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講師:日本仮想化技術 宮原 日時:2013/7/26 アジェンダ: -仮想化技術の現状 ---ハイパーバイザー/ストレージ/ネットワーク -プライベートクラウドの課題 ---仮想化環境のサイロ化 ---継続的運用管理 ---パブリッククラウドとの比較 -エンタープライズクラウド構築の検討すべきポイント ---OpenStackやその他の技術の評価 概要: 仮想化技術によるシステム統合が進む中、オンプレミスのクラウド環境とパブリッククラウドを接続するハイブリッドクラウドのニーズが高まりつつあります。しかし、両者を単純に接続するだけでは、企業のビジネスニーズを満たすエンタープライズクラウド環境が構築できたとは言えません。 本セッションでは、仮想化専門コンサルタントの経験をふまえて、エンタープライズクラウド環境を構築するためのポイントを解説します。
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代表略歴
• 本名:宮原 徹 • 1972年1月 神奈川県生まれ • 1994年3月 中央大学法学部法律学科卒業 • 1994年4月 日本オラクル株式会社入社
– PCサーバ向けRDBMS製品マーケティングに従事 – Linux版Oracle8の日本市場向け出荷に貢献
• 2000年3月 株式会社デジタルデザイン 東京支社長および株式会社アクアリウムコンピューター 代表取締役社長に就任 – 2000年6月 (株)デジタルデザイン、ナスダック・ジャパン上場
(4764) • 2001年1月 株式会社びぎねっと 設立 • 2006年12月 日本仮想化技術株式会社 設立 • 2008年10月 IPA「日本OSS貢献者賞」受賞 • 2009年10月 日中韓OSSアワード 「特別貢献賞」受賞
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本日のアジェンダ
• 仮想化技術の現状 – ハイパーバイザー/ストレージ/ネットワーク
• プライベートクラウドの課題 – 仮想化環境のサイロ化 – 継続的運用管理 – パブリッククラウドとの比較
• エンタープライズクラウド構築の検討すべきポイント – OpenStackやその他の技術の評価
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エンタープライズクラウドとは
• 企業のシステム基盤としてのクラウド環境 • 単なる仮想化環境ではなく、ITアーキテ
クチャの再構築を伴って、自動化、標準化を推し進めた次世代のシステム基盤
• パブリックやオンプレミスといった形態にとらわれず、best-of-breedな環境を目指す取り組み
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仮想化技術の現状
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サーバ仮想化は普及段階に
• ハードウェアの仮想化最適化 – マルチコアCPU・大容量メモリ搭載
• 大規模なシステムほど仮想化に移行済み – 中小規模システムの仮想化移行フェーズに – パブリッククラウドサービス利用も促進
• 仮想化の導入よりも運用管理に悩み – 性能不足・容量不足 – 障害対応・BCP対応
• 一層のランニングコスト削減要請 – 省電力サーバへの変更による電力コスト削減 – 高集約環境へのV2V移行による仮想インフラ再圧縮
6 V2V:Virtual to Virtual
ハイパーバイザーの最新動向
• VMware vSphere 5.5の新機能 – vSphere Flash Read Cache
• SSD領域をReadキャッシュとして利用 – vSphere AppHA
• DB/Web監視と再起動 – 無償版ESXiのメモリ制限が無くなる(らしい)
• ESXi 5.0では8GB、ESXi 5.1では32GB制限 • Hyper-V 2012の登場
– Windows Server 2012に搭載 – 機能面でvSphereを追従 – Windows多用の場合、コスト面でメリット
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ストレージの課題と注目技術
一層の大容量化 仮想ストレージ 重複排除
バックアップ/リカバリ D2Dバックアップ バックアップ統合
性能要求の高速化・多様化
SSD/NANDの採用 SANの高速化 分散ストレージ
BCP対策 遠隔複製機能 クラウドストレージ
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ネットワークの課題と注目技術
通信量の増加 10Gイーサネット InfiniBand
仮想ネットワークの一元管理
分散仮想スイッチ OpenFlow ファブリック
BCP対策 高速WAN
モバイル 高速ワイアレス通信
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プライベートクラウドの課題
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プライベートクラウドの課題
• 仮想化環境のサイロ化による煩雑さ – 似て異なる仮想化環境の乱立 – 社内標準不在のVM増殖
• 継続的運用保守の困難さ – 硬直的なリソース追加 – 障害対応によるネガティブコスト
• パブリッククラウドとの比較 – 「所有しない」経営の要請 – apple-to-appleの比較になっているか?
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仮想化環境のサイロ化
• 仮想化環境の乱立 – 業務システム毎、部門毎の仮想化環境構築と
P2V移行 – ネットワーク環境は既存構成を継続
• 標準の不在 – 導入時期毎に異なるサーバー、ストレージ – 標準化されていないミドルウェア – 統合されていない運用管理
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継続的運用保守の課題
• 継続的なリソース管理 – ストレージ不足の頻発 – 弾力的なリソース追加が必要
• 不規則に発生する障害対応 – ディスク障害、電源障害の頻発 – 問題切り分けから解決までの期間の長期化
• 慢性的な運用管理担当者の不足・不在 – 業務まで理解したアウトソース先の確保? – 運用管理コストが真っ先にカットされる
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パブリッククラウドとの比較
• 要件の再確認 – 適切なapple-to-appleの比較のために
• パブリッククラウドのセキュリティや継続性に対する不信感・不安感の評価 – SLAではなく、万が一の場合の責任の所在 – リスクアセスメントの実施
• 適切なコスト比較 – キャッシュアウト抑制について経営的側面か
らの確認
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参考)リスクアセスメントの実施
• リスクアセスメント=リスク分析+リスク評価 • リスク分析=リスク因子(脅威と脆弱性)の
特定+リスク算定 – 脅威:システム又は組織に危害を与える事故の
潜在的原因 – 脆弱性:脅威によって影響を受ける内在する弱さ – リスク:ある脅威が脆弱性を利用して損害を与
える可能性
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http://www.ipa.go.jp/security/manager/protect/pdca/risk_ass.html
パブリッククラウドのメリット
• 短期の利用 – 「持たない」ことによるメリット
• 迅速な配備 – セルフサービスポータル
• 大量のリソース要求 – ネットワークトラフィックに注意
• 物理的な分散 – BCPの一手段として
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パブリッククラウドの落とし穴
• 従量課金 – ネットワーク課金 による「パケ死に」の可能性
• 決済方法 – 「固定課金」では取られすぎの可能性も
• 設計 – 性能が読めない – ネットワーク設計の制約
• 運用管理 – すべてをアウトソースできるわけではない
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プライベートクラウドのコスト
• 半年、一年先を見越したサイジングが必要 – 必然的な結果として過剰な初期投資
• 導入資産の陳腐化が速い – 資産償却が資産価値下落に追いつかない
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とあるコスト試算の一例
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期間
費 用
プライベート パブリック
ユーザー視点でのクラウド資産
• 参考:「IFRSではクラウドをどう会計処理する?」 – http://techtarget.itmedia.co.jp/tt/news/1111/17/
news05.html • SaaSを利用している場合には資産計上不要 • IasS/PaaS上に構築したアプリケーションな
どは無形ソフトウェア資産として計上 • 資産帰属先によって計上方法が異なるの
で留意 20
IFRSとクラウドのかかわり(引用)
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出典:http://image.itmedia.co.jp/l/st/tt/news/1111/17/l_tm_ifrs67076_01.png
プライベートとパブリックの比較
プライベート パブリック
初期導入構成 事前にキャパシティを見込んだサイジング
スモールスタート可能
初期導入コスト 資産として初期投資が必要 初期投資を抑制できる
資産コスト 資産として計上、償却が必要(リースを除く)
資産計上不要部分があり、費用として計上可能
運用管理形態 自社運用ないしマネージドサービス
マネージドサービス
運用管理コスト 費用として計上 費用として計上
トータルコスト 短期的にはキャッシュアウトが必要だが、長期保有でメリット
短期的なキャッシュアウトを抑制できるが、長期的にはコスト増
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エンタープライズクラウド構築の検討すべきポイント
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エンタープライズクラウドの意義
• 仮想化基盤の統合 • 運用管理の自動化 • システム標準化 • セルフサービス
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ITアーキテクチャの再構築
準備フェーズ
• 現行IT資産の棚卸し – 優良資産と不良資産の仕分け – 基盤統合の青写真を描く
• コスト構造の明確化 – 省ける無駄の抽出 – 基盤統合や自動化によるコスト削減
• ビジネスに貢献するIT基盤の定義
– システム要件だけでなくビジネス要件も
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仮想化基盤の統合
• マルチハイパーバイザーの検討 – 既存環境と新規環境の切り分け – ゆるやかにV2V移行
• パブリッククラウドの有効活用 – 現状、パブリックとプライベートの間の頻繁な行
き来は現実的ではない? – 目的別による使い分け
• 統合管理システムの構築 – 垂直統合型システム導入の検討 – ハードウェアに限らないシステム全体に対しての
best-of-breedの追求 26
運用管理の自動化
• オーケストレーションの重要性が高まる – VM、OS、アプリケーション、ネットワーク、ストレ
ージなどを一括配備(プロビジョニング) – 俊敏性の確保
• 手作業の排除 – 自動化できるものは自動化する – 1回きりの作業でも極力自動化?
• サービスカタログの構築 – 単なるIaaS提供・利用ではなく、サービスという
観点でのITインフラ構築 – 業務とサービスの対応関係を重視
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システムの標準化
• 俊敏性や保守性を考慮すれば標準化は避けて通れないプロセス – でも、なかなか着手できない、定着しない
• プロジェクト毎の特殊性をどこまで排除/許容するのか – システムの硬直性を生み出さないか – 逆に不都合をもたらさないか
• 仮想マシンの標準テンプレート作成、修正のプロセスの標準化から – 継続的にオーケストレーション、サービスカタロ
グへと発展させる
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セルフサービス
• 運用管理の効率化とシステム乱立のトレードオフを考慮 – 運用管理をどこまでユーザー側に任せるか – 中央集権型か、ユーザー自治型かの選択 – 乱立を抑制するためコストの明確化が必要
• 課金システムとの連動 – 自社・グループ企業内でも利用料課金
– 利用状況監視の粒度は?
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OpenStackの評価
• 大規模プロビジョニングツールとして有効 • OpenStackのみでエンタープライズクラウ
ド環境をまかなうことはできない – ネットワーク:Neutron経由でOpenFlowなど
各種ネットワーク技術との連携が必要 – 監視:日本で人気はZabbix連携?課金系は
Ceilometerが使い物になってくれば – 自動化:Chefが注目されているが、今後は
Heatが使われるようになっていく?
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ネットワーク
• 基盤統合することによりネットワーク接続性の重要性は高まる – 自動化による確実なネットワーク設定 – ネットワーク分離の要不要とオーバーレイネット
ワーク等の検討 • 大括りでのSDNやNFVは短期的には検討
対象には入らない? – 直接のターゲットはDCや通信事業者 – BCP/DR実現のために必要? – DC・通信事業者が提供するサービスを(透過
的に)利用する可能性があるぐらい?
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ストレージ
• 従来の仮想化統合と変わらないが、目的別に複数用意する可能性を検討 – SSD・NANDを活用した高速ストレージ – HDDを使用した大容量ストレージ – 分散型ストレージやオブジェクトストレージの活用 – オーケストレーションとの連動
• 大容量化に伴うバックアップ/リカバリ時間増大にどう対処するか – 動作継続性の観点からリカバリを行う時間が無
い場合も – ストレージ複製技術・CDPなどの活用
32 CDP:Continuous data protection
今後進展するXaaS化
• 仮想化、自動化、標準化の流れの先にあるのは各種コンポーネントのXaaS化 – DBaaSやLBaaSなど
• 専用ハードからハードウェアアプライアンス、仮想アプライアンスへの流れ – ex)OpenFlow対応スイッチ – ストレージもSDS(Software-Defined Storage)に
• GlusterやCeph、Swiftなどに注目
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まとめ
• エンタープライズクラウド環境構築とはITアーキテクチャの再構築である
• 仮想化から自動化、標準化への流れ • ハイブリッドクラウド構築や垂直統合型
システム導入の検討は一つの試金石となるか?
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今後の活動
• OpenStackおよびBaremetal OpenStack導入検討のためのプログラム実施 – 動作デモ – テクニカルディスカッション – 導入ハンズオン など
• 各種検討・検証成果の公開 • 外部機能開発と成果物のOSS化
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お気軽にご依頼ください
お問い合わせ先
「OpenStackについて、どこに相談すればいいの?」
まずは我々にご相談ください
http://VirtualTech.jp/ [email protected]
050-7571-0584 36