I A E A2050年までの世界のエネルギー・電力・原子力発電予測(2019年9月)関連データ
JAIF
情報・コミュニケーション部2019年9月
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目 次
1. 世界各国の原子力発電量と原子力シェア(2018年)
2. 世界の原子力発電規模予測(表)
3. 世界の原子力発電規模予測(グラフ)
4. 世界の原子力発電規模予測(閉鎖と新規建設)
5. 世界の原子力発電予測概観
6. 世界の原子力発電規模予測(地域別特徴)
7. 世界の総発電量と原子力発電量の予測
8. 世界の総発電規模と原子力発電規模の予測
9. 世界の原子力発電規模予測の推移2017~2019年版の予測
10. 世界の原子力発電規模予測の推移2009~2019年版の予測
11. 世界の電源別発電量の推移(1971~2018年)
12. 世界の最終エネルギー消費量(2018年)
13. 世界のエネルギーおよび電力の最終消費予測Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
単位:%
フランススロバキアウクライナハンガリー
スウェーデンスイス
ベルギースロベニアブルガリア
チェコフィンランドアルメニア
韓国スペイン米国英国
ルーマニアロシアカナダドイツ
パキスタンアルゼンチン南アフリカ
日本メキシコ中国
オランダブラジルインドイラン
※台湾の原子力シェアは10.2%
1.世界各国の原子力発電量と原子力シェア(2018年)
【各国の原子力発電量】 【各国の原子力シェア】
※台湾の原子力発電量は26.7TWh
単位:TWh=10億kWh
米国フランス中国ロシア韓国カナダ
ウクライナドイツ
スウェーデン英国
スペイン日本インドチェコ
ベルギースイス
フィンランド
ブルガリアハンガリーブラジル
スロバキアメキシコ
南アフリカルーマニアパキスタン
アルゼンチンイラン
スロベニアオランダ
アルメニア
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2.世界の原子力発電規模予測(表)
地 域 2018 年
2030年 2050年
低予測 高予測 低予測 高予測
北米 113 88 111 40 113
中南米 5 6 8 9 19
北・西・南欧 111 75 94 42 67
東欧 51 52 68 55 79
アフリカ 2 3 4 7 15
西アジア 0.4 8 9 15 24
南アジア 8.5 19 27 51 84
中央・東アジア 106 115 175 149 304
東南アジア 3 8
太平洋 2
世界合計 396 366 496 371 715
単位:GW=100万kW
※地域の分類は、 国連の統計分類に準ずる
運転中:450基・3億9,600万kW・送電開始:9基・1,035.8万kW
建設中:55基・5,700万kW・建設開始:5基・633.9万kW
退役(閉鎖):7基・542.4万kW
原子力発電量:2兆5,630億kWh(前年比約2.4%増)
原子力シェア:約10%
2018年の世界の原子力開発動向
(2018年末時点)
4Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
0
200
400
600
800
実績値 高予測 高予測 実績値 低予測 低予測
2018年 2030年 2050年 2018年 2030年 2050年
太平洋
東南アジア
中央・東アジア
南アジア
西アジア
アフリカ
東欧
北・西・南欧
中南米
北米
3.世界の原子力発電規模予測(グラフ)
単位:GW=100万kW
5
【高予測】 【低予測】
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6
4.世界の原子力発電規模予測(閉鎖と新規建設)
【高予測】 【低予測】
396 GW
496GW
715GW
396 GW
単位:GW=100万kW
366 GW371 GW
2018 20182050 20502030 2030閉鎖(117GW)
新規建設(85GW)
閉鎖(173GW)
新規建設(179GW)
閉鎖(49GW)
新規建設(148GW)
閉鎖(137GW)
新規建設(356GW)
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短期的には、世界のいくつかの地域で、低価格な天然ガスおよび補助金付で間欠性の再生可能エネルギーによる電力価格への影響が、原子力の成長見通しを左右し続けることが予想される。さらに天然ガスについては、掘削技術向上による低コストおよび供給量増加の結果、競争力がさらに増大してきている。短期的には、未だ継続中の経済の不確実性やいくつかの地域における電力需要の鈍化が、原子力発電のような資本集約プロジェクトにとって課題となり続けるであろう。また、高まる安全要件や先進技術の展開の困難さなどが、建設期間の長期化やコスト増をもたらし、遅延を招いている。福島第一事故に加えて、これらの問題が原子力開発計画に影響し続けるであろう
長期的には、発展途上国における人口や電力消費の増加だけでなく、気候変動対策や大気汚染問題、エネルギー供給保障、他の燃料価格の不安定さの根本的な理由から、原子力はエネルギーミックスにおいて重要な役割を果たし続ける
2050年の原子力発電規模は、前回2018年予測と比べると、高予測で3,300万kW減、低予測では1,500万kW増となった。これらは、福島第一事故や上述した他の要因が反映されている。いくつかの地域における既存原子力発電所群の将来や拡張に向けた最近の長期計画の発表によって、これらの予測には不確実性が少なくなっている。高経年化や経済性などの要因による閉鎖の影響を相殺するためには、かなりの数の新規建設が必要となろう
多くの地域、特に発展途上国においては、原子力発電に対する関心は依然高い。パリ協定やその他のイニシアチブに対する履行責任が、今後の原子力開発を支援するポテンシャルを有する
5.世界の原子力発電予測概観
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6.世界の原子力発電規模予測(地域別特徴)
8
減少傾向 ・北米=低予測では大幅減少、高予測では現状規模をほぼ維持
・北・西・南欧=低予測では大幅減少、高予測でもかなりの減少を予測
増大傾向 ・中南米=低・高予測とも増大するが、規模的には小さい
・東欧=低予測では緩やかに増大、高予測ではより速いペースで拡大
・西アジア=今後の導入見込み大。低・高予測とも増大するが、規模的には小さい
・南アジア=低・高予測とも大幅に増大。2050年には現在の6倍、10倍程度に増大
・中央・東アジア=低・高予測とも大幅に増大。規模的には世界最大の増加を示す
導入見込み小 ・アフリカ=不確実性が大きい。低・高予測とも増大するが、規模的には小さい・東南アジア、太平洋=当分の間、導入見込みなし。2040~50年頃導入の可能性
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7.世界の総発電量と原子力発電量の予測
地域2018年 2030年 2050年
全発電量(単位:TWh=10億kWh)
原子力 全発電量(単位:TWh=10億kWh)
原子力 全発電量(単位:TWh=10億kWh)
原子力
実績 % 低予測
高予測
%
%
低予測
高予測
%
%
北米 4867 902 18.5 5121 699
880
13.6
17.2
5729 324
909
5.7
15.9
中南米 1565 35.0 2.2 2122 46
62
2.2
2.9
3326 74
155
2.2
4.7
北・西・南欧 3013 729 24.2 3167 589
740
18.6
23.4
3556 335
538
9.4
15.1
東欧 1634 354 21.6 2046 408
535
20.0
26.2
2864 442
636
15.4
22.2
アフリカ 820 11 1.3 1360 23
32
1.7
2.3
3045 60
119
2.0
3.9
西アジア 1211 2 0.2 1576 59
71
3.8
4.5
2536 122
190
4.8
7.5
南アジア 2049 51 2.5 3950 147
210
3.7
5.3
7826 407
680
5.2
8.7
中央・東アジア 8760 480 5.5 12264 865
1314
7.0
10.7
16851 1202
2453
7.1
14.6
東南アジア 978 0 0 1592 0
0
0
0
2827 24
65
0.9
2.3
太平洋 294 0 0 341 0
0
0
0
472 0
16
0
3.4
世界合計 25196 2563 10.2 33538 2836
3844
8.5
11.5
49032 2990
5761
6.1
11.7 9Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
8.世界の総発電規模と原子力発電規模の予測
地域2018年 2030年 2050年
総発電
設備容量
(単位:GWe=
100万kW)
原子力 総発電
設備容量
(単位:GWe=
100万kW)
原子力 総発電
設備容量
(単位:GWe=
100万kW)
原子力
実績 % 低予測
高予測
%
%
低予測
高予測
%
%
北米 1366 113 8.2 1377 88
111
6.4
8.0
1351 40
113
3.08.3
中南米 427 5 1.2 571 6
8
1.1
1.4
847 9
19
1.1
2.3
北・西・南欧 989 111 11.2 1144 75
94
6.5
8.2
1290 42
67
3.2
5.2
東欧 456 51 11.2 496 52
68
10.4
13.7
652 55
79
8.4
12.1
アフリカ 229 2 0.8 359 3
4
0.9
1.2
770 7
15
1.01.9
西アジア 343 0.38 0.1 456 8
9
1.7
2.1
696 15
24
2.2
3.4
南アジア 525 8.5 1.6 1040 19
27
1.8
2.6
2117 51
84
2.4
4.0
中央・東アジア 2526 106 4.2 3805 115
175
3.0
4.6
5014 149
304
3.0
6.1
東南アジア 247 0 0 429 0
0
0
0
744 3
8
0.4
1.1
太平洋 80 0 0 104 0
0
0
0
153 0
2
0
1.2
世界合計 7188 396 5.5 9782 366
496
3.7
5.1
13633 371
715
2.7
5.2 10Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
300
400
500
600
700
800
900
1000
2015 2020 2025 2030 2035 2040 2045 2050
2017低予測
2017高予測
2018低予測
2018高予測
2019低予測
2019高予測
9.世界の原子力発電規模予測の推移(2017~2019年版の予測)
(年)11
単位:GW=100万kW
2017年版
2017年版
2018年版
2019年版
2018年版2019年版
低予測
高予測
Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
300
400
500
600
700
800
900
2008 2009 2010 2011 2012 2013 2014 2015 2016 2017 2018 2019 2020 2021 2022 2023 2024 2025 2026 2027 2028 2029 2030
2009低予測 2009高予測
2010低予測 2010高予測
2011低予測 2011高予測
2012低予測 2012高予測
2013低予測 2013高予測
2014低予測 2014高予測
2015低予測 2015高予測
2016低予測 2016高予測
2017低予測 2017高予測
2018低予測 2018高予測
2019低予測 2019高予測
2010年版
2009年版
2011年版2012年版2013年版
2014年版
2015年版
2016年版
2018年版
2010年版
2017年版
2019年版2011年版
2013年版
2014年版2016年版
2019年版2015年版
2017年版2018年版
10.世界の原子力発電規模予測の推移(2009~2019年版の予測)
単位:GW=100万kW
(年)
高予測
2012年版
2009年版
低予測
低予測
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11.世界の電源別発電量の推移(1971~2018年)
単位:TWh=10億kWh地熱
太陽
風力
バイオ燃料および廃棄物
原子力
水力
天然ガス
石油
石炭、褐炭、泥炭
2018年の世界の総発電量は、前年比3.9%増。原子力発電量の伸びは2.4%
再生可能エネルギーと天然ガスの発電量がかなり伸びているものの、石炭の発電量が依然として優勢である
天然ガスのシェアは約23%を維持
水力と再生可能エネルギーが大きく伸び、シェアは25.8%に達する
原子力シェアは約10.2%のまま
(年)
13Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
石炭、褐炭、泥炭
13%
石油
40%
天然ガス
15%
バイオエネルギー、廃棄物
10%
電力
19%
熱利用など
3.4%
石炭、褐炭、泥炭
石油
天然ガス
バイオエネルギー、廃棄物
電力
熱利用など
12.世界の最終エネルギー消費量(2018年)2018年の最終エネルギー消費に占める電力の割合は19%今後もエネルギー消費に占める電力の割合は増える見込み
14Copyright © JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC
0
100
200
300
400
500
600
2018年 2030年 2050年
エネルギー
電力
13. 世界のエネルギーおよび電力の最終消費予測
最終エネルギー消費に占める電力の割合は、2018年の18.8%から2030年 21.2%、2050年 26.1%に上昇
単位:EJ=10の18乗ジュール
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