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Gil vicente

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ポルトガル演劇の父 ジル・ヴィセンテ

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謎の人物ジル・ヴィセンテ|

生誕地?

生誕年?

2人?

学歴?

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謎の人物ジル・ヴィセンテ|生誕地?

ミーニョ地方・ギマランイス説

『貴族名鑑 (Nobiliário)』ギマランイス要塞司令官の子、系図学者ドン・アントニオ・デ・リマ提唱。ジル・ヴィセンテの次男の未亡人と同時代の人。→作品中でのミーニョ地方への愛着ないし方言が皆無のため疑問視する声も

ベイラ地方説

カロリーナ・ミカエリス・デ・ヴァスコンセロスおよびオーブレイ・ベルが提唱。・ベイラ地方方言・リスボンに出稼ぎにきた ratinhosと呼ばれた出稼ぎ労働者たちの用いる言語がみられた

ベイラ地方のギマランイスではないか?との説も

最有力説

アレンテージョ地方説

レイテ・デ・ヴァスコンセロス提唱。

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謎の人物ジル・ヴィセンテ|生誕年?

伝記作家ブリット・レベロ説 1470年 or1475年ケイロース・ヴェレーゾ説 1465年ブラアムカンプ・フレイレ説 1470年 or1475年

1527年上演「祭礼の劇」王のために劇を書く60歳を過ぎたジル・ヴィセンテが劇中に登場。1465年〜 1468年の間に出生したのではないかと推測される。

→劇の作者が本当にジル・ヴィセンテだったのか不明。

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謎の人物ジル・ヴィセンテ|2人のジル・ヴィセンテ?

金銀細工師ジル・ヴィセンテ

1506年にヴァスコ・ダ・ガマの持ち帰った黄金を使い、ポルトガル金銀細工術最高傑作のベレン聖遺物箱を完成させるエヴォラで発行された認可証にレオノール王女の金銀細工師として名が残る

トマール修道院、リスボンの聖人病院、ベレンの聖母修道院の金銀細工場責任者

1513年、リスボンの貨幣秤量監督に任命される

同一人物説

別人説

ともに王宮で家族の様に振る舞い、長い年月をレオノール王女に使えた

マヌエル1世記録掛の手による記録簿の要旨に秤量監督、吟遊詩人ジル・ヴィセンテと手で隅に書かれていた

1523年 『ポルトガル風牧歌劇』の中で自らを「一文無し」と語る

二十年ほどの開きがある署名の違い

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謎の人物ジル・ヴィセンテ|学歴?

マヌエル1世の修辞学の教師

人文主義者のラテン語ほど正確ではなく、教会風のラテン語

作品に引用された古典ラテン語は2節、崩されたもの

説教の話術を知っている→ポルトガル、スペインのサラマンカまたはパリの大学で世紀に学んだ?

ジル・ヴィセンテの教養形成を物語る文献は存在しない。

ラテン語の造形深く、カスティーリャ語を完全にマスター、フランス語も操っていたと考えられておち、スペイン、フランス文学の熱心な読者であり偉大な総合力の持ち主であった。

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ジル・ヴィセンテの時代|人々

成金、田舎者、薄れた特権を守りたい貴族、カスティーリャ、イタリアから来た商人たち、旅人、学

生、学者、スペインから追放されたユダヤ人、改宗した新キリスト教徒、黒人、航海の途上の船乗り

でリスボンは満ちていた。一方、宮廷に属する人々と夜会の派手さはポルトガル国内外で有名であり、

人々は湯水のように金銭を浪費した。

富と栄光に狂乱する全階級、廃れつつある貴族階級と裕福な市民階層の出現、ジル・ヴィセンテの作

品はその時代の最良の写真であった。

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ジル・ヴィセンテの時代|歴史上の出来事

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1465?

ジル・ヴィセンテが生きていた当時、リスボンは10万の人口を擁し、冒険と富を求める

新ヴェニスであった。東洋からは真珠、香料、織物といった異国情緒あふれる品々を積ん

だ軽帆船が到着した。ルネサンスとルターの宗教改革の音はポルトガルに響いたが、彼ら

を魅惑したのはよりよい生活への希望をもたらした新世界発見だった。

コペルニクス誕生

誕生

永眠

カブラルブラジル到着

コロンブスアメリカ大陸「発見」

マゼラン世界一周へ

ルターローマ教皇庁と断絶

イギリス活版印刷機

スペイン政治的統合

ヘンリー8世英国王に

バルトロメウ・ディアス嵐の岬を望見

リスボン地震

イエズス会設立

ポルトガル異端審問を設置

エラスムス逝去

ヴァスコ・ダ・ガマインド航路の発見

トルデシリャス条約締結

1536?

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ジル・ヴィセンテの作品|分類

1. 牧歌 羊飼いの独白 or会話を叙情詩調に

2. 宗教的教訓劇 キリストによる救いがテーマ

3. 聖書的物語 

4. 寓話的空想

5. 短編笑劇

6. ナレーション劇 伝記 orコントを劇に移行

※ テオフィロブラガの分類による。

ジル・ヴィセンテの作品の分類は多くの研究者によって議論されてきたテーマである。以下にその一例である。

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ジル・ヴィセンテの作品|類型

類型とは、寓意と個人的英雄の中間であり、ある特定の人物ではなく、属する職業または

グループの心理と特徴を目立たせたもの。人格を無視し、「役」として扱うのは中世的精

神の特徴であった。

ジル・ヴィセンテの登場人物のなかには、たとえば笑劇イネス・ペレイラの「娘」のよう

に「開放的な娘」という類型の枠を越え人生に悩み、成長してゆくひとつの個性を描いた

ものもみられる。それは彼が、過渡期の作家であったことを示すものではないだろうか。

• 田舎ものの牛飼※ 1

• 教会の高位高官※ 1

• 法王※ 1

• 馬子• ジプシー• 売春仲介女※ 1

• 兵士• 船乗り• 年頃の娘

• 母親• 父親• 農夫• 乳母• 助産婦• まじない女• 篤信女• 幼児• 医者

• 貴婦人

• 貴族• 司法官• 高利貸し• 愚か者※ 1

• 浮気な気取り屋の男※2

• ムーア人女性※2

• 黒人※2

※1 伝統的な類型。※2 ジル・ヴィセンテが新たに考案した類型。