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CCライセンスの入門的説明、オープンデータとの関わり、ライセンスの使い方など

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンス:利用ガイドとオープンデータ動向

渡辺智暁 クリエイティブ・コモンズ・ジャパン( NPO 法人コモンスフィア 常務理事)

(スライド作成:渡辺、長谷川、佐藤)オープンソースカンファレンス  2014 TOKYO/FALL

2014.10.19. 於 明星大学

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ご注意と自己紹介・ CCJP やコモンスフィア、そのほか発表者が関わる団体などの公式見解ではありません。・発表者は法曹資格者や法学者ではありません。

・ CCJP では、ライセンス・国際・執筆講演などを主に担当。・コモンスフィアでは常務理事(ボランティア)・ほかにオープン・ナレッジ・ファウンデーション・ジャパンにも関与お金をもらってやっている仕事は、 GLOCOM の研究員。 ICT 政策や情報社会の研究など。

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは?

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ライセンスの発想・ 1980 年代 「フリーソフトウェア」のムーブメント: 誰でもコピーし、ソースコードを閲覧し、改良できるソフトウェアを追及 (⇔商業プレイヤーによる囲い込み) → GPL (General Public License) の作成・ 2000 年代初頭 ソフトウェア以外のコンテンツ一般向けに CC ライセンスを作成

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ライセンスの発想(2)・デジタル技術:簡単にコピーや加工が可能 コンテンツ共有の技術的な可能性は拡大・法改正は、むしろ反対に 権利拡大(無断で使えない場合が増える) 罰則強化、取締り強化 ※背景には違法コピーの拡大、産業界の資金等

→ 法律を変えずに、法律からオプトアウトする仕組み コピーや加工を「原則 OK 」と考える人たちが使う ツールとしての「ライセンス」

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの考え方

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社会や市場と制度のミスマッチ著作権制度: “ All rights reserved,” 無方式主義

社会・市場の変化: ・創作・流通などへのアマチュアの(大量)参入 ・情報やコンテンツの複製・共有・加工が簡単に。 ・そうしたコンテンツの中にも鑑賞に耐えるものが。 ・ある程度自由に利用してもよいコンテンツが増大

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ミスマッチ・著作者による独占・個別許諾による利用が前提

⇒ こうした保護を必要としていないコンテンツやクリエイターが一方には存在し、他方にはそのようなコンテンツやクリエイターを欲する利用者などが存在する。

⇒ 補完的な制度としてのパブリック・ライセンスによるマッチング

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文化をとりまく技術環境の変化アマチュア、ボランティアが創作活動に参加

デジタル技術とデジタル・コンテンツ: 著作物の複製が簡単・無劣化にブロードバンド網とその普及: 著作物の流通が簡単・低コストにブログ、ウィキ、デジカメ、 CD バーナー、他: 著作物の制作コストも低減→ 制作・流通とも、著しく安価になった

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環境の変化PC 、各種フリーソフト: 著作物の加工コストも低減→既存の作品の加工の可能性が飛躍的に増大掲示板、メーリングリスト、ウィキ、 SNS 、他 コミュニケーション用プラットフォーム: 遠隔・非同期コラボレーションが容易に→集合知的な創作活動の基盤

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文化の変化いわゆる「一億総クリエイター時代」→専門家の世界に、アマチュアやボランティアが参入し、産業を圧迫する部分もメディア事業、流通の分散化(創作だけではなく、広報や配信にも一般人が進出)違法コピーの規模拡大も、一部産業の圧迫を加速

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文化の変化Ⅱ多くのアマチュア・コンテンツの中には優れた作品・情報が入っていることも。→ ランキング、タグづけ、レコメンデーション・エンジン、検索などを通じた「発見」のメカニズムが重要に複数のアマチュア、ボランティアが集まって優れた作品を創作する例も。→ ウィキのようなコラボレーション用プラットフォームが重要に;豊富な素材、それを組み合わせるツールも重要に

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小まとめ・著作権制度は、著作者が何もしなくても、創作物を保護する。これは著作物の創作・複製・流通などが簡便になった現状と必ずしもそぐわない。・現行の制度とは違う条件で、流通や利用を許諾するためのツールが、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス。・万人が従うべき法ではなく、希望者が使えるツール。

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クリエイティブ・コモンズ・ライセンスの仕組みと工夫

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使いやすさを重視※ アマチュアのクリエイターは、顧問弁護士や法務部に頼れるわけではない。※ ライセンスのついたコンテンツを利用する人も同様の場合が多い。

・ライセンスの文面を読みやすく・ FAQ を用意する

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更なる工夫・アイコンの組み合わせで要点を表示・コモンズ証で要点を記述

・ライセンスがたくさんあると、著作者は何を選べばいいかわからない。(読み比べるのも面倒)→ ライセンス選択用のツールを提供

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ライセンスの構成要素4つの基本要素BY 表示 Attribution

NC 非営利       NonCommercial

SA 継承 ShareAlike

ND 改変禁止 NonDerivs

これにバージョン名、準拠法コードを足すと、ライセンスの名前になる。例 ) クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.1 日本

  Creative Commons BY-NC 3.0 US

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複数の利用場面にまたがる工夫※ ライセンスがたくさんあると、理解するのが大変

・ライセンス名は、有限な要素の組み合わせ・ライセンスの共用部分を多くする。共用でない部分もモジュール化する。・そもそもライセンスの数を増やしすぎない。(悩みどころでもある)→ 「このライセンス、知ってる」という場面が増える。「このライセンス、知っているライセンスのバリアントになっている」という場面は更に増える。

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ライセンスの種類をめぐるトレードオフライセンスの種類が多いと…○著作者は自分の望みどおりのライセンスが含まれている可能性が高い× 著作者は選ぶのが大変× 著作物の利用者はライセンスを読んで理解するのが大変(作品ごとに別のライセンスを読まなければならない ! )×互いに組み合わせが可能でない作品が増える(「コモンズ」の分断)

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トレードオフライセンスの種類が少ないと…○わかりやすい× 要望にあうライセンスがないために、著作者はライセンスを使わない(コモンズが育ちにくい)○異なる作品が同一ライセンス下にある可能性が高く、互いに組み合わせやすい

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技術的な工夫※ 「人間にわかりやすく、法律的に厳密に、機械的に処理しやすい」ライセンスをめざす

・ライセンスに関するメタデータを定義、付与を奨励。

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グローバルな最適解とローカルな最適解のトレードオフ・異なるコミュニティやサイトや国の間のコンテンツの還流を簡便にするには、グローバルな共通ライセンスが鍵に。・「万人向けなので誰にとっても少し不便」なものができる問題もある。コミュニティ独自のこだわり、慣習などは、「普遍」を目指すライセンスには組み込みにくい。・ライセンスの開発・改訂をしている団体間の連携や、様々なコミュニティの意向を反映する改訂作業が広い範囲に受け入れられやすいライセンスを作る鍵。

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GPL(GFDL)との比較

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バージョン間互換性・ GFDL や GPL

- 「 GFDL1.1 or later でライセンスする」 - (バージョン指定なしの)「 GFDL でライセンスする」 = どのバージョンでも可→ バージョン間互換性が高い。・翻案した利用者が、別のバージョンのライセンスなどを選択した場合、原作品についても、その別ライセンスでの許諾がダウンストリームの受領者に提供されることに。→

・ BY-SA については更に問題が解消

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ウィキペディア・ウィキメディアのコミュニティの評価・ GFDL は文書を想定しているので使いづらい(表紙、裏表紙、題扉、などの構造を持つコンテンツ向け)・悪用されにくいように保護が固いが、悪用でない利用も禁止するケースがある。・ CC-BY-SA の方が読んでわかりやすい・柔軟な規定もある。

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導入例

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プラットフォームでの導入例・ウィキペディア– 2009 年より導入;基本的に全てのページの文章に適用される。・ Flickr – 初期から投稿者に CC ライセンスの付与を奨励。 2億枚程度の画像が CC ライセンス下で公開されている。・ Google による震災記録の保存プロジェクト「未来へのキオク」でも CC ライセンスを奨励( YouTube や Picasa のインターフェースでサポート)

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オープンデータ・日本のオープンデータ・ポータル( data.go.jp )・オーストラリアやニュージーランドも採用・イギリスは Open Government License (独自ライセンス)を作成。ただし CC-BY とは互換性を確保。・フランスも License Ouverte を作成。ただし CC-BY とは互換性を確保。

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オープンデータとの関係

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何故ライセンスが必要か?・データの中には著作物に相当するものがあるから。・著作物は、権利者以外の人は原則無断で利用してはいけないものだから。・個別に利用許諾を申請する仕組みでは、行政・利用者共、手間がかかるから。・ある種のライセンスを使えば、著作物を、原則誰でも利用していいものにできるから。

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オープンガバメントは「原則利用可能」なコンテンツを増やす政策・できるだけ利用を促進したい

・本来の用途とは違う用途もありうる

・利用者の創意工夫の余地がある

→原則禁止で、利用希望者が個別に許諾を申し込むような仕組みは不適切

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政策目標とライセンス・検索エンジンなどプログラムで取り扱えるように

 →メタデータにライセンス情報を記載して機械可読性を確保

・法的効力を持つように

 →弁護士などを交えた慎重なドラフティング作業

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CC4.0 について

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特徴・最新バージョン・日本語版はパブコメをもうすぐ開催見込み

・国や管轄地毎のライセンスのバリーエションをなくした(ライセンスの文言はグローバルに統一された)・データベース権に対応・各種表示義務が少し柔軟に(多数の著作者名の表示なども簡便に)・ライセンス違反に対して是正猶予期間を認める。( cf GPLv3 )

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データベース権と CC

・ DB 権: DB の利用についての独占的権利(著作権に似ている)・ EU地域の CC ライセンスは、当初、 DB 権に否定的: DB 権を破棄する、ライセンスの種類に関わらず DB 権については CC BYレベルの許諾を与える、など→ODbL が作成される→ OSM や Paris Data などでの採用に至る。→最新の CC ライセンス群( ver.4.0 )では著作権同様に扱う動きに。

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より具体的な使い方の例Flickr.com    CC ライセンスされた画像が 3億枚近くある。写真共有サイト。Wikimedia Commons ウィキペディアの記事に掲載されている画像の多く(掲載しきれないものも)が収納されているGATAG  Flickr( など ?) からきれいな写真をかなり選りすぐってタグづけしている。

→長短はいろいろあるが、今日は Flickr をとりあげる。

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Flickr.com・ CC ライセンスの種類別に最近の 100枚 http://www.flickr.com/creativecommons/

・ CC BY ライセンスの 100枚http://www.flickr.com/creativecommons/by-2.0/

・ sunflower でそこから検索。http://www.flickr.com/search/?q=sunflower&l=4

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・気に入った画像http://www.flickr.com/photos/29096781@N02/3595959623

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ライセンスの確認・右下の方に「 Some rights reserved 」と記された部分があり、以下のページへリンクされている。http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/deed.en

・このライセンスは、 CC BY 2.0 Generic版と呼ばれるもの。ライセンスの本文は、こちら:http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/legalcode

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どうやって使うか?

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記載すべき事項1) 作品のタイトル Sunflower

2) 著者名 Kyle Rush

3) ライセンスの URL またはライセンス全文 http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/

4) 作品に関連する URL として指定があればその URL

特になさそう5) ライセンスに関する但し書き 「    Some rights reserved」がこれにあたるかも6) 免責事項に関する但し書き 特になさそう7) 著作権表示(典型的には < マル C マーク >+< 年 >+< 著者名 > の 3点セット)  特になさそう8) 元の作品を改変して利用している、という旨の記載

※ 作品の提供のされ方などにより、判断に迷うこともある。

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記載方法についての注意1)&2) 作品のタイトルと著者名 他の類似のクレジットの表示と比べて小さい扱いではいけない。その他は合理的な表示方法であればよい。 “Sunflower” by Kyle Rush

3) ライセンスの URL またはライセンス全文特になし http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/

5) ライセンスに関する但し書きそのまま掲載しなければならない。     Some rights reserved

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結果

“Sunflower” by Kyle Rush

    Some rights reserved

http://creativecommons.org/licenses/by/2.0/

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翻案して利用する場合

“Sunflower” by Kyle Rush を加工した画像

※ ライセンスに関する注意書きや、ライセンスの URL などは、翻案して利用する場合は記載しなくてよい。

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その他の主な注意点・ DRM の適用、利用の制約条件の変更・追加 →この画像を受け取ったほかの人が、同じCC BY 2.0 Generic ライセンスに基づいて画像を利用できる必要アリ。( DRM や利用規約で制約してはだめ)※翻案して使う場合は OK

・人物写真などは、肖像権やパブリシティ権など、被写体になっている人の権利が関わることもある。→別途許諾が必要。・権利者が複数いる場合は、全員分の許諾が必要になる。 CC ライセンスで許諾されている人と、いない人がいるかも。・権利者とは関係ない人が勝手に CC ライセンスをつけているのでは、という画像もあるかも。

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超まとめ・ Flickr には CC画像がたくさんある。・ CC BY が制約がゆるくて比較的使いやすい。・そのまま利用する場合と、翻案して利用する場合で従うべき規定が異なる。具体例は、前記参照。・厳密なところ、詳細などはライセンス本文参照。

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この資料について作成者: 渡辺智暁( CCJP ) 長谷川世一( CCJP インターン) 佐藤亮太( CCJP インターン)

本資料のライセンス:この資料を 2 種類のライセンスで提供し、利用者が選べるようにするために、 利用許諾に関する注意書きを以下に記し ます。・ この資料は、 CC BY 2.1 JP (http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) で ライセンスされています。・ この資料は、 CC BY 4.0 (http://creativecommons.org/licenses/by/4.0/ ) でライセンスされています。なお参考までに、本作品のタイトルは「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス:利用ガイドとオープンデータ動向 」で、原著作者は渡辺智暁、長谷川世一、佐藤亮太です。本作品に係る著作権表示はなく、免責に関 する注意書きもなく、許諾者が本作品に添付するよう 指定した URI もあり ません。そこで、例えば、 CC-BY ライセンスで要求されるクレジット等の表示の義務を 満たすには、次のような類の表示をすればよいということになります:

「クリエイティブ・コモンズ・ライセンス:利用ガイドとオープンデータ動向 」 by 渡辺智暁、長谷川世一、佐藤亮太この資料は、 CC-BY 2.1 JP

(http://creativecommons.org/licenses/by/2.1/jp/ ) でライ センスされています。