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FOSS4Gツール (GRASS、R、GMT)を用いた氷河の解析事例
Takayuki NUIMURA
名古屋大学・雪氷研
11th Dec. 2011
Takayuki NUIMURA (名古屋大学・雪氷研) FOSS4G ツールを用いた氷河の解析事例 11th Dec. 2011 1 / 15
Outline
1 はじめに解析に使用したソフトウェア山岳氷河について
2 解析解析の流れStep 1: GDALで DEMデータ変換Step 2: GRASSで GPSデータをグリッド DEMに変換Step 3: Octaveで RS-DEMの補正&精度評価Step 4: Rで RS-DEMsの統計処理
3 グラフ出力Rで解析結果のプロット (高度分布)GMTで解析結果の描画 (空間分布)
Takayuki NUIMURA (名古屋大学・雪氷研) FOSS4G ツールを用いた氷河の解析事例 11th Dec. 2011 2 / 15
解析に使用したソフトウェア解析には、FOSS4Gを含む以下の FLOSS1を用いた。
FLOSS
FOSS4G
データ処理&図化(GDAL, GRASS, R, Octave)
空間データ図化(GMT)
Beamer
グラフィック処理(Inkscape, GIMP)
プレゼンテーション(LaTeX Beamer)
1Free/Libre and Open Source SoftwareTakayuki NUIMURA (名古屋大学・雪氷研) FOSS4G ツールを用いた氷河の解析事例 11th Dec. 2011 3 / 15
山岳氷河について
クリーン氷河 (ex. AX010氷河)
クリーン氷河は面積変化が捉えやすい
デブリ氷河
衛星画像からの面積変化の識別は困難=⇒氷河表面の高度変化が重要。
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本研究の目的
ネパール東部のクンブ地方における現地観測データをもとに、衛星データの精度検証及び補正を行なった上で、氷河変動量を高精度で復元することを目的とした。
0
1000
2000
3000
4000
5000
6000
7000
8000[ m ]
Nepal
China
India
Khumbu Himal
Kathmandu
80˚ 85˚ 90˚
25˚
30˚
86˚30' 86˚40' 86˚50' 87˚00'
27˚30'
27˚40'
27˚50'
28˚00'
10 km
N Everest
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2007年調査 (クンブ地方)
3000
4000
5000
6000[ m a.s.l ]
86˚30' 86˚40' 86˚50' 87˚00'
27˚50'
28˚00'
N
Everest
Base stationPeak
0 5 10
kmNepal
China
India
リモートセンシング DEMの検証及び補正用に、干渉測位 GPS測量。(標高 3800 – 5500 m a.s.l.)
(Nuimura et al., J. Glaciol., in revise)
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解析の流れ
1 GDAL:DEMデータを、HDF=⇒GeoTIFF変換2 GRASS:GPS測量データを、ポイント=⇒GeoTIFF変換3 Octave:RS-DEMs (1992–2008)をGPS-DEMを参照として、水平・垂直補正&精度評価
4 R:補正済みの RS-DEMsを用いて氷河表面の高度変化率 (m a−1:1992–2008)を算出
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Step 1: GDALでDEMデータ変換
GDALを用いて HDF2=⇒GeoTIFF形式に変換
gdal_translateコマンドで変換 (sdsオプションが重要)
#いったん EHdr (ヘッダ付きバイナリ)に変換してからgdal_translate -sds -of “EHdr”【HDFファイル名】【Ehdrファイル名】
#各バンド毎に適切なファイル名をつけて GeoTIFFに変換gdal_translate -of “Gtiff”【Ehdrファイル名】【GeoTIFFファイル名】
この gdal_translateコマンドは、ラスターデータのフォーマット変換ができる (高速で対応形式が多い!)。
2ERSDACの販売している ASTERデータは HDF形式Takayuki NUIMURA (名古屋大学・雪氷研) FOSS4G ツールを用いた氷河の解析事例 11th Dec. 2011 8 / 15
Step 2: GRASSでGPSデータをグリッドDEMに変換
GRASS GISの v.surf.rstコマンドでスプライン補間1 v.in.ogr:ポイントデータを GRASSへインポート2 v.surf.rst:スプライン補間、ポイント=⇒グリッド変換3 r.out.gdal:グリッドデータを GRASSから GeoTIFFへエクスポート
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Step 3: OctaveでRS-DEMの補正&精度評価
行列演算を高速にできる Octaveを用いて、全ての RS-DEMsを GPS-DEMに合うように水平&垂直補正、補正後に精度評価も。
Step 1: 水平方向の補正
Step 2: 垂直方向の補正
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Step 4: RでRS-DEMsの統計処理
Rの rgdalパッケージrgdalパッケージを用いると、以下の GIS入出力関数が使用できる
readOGR:ベクターデータ読み込み
readGDAL:ラスターデータ読み込み
writeOGR:ベクターデータ書き出し
writeGDAL:ラスターデータ書き出し
本研究では readGDALで GeoTIFFの多時期の DEMを読み込んで解析し、計算結果を writeGDALで GeoTIFFに書き出し。
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Step 4: RでRS-DEMsの統計処理
1992–2008年の間の多時期の DEM(地形データ)から、標高値の時系列変化をグリッドごとに計算
=⇒氷河の表面高度がどのように変化しているか (上昇 or低下)が求められる
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Step 4: RでRS-DEMsの統計処理
1 readGDAL関数:1992–2008の多時期の DEMを Rへ読み込み2 lm関数:lm関数で、グリッドごとに、表面高度の変化率 (m a−1)計算3 writeGDAL関数:計算された表面高度の変化率分布をGeoTIFFに出力
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Rで解析結果のプロット (高度分布)DEMと解析結果の表面高度の変化率の組み合わせによる高度分布図
−3 −2 −1 0 1 2 3
4000
4500
5000
5500
6000
6500
7000
Elevation change (m a−1)
Ele
vatio
n (m
)
Debris−freeDebris−covereda)
Area (km2)
0 5 10 15 20
Debris−freeDebris−coveredb)
高度 50 mごとに区間分けをし、区間での変化率 (m a−1)と精度を計算し、Rの plotCI関数で、エラーバー付きプロット。
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GMTで解析結果の描画 (空間分布)
色のついている場所が氷河域、暖色が表面低下、寒色が表面上昇を示す
GDALで、GeoTIFF=⇒NetCDF3に変換したのち、GMTコマンドのgrdmathで NoDATAを設定すると、図のように重ねあわせ描画4ができる。
3GMTで扱う形式4背景の衛星画像上に、氷河の場所のみの表面硬度の変化率
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