第 143 号 2011 年 7 月 8 日
石巻赤十字病院 院長 飯沼 一宇
2011 年 3 月 11 日に私たちはとてつもない試練を受けました。家を
失い、家族を失い、職場を失い、さまざまな機会も失われました。 私たちの病院は石巻圏で唯一無傷で残りました。被災を受けた多くの
方々のために、全国から集まった支援団体のご協力を仰ぎながら日 夜努力してまいりました。しかし震災と津波の爪跡は予想以上に大きく、立ち上がる意欲も失われそ
うですが、そうは言っておられません。これからは、復興に向けて新しい石巻圏の医療の構築に邁進
しなければなりません。 石巻市立病院がその機能をほぼ失い、石巻市夜間急患センターもなくなりました。多くの診療所が
地震や津波の被害を受けましたが、かなりの先生方が再開しております。しかし、いまだ再開の目途
が立たない先生方もおられます。 これからの石巻圏の医療を支えていくために、まずは住民の方が気軽に受診できる一次医療の充実
が必要です。この地域にとって、夜間急患センターの早期開設が喫緊の課題であると思います。医師
会の先生方のご協力の申し出が既にあり、施設さえ整えばすぐに活動できそうです。当院としてもで
きる限り協力することにいたします。 さらに二次医療を確保すること、そして三次・高度医療の拠点として当院が果たす役割も大きいも
のと思います。当院では、低下した医療機能を補完するために、増床の計画を立案中です。唯一無傷
で残った当院のこの地域における役割はますます重要性を増していると思います。そのためにも、地
域の諸先生、諸施設との有効な連携が求められ、私どももそのための努力を最大限発揮していかなけ
ればならないと、覚悟を新たにしているところです。 今後とも更なるご支援、ご協力をお願い申し上げます。
震災から復興へ向けて
3月11日 14:46 地震発生
15:25 当院玄関前トリアージエリア設置開始完了 3月12日 DMAT、救護班到着
3月 15 日 東北大学病院へ患者搬送開始
3 月 18 日 桃生郡医師会と協働合意
3 月 19 日 東松島市・石巻市・石巻市医師会・自衛隊と協働合意
3 月 20 日 宮城県・宮城県医師会・東北大・女川町と協働合意
石巻市・東津島市の医療救護活動を偏りなく行う為の協働組織体
当院の高次機能の回復を促す為に医療支援を行うことを目的に
3 月 21 日 東大精神科と協働合意
3 月 22 日 宮城県歯科医師会と協働合意
3月27日 一般診療再開の目途が立たず、通常の紹介については対応不可
4月 4日 他院で処方を受けている方への処方終了・当院かかりつけの方のみ処方対応
4月 7日 重症救急患者と当院かかりつけの患者に限定して診療再開
4月14日 紹介患者予約受け入れ開始
予定入院・手術・検査等は対応不可の為、入院は緊急入院以外不可 6月 1 日 通常診療再開
*東日本大震災 活動状況*
各エリア、患者受入れ準備・受入れ可能人数把握 本部で被災状況の情報収集 避難所へ医師派遣
日赤救護班による散発的な避難所巡回を開始 当院に搬送された患者を避難所へ送るピストン輸送バス開始
ただちに、災害医療対策本部立ち上げ
地区名 避難所数 避難者数
石巻南地区 9 800
万石浦・渡波地区 5 342
旧北上川東地区 6 360
東松島市 1 48
河北・北上地区 10 804
雄勝地区 8 275
ショートステイベース 1 7
避難所300ヶ所以上
市も状況を把握できす、死亡者・行方不明者多数
長期的で大規模な救護活動が必要
3ヶ月以上経過したが・・・ ・ 慢性期に入っても当院の急患が減らない ・ 回復が著しい地域と、遅れている地域が二極化し、
地元の医療が整備されていない 救護チームが引き上げられないのが現状である
石巻圏合同救護チーム巡回避難所(7/1 付)
3 月 20 日
石巻圏合同救護
チームがスタート
今回の震災は、未曾有の大震災
石巻圏合同救護チームが活動
患者数の推移
99
779
1,251
700617
316176 248
407258
0
200
400
600
800
1,000
1,200
1,400
2011/3/11
2011/3/12
2011/3/13
2011/3/14
2011/3/15
2011/3/16
2011/3/17
2011/3/18
2011/3/19
2011/3/20
震災発生後 震災前急患(H23.2)
トリアージ別患者数の推移
0
200
400
600
800
1,000
1,200
2011/3/11
2011/3/12
2011/3/13
2011/3/14
2011/3/15
2011/3/16
2011/3/17
2011/3/18
2011/3/19
2011/3/20
軽症
中等症
重症
死亡
*東日本大震災の記録*
薬を求めて来院される方で玄関前は毎日長蛇の列
臨時の処方せん窓口を開設し対応しました
震災後すぐ玄関前にトリアージエリアを設置
患者の状態を判断し、的確なエリアへ搬入!!
震災翌日からはひっきりなしに多くの患者が当院に搬送されました!
次々搬送されてくる患者で院内は
まさに戦場のような光景が広がります・・・
震災後、被災地を元気付けようと赤
十字広報大使の藤原紀香さん、歌手の
大黒摩季さん、さらに日本赤十字社「は
たちの献血」キャンペーンソングを歌
うゆずのお二人が当院を訪問し、被災
された方々や当院のスタッフを激励し
ていただきました。
ゆずのお二人は被災地にエール送りた
いと、当院でミニライブを行い集まっ
た聴衆は、2人の歌声に聞き入りまし
た。
被災地に元気を!!~藤原紀香さんら当院を訪問~
内科外来からのお知らせ
当院の診療業務ならびに地域医療連携業務に関しましては日頃よりご協力いただきありがとうご
ざいます。
7月1日より当院内科消化器外来が「消化器内科」として独立した診療科に運用が変更になります。
つきましては、消化器疾患の患者さまのご紹介の際には「消化器内科」宛にご紹介いただきますよう
お願い致します。
心臓血管外科部長 小松 恒弘 脳神経外科副部長 菊地 登志雄 皮膚科副部長 舛 貴志 循環器内科医師 岩山 忠輝 内科医師 三浦 由希子 循環器内科医師 青木 恒介 小児科医師 遠藤 若葉 外科医師 大村 拓 整形外科医師 桑原 功行 形成外科医師 松下 泉 外科医師 石井 亮 小児科医師 岩澤 信哉 内科医師 松田 諒太 臨床研修医 安藤 恭久 臨床研修医 天羽 健一 平成23年4月30日 退職 内科医師 米澤 健 平成23年5月 30 日 退職 麻酔科副部長 武井 裕介 眼科副部長 渡辺 亮 泌尿器科副部長 當麻 武信 平成23年6月30日 退職
医師採用のお知らせ
医師退職のお知らせ
~平成23年4月・5月・7月 採用~
副院長
朝倉あさくら
徹とおる
心臓血管外科部長
篠崎しのざき
滋しげる
皮膚科副部長
長谷川は せ が わ
聡さとし
第一外科副部長
峰村みねむら
出いずる
第二外科副部長
佐藤さ と う
明史あけふみ
乳腺外科副部長
伊藤い と う
正裕まさひろ
救命救急副センター長
湯澤ゆ ざ わ
寛ひろ
尚なお
循環器内科
玉たま
渕ふち
智とも
昭あき
小児科
菅原すがわら
伸しん
小児科
鈴木す ず き
信のぶ
脳神経外科
相澤あいざわ
みさき
整形外科
佐藤さ と う
俊しゅん
一郎いちろう
形成外科
村木む ら き
健二け ん じ
救急科
加納か の う
隆りゅう
輔すけ
小児科
林はやし
千代ち よ
内科
井上いのうえ
あい
放射線診断科
久保田く ぼ た
恒ひさし
消化器内科
松本まつもと
桂けい
輔すけ
臨床研修医
荒川あらかわ
梨津子り つ こ
臨床研修医
榎本えのもと
純也じゅんや
臨床研修医
河本かわもと
あやみ
臨床研修医
菊地き く ち
明日香あ す か
臨床研修医
窪田く ぼ た
祥しょう
平へい
臨床研修医
熊谷くまがい
祐作ゆうさく
臨床研修医
清水し み ず
佑一ゆういち
臨床研修医
高橋たかはし
紀のり
善よし
臨床研修医
詫磨た く ま
裕史ひろふみ
臨床研修医
永井な が い
遼斗りょうと
臨床研修医
橋本はしもと
直なお
明あき
麻酔科副部長
岡田お か だ
吉史よしふみ
泌尿器科
神山かみやま
佳展よしひろ