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-調査情報係の日常- 国立国会図書館出向報告 安原 通代 工学研究科 桂地球系図書室

20151127 ku-librarians勉強会 #197 :国立国会図書館出向報告-調査情報係の日常-

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-調査情報係の日常-

国立国会図書館出向報告

安原 通代工学研究科 桂地球系図書室

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本日の内容

• 出向先紹介

• 「カレントアウェアネス・ポータル」とは

• 「カレントアウェアネス」について

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出向先 国立国会図書館関西館図書館協力課調査情報係

http://www.ndl.go.jp/jp/aboutus/outline/organizationtree.html

図書館および図書館情報学に関する国内外の動向・トピックスについて調査研究・情報収集し、その成果を提供する

関西館

総務課

文献提供課

アジア情報課

収集整理課

図書館協力課

研修交流係

協力ネットワーク係

障害者図書館協力係

調査情報係電子図書館課

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調査情報係の体制

係長 1名

係員 2名

非常勤調査員 1名(週1回午後)

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「カレントアウェアネス・ポータル」とは

図書館界、図書館情報学に関する最新の情報を伝える国立国会図書館のサイト

日本国内および海外の最新の図書館事情やニュース

図書館情報学の研究動向やニュース

国立国会図書館が実施した「図書館および図書館情報学に関する調査研究」の成果

などの情報を提供

http://current.ndl.go.jp/

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「カレントアウェアネス・ポータル」の歴史

1979年08月 『カレントアウェアネス』(月刊)創刊

総務部企画教養課図書館情報室が編集を担当

1984年~ 参考書誌部一般参考課が編集

1986年~ 図書館研究所が編集

1989年06月 日本図書館協会を通じ外部頒布を開始

2002年~ 関西館事業部図書館協力課が編集

2002年06月 『カレントアウェアネス』季刊誌化

10月 『カレントアウェアネス-E』創刊

2006年03月 『カレントアウェアネス-R』開始

06月 カレントアウェアネス・ポータル本格運用開始

2010年01月 twitter(ca_tweet)による配信開始

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CAポータルのコンテンツ

カレントアウェアネス‐R

国内外の図書館や関連領域におけるニュースを簡潔に紹介するブログ記事、インターネット掲載のみ

紹介するのはウェブ上に情報源があるニュースのみ

毎日6~10件程度更新

係3名(現在は4名)と非常勤調査員が執筆

速報性重視

CA, CA-Eのネタ帳

企画のための情報収集(裏側の業務)を配信してサービスにしている

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CAポータルのコンテンツ

カレントアウェアネス‐E

隔週配信(年22回)のメールマガジン(+インターネット掲載)

各号5~6本の記事(1500~2000字程度)

CA-R掲載情報の詳細、イベント参加報告、文献紹介、インタビュー記事 など

係員が企画、たまに持ち込み企画もある

以前は係員執筆中心だったが、最近は外部執筆大目に

執筆者の意見ではなく、事実を伝える

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CAポータルのコンテンツ

カレントアウェアネス

季刊(3月、6月、9月、12月刊行)冊子体(+インターネット掲載)

各号28ページ程度 一般記事(3000字程度)

動向レビュー(6000字程度)

研究文献レビュー(10,000字程度)

年4回の編集企画会議で企画決定

(課長、課長補佐、係3名、非常勤調査員、編集企画員、編集協力員)

各分野の専門家に執筆依頼し、係員が構成する

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CAポータルのコンテンツ

調査研究

調査研究リポート、図書館研究シリーズ、その他の成果物 図書館界や図書館情報学に関して国立国会図書館が実施した調査研究の成果

原則年刊の冊子体(+インターネット掲載) 委託による調査が中心 近年の成果物

「図書館利用者の情報行動の傾向及び図書館に関する意識調査」(平成26年度)

地域活性化志向の公共図書館における経営に関する調査研究(平成25年度)

日本の図書館におけるレファレンスサービスの課題と展望(平成24年度)

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CAポータルモデル

CA-R

CA-E

CA調査情報

“CAポータルモデルは、まとめて表現すれば、速報性のあるメディア(CA-R)を土台にしつつ、発信までの工程数と記事あたりの情報量の異なる複数のメディア(CA-R、CA-E、CA、調査研究)を組み合わせて、“いま”を伝え、さらに“いま”に至る文脈を容易にたどれるよう、すべての情報をウェブ上にアーカイブし提供する、という運営の仕組みである。”

http://current.ndl.go.jp/ca1788

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情報収集の参考になる記事

CA1788 - カレントアウェアネス・ポータルのいまを“刻む”:情報収集活動と未 来へのアイデア / 依田紀久, 林 豊, 菊池信彦

http://current.ndl.go.jp/ca1788

CA1787 - 『カレントアウェアネス』の10年: レビュー誌への道:課題、そして 展望 / 村上泰子http://current.ndl.go.jp/ca1787

毎日チェックしていた図書館関係海外ウェブサイトのRSS

(前任者・林さんのblog記事です)

http://cheb.hatenablog.com/entry/2013/05/18/151007

‥など*あくまで参考

各自の情報源が異なることで記事の幅が広がる。

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「カレントアウェアネス」担当者の主な業務 2013年4月~2015年3月に主担当

編集企画会議のとりまとめ 会議のスケジュール調整、編集企画員・協力員への出席依頼 事前の企画案とりまとめ、会議資料作成 会議の全体進行 記事候補リスト、会議録の作成

執筆依頼は係内で分担

編集・校正のとりまとめ、執筆者とのやりとり 原稿チェックは係内で回覧して全員で 編集長は課長

印刷会社とのやりとり

発送手続き

ポータルへのアップ

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3か月の大まかなスケジュール

次々号 次号 今号

1・4・7

・10

上旬 執筆候補者に依頼 原稿の締切

中旬原稿の確認修正依頼

下旬

2

・5

・8

・11

上旬

中旬 入稿

下旬 初校~

3

・6

・9

・12

上旬 会議前打ち合わせ ~三校

中旬 会議校了~印刷~納品刊行、発送

下旬 執筆候補者に依頼 執筆者にリマインド ポータルにアップ

2回~程度やりとり

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掲載記事 一般記事(3000字程度)

最近話題になっているテーマから注目すべきものを一つ取り上げて、背景などの解説を加えながらわかりやすく説明する。

動向レビュー(6000字程度)

ある特定の分野について最近の動向をレビューする。国内外の具体例をいくつか挙げて説明。

研究文献レビュー(10,000字程度)

国内の図書館情報学研究の特定のテーマに関する最近数年(5年くらい)の研究論文をレビューする。

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記事の選定

カレントアウェアネス編集企画会議で決定する年4回開催編集企画員(外部有識者)編集協力員(国立国会図書館員)

会議に向けて記事候補を選定しておく CA-R、CA-Eの話題で更に詳しく取り上げるべきもの国内外の学術雑誌で取り上げられている話題編集企画員・協力員からの推薦企画を募る

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執筆者の選定

館内執筆者 編集協力員・係から打診 本人内諾 所属課長にメールで依頼

館外執筆者 編集企画員・編集協力員・係から打診 本人内諾 依頼状・著作権譲渡書類作成 起案・館内決済 書類郵送 承諾書返送

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校正

係内で原稿を回覧しコメントを書き込む

担当者は意見をまとめて執筆者に伝える 参考文献との比較 とにかく論拠を確認 事実と執筆者の意見との区別

2~4回くらいは執筆者とやりとりする

気を付けていたこと コメントすることにより執筆者の魅力を損なわないように 最終的に、執筆者がカレントアウェアネスで執筆してよかったと思えるように

CA前任者の言葉

「自分が読んでわからなかったら、読者もわからない」

調査情報係は最初の読者(おそらく一番熱心でしつこい読者)

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刊行

CAポータルにアップ

関係者へ冊子体配付

単純作業だけど、ここの作業が一番楽しかったかもしれない

反応がもらえると嬉しい

年に4回、任務完了の達成感

そしてその数日後に次の原稿が到着する

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最後に

出向中に思ったこと

戻ってきて思ったこと

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See You!