電子電気工学概論
機械システム工学科 3年前期
第1週目
担当
• 前半(1~8週目) 小橋
• 後半(9~15週目) 吉田
小橋への質問は...
• メールもしくは来室(6313)ください
• 来室時はメールもしくは電話でアポを取ってください.シラバスに連絡先は記載
• なるべく質問・回答事項はWebにアップします
講義内容(前半)
• さまざまな工学技術を学ぶ上で, 電気電子工学に関する基礎の理解は極めて重要である。本講義では、電気磁気現象を物理的に解釈できるようにする解説し、電気電子工学の基礎を習得し、これらが実際の技術にどのように応用されているかについても理解することを目的とする。 (講義要目より)
電磁気の基礎電気回路の基礎
授業予定
週 日 内容 教科書1 4/11 基礎電磁気12 4/18 基礎電磁気2 2章3 4/25 直流電気回路と過渡現象1 2章4 5/2 直流電気回路と過渡現象25 5/9 交流回路1 3章6 5/16 交流回路2 3章7 5/23 これまでのまとめ 3章8 5/30 中間テスト
授業スライド
• 授業までにWeb上で公開http://www.eng.u-hyogo.ac.jp/eecs/kobashi/study/IEEE
– 授業時にはかならず印刷して持参すること
– ノートを書かずに,気がついたところをメモするように.
授業構成
• 復習小テスト
• 講義
• Quizzes
評価
• 2回のテストの成績から評価
–配点 中間テスト 50点(8週目=5/30)期末テスト 50点(前期試験期間中)
–必ず両方の試験を受けること
試験について
• 全ての持ち込み(教科書,ノート,電卓を含む)は禁じる
• 再試験は行わない
2015年度の中間テスト点数分布
60点以上 73/132名
0
5
10
15
20
25
30
35
10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
2.1 (1)電荷
• 電磁現象を説明するために仮定する物理量
–電気の塊のようなもの
–正体はイオン化した原子
• 電子を放出 陽イオン
• 電子が付着 陰イオン
• 電荷の種類
正電荷 +
負電荷 -+ ー
原子核(+) 電子(ー)
2.1 (3)クーロンの法則
• 電荷間に働く力
+ ーF F
符号が異なれば引き合う
+ +F F
符号が同じであれば反発
+ +F F
距離が近ければより強い力が働く
磁石とおなじ
2.1 (3)クーロンの法則
r
Q1 Q2e
F F
1 2
2 [N]
4
QQF
re
Q1 , Q2 電荷量 [C]e 誘電率 [F/m]r 電荷間の距離 [m]
1クーロン [C; coulomb]真空中の同じ電荷 Qが r=1[m] で働く力が 9 x 109 [N] となる電荷の大きさ
誘電率比例定数真空中で
9
0
110 [F/m]
36e
比誘電率ある導電体の誘電率を真空の誘電率との比であらわしたもの
Quiz 1-1: クーロンの法則
• 電荷の大きさが等しい2つの点電荷が,真空中で距離 10cm 離れて位置するとき,電荷に4 x 10-5 N の力で反発した.このときの電荷の大きさを求めよ.
Answer 1-1: クーロンの法則
• 電荷の大きさを q とすると,クーロンの法則より
が導かれる.ここで,r = 0.1 ,F = 4 x 10-5 ,を代入すると,
2
2
4
4
qqF
r
q F r
e
e
5 9 81 20.1 4 10 4 10 10 [C]
36 3q
9
0
110 [F/m]
36e
2.1 (4) 電界と電位
• 電界とは,「電荷に加速度を与える電気力」
–物理法則で考えると重力に相当する
• 電界E 中に位置する電荷Q2に働く力F
2F Q E 正電荷Q2
F
2.1 (4) 電界と電位
• 電荷には2つの力が作用する
– クーロン力
–電界による働く力
r
Q1 Q2e
F F
2F Q E
1 2
2 [N]
4
QQF
re
2.1 (4) 電界と電位
r
Q1 Q2e
F F
• 2式より,Q1が"Q2"の電荷が位置する場所に生じる電界Eは次のように求められる.
1
2 [N/C]
4
QE
re
電荷により電界が生じる
2.1 (4) 電界と電位
• 電界の性質
1. 重ねの理
複数の電荷がある場合,ある点に生じる電界はベクトルの和で得られる
Q1
Q2
AQ1より生
じた電界
Q2より生
じた電界
A点の電界
2.1 (4) 電界と電位
• 電界の性質
2. 電位電界中で電荷を移動するために仕事量が必要なとき,電位が異なる
電界E
(i) 仕事量が必要
正電荷
電位差
電界E
(ii) 仕事量が不要
正電荷
電位差がない=等電位面電位Va 電位Vb
2.1 (4) 電界と電位
• 電界の性質
3. 電圧
単位の正電荷を電界中で移動するための仕事量を電圧と呼ぶ
電界E
正電荷
距離r
電位Va 電位Vb
A B
E r
V V
仕事量=電界 変位
仕事量=
[V/m]A BV VE
r
電界と電位差の関係式
+
2.1 (5) 電気力線と等電位面
• 電荷から発生する電界の方向を連ねた線を電気力線と呼ぶ
+ ー
等電位面 ... 電位の等しい点を重ねた軌跡面電気力線は等電位面と直交する
電束密度
• 電界の強さE,媒質の誘電率εのとき
となるベクトルDを電束密度と呼ぶ.
• 電荷Qより生じる電束の総量はQ
–電束はすべての方向に均一に発生する
–電荷からみた立体角による電束密度が決定される
0re e e D E E
電荷と電束密度の関係
• ガウスの定理
–任意の閉じた面についての電束密度の積分は,面に含まれた電荷に等しい.
• 例
–電荷Qをかこむ球面Sを考えると,球面Sを通る電束密度Dは,
電荷QD Q
2.2 (1)電流とオームの法則
• 電流の定義
C1 A = 1 s
1秒間に1Cの電荷が通過する電荷量を1Aとする
断面を1秒間に通過する電荷量
Quiz 1-2: 電流
• 下図のように単位体積あたり電荷量 [C]の均一な電荷の集団がある.この集団が速度v [m/s]で移動しているとき,同断面を通る電流を求めよ.
S
v
Quiz 1-2: 電流
• 同断面を通る電荷の量は,下図のように体積vSに存在する電荷である.
そこで,同体積に存在する電荷量 vS [C]であるので,同断面を通る電流はvS [A]である.
S
v [m]
今日のまとめ
• 電荷とクーロンの法則
• 電流,電位,電界の定義
次週以降は
• スケジュールについて
• 授業スライドについて
–各自印刷して持参すること
• 復習小テスト
–授業開始時に復習小テストを実施します.
–よく復習しておいてください.