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経経経経経経経経経経経経経 2016.7.30( 土 ) Prepared For STONE Monthly Study Session © 2016 STONE. All Rights Reserved. 1

STONE 2016年7月30日(土)勉強会 経済研究から考えるアフリカ

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経済研究から考えるアフリカ

2016.7.30( 土 )Prepared For STONE Monthly Study Session

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今日の目次

1. 論文1無作為に引かれた国境線が分断した民族集団:今日の経済発展に影響はあるのか?

2. 論文2神の抵抗軍による子ども兵士の強制的な徴用:望まぬ戦闘経験がこどもにもたらすダメージとは?

3. ディスカッション

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論文1

無作為に引かれた国境線が分断した民族集団:今日の経済発展に影響はあるのか?

Michalopoulos, S., & Papaioannou, E. (2014). National Institutions and Subnational Development in Africa. Quarterly Journal of Economics, 129(1), 151–213.

衛星から撮影した夜間の明かりのデータを用いて、経済発展の指標として利用国境線の地図データと合わせて分析

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論文1

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引用元: DMSP 。 2010 年のデータを使用。 http://maps.ngdc.noaa.gov/viewers/dmsp_gcv4/

地上の夜の明かりは、衛星からどう見えているのか?の例

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論文1

国境線が地域の特性や原住民の行動範囲などを考慮せずに引かれている

   ↓ ということは、

一つの民族集団が、異なる経済制度や法制度に支配される

   ↓ つまり、

現在、いろんな国を比べることで見えてくる経済発展の度合いの違いは、民族性や土地の肥沃度などではなく、異なる制度のもとで現在生活をしていることに起因するはず。本当にそうなら、適切な政策により経済発展する、といえることになる

それを実証したのがこの論文。

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論文1

分析の結果、わかったことは

1.制度が「よい」国に属すると、経済発展の度合いが高い傾向がある

2.しかし、それは制度に起因するものではなかった

3.なぜなら、首都から離れると、「よい」制度であっても影響が弱まってしまうから

適切な政策を打ちだすだけではなく、その政策がどの程度国民に影響を与えることができるか、が課題

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論文2

神の抵抗軍による子ども兵士の強制的な徴用:望まぬ戦闘経験がこどもにもたらすダメージとは?

Blattman, C., & Annan, J. (2010). The consequences of child soldiering. Review of Economics and Statistics, 92(4), 882–898.

1986 年のクーデター ( 政変 ?) により、それまでの政権の座を追い出されたアチョリ族が、ウガンダ北部で内戦を継続

代表的な反政府勢力が神の抵抗軍 (Lord’s Resistance Army) であり、子どもを誘拐して戦闘活動に利用

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論文2

子ども兵士として強制的に徴用されることが、子どもに対して与える影響を考えたのがこの論文。

具体的に検証することができたのは、

1.学校に行くことができない

2.家族や友人など社会的なつながりを失う

3.心に傷を負う

4.労働機会そのものや、高収入の仕事が減る

果たして、子ども兵士に徴用されることは、これらの側面に悪影響があったのか、どの程度大きな影響だったのか?

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論文2

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実際に誘拐される子供は 12 歳が最も多く、 10 代前半に集中している

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論文2

分析の結果、わかったことは

1.教育年数は短くなってしまい、識字率も下がる

2.心的外傷には目立った効果はなかった(国の政策があり、データ収集の時点では回復していたというだけのことかもしれないが)

3.就労はしているものの、スキルや知識が求められる仕事にはつきにくく、収入も低い

これからの政策を考える際には、心的外傷への取り組みに加えて、追加的な教育や就職に関するサポートが重要

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