材質調査
Q 部品(樹脂・ゴム)の材質は仕様書通り NBR ですか?
コスト削減のために、自社で取り扱っているゴム製品の
仕入れ先を変更することになったが、変更先のゴム製品が
仕様書に沿った材質であるニトリル-ブタジエンゴム(N
BR)で製造されているか確認したい。
FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)
<分析のご提案>
●FT-IR(フーリエ変換赤外分光光度計)を用いて、ゴム製品の
材質がNBRであるか否かを確認します。
「FT-IRとは」
主に有機材料(ゴム、樹脂など)の材質判定に利用する分析機器です。
試料に赤外線を照射すると、ある波長の光が選択的に吸収され、
化合物特有の赤外線吸収スペクトルが得られます。
この吸収スペクトルと標準スペクトルの比較により、試料材質の
特定が可能となります。
試料はおよそ数㎜角程度の大きさで分析でき、ゴムの他に、樹脂、
油分などの不揮発性試料についても分析が可能です。
お困りごと
製品イメージ
A ゴム製品の材質は、仕様書と異なり EPDM でした。
ゴム製品から得られたスペクトル(①)は、ニトリル-ブタジエンゴム(NBR)の標準スペ
クトル(②)とスペクトルパターンが異なっていましたが、エチレン-プロピレン-ジエンゴム
(EPDM)の標準スペクトル(③)との類似が確認されました。
つまり、ゴム製品は材質がEPDMであると判断され、仕様書と異なる材質の使用が判明し
ました。
FT-IRは材質調査のほか、油分量の測定にも利用されます。また、顕微赤外分光分析計を
用いれば、100µm 程度の微小な試料にも対応できますので、お気軽にご相談ください。
①ゴム製品のFT-IRスペクトル
②NBRのFT-IR標準スペクトル
③EPDMのFT-IR標準スペクトル
特徴的な 2 つの吸収が赤丸箇
所に認められました。
NBR 特有の吸収(青丸箇所)が
ゴム製品に認められず、材質
が NBR でないことが分かりま
した。
EPDM 特有の吸収(赤丸箇所)が
ゴム製品と一致しました。