データ利活⽤型スマートシティを実現するIoTプラットフォーム FIWAREについて
2017年 6月27日日本電気株式会社未来都市づくり推進本部
近畿情報通信協議会地域IoT実装推進に関する勉強会
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本日のご説明内容
▌スマートシティのグローバルの動向
▌データ利活⽤型 IoTプラットフォーム FIWARE
▌国内におけるFIWAREの活用
スマートシティのグローバルの動向
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スマートシティにおける取り組みの変化
グローバルのスマートシティでは、IoT、及び分野横断のデータ活用が取り組まれており、新たなサービスの創出、⾏政コストの削減等の実現が進展グローバルのスマートシティでは、IoT、及び分野横断のデータ活用が取り組まれており、新たなサービスの創出、⾏政コストの削減等の実現が進展
データ量
適用分野
スマートフォン IoT
分野別の効率化2009〜
エネルギー 交通
都市の新たな価値を創出2015〜
都市データ
インフラ
エネルギー 防災
農業 セーフティ
都市に関わる多種多様なデータを統合管理
データ分析により得られたインサイトから新サービスを提供
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IoTを活用したグローバルにおけるスマートシティプロジェクト
特に、欧州では多くの実証・社会実装が進んでいる特に、欧州では多くの実証・社会実装が進んでいる
イギリス・デジタル・グリニッチアイルランド・Smart Beehive Projectフランス・Connected Boulevarオーストリア・ウィーンクラウドダイナミクス実証ドイツ・シュタットベルクVPP実証・EエナジーVPP実証スペイン・スマートサンタンデール・バルセロナ・スマートシティ・スマートシティ・バレンシアポルトガル・PlanITバレースウェーデン・QuickNetFreeノルウェー・オスロ市スマートライティングデンマーク・コペンハーゲン・スマートストリートライティング
・ヴィボー・スマートごみ収集
米国・Sfpark・Smart Forest・Lake Nona メディカルシティ
シンガポール・CityNIND Test プロジェクトマレーシア・MIMON スマートパーキング
アルゼンチン・ティグレ防犯プロジェクトイスラエル
・Alcohol Analytics
出典:日経BP社『IoTプロジェクト総覧 スマートシティ編』、及び、NEC調べ※赤字はNEC事例
ニュージーランド・ウェリントン(交通、防犯等)
主な事例
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データ活用の先進都市 スペイン・サンタンデール
サンタンデール市は12,000個(世界最大規模)のセンサを街中に配置Waste Management、Smart Lighting / Parking等、様々なサービスを実現サンタンデール市は12,000個(世界最大規模)のセンサを街中に配置
Waste Management、Smart Lighting / Parking等、様々なサービスを実現
○Smart Santanderプロジェクト欧州各都市と連携、その中心がスペイン・サンタンデール市
○都市経営のためのダッシュボードセンサ(12,000個)のデータを⾒える化・統合するIoTプラットフォームを導入
出典:総務省「欧州におけるICTを活⽤した街づくりに関する取組事例」 出典:Santander Smartcity動画
Belgrade
Lübeck
Guildford
Santander サンタンデールの事例動画(約3分)をご覧ください
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スペイン・サンタンデール ダッシュボード画面
街中に設置されたセンサをダッシュボード画⾯で⼀元的に⾒える化自治体業務のオペレーションの効率化、最適化を実現
街中に設置されたセンサをダッシュボード画⾯で⼀元的に⾒える化自治体業務のオペレーションの効率化、最適化を実現
データ利活⽤型 IoTプラットフォーム FIWARE
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OtherServices
欧州発のデータ利活⽤型 IoTプラットフォーム FIWARE
EUではデータ統合を支える基盤ソフトウェアを整備NECは日本企業では唯一、FIWARE開発に参画
EUではデータ統合を支える基盤ソフトウェアを整備NECは日本企業では唯一、FIWARE開発に参画
EnergyHealthcare
○IoT基盤に関するEUの取組み ○FIWAREのパートナ企業(一部)
IoTプラットフォーム
社会・公共分野におけるデータ活用を共通的に実現する基盤ソフトウェアFIWAREを2011年から開発
NEC欧州研究所は、基盤の一部技術開発で貢献
Transport
出典:FIWARE, “Open APIs for Open Minds”, 2015.
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欧州におけるFIWAREの動向
FIWAREは現在、158の企業・団体、18の研究機関、863社の中小企業・起業家、18のビジネスハブ(iHub)、16のアクセラレータープログラム、21のラボ(FIWARE Lab)、89都市、23ヶ国まで拡大している。
FIWAREは現在、158の企業・団体、18の研究機関、863社の中小企業・起業家、18のビジネスハブ(iHub)、16のアクセラレータープログラム、21のラボ(FIWARE Lab)、89都市、23ヶ国まで拡大している。
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FIWARE推進・運営組織
推進・支援体制世界展開プログラム:ムンドス(Mundus)中小企業・起業家支援:アクセラレーター開発者のためのビジネスハブ、活動拠点:iHubs
ソフトウェアのカタログFIWAREカタログ
学習環境アカデミー
(eラーニング)
テスト環境FIWARELab
ツールFIWAREOps
(開発、運用、拡張)
(FIWAREファウンデーション)
FIWARE推進・運営組織の機能
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基盤ソフトウェアとしてのFIWARE
FIWARE:次世代インターネット技術のアプリケーション開発/普及を支えるソフトウェアモジュールの集合体
FIWARE:次世代インターネット技術のアプリケーション開発/普及を支えるソフトウェアモジュールの集合体
オープンソース・ライセンスフリーで各モジュールを⾃由に組み合わせて利⽤可能• FIWARE外のパーツを組み合わせて利⽤することも可能(オープンイノベーションを促進)
各モジュールが従うべき共通インターフェース(NGSI)が定められている• NGSI: Open Mobile Alliance(モバイル事業者/ベンダ中心の標準化団体)で標準化
FIWAREのモジュール群 用途に合わせて⾃由に組合せて利⽤可能
データ管理
デバイス管理
認証ビッグデータ解析
イベント検出
オープンデータ連携
:::
:::
::: デバイス管理
データ管理認証
ビッグデータ解析
オープンデータ連携
スマートシティアプリ
「FIWARE準拠のスマートシティ基盤」
7カテゴリ約40種のモジュール
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データ連携基盤としてのFIWARE
データ利活⽤型のプラットフォームであるFIWAREに蓄積されるデータはオープンAPI(NGSI)を介して、クロスドメインで、自由に活用できる
データ利活⽤型のプラットフォームであるFIWAREに蓄積されるデータはオープンAPI(NGSI)を介して、クロスドメインで、自由に活用できる
環境セーフティ :::防災 イン
フラ 観光サービス
データ連携基盤としてのFIWARE NGSIデータモデル
官庁系システム 自治体システム ⺠間システム
オープンAPI(NGSI)
オープンAPI(NGSI)公開データ登録
公開データ提供
公開データ検索
公開データ取得
他のプラットフォーム(既存システム等)
様々な業種サービス
蓄積データの相互運用
国内におけるFIWAREの活用
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日本版IoTプラットフォームの実現に向けて
FIWAREの成果を活用することで、早期に日本版を実現するFIWAREを活用しつつ、日本独自のサービスに応えるための機能を追加
FIWAREの成果を活用することで、早期に日本版を実現するFIWAREを活用しつつ、日本独自のサービスに応えるための機能を追加
日本版IoTプラットフォーム
アナリティクス
IoTネットワークPS-LTE / 5G
IoTセキュリティ
FIWARE準拠のAPI 日本独自のAPI
互換
成果
資産
サービス サービス
センサー/デバイス (日本の得意分野)
環境エネルギー
インフラ::: 防災
⽇本版の特⻑
セーフティ
自治体へ展開
**
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産官学連携、地場企業/ベンチャーによるエコシステム
プラットフォームを産官学の連携で構築し、サービスやセンサは多様な企業/団体も参加してエコシステムを形成
プラットフォームを産官学の連携で構築し、サービスやセンサは多様な企業/団体も参加してエコシステムを形成
日本版IoTプラットフォーム
アナリティクス
IoTネットワーク
IoTセキュリティ
産官学連携によるオールジャパン体制で実装
プラットフォーム実装
サービス サービス サービス
地場企業/ベンチャー等が自由に参加
サービス
デバイス
サービス実装
・地域課題に応じたサービスを開発
・IoTデバイス/センサをインフラとして展開
センサー/デバイス
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ごみ箱センサ ごみ収集⾞
センサ/モバイルネットワーク
Cloud City Operation Center(CCOC)Database
市⺠
都市の各指標をモニタごみ収集管理サービス
運⾏管理オペレータへの情報提供
海外実証事例 スペイン・サンタンデール
• ごみ収集容器にセンサを付け、溜まり具合をモニタリングし、収集経路とタイミングを最適化
• ごみ収集⾞をセンサで、モニタリングして運⾏を管理
2016年3月時点
【効果】• 街中に設置されたごみ箱を把握・管理
• ごみ収集コストの15%削減に成功
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国内実証事例 <フィジビリティスタディ中>産業廃棄物収集運搬最適化ー川崎市※川崎市発表資料より
◎ 川崎市は、平成9年に経済産業省(当時の通商産業省)から川崎臨海部全体を対象エリアとして、全国1号のエコタウン地域の承認を受けた。
◎ その後、循環産業の一大集積地域として、技術やノウハウ等を蓄積し、高付加価値で効率的な循環ビジネスを展開している。
◎ 今回、川崎エコタウン地域内でのリサイクル事業の更なる高度化と低炭素化等を目的に、市内企業等とも連携を図りながら、IoT技術の
循環産業への適応を目指し、FS調査に着手する。
◎ 現在、IoT技術の導入は、第四次産業革命 (Industry 4.0) に繋がる技術として、今後様々な分野での展開が期待されている。
◎ 本調査を通じて、事業展開が可能なビジネスモデル等を検討し、循環産業のみならず、他分野への普及も視野に入れて取組む。
◎ 川崎エコタウン地域立地企業における廃棄物処理の高度化及び低炭素化の実現
◎川崎エコタウン地域内での資源循環の高度化と市内環境産業の振興
◎IoTなどの新たな技術を活用した川崎発のグリーンイノベーションの推進
川崎エコタウンにおけるIoTを活用した資源循環システム高度化に向けたFS調査概要背景
調査概要
・事業期間 平成28~29年度 ※ 環境省補助採択審査は、単年度毎
・事業主体 川崎市
・共同実施者 日本電気㈱ [ IoT技術の適用検証 ]㈱中商 [資源回収高度化等のフィールド提供 ](一社)資源循環ネットワーク [ 全体効果検証 ]
・主な調査・検討内容
① IoTを活用した産業廃棄物等収集運搬システム最適化
② 産業廃棄物からの資源回収高度化及び低炭素化
③ 産業廃棄物処理におけるIoT活用方策の検討
④ 川崎エコタウン全体への波及効果も考慮した低炭素化効果の検証
⑤ 環境技術・環境産業の創出等の観点からの地域活性化効果の検証
事業効果
(IoTを活用した産業廃棄物等の最適なルート回収イメージ)
データ収集・分析
将来展望イメージ
◎ IoTを活用した産業廃棄物等収集運搬システム最適化実証
◎ 産業廃棄物からの資源回収高度化・低炭素化の検討
◎ 廃棄物分野におけるIoT活用方策の検討
◎ 川崎エコタウンにおけるIoTを活用した効率的な循環ビジネス手法の普及
◎ 他のエコタウン地域や海外への展開・普及
◎ 廃棄物分野以外へのIoTシステムの適用拡大
◎ IoTを活用した川崎エコタウンにおける廃棄物処理の高度化と低炭素化実現に向けた情報発信・展開
◎ 市内産業廃棄物処理業者へのIoTシステム普及の取組
第1ステップ
第2ステップ
第3ステップ
【平成28~29年度】
【平成30~32年度】
【平成33年度~】
第1ステップ
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防災領域でのエリアデータ活⽤基盤 活用案
発災時に、官⺠の各防災関係機関もつ様々な情報を収集・分析し、知⾒を共有発災時に、官⺠の各防災関係機関もつ様々な情報を収集・分析し、知⾒を共有
防災領域での課題発災時、国、地方公共団体等の各防災関係機関が、被災状況の全容把握に手間がかかっており、災害応急対策活動の円滑性と迅速性が課題。
エリアデータ活用基盤
官・⺠ ⺠
公開範囲の規制設定 ユーザーごとに分析
中央省庁自衛隊警察、消防医療、DMAT
自治体⼩売・物流企業インフラ企業
官一般市⺠警備会社カーナビ
アプリベンダー
A県××市 A県 A県□□市
自治体警察署
警察・消防各種センサ
官カーナビバス会社
インフラ企業⼩売・物流会社
⺠
自治体
官 ⺠
A県××市
A県××市 A県 A県□□市
警察・消防 カーナビ インフラ
企業小売・物流会社
平時含め、データ収集
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セーフティ領域でのエリアデータ活用基盤 活用案
エリアデータを可視化し、遠隔⾒守りのためのシステム整備エリアデータを可視化し、遠隔⾒守りのためのシステム整備
セーフティ領域での課題⾃治体、⺠間企業などが組織ごとに、カメラや音などのセンサー情報、通報情報など様々なデータを持っているため、街を⾒守るシステム間連携の柔軟性に課題。
警察 警備会社 自治体
集音マイク街頭カメラSNS 通報情報 関係機関からの情報提供
暴動雑踏事故
監視センター
デモ
地域住⺠・自治会
地域安全パトロール隊自治体・警察等
エリアデータ活用基盤通知情報 集音マイク
街頭カメラ関係機関からの情報提供
各種データ収集
エリアの⾒える化
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まとめ
▌データ利活⽤型 IoTプラットフォーム FIWARE FIWAREファウンデーションにより普及・促進のための仕掛けが整備されているため、欧州でのデファクト化、米国にも広がりを⾒せている
オープンなAPI(OMA/NGSI)のため、クロスドメインのデータ流通に最適 オープンソース・ライセンスフリーのため、オープンイノベーションを促進
▌国内におけるFIWAREの活用 グローバルで豊富な実績のあるFIWAREを活用可能 日本の強み(アナリティクス、IoTネットワーク/エッジコンピューティング、
IoTセキュリティ)を活かして、更に充実させる必要がある 地場企業、ベンチャー、大学等の参加によるエコシステムの形成が重要
データ流通を活性化するIoTプラットフォームのFIWAREとデータ利活⽤を進める仕掛けの両面の仕組みにより、
住⺠サービスの充実、地域における新たなビジネス・雇用の創出等への貢献を目指す
データ流通を活性化するIoTプラットフォームのFIWAREとデータ利活⽤を進める仕掛けの両面の仕組みにより、
住⺠サービスの充実、地域における新たなビジネス・雇用の創出等への貢献を目指す