8
Amazon S3 に対するデータコアのストレージ階層化 はじめに ソフトウェア駆動型アーキテクチャの強みの 1 つは、さまざまなハードウェア プラットフォームに またがるソフトウェアの相互運用性です。また、これは他のソフトウェア駆動型アーキテクチャと の相互運用性に関しても同様です。 このマルチパート シリーズでは、データコア製品と Amazon Web サービス(AWS)プラットフォ ーム内のさまざまなレイヤーとの相互運用性について扱います。第 1 部では、まず、AWS Storage Gateway を介した、データコアのストレージ自動階層化機能と Amazon S3 のリンクにつ いて説明します。この概要は、包括的な技術的実装ガイドとなるように書かれたものではなく、 確立した業界標準に基づいてこれら 2 つのテクノロジがどのように連携するかを簡潔に説明し たものです。 データコアのストレージ自動階層化機能の詳細については、データコアの Web サイト またはこ 3 分ほどの短い ビデオ をご覧ください。 アーキテクチャの概要 スタックのさまざまなコンポーネント間の関係をまず理解しましょう。下の図は、Hyper-V を利用 してゲストの AWS Storage Gateway VM をデータコアのストレージ エンジン上に直接ホストする 場合の基本的なアーキテクチャを示したものです。

DataCore Storage Tiering to Amazon S3

Embed Size (px)

Citation preview

Page 1: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

Amazon S3 に対するデータコアのストレージ階層化

はじめに

ソフトウェア駆動型アーキテクチャの強みの 1 つは、さまざまなハードウェア プラットフォームに

またがるソフトウェアの相互運用性です。また、これは他のソフトウェア駆動型アーキテクチャと

の相互運用性に関しても同様です。

このマルチパート シリーズでは、データコア製品と Amazon Web サービス(AWS)プラットフォ

ーム内のさまざまなレイヤーとの相互運用性について扱います。第 1 部では、まず、AWS Storage Gateway を介した、データコアのストレージ自動階層化機能と Amazon S3 のリンクにつ

いて説明します。この概要は、包括的な技術的実装ガイドとなるように書かれたものではなく、

確立した業界標準に基づいてこれら 2 つのテクノロジがどのように連携するかを簡潔に説明し

たものです。

データコアのストレージ自動階層化機能の詳細については、データコアの Web サイト またはこ

の 3 分ほどの短い ビデオ をご覧ください。

アーキテクチャの概要

スタックのさまざまなコンポーネント間の関係をまず理解しましょう。下の図は、Hyper-V を利用

してゲストの AWS Storage Gateway VM をデータコアのストレージ エンジン上に直接ホストする

場合の基本的なアーキテクチャを示したものです。

Page 2: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

データコア側から見れば、AWS Storage Gateway は、キャッシュ型ボリュームと呼ばれる RAW ボリュームを提供する iSCSI ストレージ ターゲットにすぎません。これらの iSCSI ターゲット ボリ

ュームは、いったんデータコア側から検出され、データコア プールのメンバーになったら、エン

ジンにアタッチされた他のあらゆるディスクと同様に 1 つのストレージ階層になります。

下の図は、完全なエンタープライズ デプロイメントの詳細を示したものです。データコア製のスト

レージ ボリュームを利用する任意の内部または外部システムでは AWS ストレージ階層を活用

できます。

Page 3: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

重要な作業から先に

作業に取りかかる前に、まず、データコアのストレージ エンジンが稼働していて、Amazon AWS アカウントが有効になっている必要があります。

AWS 側の作業から始めます。AWS アカウントにログインしたら、左上隅にあるオレンジ色の立

方体アイコンをクリックします。Amazon Web サービスの完全なメニューが表示されます。そこか

ら [Storage and Content Delivery] セクション下の [Storage Gateway] オプションをクリックします。

まず、ゲートウェイの種類を選択します。高速アクセスを実現するためにデータのローカル コピ

ーを保持する必要があるので(キャッシュ型ボリュームと呼ばれます)、ゲートウェイの種類は [Cached volumes] に設定する必要があります。

Page 4: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

次は、ローカルのデータコア製エンジンのストレージ ゲートウェイおよび iSCSI ターゲットとして

機能する仮想マシンの種類を選択します。

該当する仮想マシンの種類を選択し、それに対応する [Download <仮想マシン名>] ボタンをク

リックします。Hyper-V はデータコア製エンジン上に直接常駐して低レイテンシ アクセスを実現

できるので、この記事では、Hyper-V 内で動作する AWS Storage Gateway VM の例を示します。

ダウンロードが完了したら、Hyper-V マネージャーを使って VM を Hyper-V にインポートします。

Page 5: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

最後の手順

インポートが完了したら、VM を変更して仮想ディスクを少なくとも 2 基追加します。一方のディ

スクはアップロード バッファーに使用され、もう一方は(データがローカルに存在する)キャッシ

ュ ボリュームに使用されます。この設定が完了したら、VM を起動します。VM のオペレーティ

ング システムが起動され、AWS への接続とイニシエーターへの iSCSI ターゲット アクセスの提

供に必要なすべてのサービスが読み込まれます(イニシエーターは、ストレージ ボリュームをデ

ータコア製エンジン上にマウントするために後で使用されます)。

VM コンソールにログイン プロンプトが表示されたら、デフォルトの資格情報(sguser、sgpassword)を使ってログインします。ゲートウェイの静的 IP アドレスを構成するか、割り当てら

れている DHCP アドレスを取得する必要があります。これは次の手順で使用されます。

AWS Web インターフェイスで、AWS Storage Gateway VM の IP アドレスを入力します。このア

ドレスは、おそらく社内ファイアウォールの背後のプライベート アドレスになります。続行するに

は、[Begin Activation] ボタンをクリックします。

Page 6: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

アクティベーションが完了したら、アップロード バッファーとキャッシュ ボリュームに使用するディ

スクを指定する必要があります。使用可能なディスクの選択肢は、先ほど VM のインポート時に

作成した 2 つのボリュームに一致しなければなりません。

必要であれば、キャッシュ型ボリュームの iSCSI CHAP 認証パスワードを構成することもできま

す。

これで、ゲートウェイの iSCSI ターゲットとキャッシュ型ボリュームが使用可能になりました。ボリ

ュームをアタッチするには、iSCSI コントロール パネルを開き、ゲートウェイのローカル IP アドレ

スに接続するだけです。

Page 7: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

iSCSI インターフェイスが接続状態で表示されたら、データコア製エンジン上のディスク管理イ

ンターフェイス内から再スキャンを実行します。これで、ボリュームがデータコア側から見えるは

ずです。最後に、AWS キャッシュ型ボリュームをディスク プールに追加します。

Page 8: DataCore Storage Tiering to Amazon S3

キャッシュ型ボリュームがプールに追加されたら、プール内の他のディスクを基準とする相対的

なディスク階層値を適切に設定します(通常、これはプール内の最後の階層になります)。これ

で、新しい AWS S3 階層が実稼働環境で使用できるようになりました。

単一のデータコア製エンジンを使用する場合は、ディスク プール ミラーリングを使ってキャッシ

ュ型ボリュームの冗長性を強化することができます。それには、元のキャッシュ型ボリュームとま

ったく同じサイズの別のキャッシュ型ボリュームが別の AWS Storage Gateway VM から必要に

なります。HA 構成のデータコア製エンジンを使用する場合は、エンジンごとに 1 つのゲートウ

ェイを導入でき、それらの間で同期ミラーリングが行われます。どちらの場合も、リージョン ゾー

ンおよび可用性ゾーンの異なる 2 つのゲートウェイをリンクして、サービスの多様性を実現する

ことができます。

まとめ

これで概要の説明を終わります。ストレージ ゲートウェイの構成に関連する詳細については、

『AWS Storage Gateway ユーザーガイド』の「ご利用開始にあたって」セクション(こちら )を参照

してください。