玉川大学司書講習ミニ講義 Kojima 20150822_ss

2015/08/22 1玉川大学司書講習ミニ講義

医学系ライブラリアンによる文献検索業務

小嶋智美 [KOJIMA, Satomi]＠玉川大学司書講習 : 情報サービス演習 [B]

2015/08/22


自己紹介

• 小嶋　智美（ KOJIMA, Satomi ）– Independent Librarian–資格• 司書• ヘルスサイエンス情報専門員• マインドマップ公認インストラクター

–現在の主な活動領域• 医学情報サービス• 情報検索に関する実務・教育（講師業）　など


医療・医学情報サービスの場

• ヘルスサイエンス分野の教育・研究機関–研究者・教員・学生

• 病院–医療専門職・医療事務職・患者

• 上記以外の法人・企業等–製薬・医学系 DB ・ DDS 　など

• 公共図書館–一般　

• 闘病記文庫等の医療情報サービスが増えつつある


医学分野の文献検索 [1]• 求められるもの–迅速• 医療現場では特に

– 検索で得た文献が誰かの命を救うかもしれない

–的確・適切• 臨床、研究、教育　など• 予防、診断、治療、リスク、予後　など

希望に合う文献を抽出するために検索を操作できる知識と技術が必要


ある日の病院図書室で

• 「この検索、お願いね」のメモひらり

カンファレンス？

研修医の教育？学習？

術後看護？患者説明用の資料入手？

システマティックレビューの作成？


医学系の情報検索に必要な知識

• 情報検索全般に関する一般的な知識• 医学分野の二次資料に関する知識• 医学分野で用いられるシソーラスの知識• 医学・医療に関する体系的な知識• 医学研究に関する知識• 英語（質の高い論文のほとんどは英文）

はじめから医学に特化した司書はいない経験によって得られるものは多分にある


よく使われるデータベース• PubMed– 米国の税金で作られた世界最大の医学系 DB– 無料・誰でもアクセス可能

• 医中誌 Web– 日本国内の医学系文献を探すならこちら– 有料・要契約

• Cochrane Library– 質・信頼性の高い文献を調べることができる– 検索自体は無料・誰でもアクセス可能

• そのほか（玉川大学で使えるもの）– Web of Science 、 Scifinder 、 PsychINFO

2015/08/22 8玉川大学司書講習ミニ講義近畿病院図書室協議会第 131 回研修会 8

すべてを語り始めると膨大な時間が必要なので…


館種を超えた文献検索で社会貢献をする医学系司書の話


診療ガイドライン作成のための文献検索


診療ガイドラインとは [1]• 医療現場において適切な診断と治療を補助することを目的として、病気の予防・診断・治療・予後予測など診療の根拠や手順についての最新の情報を専門家の手で分かりやすくまとめた指針–Wikipedia 「診療ガイドライン」

原則としてひとつの疾患・症候群を扱う


診療ガイドラインとは [2]• 科学的根拠に基づき、系統的な手法に　

より作成された推奨を含む文書–Mindsガイドラインセンター

科学的根拠を示すための文献が必要文献検索にも系統的な手法が求められる


診療ガイドラインの文献検索担当

1. 診療ガイドラインを作成する者（研究者・医師等）

2. １ . が所属する機関の図書館職員

3. 日本医学図書館協会（ JMLA ）受託事業–担当者の館種はさまざま、個人でも活動可能

4. 学会活動支援・文献検索の専門業者など


ex. 小児特発性ネフローゼ症候群

• 作成母体：日本小児腎臓病学会• 作成委員会 – 委員長： 1名– 薬物療法担当委員： 10名– 一般療法担当委員：９名– ライブラリアン： 2名– 患者代表： 2名


任務を遂行するには

• 診療ガイドラインの知識

• 診療ガイドライン作成手順の理解

• EBM の知識

• 研究デザインとエビデンスレベルがわかる

• 文献を読み評価ができる

• 文献検索の知識

• ドクターにアドバイスできる自信を持つ1)山口直比古 . EBM 診療ガイドライン作成のための医学図書館員の役割 . 文献検索講習上級編 2014 講義資料 .

医学研究

文献検索


まとめ


医学系ライブラリアンは

• 医学情報サービスの専門家である

• 医療・医学の専門職と協同で任務を行うスキルを持つ

• 文献検索を通して社会貢献ができる


おしまい現場でお待ちしております

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