既往の研究 基礎浮き上がりによる構造物の応答の 低減効果は建物の形状と特性、地盤によってばらつきがある
低減効果を利用するためには
低減効果のばらつきの要因を解明
本研究の目的 低減効果のばらつきを
建物に入力するエネルギーから考察
加速度応答スペクトル エネルギースペクトル
基礎浮き上がり拘束、許容それぞれの地震終了時の全体入力エネルギー上部構造の入力エネルギー、上部構造の最大歪エネルギーを速度換算値で表す
速度換算値:V
入力率=
2E M:建物の質量 M E:それぞれのエネルギーE
浮き上がり許容した速度換算値
浮き上がり拘束した速度換算値
RMR RH
H
W
φ
L
強度型:減衰2%、弾性に近い状態で地震力に抵抗する
靭性型:減衰10%、部材の塑性化を許容することにより、地震エネルギーを吸収する
入力率
1.0≦入力率 0.8≦入力率≦1.0 入力率≦0.8
上部固有周期
アスペクト比・基礎が浮き上がることで地盤建物系が長周期化し全体入力エネルギーの増減に差が出る
・全体入力率が1以上であっても基礎浮き上がりによって、歪入力率が1以下になり、上部構造の損傷が低減されることが多い
・歪入力率が0.8以下になる範囲は、Vs=300(m/s)の場合がVs=150(m/s)よりも広く、基礎が浮き上がることでVs=300(m/s)のほうが浮き上がりによる応答低減効果は大きい
・Vs=150(m/s)の場合、上部固有周期が短いとき歪入力率が0.8以下となる場合が多く、基礎浮き上がりによる応答低減効果は大きい
北海道大学大学院工学研究科建築都市空間デザイン専攻空間構造解析学研究室
入力地震動
模擬地震動建築基準法による安全限界用応答スペクトルを目標
ランダム位相最大地動速度を50(cm/s)に基準化
最大加速度(cm/㎡) 最大速度(cm/s) 継続時間(s)
424.5 50.0 60.0
せん断波速度Vs=150(m/s)、減衰2%(強度型)
全体入力エネルギーの入力率
スペクトル増加
スペクトル減少
上部構造最大歪エネルギーの入力率(Vs=300(m/s))
Vs=300(m/s)、減衰2%(強度型) Vs=300(m/s)、減衰2%(強度型)
Vs=300(m/s)、減衰10%(靭性型) Vs=300(m/s)、減衰10%(靭性型)
全体 最大歪
広範囲で最大歪入力率が0.8以下 低減効果 大
全体入力エネルギーの入力率(vs=150(m/s))Vs=150(m/s)、減衰2%(強度型)
Vs=150(m/s)、減衰10%(靭性型)
Vs=300(m/s)、減衰10%(靭性型)
違いなし
Vs=150(m/s)は地盤がVs=300(m/s)より軟らかいため周期が伸びる
固有周期,Vs=300(m/s)と等しくなる部分が短周期側に移る
上部構造最大歪エネルギーの入力率(Vs=150(m/s))
Vs=150(m/s)、減衰2%(強度型)
Vs=150(m/s)、減衰10%(靭性型)
Vs=150(m/s)、減衰2%(強度型)
Vs=150(m/s)、減衰10%(靭性型)
全体入力 最大歪
短周期側で最大歪入力率0.8以下
短周期のとき低減効果 大
地震動を受ける基礎浮き上がり構造物のエネルギー応答に関する研究
入力率1以上
入力率1以下
応答周期が 長くなる
応答周期が 長くなる
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0 1 2 3 4 5 6 7
h=0.10
h=0.02
エ
ネ
ル
ギ
|
速
度
換
算
値
period(s)period(s)
0
200
400
600
800
1000
1200
1400
0 1 2 3 4 5
h=0.05
φ
0
50
100
150
200
250
300
350
400
0 1 2 3 4 5 6 7
h=0.10
h=0.02
period(s)
エ
ネ
ル
ギ
|
速
度
換
算
値