2019年夏号自然情報・イベント情報を
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答:タマアジサイとハナムグリ
自然を満喫するために 第10回
「夏は、酸味を食へ」ということわざがあります。夏は食欲が低下するので酸味を取って食欲の増進を図ろうとするものです。初夏のすっぱいものの代表は梅です。梅の
実は、未熟だと青酸を含んでいるので食べれませんが、梅干しは日本の食卓に欠かすことが出来ません。また、山野を歩いているときに目につくものでは、イタドリ、スイバなど新芽を「スッパイ、スッパイ」と言いながらよく食べたものです。真夏になるとクサボケのあおい大きな実を捜して唾液で喉の渇きを癒したりしました。さあ、皆さんもこんなものを探して食べに
出かけましょう。
【味覚~夏の味・酸味~】 記:こうづま
イタドリ梅干し
スイバ クサボケの実
箱根火山の今 記:ナメハル
火山活動の状況に応じて、人々に噴火の危険性や取るべき対応を示す目安となるのが、気象庁が定める噴火警戒レベルです。最も低い「活火山であることに留意」の1から、最も高い5の「避難」までの5段階あります。元号が令和となったばかりの5月19日に、箱根の大涌谷の噴火警戒レベ
ルが、今までの1から2の火山周辺規制になりました。2015年6月以来4年ぶりとなります。箱根の中でも超人気スポットになっている大涌谷観光ができなくなり、多くの方々が残念に思っていることでしょう。今回のレベル上昇は、1か月間で1日平均の火山性地震の回数が10回以
上あり、山の膨張などの変化が観測された場合という気象庁のルールに基づくものです。逆にレベルが2から1に下がるためには、1か月間での火山性地震回数が
9回を下まわり、山体膨張などがおさまることが要件となります。今回の場合、この記事の執筆時点(6月7日)で4年前と比べて火山活動
は大分おだやかな印象を受けます。しかし、レベルがもとの1に下がるまでには、観測や分析などに必要な時間として最低でも1か月から2か月ほどかかるようです。ハイカーのみなさんが待ち望んでいる、駒ヶ岳から神山経由や箱根ビジ
ターセンターから姥子経由で大涌谷に至るコースの復旧が先延ばしになりそうで心配です。特に、例年5月の末に冠が岳や神山周辺に咲き、沢山のファンに愛されて
いるアカバナヒメイワカガミの群落の消息も大変気になるところです。火山国の日本には111の活火山があり、そのうち箱根を含む50の火山
は常時観測火山として気象庁が24時間体制で監視しています。箱根では、さらに麓にある神奈川県立温泉地学研究所が同じく24時間の観測体制をとっています。したがって2重に見守られていて、その充実度は日本一といっても過言ではありません。箱根の火山活動を伝えるテレビ、新聞なども以前より慎重に扱ってくれて
います。しかし、「箱根山」の噴火警戒レベルが上がったと報道されるため、箱根全体が危険だと誤解されがちです。「箱根山」は神山や金時山などの箱根にある山々の総称であり、現在、火山周辺規制となっているのは、大涌谷の直径1キロメートル余りの極々限られた区域です。最新の火山情報を確認しながら、安心して箱根の観光を楽しんだり、自然に親しんでいただければ幸いです。
アカバナヒメイワカガミ
最新の情報を確認し、安全に行動しましょう。
第3弾は、「千条(ちすじ)の滝」についてご紹介をします。
シリーズ
この滝は、蛇骨渓谷の上流にあり、幅20m、高さ3m程の滝で、幾筋にも分かれて水がすだれ状に流れ落ちることから、この名前で呼ばれるようになりました。この滝は、箱根ジオパーク全49サイトのひとつで、地層事態が、約4万年前に神山が崩れた時に流れてきた堆積物と考えられています。
次回、第4弾として「玉だれの滝」をご紹介します。
行ってみよう♪
記:トーマ箱根の『滝』第3回シリーズ
通常、滝は縦に長いのですが、この滝は横に長いのが特長で、苔むした岩の間を幾筋もの水が、静かに流れています。とても綺麗な水ですが飲むこと・汲むことはできません。
※)千条の滝への行き方は、箱根登山電車・小涌谷駅から徒歩20分、又はバス停・逢莱園下車で徒歩15分。ここは、色々なハイキングコースの
道の分岐点なっていますので、ぜひお立ち寄りください。
箱 根 の 温 泉其 の 三
炭酸水素塩泉炭酸水素塩泉は、旧分類では「重炭酸土類泉」と「重曹泉」に分かれていました。○「重炭酸土類泉」(マグネシウム-炭酸水素泉・カルシウム-炭酸水素泉)カルシウム及びマグネシウムによる鎮静効果、痙攣や炎症を抑える作用があり、アレルギー疾患や慢性皮膚病、じんましん等に効果があります。基本は無色透明ですが、成分により色が付く事もあります。
○「重曹泉」(ナトリウム-炭酸水素泉)皮膚の表面を軟化させる作用があり、やけどや切り傷に良いと言われています。また、皮膚の脂肪や分泌物を乳化して洗い流すので皮膚の洗浄効果もあります。「美人の湯」の1つです。
☆泉質の特徴を一言で表現すると・・・「美肌の湯」:重曹泉は典型的な美肌の湯(クレンジング効果)。「清涼の湯」:入浴後、発汗が盛んになやすく清涼感がある。きりきず、抹消循環障害
☆お湯知識「美人の湯(アルカリ性温泉等)」と同じように、炭酸水素塩泉(カルシウム・マグネシウム)にはクレンジング効果によるお肌ツルツルが期待できます。女性のエスコートに必須温泉です(笑)。
『箱根で入れる場所』
○小涌谷 ○芦之湯
○姥子 ○湖尻
など
箱根星空だより2019 (7・8・9月)
さがしてみよう!
□ 惑星
(木星・土星)
□ 夏の大三角
ベガ(こと座)
アルタイル(わし座)
デネブ(はくちょう座)
□ アルビレオ(はくちょう座)
□ アンタレス(さそり座)
夏の大三角をさがそう!
7月中旬 23時頃
8月中旬 21時頃
9月中旬 19時頃
箱根の星空
夏の夜空に、明るい星3つでつくるチーズ
ケーキのような三角が「夏の大三角」です。
三角を見つけられたら、明るさ比べをしてみ
ましょう。明るい順に、こと座のベガ(織姫
星)、わし座のアルタイル(彦星)、はく
ちょう座のデネブ。織姫と彦星の間のもやも
やとした雲のようなところが「天の川」です。
天の川はたくさんの星の集まり。おすすめは
双眼鏡観察です。まるで宝石をちりばめたよ
うに、たくさんの星を見ることができますよ。
箱根にて撮影季節の星をながめよう
7月17日
8月15日
9月14日
担当:箱根ジオミュージアム 山口
7月3日
8月1日、30日
9月29日
満月
新月
北
西東
南
デネブ
アルタイル
ベガ
天
の
川
ブナを見に屏風山へ 記:なつみ
①急坂
屏風山は箱根新道側から見ると、切り立った絶壁のように見えます。その様子を屏風に見立てて屏風山と名付けられたそうです。せっかくなので関所も見学して、関所近くから登山道に入ると、屏風を立てたような山というだけあって途中、急坂が出てきます。たまに腰の高さほどの階段。修行です。聞いた話によると、神奈川県で2番目の急登とも。
日時; 2019年5月25日(土)スタート: AM9:30 ゴール: PM14:00コース: 恩賜箱根公園→箱根関所→屏風山→甘酒茶屋距離: 3km
②ブナ
箱根にブナの木?あるんです白神山地のようなまっすぐに伸びたブナではなく、箱根のブナは横にのびのびと広がって育っています。箱根のブナが成長した時代、ライバルとなる木が密集していることがなく、横に大きく育ったものと思われます。あ、これがブナなんだ、と思われるかもしれません。
山頂から少し行くと、平らな場所があり、お昼休憩。ゆっくり時間を取っていたので、レジャーシートに横になっていらっしゃる方も。気持ち良い場所です。
どちらかというとマイナーな山。屏風山。今回、「自然を親しむ運動」のイベントで私自身も初めて歩きました。
まとめ
景色が広がる場所がないのが残念ですが、箱根を既に何度も歩かれている方や、植物をゆっくり観察したい方にはおすすめです。最後は甘酒茶屋で一息。冷たい甘酒もありました。
関所近くの案内に甘酒茶屋まで70分とありますが、ゆっくり歩くと頂上までで既に1時間ほどかかります。
急坂を登る際に、後ろを振り返って見ると登ってきた階段が高くてこわい。眼下に登った分の景色が広がります。反対からのルートは少し下りが危ないかもしれません。
登り切ると山頂まで、なだらかで歩きやすいです。
仙石原湿原の夏 文と写真:しかの
仙石原湿原の青草刈りが、6月4日(火)に行われました。『いよいよ仙石原にも夏が来た』と感じます。青草刈りは箱根町主催の行事で、ノハナショウブ等の湿原植物の保全のため、毎年6月上旬に実施しています。箱根湿生花園、環境省、箱根町文化財ボランティア、箱根町登録ボランティア、箱根パークボランティアが参加しました。県道75号線北側、国の天然記念物指定地(木柵で囲まれている場所)内外に設置した11カ所の方形区内のヨシ・ススキ刈りを行いました。1つの方形区に5~6人が入り、踏み荒らさないようなるべく歩数を減らし、方形区の1辺に1列に並んで、手前から奥へと鎌で刈り進んでいきます。ノハナショウブを誤って刈らないよう、踏まないように注意します。今年は、例年よりヨシの丈が低く細かったので、作業はいつもより楽でした。箱根湿生花園の職員によると、5月に霜が降りた影響だろうとのことでした。ノハナショウブは6月下旬~7月上旬、見頃を迎えます。天然記念物に指定された昭
和9年(1934年)当時は、ノハナショウブが群生していたそうです。今年はどれくらい咲くでしょうか? とても楽しみです。箱根町では毎年文化財ボランティアを募集しています。ご興味のある方はぜひご参加ください。
※仙石原湿原( 県道75号線北側)には入れません。道路沿いの歩道からの観察となります。箱根湿生花園(3月1日~開園、12月1日~2月28日の間は休園)園内の植生復元区にて仙石原湿原の植物を観察出来ます。
※ススキ草原(台ヶ岳北側中腹)は歩道があり散策できます。バスの場合は仙石高原バス停下車徒歩2分です。
青草刈り作業
フナバラソウ
ホオジロ
トキソウ ノハナショウブ
満開のニシキウツギ
箱根ビジターセンター自然情報誌(バックナンバーはHPに掲載) 第76号
箱根ビジターセンター 周辺自然歳時記
お問い合わせ
箱根ビジターセンター
〒250-0522
神奈川県足柄下郡箱根町元箱根164
TEL:0460-84-9981
http://hakonevc.sunnyday.jp/
Email:[email protected]
管理・運営
一般財団法人自然公園財団箱根支部
開館時間
9:00~17:00(最終入館は16:30)
休館日
年末年始12月28日から1月1日まで
6月のみ第2水曜日とその翌日
編集・発行:箱根自然解説活動連絡協議会箱根ビジターセンター内
TEL:0460-84-99812019年7月発行
お問い合わせ
休館日
開館時間
見どころ 駒ヶ岳・金時山ハコネコメツツジ・仙石
原湿原お花畑ミドリシジミ、オオルリハ
ムシなど多くの虫たちで賑わう
開花植物 イワガラミ・ウツボグサ・オカトラノ
オ・カキラン・クサレダマ・シロバナイ
ナモリソウ・ダイコンソウ・ツチアケ
ビ・ネムノキ・ヤマユリ・ユウガギク
など
実 ハナイカダなど
そ の 他 ア サ ギ マ ダ ラ 飛 来
ヒ グ ラ シ の 合 唱 ♪
開花植物 イタドリ・オミナエシ・カワラナデシ
コ・サワヒヨドリ・シラヤマギク・ス
スキ・センニンソウ・タマアジサイ・
ツリガネニンジン・マルバハギ・ノリ
ウツギ・リョウブ・ワレモコウなど
そ の 他 秋の七草が咲き始める
オオシオカラトンボ産卵
ツクツクボウシの合唱♪
見どころ ススキの穂が出揃う
冠ヶ岳から紅葉前線が下り始める
開花植物 キントキヒゴタイ・キンミズヒキ・
シロヨメナ・ツリフネソウ・ツルボ・
ノコンギク・ホトトギス・マツムシソウ
・ミズヒキなど
実 エゴノキ(ヤマガラの大好物)・ガマズ
ミ・ツチアケビ・ミズキ・ヤマボウシ
そ の 他 シ カ の 声 ・ 虫 の 声 が 聞 こ え る 、
ヤ ブ ガ ラ シ の 花 に ス ズ メ バ チ
が 集 ま る
四季折々、見どころいっぱいの箱根ビジターセンター周辺散策に、是非お出かけください♪
ミドリシジミ タマアジサイ
ヤマボウシ ススキの穂
記:わみすけ