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vol.005 Bee Style: Sep 2009:Bee Technologies 新製品情報 デバイスモデル [ショットキバリアダイオード] スタンダード・モデル プロフェッショナル・モデル [フォトカプラ] デザインキット 擬似共振電源回路 道具箱 gunplot 株式会社ビー・テクノロジー

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vol.005

Bee Style:Sep 2009:Bee Technologies

新製品情報

デバイスモデル [ショットキバリアダイオード]  スタンダード・モデル プロフェッショナル・モデル [フォトカプラ]

デザインキット  擬似共振電源回路

道具箱 gunplot

株式会社ビー・テクノロジー

Page 2: Bee Style:vol.005

ショットキバリアダイオード スタンダードモデルプロフェッショナルモデル

 今回は2つの新製品のご紹介です。

 1つ目はデバイスモデリング教材「太陽電池モデル編」です。太陽電池のモデルを活用し、最適な接続方法や、あらゆる検証(気象条件の影響を入れた場合、パネルの一部の動作が悪い場合、内部に漏れ電流が発生した場合)やアプリケーション回路開発時に太陽電池モデルを活用したい方向けの教材です。太陽電池のスパイスモデルのサンプルもありますので、色々と学習出来ます。詳細は、 http://beetech.web.infoseek.co.jp/products/material/ma-terial_09.htmlをご参照下さい。

 2つ目はデザインキットです。回路シミュレーションのテンプレート集として即活用出来ます。回路方式ごとのご提供になります。ゼロから回路解析をするのはハードルが高いので、雛形(たたき台)としてご活用下さい。今回のご提供の回路方式は、「D級アンプ回路」です。PSpiceにて動作致します。実際にどういう事が出来るのか?解析の精度はどのくらいなのか?詳細は、 http://beetech.web.infoseek.co.jp/products/design/design_05.htmlをご参照下さい。解説書等の公開情報があります。PSpiceの機能を最大限活用したデザインキットです。

 現在、製品開発中のデザインキットは、「擬似共振電源回路」です。これは、多くのユーザーからの要望があり、優先順位を上位にし、開発を進めています。

 ショットキバリアダイオードはスタンダードモデルとプロフェッショナルモデルの2種類があります。ビー・テクノロジーのデバイスモデリングサービスの中でも多くのお客様にご提供しております。シミュレーションの解析用途は、過渡解析を行い、損失計算を行っているお客様が多いです。

 スタンダードモデルの場合、ダイオードのパラメータモデルを採用しております。一般ダイオード(スイッチングダイオード)との差異は、順方向特性において、N(エミッション係数)=1にFixedさせて、モデリングする事が大きな特徴です。スタンダードモデルの場合、逆方向特性が降伏点のみの表現の為、座標点1点しか再現性がありません。その降伏点は、モデルパラメータBV,IBVで表します。

 プロフェッショナルモデルは、逆方向特性に再現性があります。逆方向特性を等価回路で忠実に表現しております。今までにも講演の機会がある毎に、等価回路を公開しております。このモデルの使用により、順方向、逆方向ともに解析精度良くシミュレーション出来ます。過渡解析をしても収束性にも考慮したモデルです。このモデルはPSpice Modelでしたが、他のSPICE系シミュレータ(HSPICE,Smart SPICE,MicroCap,ICAP,LTspice等)でも等価回路の移植が終了し、多くのユーザーにご提供しております。ケース・バイ・ケースですが、逆回復時間が確認出来るデバイスであれば、モデルに組み込む事が出来ます。以前のデバイス

デバイスモデリング教材:現在ご提供しているデバイスモデリング教材は、今回ご紹介しました「太陽電池モデル編」も含め9種類あります。詳細はこちらのURLをご参照下さい。 http://beetech.web.infoseek.co.jp/products/material.html Page 1

新製品情報 [デバイスモデリング教材] 太陽電池モデル編 [デザインキット] D級アンプ回路

Page 3: Bee Style:vol.005

trr: 逆回復時間の名称です。trr=trj+trbの関係があります。trrについては、Bee Style:vol.002をご参照下さい。RCC: Ringing Choke Converter

では、ショットキバリアダイオードは重金属の為、逆回復時間はゼロと見なし、TT=0とする事が多いのですが、最近(2007年頃)では、半導体企業によっては、trrをデータシートに記載しています。その場合は、trrの値からモデルパラメータのTT値を算出し、モデルに反映する事もあります。現在では、多くのアプリケーションにショットキバリアダイオードが採用されています。

 ショットキバリアダイオードの場合、Si(シリコン)デバイスのみではなく、SiC(シリコンカーバイド)もスパイスモデルのご提供が可能です。お問い合わせ下さい。

 SiCデバイスは、米国を始め、欧州でも実用化され、回路にも部分的に採用されるようになりました。また、日本国内でもSiCのショットキバリアダイオードは、注目され、任意の回路にて、SiデバイスとSiCデバイスで損失計算や、周辺回路のデザインに回路解析シミュレーションを行うお客様も2007年頃から増えてきました。たしかにSiCデバイスはシミュレーションでも損失は小さく、省エネ(高効率)に貢献出来るデバイスだと確信しております。また、SiCでは、下記のデバイスのモデルを提供しております。

 SiC SBD SiC JFET SiC MOSFET SiC BJT(Bipolar Junction Transistor)

 1998年に私は前職の会社(新電元工業株式会社)でサプライヤ企業(半導体メーカー、受動部品メーカー、合計18社)の協力を得て、RCC電源回路の全体シミュレーションに取り組んでいました。電源IC、パワーMOSFET、ダイオード、電解コンデンサ、トランス、フォトカプラ等を集めたり、モデル化していました(この取り組みは、IBISサミット:米国、EIAJ(現JEITA:日本)で発表しました)。フォトカプラのスパイスモデルとの出会いはその頃です。単純なInput:ダイオード、Output:トランジスタです。ダイオードからトランジスタへの伝達特性は、CTRを関数で組み込む事で表現された等価回路モデルです。その時代と現在(2009年)を比較すると、フォトカプラも多様化し、採用されるアプリケーション回路の種類も増えてきております。

 Fig.2にビー・テクノロジーが実績のあるスパイスモデルの回路シンボル図を示します。また、Fig.2に無いデバイスの種類でもモデリング可能なものもありますので、お問い合わせ下さい。Fig.2は東芝セミコンダクター社のデータシートの回路図シンボルを抜粋しています。今回は、TLP350を事例で示していきます。TLP350は、分類では、東芝フォトカプラGaAlAs LED+フォトICです。使用用途は、汎用インバータ、エアコン用インバータ、パワーMOSFETのゲートドライブ、IGBTのゲートドライブ、IH応用です。特にIGBT及びパワーMOS-FETのゲート駆動用に適しています。

Page 2

フォトカプラ 等価回路モデル

Fig.1 等価回路図(SBD)

I(V_Ifwd)-V(I_rev)

V_Irev0Vdc

Vrev Vr_small

R2

10M EG

0

I_rev0

R3

10M EG

E1IF(V(A,K)>0, 0,V(A,K))

EVALUE

OUT+OUT-

IN+IN-

D1DMA2SD10

R1

10M EG

E32.0665e-9*(-V(Vrev))*(-V(Vrev))*(-V(Vrev))-2.3679e-8*(-V(Vrev))*(-V(Vrev))+5.2771e-7*(-V(Vrev))+0.3654e-6

EVALUE

OUT+OUT-

IN+IN-

V_Ifwd0Vdc

IN2

Vrev1 I_rev

0

E2

V(Vrev)ETABLE

TABLE = ((-0.1,1.0) (0,0))

OUT+OUT-

IN+IN-

V_V_I0Vdc

IN1

A

K

D2DMA2SD10

E4V(I_rev0)*V(Vr_small )-(-I(V_Irev))

EVALUE

OUT+OUT-

IN+IN-

E6

IF(V(A,K)>0, V(A,K),0)

EVALUE

OUT+OUT-

IN+IN-

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現在、ビー・テクノロジーでは、トランジスタ出力の通常のフォトカプラの場合、以前は納期が4週間でしたが、現在は2週間まで短縮出来ました。また、電流伝達率(CTR)特性につきましてもモデルの解析精度も向上致しました。是非、お問い合わせ下さい。お問い合わせ先: [email protected]

 デバイスモデリングを行う評価項目は以下の通りです。(2)以下、 Characteristicsを紙面制約上省略します。

(1)LED IV Curve Characteristics   (2)Low Level Output Voltage (3)High Level Output Voltage(4)Low Level Output Current(5)High Level Output Current(6)Low Level Supply Current(7)High Level Supply Current (8)Propagation delay Time (9) Common Mode Transient Immunity (CMH)(10)Common Mode Transient Immunity (CML)

  Propagation delay TimeをFig3に掲載します。

T i me

0s 1 . 0us 2 . 0us 3 . 0us 4 . 0us1 V( VO) 2 I ( I 1 )

0V

14 . 4V

28 . 7V1

0A

2. 5mA

5. 0mA2

>>

     Fig.3 シミュレーション結果

Page 3

Photo coupler Symbol

Fig.2 デバイスモデリング実績のある回路図シンボル

0

NC

NC

NCA

K

VCC

VO

GND

U1

TLP350

VO R1

20

I1

TD = 0.5UTF = 1nPW = 2uPER = 10u

I1 = 0I2 = 5mTR = 1n

V4

30

CI

0.1u

C1

10n

R2

1

0

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デザインキット 擬似共振電源回路 ~エコ設計で注目される回路方式~

発売予定日:2009年9月中旬 価格:未定

擬似共振電源回路及びFA5541については、富士時報 Vol.79 No.5 2006の398(54)から401(57)をご参照下さい。ICのブロック図、擬似共振動作の解説(タイミングチャート)、間欠動作波形、電源回路への応用について、非常に詳しく解説しております。擬似共振電源回路の理解に役立ちます。

 今回のご紹介は、「擬似共振電源回路」です。現在、ご提供している電源回路のデザインキットは下記の5回路方式です。(1)FCC回路(2)RCC回路(3)低損失リニアレギュレータ(4)高精度リニアレギュレータ(5)D級アンプ

です。これらの情報は、ビー・テクノロジーのWEBサイトにてご紹介しております。また、インバータ回路方式群も開発中です。

 今回の回路方式のキーデバイスは、富士電機デバイステクノロジー製品の「FA5541」です。大きな特徴は、待機状態である軽負荷及び無負荷の状態時にスイッチング損失を削減させるため、発振周波数を低下させる機能を持っている。 動作原理は、一次側のPower MOSFETのドレイン電圧を補助巻線電圧で監視し、トランスに蓄積したエネルギーを二時側出力に供給後、共振振動の電圧極小点でPower MOSFETをONさせる回路です。エコ設計に貢献する回路方式であります。

Page 4

Fig.4 擬似共振電源回路図

Ls{Nsp*Nsp*Lp}

1

2

RL3.8

C49900uF

L14.7uH

1 2

C51000uF

IC = 0

VO_19V

C_T1

2200pF

0

C6

4700pF

D24

D23

100V/50Hz

D22

DYG865C15R

D21

C1220uFIC = 0

K K1

COUPLING = 0.98K_Linear

L1 = LsL2 = LpL3 = Lsub

D1

D3SBA60/SDG

V1

FREQ = 50VAMPL = 141.42VOFF = 0

Lsub{Nsubp*Nsubp*Lp}

1

2

U15FA5541

SSIC = 0

ZCD

FB

IS

GND OUT

VCC

NC

VHDERA22-02D5

R124.7

R84.7k

U14TLP281

R14100

RSL1

1m

C121000pF

ESR46.7m

C114700pF

C722pF

R318k

R415k

C82200pF

C92200pF

U12LMV431

R5

10k

DERA15-01D2

R610k

R72k

R17.5k

R15200k

ESR520m

FB

ISR13100k

C233uFIC = 0

0

FB

PARAMETERS:Np = 57Ns = 10

Lp = 360uHNsub = 6

Nsp = {Ns/Np}Nsubp = {Nsub/Np}

DERA38-06D3

ZCD

Cd220pF

Lp{Lp}

1

2

Rp_T10.001

C32200pF

R256k

U12SK3681-01S

Rsns0.22

R1010

R11100

DSC902-2D4

3300uFx3

ESR=20m/3

0

T i me

0 s 5ms 1 0ms 1 5ms 2 0ms 2 5ms 3 0msV( VO_ 1 9 V)

1 6 V

1 8 V

2 0 V2*V( U1 5 : I S) V( U1 5 : F B)

0 V

2 . 5 V

5 . 0 VV( C1 : 1 ) V( U1 5 : VH)

0 V

1 0 0 V

2 0 0 V

SE L > >

V( U1 5 : VCC)1 0 V1 2 V

1 4 V1 6 V1 8 V

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 キーデバイスは、ICです。このデザインキットの開発プロセスの80%がICのデバイス・モデリングに費やしております。後は、Power MOSFET、トランス、フォトカプラになります。動作原理の通り、トランスがありますので、このシミュレーションでトランスの設定値をパラメータ化し、活用しやすくなるように工夫しております。2009年9月中旬にはWEBサイトで詳細情報を公開致します。また、シミュレーション設定である.ICについて(Fig.5)も解説しています。これらの情報により、回路解析シミュレーションがスムーズになります。デザインキットで何が出来るのか?評価項目は下記の通りです。

1.Quasi-Resonant Switching Power Supply 19V/5A1.1 Output voltage1.2 Output current1.3 Output ripple voltage1.4 Step-load response2. Basic operation of switching power supply using FA55413. Start-up sequence simulation4. Bridge diode peak current at start-up5. Transformer6. Transformer leakage inductance

7. RCD Clamping network8. Power MOSFET switching device9. Schottky barrier diode D21 and D22 waveforms10. Photocoupler

 各評価シミュレーションに対して、収束エラー対策をしたシミュレーションデータがありますので、収束問題も解決済みです。

 エコ設計に期待されている回路方式です。是非、このデザインキットをご活用下さい。

[開発スケジュール]

詳細情報WEB公開:2009年9月8日発売日:2009年9月10日

[備考] 大規模回路(ICの等価回含む)、トランス、インダクタンス(コイル),急変動作時にはSPICEは解析時に収束問題が発生する事が多いです。デザインキットは、収束問題をあらゆる角度から回避及び解決していますので、安心してご活用出来ます。

Fig.5 事例 .ICの最適設定Page 5

Ls{Nsp*Nsp*Lp}

1

2

RL3.8

C49900uF

L14.7uH

1 2

C51000uF

IC = 0

VO_19V

C_T1

2200pF

0

C6

4700pF

D24

D23

100V/50Hz

D22

DYG865C15R

D21

C1220uFIC = 0

K K1

COUPLING = 0.98K_Linear

L1 = LsL2 = LpL3 = Lsub

D1

D3SBA60/SDG

V1

FREQ = 50VAMPL = 141.42VOFF = 0

Lsub{Nsubp*Nsubp*Lp}

1

2

U15FA5541

SSIC = 0

ZCD

FB

IS

GND OUT

VCC

NC

VHDERA22-02D5

R124.7

R84.7k

U14TLP281

R14100

RSL1

1m

C121000pF

ESR46.7m

C114700pF

C722pF

R318k

R415k

C82200pF

C92200pF

U12LMV431

R5

10k

DERA15-01D2

R610k

R72k

R17.5k

R15200k

ESR520m

FB

ISR13100k

C233uFIC = 0

0

FB

PARAMETERS:Np = 57Ns = 10

Lp = 360uHNsub = 6

Nsp = {Ns/Np}Nsubp = {Nsub/Np}

DERA38-06D3

ZCD

Cd220pF

Lp{Lp}

1

2

Rp_T10.001

C32200pF

R256k

U12SK3681-01S

Rsns0.22

R1010

R11100

DSC902-2D4

3300uFx3

ESR=20m/3

0

IC=139

IC=10.19(Value less than

VCCON)

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道具箱gunplot

 私がgunplotと出会ったのは最近(2008年12月)です。私は学生時代にはMathmaticaを研究室で使用していました。2008年10月に研究所の技術者に数式を可視化し、センス向上に使えないかと考えていました。デバイスモデリング技術のコアは、等価回路のスキルです。しかし、デバイスを扱う為、物性の数式を理解する事は大切な事です。しかし、複雑な数式が多く、頭の中で描くのは大変な事です。よって、関数を可視化する事で、イメージ力を向上させようとツール(道具)を探している時に、お客様との会話の中で、このツールの存在を知りました。

 実務書もAMAZONで検索すると、数冊あります。先ずは1冊選択し、一連のチュートリアルを体験しました。2次元、3次元の可視化も出来、使いこなせれば、良い道具になると思います。このソフトはフリー・ソフトです。WEBで検索すると、かなりのユーザー事例があり、参考になります。オペレーションは非常に簡単です。主にコマンド+可視化させたい関数を入力するだけです。難点は、起動時にフォントのサイズを14くらいにしないと表示画面が見えないことです。デフォルトで14ポイント程度でコマンド入力の文字表示が出来れば完璧です(ただたんに私が知らないだけかも知れません)。

 2009年2月より、このツールに関して、社内にて、勉強会を開催し、全てのエンジニアが使用するまでになりました。ご参考までに3つの可視化した画面を掲載します。

ご参考URLはこちらです。 http://www.gnuplot.info/ 

参考事例(1) gunplot> splot x**2+y**2

(2) gunplot> splot x*sin(x+y)

(3) gunplot>splot 1/(x*x+y*y+5)*cos(0.1*(x*x+y*y))

Bee Style: Volume 0052009年9月3日 発行編 者:株式会社ビー・テクノロジー発行人:堀米 毅郵便番号105-0012 東京都港区芝大門1-5-3 大門梅澤ビル3階Tel (03)5401-3851 (代表)Fax (03)5401-3852電子メール [email protected]

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数式を可視化し、理解を深め、イメージを掴む。

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