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猫に教えてもらうルベーグ可測 #みどりぼん 3 2014/6/10 @shuyo

猫に教えてもらうルベーグ可測

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Page 1: 猫に教えてもらうルベーグ可測

猫に教えてもらうルベーグ可測

#みどりぼん 3

2014/6/10

@shuyo

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とあるビッグデータな勉強会が 開催されたある日の夜のこと──

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あ~、にゃー先生~ 聞いてくださいよ~

(((

どうしたにゃ バグ直したら精度下がっちゃったよぅな顔にゃ

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「本当にわかったとは言えにゃい」とか 本当にわかってる人は言わにゃいから

気にするにゃ

懇親会行ったら「測度論やらなかったら 本当に統計わかったとは言えない」って~

あらにゃあ

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だだだだ大丈夫にゃ 問題にゃい

……今さりげに多方面にケンカ売っちゃった 気しますけど、大丈夫ですか?

たぶん……

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んなわけあるか、じゃなかった、 そんにゃわけにゃいだろ

測度論て全然知らないんですけど、 積分するのに難しい記号と

聞いた事のない名前をいっぱい出して 結局同じ結果になるってやつですよね

え~じゃあ なんのためにあるの?

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• リーマン積分

• ルベーグ積分

それにはまず2種類の積分を 説明する必要があるにゃ

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縦に切って短冊の面積を足すのがリーマン積分にゃ 短冊に幅があるせいで

積分できにゃぃ関数がたまにあるにゃ

だいたいはこれで行けるにゃ

高校数学の積分にゃ

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自分で切った短冊の幅の代わりに 横に切ったときの関数の「影」を使うのが

ルベーグ積分にゃ 影の長ささえ測れれば積分できるにゃ

注目

注目した段の関数の「影」

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簡単のはそれでいいにゃ でも複雑だと長さが測れにゃいかもにゃ

影が分かれてますけど、 これの長さってそれぞれの幅の合計ですか?

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「長さくらい」? 甘い! 劇甘にゃ!

測れないなんてあるんですか? 数直線上の部分集合の長さくらい……

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確かにどんにゃ集合でも、 ムリヤリ長さを測れにゃくもにゃい でもそれは「ちゃんとした長さ」とは

限らにゃぃのだ

「ちゃんとした」???

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長さですからねぇ そりゃあ足し算くらいできるでしょ

さっき2つにわかれた影の長さを それぞれの長さの合計としたにゃ

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𝑚(𝐴)を集合𝐴の長さを求める関数とする

𝐴𝑖 ∩ 𝐴𝑗 = ∅ (𝑖 ≠ 𝑗) に対して

𝑚 𝐴𝑛

𝑛

= 𝑚 𝑎𝑛

𝑛

「足し算くらいできるでしょ」を ちゃんと書くとこうにゃる

これを「完全加法性」というにゃ

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𝑚(𝐴)を集合𝐴の長さを求める関数とする

𝐴𝑖 ∩ 𝐴𝑗 = ∅ (𝑖 ≠ 𝑗) に対して

𝑚 𝐴𝑛

𝑛

= 𝑚 𝑎𝑛

𝑛

難しげですけど、要は 集合の和と長さの和が等しいってことでしょ

当たり前ですよね?

……

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𝑚(𝐴)を集合𝐴の長さを求める関数とする

𝐴𝑖 ∩ 𝐴𝑗 = ∅ (𝑖 ≠ 𝑗) に対して

𝑚 𝐴𝑛

𝑛

= 𝑚 𝑎𝑛

𝑛

完全加法性があれば「ちゃんとした長さ」 と考えて「ルベーグ測度」と呼ぶにゃ

にゃー先生 なんで無視するんですか!?

ホントはちょっと違うが 今はそういうことにするにゃ

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𝑚(𝐴)を集合𝐴の長さを求める関数とする

𝐴𝑖 ∩ 𝐴𝑗 = ∅ (𝑖 ≠ 𝑗) に対して

𝑚 𝐴𝑛

𝑛

= 𝑚 𝑎𝑛

𝑛

影の長さが測れればルベーグ積分できるにゃ そういう関数は「ルベーグ可測」と呼ぶにゃ

さらにスルーされた……!

Page 18: 猫に教えてもらうルベーグ可測

𝑚(𝐴)を集合𝐴の長さを求める関数とする

𝐴𝑖 ∩ 𝐴𝑗 = ∅ (𝑖 ≠ 𝑗) に対して

𝑚 𝐴𝑛

𝑛

= 𝑚 𝑎𝑛

𝑛

リーマン積分できにゃかった関数も ルベーグ積分ならできたり嬉しいにゃ これで測度論の重要さ .

勢いで 締めに入ろうとしても

ダメですよ!

うんうん

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普通に考えたら、 「集合の和の長さ」=「長さの和」に 決まってるじゃあないですか!

……そうはいかにゃいのにゃ そしたら可測とか 別にいらないですよね?

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実は「集合の和の長さ」<「長さの和」 となる例を作れるのにゃ

あー(察し)

だから突っ込んで ほしくなかったのにゃ KY にゃ……

マジですか! 分けて足したら長さが伸びるって

イミフすぎるんですけど

「選択公理」を使うにゃ

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詳しくは知らないけど

すっっっっごく変な事ができるやつですよね

選択公理は知ってるかにゃ?

球を分割して組み直したら 2個に増えるとか

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選択公理様のお出ましってことは かなりの変態ちっくってことですよね……

ちょー変態にゃ

こいつに比べれば カントール集合とか めっちゃかわいいもんにゃ

選択公理コワイ

怖いのは無限で、 選択公理はその怖さを 扱えるようにしているだけにゃ 選択公理は悪くにゃいのにゃ

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そこまで変ってことは、 普通の用途で非可測はお呼びでないですよね?

いや濃度は十分大きいから

あとお茶もコワイ

な い で す よ ね ? にゃー先生?

は、はいにゃ……

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……大数の法則や中心極限定理を 安心して使えるのは測度論のおかげにゃ

そうなんですか?

機械学習や統計を普通に使ってて 非可測とか出てこないなら 測度論いらなくないですか?

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そうにゃ! 可測関数の極限が可測…… 確率の漸近的振る舞いを記述

あー時間なので LT 終わりで~す

続きはまた今度?

にゃにー!

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ありがとうございました~