48
3.実践プロジェクト
(1)雪遊びプロジェクト
1)目的
・札幌の子どもは、冬期間は日常的に雪があるため、雪に対して特別な意識を持っておらず、
冬季間は公園の遊具の閉鎖などにより、遊ぶ場所がないという課題を、雪のない地域出身の
外国人と一緒になって遊ぶことで、雪の魅力・特別感に気づいてもらうというアイデアを実
践し、解決をする。
・外国人には雪は見るだけではなく、楽しめるものだと実感してもらい、旅行や滞在の思い出
もつくってもらう。来年の冬も来たいと思ってもらう。
・札幌の子どもは雪がない国もあることを学び、雪は特別なものだと意識づける。
・雪遊びの楽しさを再認識する。
・外国人と遊ぶことで国際交流の楽しさを学ぶ。
2)開催概要
日 時: 平成 28年 2月 28日(日)13:00~16:00
場 所: 中島公園中島児童会館前
場 所: 中島公園中島
参加者:小中学生とその保護者、外国人 合計 36名
3)告知方法
ポスターと Facebook ページによる告知を行った。
ポスター
市内の児童会館、小学校や会場近くの商店街に依頼
市内の留学生センターや国際交流施設に依頼
49
4)実践のプロセス
企画内容(スタート時)
<日 時> 週末土日のどちらか(13:00~16:00)
<場 所> 豊平川沿いの公園や広場
<内 容> 会場周辺の小学校3~6年生と、
ゲストハウスに泊まっている外国人や道外のゲスト
<定 員> 40名
<料 金> 1000円くらい?
実践に向けて 1月 2月
リサーチ(ヒアリング)
内容・費用の検討
調整
広報
準備
役割分担・仲間集め
実
践
2/27(土)OR 28(日)• 子ども向けにどのような雪遊びが良いか(⇒学校、ネイチャーガイド)
• 外国人のニーズはどのようなものか(⇒留学生・ゲストハウス)• 場所はどこが可能か、適当か(⇒公園管理課)
• どのような企画にするか
• リサーチと合わせて協力を依頼 • チラシ• SNS
• 当日の必要なもの、材料
準備のスケジュール
1/20
50
準備のプロセス
• 2回のワークショップを通した企画検討•メンバーによる運営打ち合わせ
• 役割分担は円滑に。(自分のできることを早めに言えた。)•使用場所の交渉 → 中島公園に決定!!
•使用する道具の調達• メンバーなどの他に、平岸中央商店街様からの協力を得る
•ポスター・看板づくり• PR活動(ポスター、ポスティング、FACEBOOK)
• 当日スタッフも同時にお願いしていく。
実践したイベント
<日 時> 2016年2月28日
<場 所> 中島公園 中島児童会館前広場
<内 容> 雪だるまづくり、そりリレー、かまくらづくり
<参加者> 外国人9名 小・中学生15名 保護者12名
<参加費> 無料
51
5)実践の結果
52
実践を通して発見されたこと
•何かはじめようすることは、何かが起きる。•メンバーはワークショップに参加しなければ、協力し合うことはなかった。
•個人のつながりが合わさることで、大きな力を得ることができる。
•協力してくれた友人、お世話になっている商店街
•そり遊びは、みんなたのしい。
実践を通して発見されたこと•メンバーがいい人たちばかりだったので、当日ベストコンディションだった(天気良い、雪たくさん)
•雪遊びに関しては、物品・場所を快く提供してくれた。•明確にリーダーを決めなかったので、プロジェクトの進捗管理などが難しかった。
•なかなかメンバーの都合が合わず、みんなでミーティングすることが難しかった。プロジェクトの進み具合がなか
なか見えにくかった。
53
実践を通して発見されたこと(参加者から聞いた声)
•外国人の集客に苦労したが、国際交流が好きな親御さんは会話も楽しめた。
•普段外遊びしない子どもがイベントで雪遊びの楽しさに気づいて帰りたがらなかった!
•雪遊びがめちゃめちゃ好きな子どもがいる。•留学生どうしが交流できる地域のイベントがあまりないようである。
実践を通して発見されたこと(アンケートから)
•子どもが雪遊びがあまりできない理由は、ご両親の心配もあった!
→今回のイベントでは、心配は解消しながら遊
べるのではないか。(ニーズがあるのでは)
親御さんが子どもの雪遊びで心配な点◯車道への飛び出し(交通事故) ◯けが◯不審者、子どもの連れ去り ◯子ども同士のけんか
54
(2)どす恋応援プロジェクト
1)目的
身近に離婚経験者が多いと結婚に前向きになれない。札幌の非婚・晩婚について、結婚して
いる人も、離婚した人も、これから結婚しようとしている人も結婚が全く考えられない人も、
みんなで考えるキッカケを作り、これから結婚を考えている方にメッセージをよりリアルに感
じてもらうため、身近な人生の先輩方のメッセージを届ける。
2)開催概要
日 時: 平成 28年 3月 12日(土)3月 13日(日)
場所1: Light Bar(白石区・席数 16)、
場所2:果実倶楽部 818(中央区・席数 120)
3)告知方法
Facebook ページと twitter による告知を行った。
55
4)実践のプロセス
56
57
■実践までのスケジュール
58
■デザイナーによるデザイン案(4案)
59
■決定したデザイン
60
■プロジェクト紹介カード 店舗用説明文
61
5)実施結果
62
63
64
4.ソーシャルデザインの今後に向けて
今年度、札幌ソーシャルデザインプロジェクトは 2 年目として、ソーシャルデザイナー養成
事業として実施した。
一連の流れとしては、広くソーシャルデザインについて普及し知ってもらうためのセミナー
からスタートし、ソーシャルデザインについてより深く知ってもらうとともに基礎的な知識や
情報を習得するための基礎編、さらには、基礎編から継続した流れとして、プロジェクトを実
際に動かすための実践に関わるスキルやノウハウを習得する実践編に分けて人材育成を進めた。
具体的なソーシャルデザインのデザイン思考やその手法について学ぶ基礎編では、「ソーシャ
ルデザインキャンプ」と銘打った連続した 2 日間の集中講座にすることで、一定の参加者の継
続した参加を図ることができた。
また、ソーシャルデザインキャンプでは、3 つの社会課題を設定し、それらに対して課題解
決の考え方やアイデアを出す方法などについて、個人のワークとグループでのワークを織り交
ぜながら体験や作業を踏まえた講義としたことで、思考の展開や知識の浸透に効果があったと
思われる。
実際に、課題に対する解決のプロセスと、アウトプットとしてのプロトタイプづくりまで個
人で一連を体験したことは人材育成において効果があったもの想定される。
一方で、基礎編からの連続性を持たせた実践のステップでのワークショップでは、基礎編の
参加者の継続的な参加は少なく、人が入れ替わるなかでのプロジェクトの実践となった。
基礎編の参加者の多くは、ソーシャルデザインの事例やデザイン思考などへの学びへの関心
が高く、なにかを実践するという意識は少なかったことが要因の一つであると考えられる。
今後は、座学的な学びや知識のみではなく、それを踏まえた実践へのプロセスを一貫して習
得してもらうことができるよう継続した参加への改善や対策が求められる。
実践編においては、上記のとおり人の入れ替わりなどもあり、チームでの継続した取組が難
しかった面があったが、寄せ集めのチームとしては、それぞれが役割分担をしながら実践の準
備や企画、そして実践までチームでの動きが見えた。
また、具体的な実践をイメージながら動かすことの思考は、プロトタイプやプロジェクトの
企画からは異なる思考が求められ、実践プロジェクトを通して、それらの知識やノウハウにつ
いて体感を通して習得がされたと考えられる。
さらには、ワークショップや議論、検討ではわからないニーズや課題、プロジェクトの価値
なども実践を通して知ることができることから、必要なプログラムの一つであると考えられる。
65
今後のソーシャルデザインの展開においては、ソーシャルデザイナーの人材育成の観点から
は、基礎知識や情報を学ぶ座学的な講義はもちろん、それとあわせて、継続して実践のプロセ
スを学ぶことができるプログラムが求められる。また、そのほうが参加者のモチベーションも
高まると想定される。
その際には、実践のフィールドをある程度用意したプログラムや企画が必要となり、メニュ
ーとあわせて実践の場を創出、提供していくことが重要である。
また、講座としては、参加者の継続性を保つために、参加のモチベーションを高める工夫や
メニューと合わせて、連続した参加が可能な人材に絞って要請していくことも考えられる。
座学
講座
実践
体験
実践に向けたプロセスの共有
デザイン思考やアイデアの思考
実践
継続して参加・習得できる
環境づくりやプログラム
普及