筋衛星細胞における Nrf2 の役割大阪大学大学院　薬学研究科　細胞生理学分野

博士前期課程 1 年竹本　裕政

MyofiberMyoblastActivated

satellite cells

ProliferationSelf-renewal Fusion

Quiescencesatellite cells

Activation Differentiation Maturation

　 骨格筋特異的幹細胞で分化能・自己複製能を有する✔

　 静止期・未分化な状態で維持されている✔

　 骨格筋の成長・筋再生に必要不可欠である✔

　 生理的に筋線維をつくる唯一の細胞である✔

筋衛星細胞 (MuSCs) について

MuSCs Notch シグナル経路

Nrf2 について ・抗酸化遺伝子のマスターレギュレータ ・非酸化ストレス下ではプロテアソーム依存的に分解

幹細胞において・ハエ腸幹細胞維持に重要 (Hochmuth et al., Cell Stem Cell., 2011 ) ・マウス造血幹細胞維持に重要 (Tsai et al., Nat Cell Biol., 2013 )

Nrf2 (Nuclear factor erythroid 2-related factor 2)

生体における酸化ストレス防御機構において中心的な役割を果たす．

Nrf2-KO MuSCs は未分化性に異常がない

(M.Yamaguchi et al., PLoS One., 2015)

静止期 MuSC は・分化遺伝子の発現・細胞周期遺伝子の発現・筋衛星細胞数に大きな違いが見られない

筋系譜遺伝子

Nrf2 及びその標的遺伝子 細胞数

CTX 傷害後の再生に大きな影響はない2 weeks after CTX injection

(M.Yamaguchi et al., PLoS One., 2015)

CTX : cardiotoxin

Nrf2 は筋再生に重要という報告が存在

Nrf2-KO は mdx 表現型に大きな影響を与えない

20 週齢マウス

Nrf2-KO MuSCs は in vitro で活性化が認められない　 筋衛星細胞

(WT or Nrf2-KO)72h 固定、検出

抗酸化経路以外の影響を受けている

N-acetyl-L-cysteine (NAC)含有培地

72h 培養固定

Nrf2-KO MuSCs は in vitro では生存できない

0 〜 72h 培養測定

20% O2 1% O2

48h 培養測定

1% O2 培養 : 48h

20% O2 培養Realtime-Glo (Promega) により測定

Nrf2-KO MuSC は in vitro ではアポトーシスが起きている

24h 培養固定

Nrf2-KO MuSCs は単一筋線維状態で活性化する 48H 浮遊培養

Myo

D (+

) cel

l (%

)

Ki67

(+) c

ell (

%)

まとめと今後まとめ

・ Nrf2-KO は筋再生に大きな影響はない。・ Nrf2-KO MuSCs は in vitro では活性化・生存できない。・ Nrf2 の抗酸化経路以外の影響が示唆された。 ・ Nrf2-KO MuSCs は筋線維状態では活性化する。

MuSCs の活性化制御機構の解明を期待基底膜の存在の有無による表現型の違い