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誰もが研究する時代の到来 ~これからの未来をつくる「野生の研究者」 の生態に迫る~ 12 Smips ・研究現場の知財分科会 2014/06/14 湯村 (@yumu19)

誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜 #smips湯村

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2014年6月14日(土)に政策研究大学院大学で開催された第12回Smips・研究現場の知財分科会「誰もが研究する時代の到来 〜これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る〜」の講演資料。 概要:http://www.2nd-lab.org/#!research-12th/cgwi togetter:http://togetter.com/li/668744 FBイベントページ:https://www.facebook.com/events/524253687686279/

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誰もが研究する時代の到来

~これからの未来をつくる「野生の研究者」の生態に迫る~

第1 2回 S m i p s・研究現場の知財分科会

2 0 1 4 / 0 6 / 1 4 湯村 翼 ( @ y u m u 1 9 )

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ツイート大歓迎  # S m i p s湯村 で

写真撮影大歓迎

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自己紹介

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自己紹介 (現在 )

• 湯 村 翼 (@yumu19)

• 合同会社PhysVis 代表

• 明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科

研究支援者(非常勤研究員)

• 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 博士後期課程(社会人コース)

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自己紹介 (略歴 1 )

• 北海道札幌市生まれ

• 2002-2006 北海道大学 理学部 地球科学科

• 物理に興味があったが1年終了時の学科配属で成績が悪くて物理学科に行けず地球科学科へ

• 2006-2008 東京大学大学院 理学系研究科 地球惑星科学専攻 修士課程 / JAXA 宇宙科学研究所

• スパコンで宇宙プラズマ中の電子加速のシミュレーション

• 2008-2011 株式会社 東芝

• 研究所でホームネットワーク・スマートグリッドの研究

• PC事業部でWindowsアプリケーションの開発

• 「会社を辞めて大学院に戻ろう」と本気で2度ほど考えた

• 2010- 北陸先端科学技術大学院大学 情報科学研究科 博士後期課程(社会人コース)

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自己紹介 (略歴 2 )

• 2011-2013 クウジット株式会社

• AR・位置情報のアプリ開発PM

• 大きい会社の次は小さい会社を見てみたかった

• 2013-2014 フリーランス

• iOSアプリエンジニア

• 周りにフリーランスが結構いたのでハードル低かった

• 2013- 明治大学 総合数理学部 先端メディアサイエンス学科 研究支援者(非常勤研究員)

• ニコニコ学会βつながり

• 2014- 合同会社PhysVis

• デジタル地球儀の商品化 (後で説明)

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北大 (学部 )

東大 / J A X A (修士 )

J A I S T (博士 )

東芝

K o o z y t

明大 P h y s V i sフリーランス

2002

2006

2008

2010

2011

2013

2014

学歴 職歴

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僕の人生、人柱

• 学生 ⇔ 社会人

• 大企業 ⇔ ベンチャー企業

• 民間 ⇔ アカデミック

• 会社員 ⇔ 経営者

!

• ハーフ&ハーフで生きていきたい

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I n t e r n a t i o n a l S p a c e A p p s C h a l l e n g e

• NASA・JAXAのデータを使って宇宙のアプリをつくるハッカソン

• 世界同時開催(今年は95都市)

• International Space Apps Challenge Tokyo 2013 優勝 → PhysVis起業

• International Space Apps Challenge Tokyo 2014 事務局長

photo by Akiko Yanagawa, ISAC Tokyo Bureau, CC BY.

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P h y s V i s

• 地球や惑星を映し出す球状ディスプレイの製作

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仕組み

魚眼レンズ

半透過球体

プロジェクターの光を魚眼レンズで拡散させて球に内側から投影します

プロジェクター

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ニコニコ学会β

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ニコニコ学会β• 2011年12月に江渡浩一郎さん立ち上げ

• 5年間限定

• 12月にニコファーレ、4月にニコニコ超会議で開催

• 全てのセッションがアーカイブされており無期限で無料で視聴可能

• 毎回視聴者数10万人超

• 『研究100連発』や『むしむし生放送』、『ゆきりん』などが話題に

• ドワンゴ運営じゃないよ!(多大なご協力して頂いてますが)

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僕とニコニコ学会β

• クウジットがスポンサー企業

• 第1回 スポンサービデオ作成

• 第2回 ポスター発表

• 第3回 スポンサービデオ作成

• 第4回 ボランティアスタッフ

• 第5回 運営委員 + 研究してみたマッドネス登壇

• 第6回 副運営委員長 + 研究してみたマッドネス座長 + 展示取りまとめ等

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研究してみたマッドネス

「研究してみたマッドネス」は、誰にでもオープンな「ユーザー参加型研究」を実践することを目的としたセッションです。ネット上で活動している野生の研究者とビジネスやアカデミアで活躍されている本職の研究者とが、一緒になって発表し討議します。皆さまと「ユーザー参加型研究」の世界を一緒に創り上げていきたいと思います。

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野生の研究者

「生まれながらに研究者」という意味である。従来から「在野の研究者」という言葉があるが、これは職業としての研究者ではない人を意味する。しかしもともと研究者とは、職業というよりも生き方であり、常に探究心を忘れずにいる人を意味する言葉であるはずだ。そこで、プロ・アマという区分を無視し、生き方としての研究者を選んでいる人を「野生の研究者」と呼ぶことにした。

江渡浩一郎『ニコニコ学会βを研究してみた』

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第5回ニコニコ学会β 研究してみたマッドネス@ニコファーレ

「凸P(Mont Blanc Pj)」 凹 / jojonkihttp://live.nicovideo.jp/watch/lv158649896#7:18:54

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野生の研究者

• 凹さん @hecomi

• 普段は会社員エンジニア

「凸P(Mont Blanc Pj)」 凹 / jojonkihttp://live.nicovideo.jp/watch/lv158649896#7:18:54

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野生の研究者

• Needleさん @needle

• 普段は会社員エンジニア

「腱鞘炎の効率厨がPC環境を改善するとこうなる」Needlehttp://live.nicovideo.jp/watch/lv89954863#3:43:00

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野生の研究者

• 綾塚さん @ayatsuka_yuji

• 「UI、インタラクション」の研究者

「大気光象の世界 ~水、氷、そして花粉と光が織りなす空の彩り~」綾塚 祐二https://dl.dropboxusercontent.com/u/83408593/aya_nico201404-a4.pdf

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野生の研究者

• 吉崎さん @W_Yoshizaki

• ロボット研究者

• V-Sido、クラタス

「人間の思い通りに動かせる」 ロボット制御ソフト「V-Sido OS」事業化、ソフトバンク子会社が展開 - ITmedia ニュース

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1406/11/news138.html

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研究してみたマッドネス

• たぶん僕が世界で一番マッドネス動画みてます

• 野生の研究者の場

• 面白い

• 自分もできそう/やりたい

!• 「みんなを研究者に」

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野生の研究文化ができるためには?

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その前に既存の学術研究文化をおさらい

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学会

• 現存する最古の科学学会、イギリス王立協会は1660年設立

学会(がっかい)は、学問や研究の従事者らが、自己の研究成果を公開発表し、その科学的妥当性をオープンな場で検討論議する場である。また同時に、査読、研究発表会、講演会、学会誌、学術論文誌などの研究成果の発表の場を提供する業務や、研究者同士の交流などの役目も果たす機関でもある。

学会 - Wikipediaより

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論文

• 学術雑誌に投稿する査読付き論文

• 単に「論文」と呼ぶ時、学位論文(卒論、修論、博論)は含めない気がしますが、文脈に依存しますし、分野によって違うかもしれません。

• 先行研究の事例を挙げ(引用 / 参照)、そこからの進歩(差分)を記述する

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査読

• 投稿した論文を雑誌に掲載してよいかどうか判断する

• 査読は他の研究者が行う

• Accept(受理) / Minor Revision(要修正) / Major revesion(大幅修正) / Reject(拒絶)

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引用

• 既存の論文を引用しその差分(プラスアルファ)を述べるのが作法

• 「巨人の肩の上に乗る」(アイザック・ニュートン)

• 被引用数が論文の質の指標のひとつ

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学術研究文化

• 学会は「コミュニケーション」

• 論文(学会誌)は「アーカイブ」

• 査読で「最低限の質」を担保(ただし査読者の主観が入る)

• 被引用数が評価の指標(のひとつ)

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アマチュア研究者

• 天文学

• 民俗学

• Makers

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M a k e r s文化• Make: (雑誌)

• Maker Faire

• Makers (書籍、クリス・アンダーソン著)

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I T界隈の文化

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I T界隈では「野生」が大活躍• 世の中の優れたソフトウェアはオープンソースで開発

• イケてるプログラマーは注目の的

• 勉強会文化、LT文化

• 「野生の研究活動」のロールモデルになるのでは?

http://30d.jp/yapcasia/6/photo/740YAPC::ASIA

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オープンソース

• 素晴らしいソフトウェアの多くがオープンソースで開発

• OS(Linux etc.)、プログラミング言語(Ruby etc.)、ソフトウェア(Apache etc.)

• 余暇に趣味で開発している人たちがたくさんいる

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I T勉強会文化• 自主的な勉強会が頻繁に開催されている

• IT勉強会カレンダーで情報共有

• 今日(6/14)だけで46件( ゚д゚) • ぶっちゃけ使いものにならないほど

https://www.google.com/calendar/b/0/[email protected]

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I T勉強会文化

• LT(ライトニングトーク)が恒例

• 1人5分程度発表

!• つくったものや調べたことを聞いてもらえる

• 「あのエンジニア」と同じ舞台に立てる

• 名前を覚えてもらえる

• 「自分もいつか発表したい!」というモチベーションになる

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G i t H u b文化

• ソースコードを公開・共同開発

• Fork:ソースコード全体をコピー

• Pull-Request:本家開発者に修正を取り込むよう依頼

• Star:いいね!

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なぜ I T文化はうまくまわっているのか?

• エンジニア人口が多い

• 業務と直結する

• 知識を蓄積するマインド

• 車輪の再発明を嫌う

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野生の研究者の場

• IT勉強会 → 野生の研究会(LTあり)

!

• GitHub → ???

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まとめ

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比較

学術研究文化 I T文化 野生の研究文化

コミュニケーション 学会・研究会 I T勉強会

野生の研究会( LT )

アーカイブ 論文 G i t H u b

???

ニコ動 /

Yo u Tu b e?

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残った課題

• 研究成果を発表する場は研究会だけなのか?

• Web/インターネットは活用できないだろうか

• 知識体系の積み重ねは?

• 学術論文における「引用」に相当する仕組みが必要

• ニコニコ動画では1つだけ「親作品」を指定できるが

• 信頼性の担保は?

• 「査読」が必要?

• あるいは集合知的なシステム?

• 学術論文にアクセスできない

• 大学・研究機関に属していれば容易なのだが

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多様性は善

• 大学や研究所だけではなく、いろんな「研究との関わり方」があっていい

皆違っていい。なぜなら、多様性は善だから。多様性があると、種として強くなる。ホモサピエンスとして、強くなる。生物でも言えることですが、全ての個体が同じD N Aを持っていたら、天変地異が起こった時に皆死ぬ。けど、多様性があるからこそ、生き残る個体が出てくる。その個体のD N Aがその種のベースとなって、受け継がれていく。だから、違うことはいいことなんです。

仲暁子 - じぶんにぴったりの働き方を、シゴト3姉妹で考える ~ライフワークとライスワーク~ - Wantedly航海日誌より

http://blog.wantedly.com/post/43894207435/3

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https://twitter.com/nawota1105/status/463629953074872320