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社会科学研究者から みた機械学習 ソフトウェアジャパン2017 中央大学 飯尾 淳

社会科学研究者からみた機械学習

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社会科学研究者からみた機械学習

ソフトウェアジャパン2017

中央大学 飯尾 淳

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自己紹介● 飯尾 淳(いいお じゅん)

– 中央大学 文学部 社会情報学専攻 教授– 博士(工学,大阪大学),技術士(情報工学部門)– 特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構 認定

人間中心設計専門家● 経歴

– 〜2013年3月 株式会社三菱総合研究所 勤務– 2013年4月〜 中央大学

● 専門分野– ユーザインタフェース,感性情報学,ソフトウェア

工学,画像情報処理,など

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私と人工知能(1990年頃)● 最初の出会い

– 1990年,学部3年生夏期休暇中の「工場実習」● 「鋼管ナンバリング自動読取り」 @ 新日鉄八幡製鉄所

– (本当は何かの講義で習ったのが先だと思いますが…)– ニューラルネット利用– MNIST(※)みたいなもの

※ http://yann.lecun.com/exdb/mnist/

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私と人工知能(1994年頃)● 株式会社三菱総合研究所入社 @ 1994年

– 最初に配属された部署システム・情報本部 情報科学部 人工知能室(10月に情報技術開発部 知能システム室に変更)

● 背景– 第5世代PJなど– まさに第二次

AIブームのころ

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私と人工知能(2013年〜)

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「人工知能・自然言語処理」

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学生の反応

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学生の反応

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学生の反応

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人工知能(研究)は誰のものか?● 第一次,第二次AIブーム:

– 人工知能とは何か,人工知能をどう実現するか● 第三次AIブーム(現在):

– 人工知能を「どう応用するか」– キーワード

● 実用化,サービス,インフラ,ユーザインタフェース,コモディティ化,etc...

● 誰の,誰による,誰のための研究をすべきか?(いわゆるITの成熟状況と似ていないか)

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人工知能研究の周辺領域● 経済への応用,市場予測,各種取引

– 経済学,経営学,金融工学,法学● 人間社会の様々なサービス提供への応用

– サービス工学,感性工学,社会学,社会心理学● 各種のデータ処理や自然言語処理

– 統計学,言語学,情報学(社会情報学含む)● ロボットや各種の自動化(自動運転など)

– ロボット工学,機械工学,法学,哲学● 例)トロッコ問題(自動運転車のジレンマ)

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今日の講演テーマを俯瞰してみる● 社会科学を学ぶ者が機械学習とどう向き合う● ウェブサイトにレコメンデーション● 市場や経営層から求められるAI● 機械学習・人工知能のビジネスの現場● 生命現象を説明できる数理モデルの構築● ヘルスケア,自動運転,スマートファクトリー

といった分野における活用状況● ノーデータ問題へのファジィ論的アプローチ(次世代AI技術)

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人工知能とビジネススクール● Patrick Winston

教授の講演会 – @ 青山大学– 27th, Jan, 2017– hosted by 井田先生

– MITのAI研究所元所長による講演会

– 大盛況

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人工知能と認知心理学

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社会の問題と「機械学習」

社会問題・自然科学・社会科学・人文科学

機械学習機械学習

コーディング

問題解決 処理結果

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社会科学の{学習,研究}者と機械学習● 応用だけでなく原理も多少は知っておきたい

– 例1:「のら猫勉強会」参加者– 例2:中大文学部社会情報学専攻の学生

(なかでも飯尾ゼミメンバー)● 「数学が…」という問題

– 基本的にはそれほど難しい数学をこねくり回しているわけではない

– 数学は基礎学問,逃げないようにしたい

● 「機械学習における数学は恐るるに足らず」

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ある学生の挑戦

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まとめ● 機械学習研究者へのメッセージ:

– 機械学習はもはや機械学習研究者のためだけのものではない

– 関連領域を高度化する道具としての機械学習

● 関連領域研究者へのメッセージ:– 関連領域の研究者,学習者も,機械学習を道具として使うならば,その原理は学んでおきたい

– 入口の敷居は低い.興味を持ったらその先へ