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TED×Tokyo プレゼン 7 10 ()19:00 恵比寿 ACT Square 【アナウンス】 Ladiesgentlemen!本日は、TEDxTOKYO CONFERENCE にお越しいただき、 ありがとうございます。今回は、特別ゲストスピーカーとして「新憲法を考える有識者会議 つばめ組」代表の 鳥越克也氏をお迎えしております。それでは鳥越氏によるプレゼンテー ション、「私には信念がある。だから私は9条を変えたい」をお送りいたします。鳥越氏の 入場です。拍手でお迎えください。 【鳥越入場】 こんにちは。ご紹介に預かりましたつばめ組代表 鳥越です。 私は普段、「新憲法を考える有識者会議 つばめ組」という市民団体で代表をしています。 TEDは普段の演説とはまた雰囲気が違ってちょっと緊張しちゃいますね。 ですが、私達つばめ組の改憲にかける信念を、 一人でも多くの方に伝えるために、私は今日ここにやってきました。 私たちの信念をお伝えするにはまず、 日本の戦後から今日までの歩みを振り返る必要があります。 これは戦後すぐの写真です。 見渡す限り焼野原です。 何もありません。 あったのはまず今日生きていくためにどうするかという考えでした。 今日食べるご飯、今日住むところ。 敗戦は日本の大きな分岐点でした。 戦争の反省から立ち直って生きていくために、 日本はそれまでの国の在り方を大きく変えなければなりませんでした。 その結果生まれたのが今の日本国憲法です。 国民主権、基本的人権の尊重、平和主義。 これらの考え方は、日本が民主化して、 もう二度と戦争の過ちを繰り返さないようにするために定められたのです。 この日本国憲法の下、日本は復興へと歩きだします。 今日より明日が良くなることを夢見て、国民みんなが必死だった高度成長期。 その復興と経済成長の証であった東京オリンピック。 当時の日本の成長ぶりをグラフにすると、 世界にも類を見ない成長ぶりであったことがわかります。日本人のパワーを感じますね。 日本は、戦後から今まで自分たちの豊かさを求めてひた走ってきました。

Ted×Tokyo

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Page 1: Ted×Tokyo

TED×Tokyo プレゼン

7 月 10 日(金)19:00

恵比寿 ACT Square

【アナウンス】

「Ladies&gentlemen!本日は、TEDxTOKYO CONFERENCEにお越しいただき、

ありがとうございます。今回は、特別ゲストスピーカーとして「新憲法を考える有識者会議

つばめ組」代表の 鳥越克也氏をお迎えしております。それでは鳥越氏によるプレゼンテー

ション、「私には信念がある。だから私は9条を変えたい」をお送りいたします。鳥越氏の

入場です。拍手でお迎えください。

【鳥越入場】

こんにちは。ご紹介に預かりましたつばめ組代表 鳥越です。

私は普段、「新憲法を考える有識者会議 つばめ組」という市民団体で代表をしています。

TEDは普段の演説とはまた雰囲気が違ってちょっと緊張しちゃいますね。

ですが、私達つばめ組の改憲にかける信念を、

一人でも多くの方に伝えるために、私は今日ここにやってきました。

私たちの信念をお伝えするにはまず、

日本の戦後から今日までの歩みを振り返る必要があります。

これは戦後すぐの写真です。

見渡す限り焼野原です。

何もありません。

あったのはまず今日生きていくためにどうするかという考えでした。

今日食べるご飯、今日住むところ。

敗戦は日本の大きな分岐点でした。

戦争の反省から立ち直って生きていくために、

日本はそれまでの国の在り方を大きく変えなければなりませんでした。

その結果生まれたのが今の日本国憲法です。

国民主権、基本的人権の尊重、平和主義。

これらの考え方は、日本が民主化して、

もう二度と戦争の過ちを繰り返さないようにするために定められたのです。

この日本国憲法の下、日本は復興へと歩きだします。

今日より明日が良くなることを夢見て、国民みんなが必死だった高度成長期。

その復興と経済成長の証であった東京オリンピック。

当時の日本の成長ぶりをグラフにすると、

世界にも類を見ない成長ぶりであったことがわかります。日本人のパワーを感じますね。

日本は、戦後から今まで自分たちの豊かさを求めてひた走ってきました。

Page 2: Ted×Tokyo

そして今の日本は、世界第三位の経済力を持つ、成熟した先進国となりました。

でも、現在の日本にはなんとなく、停滞した雰囲気がありませんか。

頭打ち感を感じてはいませんか。

それはどうしてでしょう?

私たちは、「いままでの考え方、国の在り方に限界が来ているから」だと考えます。

その背景として一番にあげられるのが「世界のグローバル化です」

戦後、日本が変化したのとともに、世界も大きく変化しました。

グローバリゼーションの波が世界中に押し寄せたのです。

たとえばビジネスでも、デスクの隣が外国人なんてよくあること。

インターネットで地球の裏側の友達を作れて、日本のアニメは世界中で大人気です。

いま、様々な分野で国境というものがなくなっていて、

世界が一つの共同体となりつつあります。

共同体とは利害を共有する集まりなので、

一国の問題は世界の問題、世界の問題は一国の問題となります。

そのいい例がギリシャの財政問題です。いまTVで見ない日はありませんよね。

ギリシャは日本から地理的にはすごく遠い国です。

だけどなんでこんなにニュースになるのか。

それはギリシャの財政問題は日本の問題でもあるからです。

現にこの問題をうけて、日経平均株価の下げ幅は今年最大になりました。

ギリシャがくしゃみをすればみんなが風邪をひくかもしれない、そんな関係性にあるのです。

ここで大切なのは、共同体の利害を共有するメンバーの一員として、

一国が世界のために行動することは

そのままイコールその国の為にもなるってことなんです。

クラスに風邪が流行しないようにみんなが気を付けるのって、

みんなのためでもあり自分のためでもありますよね、そういうことです。

この関係性を共存共栄と呼べると思います。

果たして今の日本は、この共存共栄の考え方ができているでしょうか。

私達日本人は、世界という共同体の、クラスの一員であるという自覚を持っているでしょう

か。

私たちは、日本の今の憲法の良さを否定しません。

日本が何もなかったところから民主化して、

復興を遂げるべきだった 70年前に必要だった考え方を体現していると思います。

しかし、日本が成熟し、世界がグローバル化した現在、

日本は新たなステップへ進まなければならないと私たちは考えます。

過去に役目を果たした憲法の価値観に限界が来ているのです。

Page 3: Ted×Tokyo

黒船来航が日本の第一の開国だったとするなら、敗戦が第二の開国、

そして今、このグローバル化した世界の中の日本は第三の開国の時を迎えているのです。

「生き残るのは強いものではない、変化できるものだ」という、ダーウィンの有名な言葉が

あります。

日本がグローバル社会で生き残れるように、

一人負けしないために、国が今するべきことは何でしょうか。

私たちは、それは憲法改正だと考えます。

憲法は、国の在り方を示すものです。

日本も世界も変わったのに、国の在り方は昔のまま。こんなのおかしいと思いませんか?

今の憲法が、次のステップに進みたい日本にとっては足かせとなっているのです。

では、どのように改憲して、どんな国としてこれからやっていけば良いのでしょうか。

そこで私達が提案しているのが「不屈の経済大国」となり、

国際経済を牽引できる存在になるという国の在り方です。

世界には「軍事大国」もいれば「自由の国」もあり、「福祉大国」もあります。

世界の共同体のなかで、「日本と言えば経済力」という価値を提唱していくのです。

それは、もちろん日本の経済力を世界に誇れるものにして行こうという宣言でもありますが、

また世界経済のためのあらゆることを日本は厭わずにやっていく、という宣言でもあります。

そのために、具体的に何が足かせになっているでしょうか。

まず9条です。

9条を改正して、日本は日本経済と、世界の経済のためにあらゆることをしていきます。

世界が敵対し合うのではなく、皆がWINWINの関係のパートナーになれるように、日本

が積極的に働きかけていくのです。

それは、より積極的な国際平和への貢献であり、国際経済の規模を広げていくということで

す。

次に、現在の地方自治のあり方も足かせです。

世界と日本の関係と同じように、地方と中央の関係も視点を変えるべきです。

「地方VS中央」という構図の地方自治はもう終わりにしましょう。

地方の問題は日本の問題です。

地方が活きないと日本の経済は終わるんです。道州制によって日本経済の再興を地方から行

うことを提案します。

そして財政の不健全な運営も大きな足かせです。

一国の財政運営が世界に影響を及ぼし、その国の信用も大きく左右することは、ギリシャの

例を見れば皆さんお分かりのはずです。

日本も国の借金の額で言えばギリシャに並ぶ規模です。

明日は我が身と考え、今財政の健全運営のための条項を憲法に明記すべきです。

Page 4: Ted×Tokyo

財政の健全運営は日本経済の信用に関わるのです。

私には信念があります。

日本が不屈の経済大国となり、グローバル化した世界という大きな共同体のなかを「経済力」

を武器に渡っていけるようにしたいという信念です

これは言い換えれば、日本という国がこれからも、この世界の中で繁栄し続けられるように

したい、今の私たちの暮らしを守りたいという信念なのです。

そのためには今改憲がどうしても必要です。

成長への覚悟を持って、日本を次のステップへ進めることが必要なんです。

第三の開国は今なんです。今変わることを恐れたら、明日はやってこないんです。

どうか、変わる覚悟を持って欲しい。

私たちの信念に共感してくれたら、どうか力を貸してください。

不屈の経済大国になった日本、私達と一緒に見ませんか。

ご清聴ありがとうございました。

つばめ組代表 鳥越克也