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Active Learning体 験 す る ・ 発 見 す る ・ 表 現 す る ・ 対 話 す る ・ 創 造 す る

[ 福祉環境演習 ]

● experience

● expression

● creation

● discussion

● discovery

日本女子大学 住居学科

住居学科3年次 居住環境デザイン専攻 選択必修科目・建築デザイン専攻 選択科目

授業担当:佐藤克志准教授 村井エリ非常勤講師

● experience

● presentation

● creation

● discussion

● discovery

04

No.

04

アクティブラーニングとは…教員の講義を聴くという受動的な講義形式ではなく、実験や調査、ディスカッションやディベート、グループワークなどで学生が主体的に学ぶ、最先端の授業のこと。より学習内容が記憶に残り、身につきやすく、積極性が培われます。

アクティブラーニングとは…教員の講義を聴くという受動的な講義形式ではなく、実験や調査、ディスカッションやディベート、グループワークなどで学生が主体的に学ぶ、最先端の授業のこと。より学習内容が記憶に残り、身につきやすく、積極性が培われます。

バリアフリー設計を体験から学ぶ

授業の概要高齢社会の到来などの社会問題を背景として、バリアフリー性能を有した住宅を当たり前の住宅として整備していくことが求められています。そのような社会ニーズに対応するため、この授業では ①高齢者・障がい者配慮のための住宅改善提案、 ②高齢者居住施設/福祉施設の設計などの課題を通し、高齢社会における住環境づくりの基本を身につけることを目的としています。

学習を進めるにあたって、高齢者や車いす使用者の行為・動作特性と空間寸法の関係を理解するための演習、バリアフリー住宅のディテールの理解に関する演習、バリアフリーリフォームに係わる人々の役割を演じながら設計を進めるロールプレイ型演習、高齢者施設やバリアフリーの設備機器などの見学などを盛り込みながら学習を進めています。

ショールーム見学&高齢者疑似体験

東京ガスの新宿ショールームに設置された高齢者疑似体験コーナーを利用し、高齢者の「困り」を体験しています。これらの体験を通し、高齢者にとっての住環境はどうあるべきかを考える「きっかけ」としています。

尚、この体験コーナーのプログラムづくりに佐藤准教授も参加しています。

担当教員からのメッセージ

高齢者や障がい者にとっての「バリア」はその人々が生活する「環境」との関係によって生まれます。言い換えれば「バリア」が生まれるか否かは「ものづくり」に携わるデザイナーの責任であるとも言えます。今回紹介した「福祉環境設計」をはじめとして住居学科で開講されているバリアフリー・ユニバーサルデザインの関連授業では、バリアフリー・ユニバーサルデザインを「特別な配慮」として考えるのではなく「当たり前の配慮」として考える…その感性を身につけることを目指しています。

入浴、階段の昇降、廊下での車いす介助、床座からの立ち上がり、温度のバリアフリー、認知症高齢者の困りなどを体験。

授業内容1.ガイダンス&課題1:

高齢者・障害者配慮のための住宅改善・課題説明&住宅改修解説

2.ロールプレイ(住宅改善に係わる人々の役割を演じ、設計を進める)エスキス①(条件設定)

3.車いす体験によるバリアフリー設計要件の理解

4.ロールプレイエスキス②(改修ニーズと計画)

5.体験によるバリアフリーディテールの理解

6.ロールプレイエスキス③(ディテール計画他)

7.課題1提出・発表・講評

8.課題2:高齢者居住施設/福祉施設の設計課題説明

9.特別講義&エスキス①(基本コンセプト、平面ゾーニング他)

10.高齢者居住施設(グループホーム等)見学会

11.エスキス②(平面計画など)

12.エスキス③(平面計画、断面計画など)

13.バリアフリー関連設備機器などの見学会

14.エスキス④(断面計画、外構計画など)

15.課題1提出・発表・講評 

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住居学科 〒112 - 8681 東京都文京区目白台 2-8-1 TEL:03-5981-3452(住居学科中央研究室)URL:http://mcm-www.jwu.ac.jp/~jyu-ishi/jyu/ui/course0104a.htm住居学科ルポルタージュ:http://project-j.jwu.ac.jp/

居住環境デザイン専攻建築デザイン専攻

2014.7

力をかけたら取れてしまった手すり。

「車いす体験チェックシート」にそって調べていきます。この体験プログラムの一部は JICA のヨルダン国を対象としたバリアフリー研修にも採用されました。

どうしたら安全に手すりを取り付けられるか、施工方法を検討します。

段差のない床するには、どうしたらいいだろう?

実際の床材を使って組み立ててみます。

●グループホームの見学などを参考にして設計された学生作品

高齢者の疑似体験装具をつけながらロールプレイを行う時もあります。

[ 福祉環境演習 ]バリアフリー設計を体験から学ぶ

 バリアフリーディティール演習

バリアフリーリフォームを考えるにあたり、手すりの設置や段差の解消は重要な配慮要素になります。バリアフリーディテール演習では、木造住宅の壁や床を模した教材を使い、安全に「手すり」を取り付ける方法や和室と廊下の間にある「段差」を解消するための床の作り方を学習します。

バリアフリー リフォームのロールプレイ型演習

課題1では自分の家に高齢者/障がい者が居住することになったと想定し、バリアフリーリフォームを設計者に依頼するロールプレイを行います。具体的には2人でグループを組み、施主と設計者の立場を入れ替えながら、想定した高齢者/障がい者と家族のニーズ、及びそれに対する物的環境整備のあり方を考え、バリアフリーリフォームを具体的に提案します。設計者の立場を演ずることにより、居住者や住宅の状況としてどのようなことを把握しておかなければならないのかを体験的に学習します。

 認知症高齢者グループホーム見学会

課題2では高齢者の居住施設/福祉施設として「認知症高齢者のためのグループホーム」の設計します。普段あまり見ることのない居住施設なので様子を知るために見学会を実施しています。

車いす体験

車いす使用者のためにどのような配慮が必要なのか、実際に車いすに乗り、設計マニュアル等で書かれているバリアフリー要件の根拠を体験から理解します。体験内容は車いす寸法、通行幅、ドア幅、方向転換スペース、上肢可動域・到達域、適切なスロープ勾配、超えられる段差/超え

られない段差など、車いす使用者の「移動行為」に焦点をあてています。体験結果は体験チェックシートに記録していきますが、設計マニュアル等に書かれている寸法も調べ、自分が体験しチェックした寸法と差がある場合はその理由を考察します。


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