スパッタ装置 CFS-4ES 実験手順書 2016/12/2 改訂 水島
2006/4/26 作成 北村
RP = Rotary Pump, TMP = Turbo Molecular Pump
※ROUGHING と FORLINE が同時に開いてはいけません! ※ トラブルのさいには、とりあえず MAIN バルブを閉めましょう!!
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装置構成図装置全体図
0 準備:ターゲット交換(不要なら次項 1 の立上げから)0-1. 装置左脇の冷却水の管還(OUT)を開けます。(管往(IN)は閉めたまま)
0-2. AIR RELEASE バルブを開けて窒素が噴出する音がしだしたらバルブを閉め、
中央のチャンバーを開きます。
0-3. チャンバー内のシャッター、カバーを外します。六角ナットを注意深く緩め
ますが、このとき下の階にねじを落とさないように注意しましょう。
0-4. 装置左下の冷却水バルブの上二つを IN と OUT を共に下向きにして空気を送り、
水を抜きます。そのあと右だけをヨコにし、最後に左をヨコにします。この
作業によって、チャンバー内で少し水が漏れ出てくる場合があるので、アル
ミホイルやベンコットを敷くとよいでしょう。
0-5. ターゲットを外します。外したターゲットから白いリングと黒いリングを外
します。黒いリングは装置本体の溝に、白いリングは新しく装着したいター
ゲットにつけます。
0-6. 新しいターゲットをまっすぐ取り付けます。向きによってはうまく入らない
ことがありますので、ターゲットを回してうまくはまる向きを探しながら、
押し込むようにします。ねじは対角に締めていきましょう。締め込みにはト
ルクドライバーを使用してください。(トルク設定値:150N・cm)
0-7. 管往(IN)を開けて冷却水を流し、左下の水バルブ上二つを上向きにして漏
れがないことを確認します。漏れがある場合はターゲット装着を見直してく
ださい。
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0-8. ターゲットを覆うカバーを付けます。カバーの表裏に注意。真中の棒を外向
きにします。シャッターを付けます。この時シャッター動かすつまみの位置
に注意。後でターゲット切り替えを行うためには正しい位置につける必要が
あります。
1 装置立ち上げ1-1. 装置左側面の冷却水管を OUT, IN の順に開け、装置正面左下の冷却水バルブ 4
つ全てを上向きにします。
1-2. 右下メインスイッチをオンにします。
1-3. 全 バ ル ブ ( MAIN 、 ROUGHING 、 FORELINE 、 AIR RELEASE, TURBO RELEASE, RP RELEASE の6バルブ)が閉じている事を確認します。
1-4. ロータリーポンプをオンにします。
1-5. FORE LINE VALVE をゆっくりと開けます。
1-6. PG2 圧力計が 10Pa 以下になったらターボポンプをオンにします。
1-7. 装置の上に乗っているコントローラ TC221 の表示が 0 になったら、TC221の白ボタンを押し、回転数 800 まで上がるのを待ちます。
2 試料セット※ターゲット交換をしている場合には 2-1.と 2-2.の作業はせずともチャンバーが開
きます。試料台に試料をテープで付けるところからで差し支えありません。
2-1. MAIN バルブが閉まっているのを再度確認します(ここで開けてはいけませ
ん!)。はじめて試料をセットする時点では MAIN バルブは閉まっているは
ずです。
2-2. ROUGHING バルブが閉じていることを確認します。AIR RELEASE バルブを
開けて窒素が噴出する音がしだしたらバルブを閉め直し、中央のチャンバー
を開きます。
(新たに試料を持ってくる場合はここに戻る)
2-3. 試料台(開けた蓋の内側)に試料をテープ等で貼り付けます。試料同士が重な
らなければ基本的には大丈夫です。
2-4. P-GUN 切り替え、ターゲット切り替えを回します(P-GUN は手前に引っ張っ
た状態で回します。引かずに無理に回すと、中のピン折れの原因になりま
す)。シャッター(ターゲット切り替えの内側のつまみ)がきちんと開閉す
るのを確認します。シャッターは閉じておきます。
2-5. チャンバーのフタをしっかり閉めます。体重をかけて、ひっかかりを乗り越
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えるようにきちんと閉めます。
2-6. FORE LINE 閉め 、ROUGHING VALVE をゆっくり開けます。この粗引きをす
る際、始めは体重をかけてフタをしっかり押し付けておきます。1~2分後
に真空計 PG1 が動き出すことを確認します。
2-7. PG1 が 10Pa 以下になるまで引きます。
2-8. ROUGHING を閉め 、FORE LINE を開けます。
3 成膜3-1. MAIN VALVE ゆっくり開けます。(このとき、PG2 の真空度が悪くならない
ことを確認しながら開けること。)左上 IG1 の緑ボタンを押します。10-3Paオーダーまで真空引きをします。通常は 30~60分程度で引けます。(ター
ゲット交換後は長めになります。)
3-2. 待っている間に、地下 3 階の Ar シリンダーの元栓を開けます。
3-3. 十分に真空引きが出来たら IG1 の赤ボタンを押します。
3-4. 左下 Arガス導入バルブを手前に倒して開けます。
3-5. 装置左上の JIG を回転させる RUN スイッチをスライドしてオンにします。
3-6. マスフローコントローラで Ar 流量を決定します。通常は Ar ガスでは
16sccm程度に設定されています。
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3-7. 左上の IG1緑ボタンを押し、Arガスを流している状態での真空度を確認しま
す。0.93Pa 以下にすること! 3-8. 真空度が安定したら(0.6 ~0.7程度)、装置上右の RF電源装置を起動します。
スイッチは右側にあります。
3-9. スパッタ装置中段右の SPUTTER INTERLOCK を OK。(OK ボタンは長めに
押す)
3-10. 右上の MATCHING と TUNING を経験的に合わせます。(材料によって異なり
ます。末尾の表を参照のこと)
3-11. RF 電源をオンして(左のボタン)、つまみを回して電圧を印加します 。
FORWARD(F)と REFLECTED(R)が共に上昇していきます。(R,F が共に上
昇しない場合はそうなるように MATCHING と TUNING を調整)
3-12. Rが上がらなくなったら(60程度)、もう一度 SUPUTTER INTERLOCK を OKしなおします。
3-13. Rが下がれば放電に成功し、のぞき窓から紫の光が確認できます。何回やっ
てもなかなか放電しないことがあります。シャッターを少し開けた状態で
INTERLOCK を OK 、即シャッター閉じる、という操作を行います。 3-14. ヒーターを使う場合には、このインターロックが入ったあとにスイッチが入
るようになります。装置上のヒーター電源を入れ、JIG 回転の制御機のつまみ
を「加熱」にすれば温度を上げることができます。
3-15. SPUTTER TIMER をスパッタしたい時間に合わせます。表示は時計方式なの
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で注意(”00 59”の次が”01 00”。46分 49秒なら”46 49” )3-16. MATCHING、TUNING を調節し、Rが最低になるようにします(0 がベスト
ですが、0 でなくとも大丈夫。Forward の 1%以下にすること)。
3-17. Fをスパッタしたい値まで上げます(通常は 200W とか)。
3-18. シャッターを開けると同時に SPUTTER TIMER の ON を押します。
3-19. TIMER で設定した時間が経つとブザー音と共に放電が止まり、成膜が完了し
ます。
3-20. ここで次の膜を続けて作りたい場合は、シャッターを閉じ、RF つまみを戻し
(反時計回りに、止まるまで回す)、RF電源のメインスイッチをオフにしま
す。そして P-GUN、ターゲットを所望のものにして、手順 3-7 に戻ります。
3-21. 終了する場合には、IG赤ボタン押し、RF電源のつまみを戻します。RF電源をオフ、シャッターを閉め、Arガスバルブを起こして閉じます。JIG の回転
も止めます。
4 立ち下げ4-1. MAIN バルブを閉じます。
4-2. 次の試料を続けてスパッタする場合、2-2 に戻ってください。
4-3. TC221 の STOP ボタンを押し、ポンプの回転が止まるまで待ちます。(表示
が”000”だとブレーキ動作中です。” 0”になったら OK)
4-4. ポンプの停止を待っている間に、試料を取り出します。MAIN、ROUGHINGが閉じていることを確認して AIR RELEASE バルブを開けます。窒素が噴出す
る音がしだしたらバルブを閉めます。
4-5. チャンバーを開き、試料を取り出します。テープで固定した箇所などはエタ
ノールで拭きます。チャンバーを閉めます。
※ヒーター加熱を行った場合はもちろん、長時間スパッタや逆スパッタを行った
後も、試料台が熱くなっていることがあります。十分冷えてから試料を取り外し
ましょう!
(ヒーター加熱を行うと、チャンバーが冷えるまで 6 時間以上かかります。『高
温注意 !!HOT!! 』の札を掲示しておいてください)
4-6. TC221 の表示が” 0”になっていることを確認します。
4-7. FORE LINE 閉め、右下 TMP を OFF にします。下段 TURBO LEAK VALVE を
開けてリークし(PG2 のインジケーターが下に振り切れたら OK)、閉め直し
ます。
4-8. チャンバーのフタをしっかり閉めます。体重をかけて、ひっかかりを乗り越
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えるようにきちんと閉めます
4-9. ROUGHING VALVE をゆっくり開けます。始めは体重をかけてフタをしっか
り押し付けておきます。真空計 PG1 が動き出すことを確認します。
4-10. PG1 が 10Pa 以下になるまで引きます。
4-11. ROUGHING VALVE を閉めます。
4-12. 右下 RP を OFF。右下 RP RELEASE バルブを開けて 10秒ほど待ってから閉
めます。
4-13. 再度、RF電源オフ、バルブ全閉であることを確認します。
4-14. メイン電源をオフにします。
4-15. 本体の冷却水バルブ4つをヨコにし、装置の左側面下の In、Out 閉じます。
4-16. 地下 3 階の Ar シリンダーの元栓を閉め、残圧を確認します。
4-17. ログノートに記録して終了です。お疲れさまでした。
ヒント MATCHING,TUNING をいじっても R,F が変わらないときは P-GUN の接触不良
(ちゃんと定位置にハマってるか?)を疑いましょう。
Ar15.3sccm で 5.8×10^-1Pa程度。
Ar 流して 5分程度で真空度は落ち着きます。
RF電源の EXT を押してあると ON にできなくなるのでもう一度 EXT を押す。
Ar 流量が 少 な い と放電し な か っ た り放電が途中 で止ま っ た り す る 。
16.0sccm あれば OK?
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