空調機82.4
空調機72.0
換気扇14.1
換気扇8.7
0
20
40
60
80
100
120
制御なし 制御あり
一次
エネ
ルギ
ー量[M
J]
CO2濃度
夏期では1,500ppm以下、冬期では1,000ppm以下を維持
CO2濃度は空気汚れセンサによって適切に制御可能
換気扇の消費電力
講義の無い時間には停止し、消し忘れの防止に繋がった
在室者の変動が大きい時、人数が少ない時に特に削減効果
空調機のガス消費量
制御がかかる時に外気負荷が低減し、空調機のガス消費量を削減
26
まとめ
26