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A. Asano, Kansai Univ. 2014年度秋学期 応用数学(解析) 浅野 晃 関西大学総合情報学部 第2部・基本的な微分方程式 変数分離形の変形 第6回

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

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関西大学総合情報学部 「応用数学(解析)」(担当:浅野晃)

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A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

2014年度秋学期 応用数学(解析)

浅野 晃 関西大学総合情報学部

第2部・基本的な微分方程式 変数分離形の変形

第6回

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A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

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A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

変数分離形(復習)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

変数分離形一般には

両辺それぞれを積分すると

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/  3/5 ページ

とすると

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/  3/5 ページ

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/  3/5 ページ

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

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一般解に含まれる積分定数 C は, 初期値を代入して定まり,特殊解が得られる

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

変数分離形一般には

両辺それぞれを積分すると

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

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とすると

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/  3/5 ページ

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度春学期) 第5回 (2014. 10. 23) http://racco.mikeneko.jp/  3/5 ページ

と表されます。このことから,!

1

xdx = −

!kdt

log |x|+ C1 = −kt+ C2

log |x| = −kt+ (C2 − C1)

x = ± exp{−kt+ (C2 − C1)}x = ± exp(C2 − C1) exp(−kt)

(6)

となります。C1, C2は積分定数です。そこで,± exp(C2 − C1)をあらためて定数 C とおくと,この方程式の一般解は x(t) = C exp(−kt)となります。この計算では x ̸= 0としましたが,一方 x ≡ 0も元の方程式に代入すると解であることがわかります。この解は一般解でC = 0とすると表すことができるので,これも1つの特殊解です。ここで,初期値 x(0) = x0であるならば,x0 = C exp(0)となるので,この時の特殊解は x(t) = x0 exp(−kt)となります。

ところで,このような導出の過程を,通常は (2)式から

dx

x= −kdt (7)

とあたかも分数の計算のように変形し,ここから (5)式を導きます。この式では,左辺に x,右辺に tと変数が分離しているので,この形にできる微分方程式を変数分離形といいます。関数 x(t)についての変数分離形の微分方程式は,一般には

g(x)x′ = f(t) (8)

の形になっています。これを,x′ =dx

dtとして上記のやりかたで変形すると

g(x)dx = f(t)dt (9)

となり,両辺をそれぞれ積分して!

g(x)dx =

!f(t)dt+ C (10)

と解くことができます。C は積分定数です。初期値が x(t0) = x0 である場合は,求められた一般解にt = t0, x = x0を代入して C の値を定め,特殊解を求めます。

例題

x(t)の微分方程式

9x · x′ + 4t = 0 (11)

を解いて一般解を求めてください。また,初期値を x(3) = 2とするときの特殊解を求めてください。

(解答)x′ =dx

dtとして変数を分離すると

9xdx = −4tdt (12)

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一般解に含まれる積分定数 C は, 初期値を代入して定まり,特殊解が得られる

今日は,変形によって変数分離形に持ち込める方程式です

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A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

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1.同次形

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2014年度秋学期 

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, Kan

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niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

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2014年度秋学期 

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, Kan

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niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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 この両辺を微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次形一般には

変数分離形になった

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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x/t の式になっている

とおくと

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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この両辺を微分

積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次関数

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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関数 が k 次の同次関数であるとは

の形になっていること

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次関数

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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関数 が k 次の同次関数であるとは

の形になっていることtk をくくり出せる

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次関数

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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関数 が k 次の同次関数であるとは

の形になっていること

微分方程式が

M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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の形で

tk をくくり出せる

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次関数

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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関数 が k 次の同次関数であるとは

の形になっていること

微分方程式が

M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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の形で

tk をくくり出せる

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, 1)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

同次関数

前ページの 形になる

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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関数 が k 次の同次関数であるとは

の形になっていること

微分方程式が

M, N がどちらも k 次の同次関数なら,x = ut とおいて

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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の形で

tk をくくり出せる

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, 1)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

とおくと

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前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

より

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

より

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

より

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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より

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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t と u を分離

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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分母分子を t でわると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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同次形

とおくと

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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より

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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よって

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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t と u を分離

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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微分の関係に なっている

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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になるから,

微分の関係に なっている

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

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上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

対数の和→ 真数の積

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

対数の和→ 真数の積

対数の◯倍→ 真数の◯乗

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

対数の和→ 真数の積

対数の◯倍→ 真数の◯乗

定数は任意なので,絶対値が外れる

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページ

上の式の両辺を積分すると

2014年度秋学期 応用数学(解析) 第6回第2部・基本的な微分方程式/ 変数分離形の変形

前回は,変数分離形の微分方程式と,それを積分によって解く方法を説明しました。このように,常微分方程式の解を積分によって求める方法を求積法といいます。今回は,式変形によって変数分離形に帰着し,求積法で解ける形の方程式を紹介します。

同次形の微分方程式

関数 x(t)についての同次形の微分方程式とは,次の形のものをいいます。dx

dt= f(

x

t). (1)

この方程式は,x

t= uとおくと x = utですから,dx

dt= t

du

dt+ uとなり,

tdu

dt+ u = f(u)

1

f(u)− udu =

1

tdt

(2)

と変数分離形に変形できます。

ところで,関数M(x, t)がM(ut, t) = tkM(u, 1)となるとき,関数M は k次の同次関数であるといいます。関数 x(t)についての微分方程式が dx

dt=

M(x, t)

N(x, t)と表される時,もしもM,N が同じk次の同次

関数なら,x = utとするとdx

dt=

M(x, t)

N(x, t)

=tkM(u, 1)

tkN(u, t)=

M(u, 1)

N(u, 1)=

M(xt , 1)

N(xt , 1)

(3)

となり,(1)式の形になります。同次形という名前はここからきています。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ =t− x

t+ xの一般解を求めてください。

(解答)右辺の分母分子を tで割るとdx

dt=

1− xt

1 + xt

(4)

となりますから,この方程式は同次形です。そこで x

t= uとおくと dx

dt= t

du

dt+ uとなり,与えられた

方程式は

tdu

dt+ u =

1− u

1 + u1

1−u1+u − u

du =1

tdt

u+ 1

u2 + 2u− 1du = −1

tdt

(5)

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  1/3 ページここでという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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の微分がという変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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になるから,

微分の関係に なっている

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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対数の和→ 真数の積

対数の◯倍→ 真数の◯乗

定数は任意なので,絶対値が外れる

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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に戻すと

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

Page 48: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

Page 49: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

2.1階線形

Page 50: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

と置くと, 一般解は

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

と置くと, 一般解は

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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なぜならば

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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と置くと, 一般解は

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

なぜならば

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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積の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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と置くと, 一般解は

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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なぜならば

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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積の微分

指数の合成関数の微分

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

1階線形微分方程式一般には の形になっているもの

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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と置くと, 一般解は

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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なぜならば

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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積の微分

指数の合成関数の微分

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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よって,両辺を積分して

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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にあてはめると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

例題を解いて,一般解を求めよ。

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

にあてはめると

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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前ページの式から

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

よって

という変数分離形になります。ここで d

du(u2 + 2u − 1) = 2(u + 1)ですから,(5)式の両辺を積分する

と,C を積分定数として1

2log(|u2 + 2u− 1|) = − log |t|+ C (6)

となります。よって,別の定数Aを使って

log(|u2 + 2u− 1|) = log(A|t|−2)

t2(u2 + 2u− 1) = A(7)

とあらわすことができます 1。u =x

tですからこれを代入すると,この方程式の解は x2 + 2tx− t2 = A

となります。■

1階線形微分方程式

関数 x(t)についての1階微分方程式が

dx

dt+ P (t)x = Q(t) (8)

の形に書けるとき,この方程式を1階線形微分方程式といいます。この方程式は,p(t) = exp

!"P (t)dt

#とおくと,(p(t)x)′が

(p(t)x)′ = (p(t))′x+ p(t)x′

=

$exp

%&P (t)dt

'(′x+ p(t)x′

= p(t)P (t)x+ p(t)x′

= p(t))P (t)x+ x′

*= p(t)Q(t)

(9)

となることから,C を積分定数として

p(t)x =

&p(t)Q(t)dt+ C

x =1

p(t)

%&p(t)Q(t)dt+ C

' (10)

と解くことができます。

例題

関数 x(t)についての微分方程式 x′ + x = tの一般解を求めてください。

(解答)この方程式は1階線形微分方程式で,(8)式にあてはめると P (t) ≡ 1, Q(t) = tです。よっ

1定数には適宜 ±をつけてよいので,絶対値が外れることに注意してください。

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  2/3 ページ

とすると

部分積分

Page 71: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

Page 72: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

2′.ベルヌーイの 微分方程式

Page 73: 2014年度秋学期 応用数学(解析) 第2部・基本的な微分方程式 / 第6回 変数分離形の変形 (2014. 10. 30)

2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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代入

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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代入

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

ベルヌーイの微分方程式一般には

なぜならば

の形

両辺を微分する

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

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(n ≠ 1)

とおくと1階線形微分方程式に変形できる

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

て p(t) = exp!"

1dt#= etで,一般解は (10)式から,C を定数として

etx =

$ettdt+ C

= ett−$

etdt+ C

= ett− et + C

x = t− 1 + Ce−t

(11)

と求められます。■

ところで,n ̸= 1とするとき,関数 x(t)についての

dx

dt+ P (t)x = Q(t)xn (12)

の形の方程式をBernoulli(ベルヌーイ)の微分方程式といいます。この方程式は,u = x1−nとおくと1階線形微分方程式に変換することができます。(12)式から

1

xx′ + P (t) = Q(t)xn−1 (13)

となります。一方,log u = (1− n) log xで,両辺をそれぞれ tで微分すると

u′

u= (1− n)

x′

x(14)

となります。(14)式を (13)式に代入すると

1

1− n

u′

u+ P (t) = Q(t)

1

u

u′ + (1− n)P (t)u = (1− n)Q(t)(15)

となって,u(t)の1階線形微分方程式となります。

問題

関数 x(t)についての次の微分方程式を解いて,一般解を求めてください。

1. x′ =x− t

2t

2. tx′ − x = 1

3. x′ + x = tx2

参考文献

水野克彦編,基礎課程 解析学,学術図書,1985. ISBN978-4-8736-11075

水田義弘,詳解演習 微分積分,サイエンス社,1998. ISBN4-7819-0891-8

浅野 晃/応用数学(解析)(2014 年度秋学期) 第6回 (2014. 10. 30) http://racco.mikeneko.jp/  3/3 ページ

代入

1階線形

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2014年度秋学期 

A. A

sano

, Kan

sai U

niv.

今日のまとめ

同次形 1階線形 ベルヌーイ