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Page 1: 花蓮 Hualien Port Guide - プリンセス・クルーズ花蓮名物といえば扁食(ビエンシー)。扁食とはワンタンのこと。花蓮にはワンタンを食べさせるお店がいっぱいありますが、

日本軍将校の集会所として使われた松園別館や、 かつては花蓮港神社だった忠烈祠といった観光スポットをはじめ、市内のちょっとした路地などを歩くと、どこか懐かしい日本の古い町並みを思い起こさせるような風景に出会うことも。 現在は台湾を代表する景勝地・太魯閣(タロコ)峡谷への入り口に位置することで、その観光拠点として国内外から多くの人々が訪れます。また、花蓮は台湾原住民族のアミ族が暮らす土地でもあり、阿美文化村では彼らの伝統や風習に触れることができます。竹筒飯など原住民族の伝統的な料理をいただけるのも、花蓮ならでは。 花蓮は大理石やひすいの原産地としても名高く、郊外には大理石工場も多く見られます。そして全体が大理石でできた花蓮空港や、大理石の彫刻作品がずらっと並ぶ石彫博物館では、花蓮が大理石の街であることを強く実感することでしょう。

 花蓮は台湾の東海岸にある港湾都市で、高雄、基隆とともに台湾三大国際港として発展しています。しかし、もとは荒野が広がる人気のない土地でした。大航海時代の 17 世紀前半に、スペイン人がこの地を占領し開墾しますが、やがて清朝の支配下に入ります。 花蓮が都市としての発展を始めたのは、1895 年から始まる日本統治時代のことで、花蓮港が整備されたのもこの頃です。そして同じ東海岸の街・台東とのあいだに鉄道(花東線)も開通しました。 花蓮をはじめとする台湾東海岸へは山が険しいため、長らく船でしか入ることができませんでしたが、臨海道路(現・蘇花公路)が開通し、ようやく台湾の他地域とも陸路でつながるようになりました。 戦前の花蓮は日本人移民が多く、この街の住民の 4 割を日本人が占めていました。日本との縁の深さが、そこかしこで感じられるはずです。

花蓮市内

花蓮

シャトルバスの運行未定

帰船時間(自由行動の方々)未定

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Hualien Port Guide花蓮 ポートガイド

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❶ 松園別館 花蓮に残る日本建築の中でも、最も完成度が高いといわれるのが松園別館です。松園別館は、花蓮港を見渡す高台に1943年に建てられました。現存の建物は日本軍将校の集会所だったもので、特攻隊員が出征前に宿泊所として利用したともいわれています。 二階建ての和洋混合建築が目をひき、園内にはすべて木造の松園故事館があります。従来の和風建築物と異なり、台湾ならではの湿気と熱さを避ける工夫が施されています。2001年に「台湾歴史百景」の一つに選ばれました。

❷ 花蓮忠烈祠 日本統治時代に花蓮港神社があった美崙山の南側山麓に立っています。日本の敗戦後、台湾を接収した中華民国は、中華民国軍兵士の英霊を祀る場所として忠烈祠を各地に設けましたが、ここは大理石の世界的産地という土地柄、大理石がふんだんに使用されています。 また、台湾の他の忠烈祠とは異なり、17世紀にオランダ人から台湾を奪回した鄭

成功を祀っています。鄭成功は日本人を母に持ち、長崎県の平戸で生まれたということもあり、日本にも縁の深い人物です。その境内からは、花蓮の街並みや港を一望することができます。

❸ 花蓮鉄道文化館 日本統治時代には「鉄道部花蓮港出張所」と呼ばれていた「花蓮鉄道文化館」では、戦前の花蓮と台東を結ぶ東部鉄道の沿線修築の歴史を紹介しているほか、花蓮管理所所長宿舎、願景館、石芸大街(前鉄道医院)、水塔など当時の建築物も残されています。鉄道に興味のある方はもちろん、そうでない方にも花蓮では必見のスポットです。月曜休館。 ちなみに、花蓮車站(花蓮駅)のすぐ脇には鉄道公園があり、日本統治時代の1926年に開業した花東線(花蓮〜台東)の当時の客車や機関車が屋外展示されています。

❹ 七星柴魚(カツオ)博物館 花蓮の七星潭はかつてカツオの産地として知られていました。その後、重工業の

発達とともにカツオ産業は衰退しましたが、使用されなくなっていた工場跡を利用して2003年にオープンしたのが、「七星柴魚(カツオ)博物館」です。 実際にカツオ漁に使われていた器材や道具、模型などを使って、カツオ産業の歴史やカツオ加工製品の製造過程などを知ることができます。館内のギフトショップには、鰹節やふりかけ、カツオを使用したお菓子などのお土産がいっぱい。カツオのたたきも味わうことができます。

❺ 太魯閣(タロコ)峡谷 切り立った断崖絶壁が続く、台湾を代表する景勝地です。花蓮から太魯閣の入り口まではバスで30分程。入り口から峻険な山中に進み入れば、大昔はサンゴ礁だったのが地殻変動で隆起してできた、大理石の断崖絶壁の連なりを、眺めることができます。 見逃せないのは燕子口や錐麓大断崖、九曲洞です。峡谷に設けられた、ちょっとスリリングな遊歩道を歩きながら、壮大な自然の彫刻を満喫するのもよいでしょう。花蓮を訪れたら、絶対に見逃せないスポットです。

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❻ 阿美文化村 原住民族の一つアミ族の文化・生活風習に触れることができる施設です。村内には阿美族の資料館や民芸品の売店などがあります。花蓮市街から車やバスで5分程度。

❼ 鯉魚潭 台湾東部で最大の淡水湖です。台湾有数の景勝地・日月潭にも引けを取らない美しさから「東部の日月潭」とも呼ばれています。花蓮から車で30分程です。

足を延ばして

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Gourmet Guide

Souvenir Guide

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花蓮 おすすめお土産ガイド

台湾の東海岸は険しい山々が海岸線に迫り、他の地域から訪れることが非常に難しい時代が長かったことで、台湾原住民族の文化が濃厚です。また、戦前は日本人移民が多かったことから、その時代の名残を感じることができる食べ物やお土産も多いのが特徴です。台北や高雄とはまた違った台湾の表情を、ショッピングやグルメからも見ることができるでしょう。

ワンタン花蓮名物といえば扁食(ビエンシー)。扁食とはワンタンのこと。花蓮にはワンタンを食べさせるお店がいっぱいありますが、その中でも最も有名なのが「液香扁食店」でしょう。創業 80年間近の老舗で、台湾総統もここのワンタンを食べに通ったという名店です。スープ、具、皮すべてが手作りで、花蓮に来たらまず味わいたい逸品です。

池上弁当台湾でいちばん有名な米どころといえば、東部の池上。良質な池上米は、台湾中にその名をとどろかせるブランドで、古くは日本統治時代に天皇も召し上がっておられたとか。その池上米で作られた「池上弁当」も有名で、台湾の鉄道旅行には欠かせない一品。花蓮駅でも販売されているので、台湾の駅弁を味わってみましょう。

花蓮車站(花蓮駅)より ■ 車で18分

港までの所要時間

アミ族など原住民族の工芸品台湾には政府が認定しているだけでも 14 の原住民族が暮らしており、花蓮はアミ族の居住区域となっています。阿美文化村のショップなどでは、アミ族の工芸品やグッズなどをお土産に買うことができます。太魯閣ではタロコ族が暮らしており、布洛湾遊憩区ではタロコ族の工芸品の販売も行われています。また、原住民族の伝統的な料理・竹筒飯もお試しあれ。

❶日本との縁が深い港町 日本統治時代の 1911 年から 14 年間、当時開発が遅れていた花蓮など台湾東部の振興のため、日本からの移民が募られました。そして北海道や北陸、四国の農村から海を渡った日本人が東部の各地に移民村を作りました。こうして戦前、東部最大の街・花蓮にも日本人も多く住み、1940 年には花蓮港市となります。日本の敗戦後、花蓮と改名されますが、今でも日本統治時代の面影が多く残る港町です。

❷台湾原住民族とは? 台湾原住民族とは、17 世紀に漢民族が移住する以前から台湾に居住していた先住民族の呼称で、その種類は 14 民族とされています。「台湾」という名称も、もともとは原住民族の言葉がルーツとされています。現在は台湾東部に多く暮らし、最多のアミ族で約 18 万人です。アミ族は原住民族の中でも歌や踊りが得意といわれ、夜に阿美文化村で行われる民族舞踊は人気のショーです。

❸大理石の街 花蓮は大理石の産地として有名で、空港のターミナルや待合室、駅のホーム、歩道などにも大理石が敷き詰められているのには驚かされます。とりわけ花蓮空港は 3 階まで吹き抜けの大理石仕立てとなっており、壁や廊下までが大理石仕様となっています。また、花蓮港近くにある石彫博物館では、伝統彫刻や現代彫刻の大理石が展示されており、花蓮ならではの博物館といえるでしょう。


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