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1 池袋物理学勉強会(9) 高橋康 量子力学を学ぶための解析力学入門 第4章 正準変換 (後半) @gm3d2 Nov. 12, 2014 池袋バイナリ勉強会会場

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池袋物理学勉強会(9)

高橋康 量子力学を学ぶための解析力学入門第4章 正準変換 (後半)

@gm3d2Nov. 12, 2014

池袋バイナリ勉強会会場

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正準変換:前回のまとめ● 新しい変数 Q = Q(q, p), P = P(q, p)● 新旧変数でLagrangianが任意関数の時間微分

を除き一致

● WをQとq(とt)の関数とすると:

(4.11)

(4.12)

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母関数による正準変換● q, Qの独立性から

● Wを決めると具体的にp、Pがq, Qの関数として求まる

● qとQ以外の独立変数の選択もできる

pとPはWの偏微分係数

これを独立変数に→Legendre変換が使える

(4.13)

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母関数による正準変換(2)● (q, p)のうち任意の片方、(Q, P)のうち任意の

片方を独立変数に選べる→4通りの選択● 自由度fの系なら4のf乗● 4つのうち任意の組み合わせができるわけで

はない– (Q, P)や(q, p)を母関数の独立変数に選ぶことは

できない→強引にWを(q, p)で表してもその微分係数が(Q, P)にはならない

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母関数による正準変換(3)● 例: (Q, p)を独立変数にしてみる● W(q, Q)をW1と書いておく

● をqについて解けば   

に一致するはず

→普通はLegendre変換は必須ではない

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母関数による正準変換(4)● Wが与えられれば以降の計算はシンプル● 先に変換が与えられてWを求めるのは面倒

→与えられた変換が正準変換かどうか判定するには不向き

● 判定には、後の章で扱うPoisson括弧を用いた方が楽

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恒等変換● Wを(q, Q)の関数としたが…

q = Q、p = Pとなるような変換の場合qがQと同じなので独立変数として機能しない

● 恒等変換を表せる独立変数の組はどれか?

(q, Q)、(p, P)…恒等変換には使えない

(q, P)、(Q, p)…OK– W1(q, Q)からLegendre変換

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(q, Q)→(q,P)に移る

↑Legendre変換の練習問題とまったく同じ

(4.23)

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W2を用いると

● 同様に(p, Q)を変数として用いると

(4.28)(4.27)

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無限小正準変換● (何もしない)恒等変換から無限小だけずれ

た変換を考える

母関数も恒等変換の母関数 W2(q, P) = qP から無限小ずれる

ε: 無限小パラメータ

Gの変数は(q, P)だが恒等変換からの一次のずれを考えているので(q, p)としてよい

(4.30)

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無限小正準変換(2)

● これから対応する正準変換を求めると

● δq、δp: 新座標(Q, P)と旧座標(q, p)の差

G: 無限小正準変換の母関数

この式のεの一次ではPによる微分もpによる微分も同じ

(4.34)

(4.32)

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座標系の空間推進

yx

z

y'x'

z'

x: ある点pの座標を(x, y, z)系で記述したものx': 同じ点pの座標を(x', y', z')系で記述したもの

● 座標系同士が運動しているわけではない● 原点がずれているだけで位置関係は時刻に対

して不変● 両系での粒子の速度、運動量は同一

(4.35)

(4.36b)

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座標系の空間推進(2)

yx

z

y'x'

z'

● 空間推進(並進)は正準変換● 空間の次元は任意でよい● 並進の母関数は運動量

ととればよい

(4.39)

(4.38)

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無限小回転● まずxy平面で考える

p

(4.40, 41)

(4.43)

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運動量の変化● 運動量の表式 より、

 となるGは?

● 角運動量が回転の母関数

(4.46)

(4.45)

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3次元への拡張● 3次元の微小回転(回転軸e、回転角ε)

● 長さが不変であることのチェック

xとx x eは直交→xの長さは不変

e軸まわりの回転の母関数は角運動量のe成分

(4.48)

(4.50)

(4.49)

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時間推進● 二つの時間の原点がεずれた座標系t’とt● 空間座標のとり方は同じ

少しずれた二つの時計を使うと考えればよい● ある一つの物理的時刻と位置(世界点)を両

方の座標系で記述した場合

(4.52, 53)

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時間推進(2)● これを座標変換として取り扱うために…● 両方の時計での同じ読み t での座標の値を問題

にする

→当然座標の値はずれる→座標変換

(4.54)

(4.55)

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時間推進(3)

● 時間推進はHamiltonianを母関数とする正準変換