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スイッチングCRW(correlated random walk) モデルでGPSデータから歩行モードを推定する: せっかくなので11章と12章の合わせ技を 大阪電気通信大学 情報通信工学部 小森 政嗣 Osaka.Stan#6 Lightning Talk

Osaka.Stan#6 LT:スイッチングCRW(correlated random walk) モデルでGPSデータから歩行モードを推定する: せっかくなので11章と12章の合わせ技

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スイッチングCRW(correlated random walk)モデルでGPSデータから歩行モードを推定する:

せっかくなので11章と12章の合わせ技を

大阪電気通信大学 情報通信工学部小森政嗣

Osaka.Stan#6 Lightning Talk

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移動の状態空間モデリング

CRW(Correlated Random Walk)モデル二次元平面を移動する点が,その1つ前の点の速度に影響を受ける.また,ある一定の角度で曲がる.

𝛂𝑡+1 = 𝛂𝑡 + 𝛾𝐑𝐯𝑡 + 𝜼𝑡

𝐲𝑡 = 𝛂𝑡 + 𝜺𝑡

𝛂𝑡 =𝑥1,𝑡𝑥2,𝑡

𝐑 =cos𝜃 − sin𝜃

sin𝜃 cos𝜃

𝐯𝑡 =𝑥1,𝑡 – 𝑥1,𝑡−1𝑥2,𝑡 – 𝑥2,𝑡−1

𝜼𝑡 ~ 𝑁 0, 𝜎𝜼2

𝜺𝑡 ~ 𝑁 0, 𝜎𝜺2

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スイッチングモデル

例えば,移動には2種類の潜在状態があると考える

• 動物の場合

– 移動時:ある目標に向かって比較的直線的に素早く移動

– 索餌時:角度を頻繁に変え,ある場所に留まる傾向

• 店内での購買行動

– 目的が明確な時:目当ての商品の棚やレジに向かう

– 商品探索時:店内をうろつく(ウィンドウショッピング)

• 徘徊老人

– ある目的を持って何処かに向かう

– 目的がわからなくなりすっかり途方にくれている

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スイッチングモデル

• ある状態が切り替わる遷移確率を求める

• 今回は2つのモードがあると仮定して推定

𝐏𝐫 B1,𝑡 B1,𝑡−1) = 𝛼1𝐏𝐫 B2,𝑡 B1,𝑡−1) = 1 − 𝛼1𝐏𝐫 B1,𝑡 B2,𝑡−1) = 𝛼2𝐏𝐫 B2,𝑡 B2,𝑡−1) = 1 − 𝛼2

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ズキンアザラシの移動

Jonsen, I. D., Myers, R. A., & James, M. C. (2007). Identifying leatherback turtle foraging behaviour from satellite telemetry using a switching state-space model. Marine Ecology Progress Series, 337, 255-264.

Plot of hooded seal track data, with

observed locations as open circles and

state estimates from the DCRWS (first-

difference correlated random walk

switching) model as red and blue filled

circles. Red circles are state estimates

associated with migrating behavior, and

blue circles are state estimates

associated with foraging behavior. The

black line is the straight-line path

between observations and the gray line

is the straight-line path between state

estimates.

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ツキノワグマの移動

有本勲, 岡村寛, 小池伸介, 山﨑晃司, & 梶光一. (2014). 集落周辺に生息するツキノワグマの行動と利用環境. 哺乳類科学, 54(1), 19-31.

観測誤差を含むGPS データの移動軌跡(左)とスイッチング状態空間モデルにより平滑化および行動区分した移動軌跡(右)

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テストデータで分析

• 真値𝛼1 = 0.7, 𝛼2 = 0.5𝛾1 = 0.01, 𝛾2 = 0.5𝜃1 = 0.1, 𝜃2 = −0.05𝜎𝑥1 = 0.1, 𝜎𝑥2 = 0.5𝜎𝑦1 = 0.1, 𝜎𝑦2 = 0.5

𝜎 = 0.01

• 推定値(中央値)𝛼1 = 0.77, 𝛼2 = 0.59𝛾1 = 0.03, 𝛾2 = 0.08𝜃1 = −0.27, 𝜃2 = −0.7𝜎𝑥1 = 0.13, 𝜎𝑥2 = 0.52𝜎𝑦1 = 0.12, 𝜎𝑦2 = 0.54

𝜎 = 0.01

N = 200

先行研究ではWinBUGSで分析が行われているが,あえて離散値パラメータを扱うのが苦手なStanで書いてみた

Viterbiアルゴリズムで潜在状態を推定(Stan User’s Guide and Reference Manualの10.6.節Hidden Markov Models”の”Semisupervised Estimation”と”Predictive Inference”を参考にした)

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学園祭中の学生にGPSロガーをもたせてみる

• 1分ごとのデータ(N=544)

• 部室(左下)と屋台(右上)を何度も行き来していた

• 推定の結果,滞在モード(赤)と移動モード(青)に分類できてるかも(Rhatでかすぎ問題)

露店エリア

学生会館